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更新日:2025年8月20日
報道によれば、長野県において受信契約漏れがあり、過去に遡り契約及び受信料の支払いが必要とのこと。
多数の自治体について同様の問題が報じられている。
放送法上、受信設備を設置した者はