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更新日:2014年6月20日
平成24年(2012年)8月30日(木曜)午後1時30分から午後4時35分
県庁 教育委員会室
議第1号 職員の処分について
議第2号 平成25年度義務教育関係諸学校教育職員等人事異動方針について
議第3号 平成25年度高等学校教育職員人事異動方針について
議第4号 平成25年度県立高等学校教員と公立中学校教員との人事交流に関する基本要綱について
議第5号n長野県生涯学習審議会委員の委嘱(任命)について
(1)「非違行為防止強化月間」における学校の取組概要について
(2)教職員評価の実施結果について
(3)平成24年度全国学力・学習状況調査結果の概要について
その他
委員長 矢﨑 和広
委員長職務代理者 耳塚 寛明
委員 高木 蘭子
委員 生田 千鶴子
教育長 山口 利幸
市川教育次長、荒深教育次長、田中教育総務課長、笠原義務教育課長、田中高校教育課長、
成沢特別支援教育課長、武田教学指導課長、澤井心の支援室長、阿部文化財・生涯学習課長、
松野保健厚生課長、原スポーツ課長
矢﨑委員長
ただいまから第946回教育委員会定例会を開会いたします。 はじめに、本日、野村委員から所要のため欠席する旨の報告がありました。なお、過半数の委員の出席を得ていますので、地方教育行政の組織及び運営に関する法律第13条第2項によりまして、本会議は有効に成立していることを申し添えます。
議事に入ります。本日の審議事項中、議第1号「職員の処分について」は、特定の個人に関する情報が含まれている案件です。つきましては、議第1号を非公式で審議することが適当と思われますが、御異議ございませんか。
全委員
異議なし。
矢﨑委員長
御異議がないようでありますので、議第1号につきましては非公開で審議することと決定をいたします。なお、議第1号の審議につきましては、本日の最後に行うことといたします。
それでは、最初に議第2号「平成25年度義務教育関係諸学校教育職員等人事異動方針について」、笠原義務教育課長から説明してください。
笠原義務教育課長
(資料説明)
矢﨑委員長
説明がございました。このことにつきまして、御意見、御質問がありましたら発言をお願いいたします。生田委員どうぞ。
生田委員
お願いいたします。とても素朴な質問なのですけれども、1ページの今年度から追加されたという一番下、「少なくとも3ブロックを経験するものとする」と書かれてありますけれども、この3ブロックを経験しなければいけないという必要性はどういうことなのかということ。全国でも全県でこのように異動しなければいけないところは多いのか。それともそうではなく、例えば長野県であれば4ブロックあると思うのですけれども、その4ブロック内で異動をやっているような、そういった狭い範囲での異動でやっている自治体等が多いのか。そして、全県でやらなければいけない必要性があるのかについてお伺いしたいと思います。
矢﨑委員長
課長。
笠原義務教育課長
はい。まず、長野県につきましては、その教員の配置について全県に教員を配置するということを基本方針として行ってきております。そういう中で、御存知のように教員の数を見てみますと、出身地あるいは本拠地でございますけれども、教員が多い地域と、教員が少ない地域とがございます。私どもの教員の配置の大きな使命といたしますと、全県に一定の教育水準を保証するということがございます。したがいまして、教員が少ない地域にも教員を配置するということが必然に求められるわけでございます。そのため、教員を配置することを考えたときに、出身ブロック以外のところにも配置をさせていただいて、そこで研修を積んでいただくと、そういうことが1点ございます。
次に、全国的にどういう傾向であるのかということでありますが、例えば岩手県の例などを出させていただきます。同じように地理的に特色のある地域を持った県でございまして、県の中でいくつかの地域に勤務をしましょうということを、方針として持っています。
なお、地理的に比較的小さいくまとまっている全県通勤が可能というような県もございます。お隣の山梨県は、そういう状況なのかなと思います。長野県の場合は大変広いというよう地域的な特色もございまして、そのようにさせていただいているところでございます。
なお、その制度については、より良い制度を求めて検討をしていく余地は常にあると思っているところでございます。
矢﨑委員長
よろしいですか。どうぞ。
生田委員
今御説明いただいた内容はよく理解はできるのですけれども、全県でやることによる弊害等もあるかと思うのですね。例えば4ブロックに分かれて採用ということを考えると、どうしたら4ブロックで人的な問題を解決しなければいけないのかといった、また、そこで新しい考え、知恵が出てくるかと思うのですけれども、ずっと全県で行くことでいいのかということで、ちょっと問題提起をさせていただきたいと思います。
矢﨑委員長
はい。
笠原義務教育課長
ありがとうございました。やはり、採用に関わる仕組み等も含めまして、そうした検討の余地というのは、これは繰り返しになりますけれども、やはり常により良い制度を求めて検討していくということは大切と考えているところです。ありがとうございました。
矢﨑委員長
どうぞ。
生田委員
すみません。そう思ったいくつか理由があるのですけれども、その1つとして、例えば何か不祥事を起こした先生を遠くにやって分からなくするという、そんな雰囲気とか、実際に県民の方も感じて、保護者も感じている感覚ではないかと思うのです。そういったと捉え方をされることもあるということを、ちょっと頭の片隅にでも置いていただければと思います。そういう誤解。もし、誤解であるとすれば、誤解が生じるような何かがあるのかということもありますので、そこも考えていただければと思います。
矢﨑委員長
ありますか、はい。
山口教育長
今の生田委員の御発言は、教員の資質向上・教育制度あり方検討会議がスタートして、それぞれの専門部会もスタートしたところがあるわけですけれど、その中で不祥事の教員の異動に伴って引き継いでいく、伝えていくことの重要性というのは、いろいろな形で御発言がありました。それがしっかりと担保されれば、広域で異動して、それで分からなくなってしまうという、そういう懸念はなくなると思っています。そんな議論を一方でさせていただいておりますので申し上げます。
矢﨑委員長
どうぞ。
生田委員
あと1点なのですけれども、あり方検討会の専門部会で採用人事の専門部会もあったかと思うのですけれども。
山口教育長
はい。来週あります。
生田委員
せっかく有識者の方が集まって採用人事について御審議いただく中で、この平成25年度のこの人事異動方針、今いただいた案ですけれども、今これでよしということになると、もう25年度はこれで決まってしまうということですよね。となると、せっかく来週、採用に関して外部の方の貴重な御意見をいただく中で、25年度はその方々の審議結果によっては、この方向性とは違うようなことを提言されるケースもあるかと思うのですね。そのときに、25年度はもう決定したので取り入れられないということであることは、大変貴重な意見を反映できないということでもったいないなと思うのですけれども、この専門部会等の兼ね合いはどうなっていくのかについてお伺いしたいと思います。
矢﨑委員長
課長。
笠原義務教育課長
これは、25年度の人事異動方針ということで今お話をさせていただいております。専門部会等で御審議をいただきました内容につきましては、それを大事に受け止めさせていただいて、検討させていただくと承知をしているところでございまして、やはりその検討については相当程度慎重にされていくと思っております。そういうことで、このまま25年度末の人事異動にそれを反映するというのは、時間的にも難しいところかと。ただ、御指摘いただいた内容については大事に考えさえていただいて、次年度に向けての検討等には十分に反映させてと思うところでございます。
矢﨑委員長
いいですか。どうぞ。
生田委員
次年度ということは、平成26年度から反映させていくということですかね。
田中教育総務課長
よろしいでしょうか。
矢﨑委員長
課長どうぞ。
田中教育総務課長
25年度のこの人事異動方針というのは、25年4月1日の異動なので、今年の11月から作業していかなければいけないことになりますので、今日こうやって御審議をお願いしているところです。毎年この時期にお願いしているので、部会の方の検討から親会議の方で検討、人事採用の部分は今年度末になってしまうスケジュールです。そういう意味では、いただいた御意見の中で実際の人事に当たって対応できるようなものが方針とは別にあれば、それは考えられる部分もあるかもしれませんけれども、来年の4月1日に向けての基本的な方針はここで決めさせていただいて、取りかからせていただきたいということでございます。1年後の26年4月1日のものに向けては、当然来年のこの時期に異動方針を御議論いただくときには、当然、検討会議での提言等を踏まえた形のものになってくると考えているところです。
矢﨑委員長
はい。どうぞ。
耳塚委員長職務代理者
1つは質問で、1つは要望です。こういう人事異動の方針を考える際に、教員の、例えばですけれども、年齢別あるいは性別の構成というのがどういうふうになっているのかということが、実は背景にあると思います。
私自身、しばらく前になりますけれども、ある市について性別・年齢別の構成を学校別に調べてみたところ、ものすごく大きな偏りがあって、しかもそれが市の中のいわば中核校に行けば近いところほど年齢が比較的高く、また男子の教員率が高いという傾向がありました。それは、必ずしも教育上の理由から異動がなされているというよりは、むしろ教員のキャリア等の影響の方が大きいかなと思われました。やはり、この点は確認しておきたいことでして、これは意見交換会の折りでもいいかもしれませんけれども、一度データを御提示いただければと思います。
それから、これはどの県でもほぼ共通して言えることですけれども、ここ10年ぐらいの間はベテラン教員が続々といなくなっていく時期で、ノウハウの世代的な伝達というのは非常に重要な課題になっていると思いますけれども、それがこの人事異動方針にどういう形で反映されていくか。そういう課題意識が反映されているのか。2つ目は質問でございます。
矢﨑委員長
では、御要望は御要望でお答えしてください。次の交換会か何かに今のデータを出すようにしてもらって、意見についてお答えください。
笠原義務教育課長
御質問いただきました後半に関わってでございますが、別記といたしまして、山間地における教育強化のためのということで入れてございます。これは例でございますけれども、やはり山間地の中堅教員の確保というのは大きなテーマになります。そのことについて、これは校長が配置原案を作っていくわけでございますけれども、そこに教育委員会との緊密な連携のもとに努力をして、山間地に赴くそうした機会を入れて、そうした教員の配置ができるように努めていこうということは、このように大事に考えさせていただいているところでございます。
ただ、先生が御指摘のように、やはり学校によって職員構成に違いが出ているというようなことは実際にあるわけでございまして、その辺りは配置上の非常に大きな課題になっていることは実際にございます。
矢﨑委員長
他に御意見、御質問がありましたら。 今、耳塚委員の指摘された中で、生徒のためとかより良い学校にするためという理由と別に、先生方のご都合というか本人の希望といいますか、事情調査という言い方をしていますが、長野県はそういう先生方の都合の方が優先されているのではないかという意見もあるのですね。
だから、そういうことも含めて、今、耳塚委員が言われたのは、出た結果がきちんとそれぞれの学校や地域にとってより良い内容になっているかどうかということを証明するためには、最初に耳塚委員が言ったようにデータが必要だと。そうでないと、山間部は若い世代の先生ばかりで、中心部になると年寄りの先生ばかりとか、どこに基準が置かれた配置なのかということにきちんと答えるための内容を出していただきたい。そういうことでお願いします。
笠原義務教育課長
はい。
生田委員
すみません。
矢﨑委員長
どうぞ。
生田委員
校長先生で、例えば50代で校長先生になられる方が多いと思うのですけれども、例えば56歳で校長先生になられると、あと4年で退職ということです。ある学校に転任されてもあと2年。さっきもちょっと話に出ましたけれども、最終的には地元に校長先生が帰るという、そういうシステムがあるのではないかというような話も聞いたりもするのですけれども、そうすると駆け足で2年やって、2年最後には地元に戻るという。そんな先生の異動を目にしたりすることがあるのですけれども、地域の方や保護者とすればしっかりそこで4年、5年と腰を下ろして学校経営をしてほしいというのが保護者や地域の願いだと思うのです。遅く校長先生になられると駆け足でトントンと行っちゃうような、最後には地元に帰ると、そんな雰囲気もあるのではないのかなと思うのですが、そこのところはどうなのでしょうか。
矢﨑委員長
課長。
笠原義務教育課長
特に、校長の配置についてということでございますが、校長の配置については、まさに全県的な立場に立って適材適所にということを原則にさせていただいております。もちろん、昇任の年齢によりまして勤務が可能な期間が限られますので、その間どういう形で勤務をしていただくかというのは大変大きな課題にはなるわけでありますが、今御指摘いただきましたように、その地域へ入って地域の課題とあるいは学校の課題に向き合う、そういう形で実践を積んでいただく、実践することができるようにする、そういうことは配置の上で大事に考えて取り組ませていただいております。
矢﨑委員長
どうぞ。
生田委員
最後に要望なのですけれども、やはり校長先生は学校経営をするとても大切なお立場ですので、最低は4年ほど続けていただいて、しっかり学校の経営、そして教職員をまとめることに尽力していただきたいと思います。
矢﨑委員長
要望。今2.8年でしたか、平均。
笠原義務教育課長
はい。3年弱です。
矢﨑委員長
3年弱ですね。それは高校も同じくらいですか。
田中高校教育課長
今年異動した校長は、2.4年でありました。
矢﨑委員長
では、高校の方がもっと短い。義務教育は、確か2.8年か何かでしたよね。何かで見させていただいて。後の方でお聞きしてもよかったのだけれども、義務教育は8年が限度で変えますよね。その上限、1か所に8年くらいを限度にしたいと。高校はどうでしたか。
田中高校教育課長
7年でカードを出すという形です。
矢﨑委員長
他に御意見、御質問がありましたら。どうぞ。
高木委員
これからいろいろ考えていくべきことかもしれないのですけれども、例えばの話、一般の教員だと4ブロックに分けたときのブロック内で動く人というのはかなり多い。これは先生の希望でしょうか、ちょっと分かりませんが。そういう人が多いような気がしています。校長・教頭になれば、もっと広い範囲で動くことが当たり前かもしれませんけれども、例えばそういう形である程度4ブロックなり、あるいは広域の中でとか、そういう形で例えば採用から人事配置からやるとすれば、どういう弊害が出てくる。あるいは、どういう不都合があってなかなか実現できないのだということがありましたら、ちょっとお聞きしたいのですけれども。
矢﨑委員長
質問は分かりますか。
笠原義務教育課長
基本的には最初に全県に配置をさせていただくのが原則で、したがって、初任で配置をさせていただくときには、そのあたりは広く考えさせていただいて、配置をするのが原則でございます。ただ、それぞれに事情等もございますので、そうしたことについては配慮すべきところは配慮するという形で配置をしております。
また、先ほど申しました地域間の事情もございますので、それに対応するという形で教員を配置します。したがいまして、地域によって教員が非常に多いところと少ないところがありますので、そこのところのバランスを、丁寧に取らせていただくことを大事に考えております。
矢﨑委員長
どうぞ。
高木委員
今は、県教委が一本で採用しているからそういう形になって、配置ももちろん最初にどこの地域に赴任したいかという希望は聞かないで採用するわけですよね。それで、これから課題になるのは、採用から含めて人事権一切を例えば広域なりブロックなり、そういう形にしようではないかという考え方とか意見とかたくさんあるわけですよね。そういう条件を考えていくときに、もし採用から人事配置がそういうふうにブロックごとなり何なりに分かれてしまったらどうだろうかと。例えば北信ブロックで、そういう形になった場合ですよ、例えばの話、採用されたら北信以外のところへは行かないわけですよね。そういうことに、これはもしですし、今やっていないことだからお答えになれなければそれはいいのですけれど、考え方としてどんな弊害あるいは不都合があるかということをお聞きしたいわけです。
矢﨑委員長
はい。
笠原義務教育課長
答えになるかどうか分からないのですけれども、やはりブロック単位での採用ということを仮に考えていくと、ブロックを越えた更に広域の調整機能を整えることが、やはりこれが必須ではないかと考えています。したがって、中学校で例えば教科制がございますけれども、ある教科の教員があるところで不足するとか、あるいは多くなってしまうとか、そういう。これは、分かりやすい例といえば分かりやすいのですが、やはりブロックを越えた形で人的な交流をすると。
あるいは、先ほどの研修ということを申しましたけれども、全県的に異動をする中で、例えば研修を更に深めていくというようなことは、これはとても大事に考えていくことですので、ブロックを超えたところでの調整機能ということを整えていくこともが1つ大きな課題になるのではないかと考えております。
矢﨑委員長
どちらにしましても、先生方の異動は県民にとっても子どもたちや保護者にとっても大きな関心事で、いろんな意見が教育委員のところにも来ているのですね。そういう意味では、さっき課長が言ったように、いつでもより良いものを求めて変えていくことが大事だと思うので、検討会議の中で議論されるだろうと思っています。中には、今の校長人事がいかがなものかというような御意見もありますし、もっと県教委がイニシアチブを取ってやってもいいのではないかと。こういう御意見も私のところには来ております。いろんな意見があると思うので、結構大きな、教育の充実という意味では大きなテーマになりますので、また検討委員会の中でも御議論いただければ、してもらうテーマかなと思っています。
次に進んでよろしいでしょうか。それでは、議題2号を原案のとおり決定したいと思いますが御異議ございませんか。
全委員
異議なし。
矢﨑委員長
御異議がないようでありますので、議第2号を原案どおり決定いたします。 次に、議第3号「平成25年度高等学校教育職員人事異動方針について」、田中高校教育課長から説明してください。
田中高校教育課長
(資料説明)
矢﨑委員長
ただいまの説明につきまして、御意見、御質問がありましたらお願いします。生田委員どうぞ。
生田委員
お伺いいたします。2ページなのですけれども、公募ということなのですが、これは管理職も含めての公募でしょうか。
田中高校教育課長
管理職は公募ということはありませんで、これは教員の方です。学校の方でこういう人が欲しいというように案内を配りまして、そして教員が応募をし、その学校の校長と面接をして、ぜひというような形で、その方の意欲を引き出そうと、こんな形でございます。
矢﨑委員長
どうぞ。
生田委員
大阪府などでは管理職も公募しているので、長野県もそういった方向に行くのかなと思いまして、ちょっと御質問させていただきました。
それと、他県との人事交流ということなのですけれども、先ほどの議題と関係するのですけれども、義務教育は他県との人事交流というのは明記されていなかったかと思うのですけれども、先ほど4ブロックでやった場合の問題点の1つとして、そういった教員の確保ということがあったのですが、であるとすれば長野県は多数の県と隣接しておりますので、義務教育も可能性として他県との交流ということを考えれば、そういったことの解決の1つにもなるのかなということを、1つ提案させていただきます。
矢﨑委員長
お答えできますか。義務教育における他県との交流ということの考え方。
笠原義務教育課長
双方にとってやはり研修という点を考えて、意味あることだと考えられるような場合等については、検討していく余地というのはあるのかなとは考えます。
矢﨑委員長
特に、具体的に何か考えているわけではないですね。
笠原義務教育課長
ええ。現在はございません。
矢﨑委員長
高校の考え方の質問と答えがちょっと違うので、ここで言う公募は、現状の教員たちに対してどこへ行って何をしたいかという公募をするということですよね。生田委員が言われたのは、一般の方たちが先生になりたいという公募だから。
田中高校教育課長
はい、そういう意味です。
矢﨑委員長
そういう意味ですよね。他に御意見、御質問がありますか。それでは、議第3号を原案どおり決定したいと思いますが御異議ございませんか。
全委員
異議なし。
矢﨑委員長
御異議ござませんので、議第3号を原案のとおり決定いたします。
次に、議第4号「平成25年度県立高等学校教員と公立中学校教員との人事交流に関する基本要綱について」、笠原義務教育課長から説明してください。
笠原義務教育課長
(資料説明)
矢﨑委員長
去年とほぼ同じ内容でありますが、御意見、御質問がありましたら。それでは、ないようでありますので、議第4号を原案どおり決定するということでよろしいでしょうか。はい。それでは、議第4号を決定いたします。
議第5号「長野県生涯学習審議会委員の委嘱(任命)について」、阿部文化財・生涯学習課長から説明願います。どうぞ。 阿部文化財・生涯学習課長 (資料説明)
矢﨑委員長
ただいまの説明につきまして、御意見、御質問がありましたらお願いいたします。それでは、議第5号を原案のとおり決定したいと思いますが御異議ございませんか。
全委員
異議なし。
矢﨑委員長
御意見がないようでありますので、議第5号を原案のとおり決定いたします。 以上で議事を終わります。
続いて、教育長報告事項に入ります。その1「『非違行為防止強化月間』における学校の取組概要について」、田中教育総務課長から説明願います。
田中教育総務課長
(資料説明)
矢﨑委員長
ただいまの説明につきまして、御意見、御質問がありましたらお願いいたします。生田委員どうぞ。
生田委員
ありがとうございます。7月でしたよね、非違行為防止強化月間というのは。1か月やったにもかかわらず、7月中にも不祥事が起こっていたかと思いますし、翌月でも起こっていた。こういうことをやったにもかかわらず、何故起こってしまうのかといったところを、真剣に見つめていかなければいけないと思うのですけれども。
ざっと小中高で、取組を本当に皆さん一生懸命真摯に考えていただいた取組を、一生懸命やっていただいたというのがすごく感じるわけですけれども、1つ1つ取組を読ませていただくと、すごく息苦しくなってくるというか、本当に圧迫されるような、そんな感じが読み手にも伝わってくるので、多分当事者である先生方もそういった感覚を持ちながら1か月過ごされたのかなと感じます。
そして、この取組を読んでいて感じたのが、例えば2ページの「宣言等の作成・発信」のところの④ですね。「家族からメッセージを添えた決意表明文の作成」で、これはやはり家族の直筆メッセージから自分を戒めるという、そういうことだと思うのですけれども、これと似た、5ページでも大切な人へメッセージを書くと。こういった1つ1つ捉えていくと、先生方の意識はどこへ向いているのかなと疑問を感じました。家族を悲しませないために不祥事を起こさない、そんな感じに伝わってくるのです。本来であれば子どもたち、児童生徒の人権を侵してはいけないというところから、不祥事は起こしてはいけないということにつながっていくべきことではないかと思うのですね。であるとすれば、例えばこの家族からの手紙であれば、逆に保護者から自分の子どもの大切さのメッセージをいただいて、こんなに保護者に思われている子どもたちを預かっている。これはしっかり子どもたちを見つめていかなければいけない、努めていかなければいけないという発想につながることの方が、もっと健全であり息苦しさを感じない、そんな圧迫感を感じないのではないのかなと思うのですね。
小中高と読ませていただいて、人権の大切さ、やはり人権を守ることをしていかなければいけないと特筆されていた部分が1か所、多くて2か所ぐらいですか。これだけあるにもかかわらず、人権を尊重していかなければいけないという発想があまりにも乏しいように思うのですね。やはり法治国家ですし、人権は憲法のベース中のベースで一番大事なところ。守ることを義務付けられているその人権に関して、もっと先生方にしっかり考える機会を持っていただきたい。たとえ小さな子どもたちでも人権があり、わいせつはもちろん人権を侵すことであり、体罰も人権を侵すことで、それは法律に触れることなのだというくらいのやはり感覚を持っていかないと。
この中にありましたけれども、こういういろんな取組、会議やミーティングをやることによって刺激はあると思うのですけれども、刺激はその時はあるかもしれないのですが、時間と共に薄れていくのが刺激だと思うのですね。そういった一過性のものにならないためにも、本当に人権感覚というものをやはり先生方にもう一度しっかり考えていただくことによって、私は不祥事撲滅に大きな成果につながるのではないかと思いますので、よろしくお願いいたします。
矢﨑委員長
はい。
田中教育総務課長
重苦しさといいますか、非常に重苦しい現状の中で取り組んでいただいたものですから、各学校で日頃やっていないことを真摯に考えてやっていただいたと理解しております。
先ほど月間の中でも起きてしまったと、そういう学校からも実績報告はいただいております。そこでもそれぞれ取り組んでおったわけですけれども、結果として何故起きてしまったかということは、今回の実績報告とは別に、それは個別に十分検証していかなければいけないと考えております。
それから、人権の問題は本当に非常に大事な話でございまして、私どもは問題を起こした以外の先生方というのは、基本的に人権意識を持って日頃から対応していただいているものだと信じてやまないわけですけれども、それでもなおかつ侵してしまうときにどうやって個々の教員に注意喚起をするべきなのかということで、それぞれ学校で対応してもらったと思います。そういう意味においては、今後校長会の方ともいろいろ話をしていきたいと思います。
先ほどの自分の御家族の手紙をもらうのがおかしいという御指摘。決してその取組がそれをもって終わったということではなくて、土台の上にそういうこともしながら付け加えたと私どもは理解しているのですけれども、そういう御意見があったということは今後校長会の方でもまた議論をして、伝えて周知をしていきたいと思いますし、また、倫理向上専門部会の方でもまた議論としての提起をしてお願いをしたいと思っております。
矢﨑委員長
どうぞ。
生田委員
ちょっと誤解があってもいけないので言わせていただくのですけれども、家族からのメッセージがおかしいと私は言ったのではなく、家族のメッセージのその出所、思い、意識の問題ですね。家族からのメッセージは、それは1つの対策としてありだと思うのですけれども、やはり家族を悲しませないために不祥事を起こさないという発想自体が、私は問題があるということなのですね。もちろん、不祥事を起こすことによって家族や大切な人に心配や迷惑をかけるのはあるのですけれども、それ以前に目の前にいる子どもたちに不祥事をして傷付けない。それがまず教師としてのそれが前提にないことに、違和感を持ったということなのですね。家族からのメッセージ。それでそれは1つの方策、対策の1つとしてはいいのですけれども、そういうベースに持つ先生方の思いがどこから出ているのかというところに私は疑問を感じて、先ほど質問をさせていただきました。
矢﨑委員長
他に御意見、御質問はありますか。
山口教育長
すみません。
矢﨑委員長
どうぞ。
山口教育長
7月の強化月間。いろいろ課題は残しつつというか、課題を明らかにした部分を含めて課題を残しつつ、全ての学校で取り組んでもらったことに、まず非常に手ごたえを感じたものがございます。特に今までの、例えば校長が注意を喚起するとか、あるいはチェックシートで一人ずつやってもらうという形を一歩脱して、いろんな事例がございましたけれども、熟議方式を取り入れるとか、あるいは様々な意見の本当のところを吸い上げるようなKJ法とかいろいろありましたけれども、そういったものを用いて、日頃からのお互いの関係性のあり方をどうしたらいいのかというものも含めて議論していただいた部分がありまして、手ごたえを感じた部分であります。
それから、生田委員がおっしゃられた人権。真正面から人権に迫っていないという御指摘がありますけど、例えば人権という言葉は使ってありませんけれども、例えば教師としての誇りをもう一回取り戻すためにどうしたらいいのかと、そういうことをやっていまして、これは人権という言葉を使わなくても、そういう発想でやらせてきていただいたと思っています。あるいは人権が得てして何か自分と離れたところにあるというような、そういう抽象概念ではなくて、例えば日々協力して教育活動をやっている人と自分がどういうコミュニケーション、言葉がけ、あるいは日々の職場環境づくりが、自分の安心感や生きがいや不安の、あるいは共同してやるというところにつながるのだという、そういう議論をしていますので、それはやはり今までのものとは違ったものに触れてもらったのではないかなと。
ただ、問題は課題の中にいろいろありましたけれども、時間のない中でこれを持続させて深めていくような、あるいは課題として上がっているようなところをどんなふうに具体的な形としてやっていくか。例えば、ちょっと一例を挙げますと7ページのところで、これは高校の部分でありますけれど、例ということで10項目ぐらいありますが、上から4つ目ぐらいから具体的な行動を探ろうとしている姿勢が非常にいろんな形で強く出ておりまして、これに例えば検討会議の議論というのも御報告する中で、何かこういうものを考えてみたらどうだというそういうものがあれば、それをぜひいただきたいですし、私どもも教育委員会として先ほど課長が申し上げましたけれども、校長会を通じて何かしらそういう1つの解決の行動につながるような提案なり、あるいは一緒に議論をするなりのそういう形が取れればなと、こんな気持ちでおります。だから、こういった動きをとにかくより良い方向に持って行けるようにしていきたいと思っております。
矢﨑委員長
他に何か御意見、御質問がありますか。それでは、以上で教育長報告事項1を終了します。
報告事項2「教職員評価の実施結果について」、田中高校教育課長から説明してください。
田中高校教育課長
(資料説明)
矢﨑委員長
ただいまの報告事項に御意見、御質問がありましたらお願いいたします。どうぞ。
耳塚委員長職務代理者
2つあるのですけれども、1つは総合評価について、自己申告の方も給与査定等資料の方もいずれも片方は「C」、片方は「B」というふうに全員の評価がそこに集中したということは、どうしてそんなことが起きたのかということについての解釈が1つ。
もう1つは、自己申告の方は勤勉手当、給与査定の方は特昇というか、そちらの方に活用すると書いてあるのです。これは、総合評価だけを見るとみんな「B」だったり、みんな「C」だったりですので、活用するといったって活用できませんよね。それとも、何か部分、観点別評価とか何かそういう細かいところを見ていくためでしょうか。ここでしゃべっていいのか分かりませんが、ずっと昔国家公務員の世界では、15%が特昇の枠としてあって、ですから約7年に1度で自動的に回ってきていました。そういうことと先生方の間のこの昇給とかというのは無縁ですよね。これは2つ目の質問です。
矢﨑委員長
課長。
田中高校教育課長
まず、全員「B」と「C」になったという結果について、どうしてそうなったかということだと思いますけれども、先ほど申し上げましたが、集中していることにつきましては、これは実施初年度ということでございまして、やはり評価者、被評価者ともに慣れていないということ。始めたばかりでございまして、結果としてどうしても中間部分に点数が集中することになったのではないかと思われます。
それから、給与に反映という部分なのですが、これは給与だけでなくて、人事とか校務分掌とか様々に活用できるものとしておりますが、給与については実際そういう「B」と「C」だけということになると、差は付かないということになって、ですからこのままでいけば差は付いていかないということになるとは思います、それについては。
耳塚委員長職務代理者
常識的に考えて、勤勉手当の趣旨とか、あるいは特別昇給に値するかどうかということの勤務の実態が、普通だと差が付かないなんていうことはまず考えられないものですから、そういうお尋ねをいたしました。
もし、それで例えば給与の査定に全員が「B」だということになると、特別に昇給幅が一番大きいような人たちというのは、先生方の中ではないという話でしょうか。そういう差は付けないという結果になるわけですか。勤勉手当もみんな一律に出すという話ですか。ずっとそういうことをおやりになってきたわけですか。ちょっと考えられないのですけれど。この仕組みは始めたばかりで。
田中高校教育課長
この仕組みは1年目ということですが、今まではそういうことでございます。ただ、この評価についてのここに反映させるということはそういうことなのですが、今までももちろん併用した仕組みとして懲戒処分があった場合には減算するとか、あるいは長期に休職していた場合には減算とか。それは違う方の仕組みでやっておりますので、現実に全員が一緒ということではありません。
矢﨑委員長
現実に査定はなかったということですよ。給与に反映される査定はなかったということです。
田中高校教育課長
査定によって加算を変えるということは、実際にはなかったということです。
耳塚委員長職務代理者
そうすると、処分されるといったようなマイナスの行為がなければ、あとは一生懸命やっても同じだということですね。
矢﨑委員長
これは、でも長野県が特にそのことが遅れているとかということでもないでしょう。
田中高校教育課長
はい。全国の状況でございますが、文科省の調査が平成23年4月1日現在でございまして、本県を含めまして18県でこの教職員評価制度というものを勤務成績の評定に位置付けて、その評価結果を給与に反映させる仕組みを持っております。他の県は入っておりません。その中でも、5県につきましては査定昇給のみ反映させるという仕組み。それから、3県については勤勉手当の成績率の方にだけ反映させる。片方だけ反映させるのが3県。両方に反映させるというのが10県なのですが、その10県に長野県も入るというふうに仕組みとしては考えますが、その10県のうち更に3県は管理職だけというような形になっていて、残るは全部で7県ということです。だから今のような状況で、全国的には進んでいないというのが実状です。
矢﨑委員長
7県の中に長野県が入っているけれども、長野県の現状もこういう状況だと。だから、7県の中で本当に勤勉手当に、職員を査定して勤勉手当に反映させているところは、本当にわずかしかないということですよね。
田中高校教育課長
ええ。それについて、更に実際にどんな具合に反映させているかという聞き取りをしたのですが、必ずしもきちんとした回答がない状況、回答いただけない状況がございまして、実際に長野県のような形ではと。長野県は今言ったように、査定昇給と懲戒処分とかは別立てでやっておりますが、それを別立てにしないで、処分があった場合はそこの評価を下げてというふうに入れてあるところが3県ありまして、長野県はそれとは別の仕組みにしてあるけれども、それと同じようなタイプと。実際に運用しているのは1県ぐらいか、ちょっとはっきり、しっかりとは分かりません。
矢﨑委員長
減点主義での査定は、懲戒処分とかがあればやっているけれど、耳塚委員が言われた加点主義的な査定は、現実にはほとんど全国の学校でやっていないということですね。
田中高校教育課長
そういうことだと思います。
矢﨑委員長
知事部局はどうなっていますか。
田中教育総務課長
知事部局の方はまだ公表されていないものですから、教育委員会の行政職、これは知事部局と同じにやっていますので様子だけ申し上げますが、業績評価、いわゆる「A」から「E」の5段階評価の勤勉手当に反映するものにつきましては、「B」評価もいます。それから、「B」「C」「D」「E」になっています。ですから、「B」と「D」はいるものですから、若干勤勉手当に反映された評価はしております。それが知事部局の制度で行きますと「A」と「B」の割合が決められていますので、その割合よりずっと少ない割合ですけれども、一応「D」評価もあるという。
それから、査定昇給の方につきましては、それぞれ「A」「B」「C」の評価がありますけれども、8割方が「B」という状態になっています。
矢﨑委員長
国の基準でくると、「A」「B」「C」「D」の4段階や5段階にして、「A」と「D」をこっちからこっちへ持ってくる。「C」を「B」に持っていくとかって、全体の数字を変えない。全体で勤勉手当を例えば1億出すのなら、その1億の総額を変えないのですよね。少ない人のところより減らしてこっちを持ってくる。
ちょっと余談ですが、私はその話を市長のときに、もう10年ぐらい前になるのか、導入されたときに全く意味がないと、要するに、全額が変わらないなんていう査定は民間では考えられない。極端に言うと、ダメはダメで、こっちをこっちに持ってきて総額を変えないという発想が全く民間としてはないので。私のときは、昇給のための査定はしましたけれども、要するに勤勉手当の査定はあまり意味がないとやらなかったですけれどもね。もうちょっと任せて、ルールどおり総額を変えちゃいけないのではなくて、収入が減っているときには総額をもうちょっと抑えるとか、そのような躍動感がある制度ならいいのですけれど、こいつは働かないからこっちへ回すみたいなことが、かえって変な方へ出るかなという感じがしたので、私はあまりやらなかった。大学でははっきり査定を入れてるのですか。
耳塚委員長職務代理者
法人化以降こういうことを大学で自由に決められるようになっていますよね。その大学によって進み具合はいろいろあると思いますが、しかし方向性としてはきちんと、大学の場合は客観的な資料に基づく評価というのはある程度可能ですから、そういうものによって差は付けるということです。例えば、特昇だと上位5%とその次の10%は昇給幅が違うという仕組みを導入するようになりました。ちょっと私の理解が至らなくて、むしろこういう仕組みを持っているだけ進んでいると認識しなければいけないのかもしれないなと、さっきの話を聞いていて思いました。
矢﨑委員長
教育長、これは教育長の立場で考えられて、今の国から来ている勤勉手当を5段階にして、一番下の人の減らした分を一番上に持っていくなんて、こういうやり方しかだめだというやり方じゃないですか。私は、それは全くおかしいと思って。言われたように、個別でもっと任せてもらえるのなら、市町村単位とか県単位とかに任せてもらうのなら、そこに例えば長野県スタンダードみたいな評価の仕方というのはあると思うのですが、国の一律のやり方が果たして意味があるのかどうかという疑問に思っていましたが、どのように考えられますか。
山口教育長
この問題は大変難しいというか、今までの経過の中を考えると、なかなか制度が思うように動いていかないと、先ほど課長が申し上げたようなところがあります。
資料を見ていただきますと、どうしても真ん中に集中するような形になって。それからこれは絶対評価なのですね。絶対評価でありますので、例えばある府県で出された相対評価。2年続けたらというふうなものを打ち出したところがありますけれども、相対評価だともう確実に、仮に極端に言ってほとんど甲乙付け難いというところでも、当然としてある部分は最低、最高というものを付けざるを得ないという部分があるわけです。そういう教員評価の議論のスタートが、教育の全体の学校力を高めるためにはどういう形を取ったらいいかという議論が、外部者を含めて行われていまして、最終的にはその報告に基づいて制度設計が始まりまして、17年だったかな。17年4月にその方向が出て、それに基づいて制度設計したという。その制度設計の中に、やはり課題があるのかなという部分は1つ御指摘、今おっしゃられたところでございます。
それから、課長が申し上げた中で、評価者と被評価者の、例えば課題設定の目標設定の妥当性がどうなのかと。例えば、学校の目標に対して校長が、例えば求めるレベルと、それから実際に先生方が設定するところでの、例えばよしこれでという形になっているのか。あるいは、そういう目標そのものがきっちり明示された上で目標設定をお願いしてあるかとか。この辺はなかなか難しいところがあります。
御承知のように学校は非常に理想とする、例えば校是とするようなものがいくつか挙がっていますけれども、その校是を例えば3年間にどうやって実現するかとか、今年それをどうやって実現するかと。中間目標といいますかね、そういったものは今までの弱いと言われているのです。課題と言われていまして、その校是とする、例えば元気で活き活き学校とか、誠実をモットーとしたとか、質実剛健とかいろんなのがありますけれど、その具体的な目標、理想に到達するために3年なら3年、入学した生徒が3年後にはこういう姿にしてこういう力を付けてやっていこうという、そういう目標の具体性というものに慣れていないという部分もあったりします。あるいは、全体的にそういう目標設定をしても、個々一人ひとりの生徒に着目しますと、そこには個人個人の教育ニーズとかテーマというものがあったりして、なかなか立てにくいところがあります。
私がもう1つ感じているのは、極端な言い方をしますけれども、いわゆる生産ラインのような製造過程で自分の仕事の役割が決まっていて、歩留がいいような、要するに欠陥商品を出さないようなそういったもの。あるいは、セールスマンが1つの契約、締結とか額とかですね。そういったものと比べて、教員の仕事というのが自分だけでやっているように思えても、いくつかの教員の役割が複層して、共同の中で行われているというのがありまして、その辺を個人の評価にどうやって落とすかというのがかなり難しいと思っております。そういった労働のもう1つの特色といいますか。そういったものの中でも、こんなことがあるかなということは感じております。
矢﨑委員長
田中課長、5段階評価のグループの捉え方というのは、教育委員会の場合は学校単位で捉えるのですか、「A」「B」「C」「D」「E」を。20人の先生なら20人の先生をどういう評価の仕方をするのですか。
田中高校教育課長
これは、教員評価は個人ごとです。
矢﨑委員長
個人ごとだけど、勤勉手当を多くするとか減らすというときに、一番上の人に一番下の人を減らしたら、多い人に持っていくじゃないですか。そのときの分母というか、グループというか。学校単位でやるわけ。
田中高校教育課長
それは、トータルです。
矢﨑委員長
いやいや、だって義務教育は1万2千人トータルでやるの。そういう評価の仕方が公平にできるのですか。自分のところに20人いる先生の中で、こいつはAだ、Dだとかという評価を校長がするんじゃないの。違うの。客観的にできるわけ。
田中教育総務課長
知事部局といいますか、行政職の方でいきますと、それぞれ所属単位でその中でAとBは何%という形での。
矢﨑委員長
それはグループの中で。
田中教育総務課長
ええ。グループで行っております。
矢﨑委員長
だから、全員問題のグループと全員優良グループもあっても、あえて分けなきゃいけないものがある。
田中教育総務課長
それは、結局例えば教育総務課なら教育総務課で何%がAだと。何%がAとBだとした場合には、それを統括する教育次長のところで各課を見ていって、お宅のところはこんなにいい訳がないじゃないかということで、課の調整をその上の評価者でやっていくという形もあります。
矢﨑委員長
そこで評価できるかというと難しいですね。私は今回の検討会議の中に評価というのがあるじゃないですか、人事評価。やはり、一回今の長野県でもいいし教育委員会でもいいですが、知事部局と教育と同じ評価の仕方でしょう、基本的には、文科省も。国がそういう方針なのだから、それも一回叩いてもらったら面白いと思いますけれどもね。要するに、減点主義から加点主義というのだったら、評価をきちんとしなかったら、その評価がある程度納得できるような基準じゃなかったら、私はしない方がいいと思っていたのですよ。かえってアンフェアになると思ったから。どうぞ。
高木委員
一言。この制度を取り入れるかどうかという頃に、ちょっと私もいろいろ話をした覚えがありますけれども、結局単年度でこういう評価をするには、単年度で達成したという、実績を作りやすい目標しか作らないのではないかというような議論もあったし、大変難しくて長い年月かかり、あるいはいろんな人の手を借りなければできないような目標というようなものは、おそらくそういう評価の目的としては作らないだろうと。そのようなこともあって、これは学校とか先生だけではなくて、会社でもきっといろんな仕事の方も、こういうことで一律に評価されるのがどうかという議論をした覚えはあるのです。
それはそれで評価をしないというわけにはいかないだろうけれども、評価の仕方というものは大変にいろんな要素とか難しさというものがあるし、今、教育長がおっしゃったこともそうですし、委員長が言われたような、このどのくらいの範囲の中で分け合うのかということも、きっと大きな課題にはなると思います。目標の設定の仕方からして、設定をするその目標自体を評価することも、かなり大事な要素ではないかということは思っています。
矢﨑委員長
生田委員どうぞ。
生田委員
すみません。1つお伺いしたいのですけれども、この資料は来週行われる評価専門部会に使われるのでしょうか。
田中高校教育課長
このまま提出します。
生田委員
それから、あと1点なのですけれども、これは自己評価ということで言ってみればこの先生はどれだけ頑張っていくかということを評価していくためのものだと思うのですけれども、保護者や子どもたちの評価というのは、どういった場合にどのような形で反映されるのか、ちょっとお聞かせいただきたいのですけれども。
矢﨑委員長
課長。
田中高校教育課長
はい。この評価に要綱がありまして、そのところに書いてあるのですけれども、保護者や児童生徒あるいは地域住民等から得られたそういう情報についても、目標の設定時や評価を行う際に生かすことということにしているのですけれども、実際にそれをどういう具合に行うかというようなことは、細かく定められているとかそういうことはありません。例えばいろいろなアンケートを取るとか、いろいろな声をどう反映するかということまで決めてある状態ではありません。反映するようにとなっているのですが、そのような状態です。
生田委員
子どもや保護者にアンケートもしていますよ、という話は聞くのですけれども、どういったときにしているのかというとイベントのときです。授業参観とか音楽会のときにアンケート用紙を置いて、そこに保護者からの意見を聞くというような形で、本当にこれが先生の評価に反映されるのかなというような保護者からの評価する機会が与えられていないように思うのですね。
それと、今まで過去の不祥事、非違行為を起こした先生方の大体75%近くの先生が高評価の先生だったと思うのですけれども、データ的には。そうしたところに管理者や自身の評価しか反映されていない怖さが出ると思うのですね。一番先生を見ているのは、日々接している子どもたちだと思いますので、ぜひともそういった子どもたちの意見、そういった評価が反映されるような形を考えていただければと思います。
矢﨑委員長
他にありますか。それでは、以上で教育長報告事項2を終了します。
報告事項3「平成24年度全国学力・学習状況調査結果の概要について」、武田教学指導課長から説明してください。
武田教学指導課長
(資料説明)
矢﨑委員長
これは、大体最初のときの学テの頃に戻ったというような感じですか。一昨年が悪かったのですよね。悉皆のときに戻ったという感じですか。
武田教学指導課長
平成22年度が、特に中学校においてあまりいい結果ではなかったのですけれども、今回の結果は今、委員長がおっしゃるように21年度レベルに戻っていると思っています。
矢﨑委員長
御意見、御質問がありましたらお願いします。生田委員どうぞ。
生田委員
15ページの④なのですけれども、校長先生が校内授業参観をあまりやっていないというこういった結果。全国平均からかなり少ないという結果が出ているのですけれども、これに関してはもう何年も前から校長先生に学校の授業の方を見ていただきたい、先生方がどんな授業をされているのか見ていただきたいということは、教育委員会としても言ってきたことかと思うのですね。にもかかわらず、大きな変化が見られないということは、これはやる気がないという現れなのか。会議等そういったものが十分精査されていないという現れなのか。ちょっとお伺いしたいと思います。
矢﨑委員長
課長。
武田教学指導課長
まず、この設問自体が授業を見ているということについて、1時間ずっと見ているかということ、あるいは5分、10分見ているかというその辺が明記されていないので、その辺の実態がしっかり分からない部分があります。ただ、他県等の学校長が毎日授業を見ているという事例も校長会等でお話をしているわけでございまして、そういう意識は持っていただいているとは思っているところでございます。
ただ、今回このように結果が出てまいりましたので、原因がどうかという、何故そうなるかということについて、もう少し私どもの方で現場の校長先生方にもお聞きし、状況等を十分把握をしてみたいと考えているところでございます。
生田委員
ありがとうございます。本当に随分前から校長先生方にお願いしていたと思うのですけれども、それが何故進んでいないのか。把握してみたいと思うというお話でしたが、何故それをもっと前に把握してこなかったのか。そういったところが、本当に教育委員会の姿勢が現れているかなと思うのですね。校長先生に現場を見てほしい。たとえ5分でも10分でも私は構わないと思うのですが、そういうふうにしてほしいのだという教育委員会のしっかりしたメッセージを伝えることによって、そんなに3年も4年もかからずに、これは実行できることかと思います。
矢﨑委員長
これは、でも本当に前からそうなのですね。毎回指摘されてきている。そういう問いかけをすると、校長先生方は外へ会議とか、何か出るケースが他のところよりも長野県は多いのではないかという意見があったりしていますけれども、学校の中の密度を濃くしていくとか、校長先生のマネジメント能力が問われているときに、校長先生がやはり全国に比べて半分ぐらいしか授業参観をしていないということですよね、このデータは。どのように考えていけばいいのか。
山口教育長
これは、この間大町市との懇談会の中で御発言があったように記憶していますけれども、意欲の問題、意志の問題というよりもそういった条件の問題の方が大きいのかもしれません。
ただ、私もこの表を見たときに、問題という感じで受け止めまして、これはぜひまた校長会に、市町村教委はもちろんですけれども、校長の中でこの数字をどういうふうに受け止めていただいているかをぜひお聞きして、同時にこういうことではないかとか、そういう分析を踏まえた上での改善につなげていきたいと思っております。
矢﨑委員長
特に、義務教育が全国に比べて大きな差がありますので、不祥事の問題も不登校の問題も校長先生のマネジメント能力が一番大きいのではないかという、いろんなところからそういう意見をいただいていますので、校長先生がもっと細かく校内に目を向けられるような体制を作っていかないと。大町だと先生方が人事で奔走していて、なんていう話があったりして、ちょっと検討の余地があるかもしれませんね。また検討してみてください、この問題については。
他にありましたら。それでは、教育長報告事項3を終了します。
その他に移ります。最初に、「9月、10月の主要行事予定について」、教育総務課長から説明してください。
田中教育総務課長
(資料説明)
矢﨑委員長
何かこのことで御意見、御質問はありますか。なければ、次回の定例会は9月13日木曜日の午後に開催したいと思いますが御異議ございませんか。
全委員
異議なし。
矢﨑委員長
御異議がないようでありますので、そのようにいたします。
「その他」何かありますか。はい。澤井心の支援室長どうぞ。
澤井心の支援室長
お願いします。「いじめ対応について」というものをご覧ください。8月7日の共同会見を受けまして、その翌日の8日から22日まで、土日を含めていじめの緊急相談を実施いたしました。その概要を報告いたします。 (資料説明)
矢﨑委員長
今の説明につきまして、何か御意見、御質問はありますか。どうぞ。
生田委員
すみません。お伺いいたします。こどもの権利支援センターへの問い合わせの件数が、昨年度よりもかなり増えたということなのですが、それでも4件ということですけれども、実際は全県で見るともっともっとたくさんの子どもたちが、悩んだり苦しんだりしている現状があるかと思うのですけれども、例えばチャイルドラインとか、教育委員会の外でそういったいろんな活動をされて子どもたちの支援に関わっている団体があるのですが、そういった方々との連携とか、そういったものはあるのでしょうか。
矢﨑委員長
はい。
澤井心の支援室長
現在のところ、直接意見交換をするという機会はございませんけれども、相談内容についてはもちろんできないのですけれども、いじめの県民会議の設立の方も次世代サポート課を中心に進んでおりますので、そういった中でまた連携したいと思いますし、そういったことで次世代サポート課が持っている情報等につきましては、庁内の連絡会議のところで共有させていただければと思っております。
矢﨑委員長
どうぞ。
生田委員
個人情報等もありますので、より踏み込んだ話というのはなかなか情報をいただくことというのは難しいと思うのですけれども、その人を教育委員会としてはそういったチャイルドラインとか、活動していらっしゃる団体のサポートはしっかりさせていただきますというような、県の教育委員会ができることは一緒になって取り組んでいきますといったメッセージのようなものは、発信することができるかと思うのですね。そこでどういったサポートができるかというのは、先方の考え方によってもっともっと県教委としてできることが増えていくように思うのですけれども、そういった方向でこれからも考えていただければと思います。
澤井心の支援室長
直接支援というのはなかなか難しいところがございますが、今回各学校訪問のときに子どもたちに電話相談の全部が載っている一覧を、毎年4月に配布しているのですけれども、もちろんチャイルドラインも載っていますし、その他の民間団体のものもたくさん載っているものを、子どもたちに周知をお願いします。学校にはもちろん事前に渡っていて、クラスに掲示したり、学校によっては増刷りをしたり、一人に1枚ずつ生徒に配っている状況もありますので、いじめの問題あるいは様々な問題で悩んでいる子どもたちが相談しやすい、もちろん、校内の窓口も含めてですけれども、そういった面で連携を高めていけると思っております。
矢﨑委員長
例えば学校の対応に対して保護者からクレームが付いたのもありますよね。それはどういう対応をしているわけですか。
澤井心の支援室長
基本的には相談電話ですので、相談の内容によって、例えば直接学校の対応に関わるものであれば、例えば小中学校であれば義務教育課で受けていただいていますし、高校であれば高校教育課で受けていますが、多くの方はそこまで行かなくて、とりあえず相談をさせてくれということが多いです。それで、その中で出てきたことについては、これは学校にお知らせした方がいいですよ、名前や学校名をお知らせいただければ対応できますよ、ということは積極的に進めております。そういったところでぜひ学校に、それでは知らせてほしいし、対応してほしい、というのが7件ございました。その他はなかなか勧めても、私がまず一歩踏み出してみますからそれで困ったらまたかけますので、という方もたくさんいらっしゃいます。
矢﨑委員長
深刻なケースで、変な話、すぐに対応しないと大きな問題になるなみたいな、そんな深刻なケースはなかったですか。
澤井心の支援室長
学校対応を求められた中ではなかったのですけれども、いわゆるいじめに軽重はないと思うのですけれども、できるだけいじめを受けているという子には、相談しやすい先生はいますか、とか、場合によっては、先生に何と言うかちょっと練習してみよう、という投げかけをして、上級生がこういうふうにして困っているというような練習もして、子どもたちに、明日先生に言えるかな、というような形で話をし、できるだけ学校につなぐような努力はしております。
矢﨑委員長
何か、非常に危険なことを予知させるような、例えば自分で絶ってしまうみたいなこと。そんな深刻なケースはなかった。
井心の支援室長
現在のところ、そういったことは把握していません。
矢﨑委員長
他に何かありますか。それでは、ないようでありますので。 次に、一昨年度から始めておりました現地機関等の事例発表。今年は新年度いろいろバタバタしたものですから今までできなかったのですが、今年度も本日から行ってまいりたいと思います。
それでは、「指定管理者制度導入初年度における山岳総合センターの概況と今後の展望について」、山岳総合センターから発表をお願いいたします。
長野県山岳総合センター杉田所長
山岳総合センターの杉田と申します。今日は山岳総合センターについて、「指定管理者制度導入初年度における概況と今後の展望について」ということで報告をさせていただきます。 (資料説明)
矢﨑委員長
はい、ありがとうございます。山岳総合センターの概況についてご説明をいただきました。何か御意見、御質問がありましたらお願いいたします。いいですか。それでは、現地機関等の事例発表を終了します。ありがとうございました。 以上で公開による審議を終了します。これから非公開の審議に入りたいと思います。傍聴人の方は退出をお願いいたします。
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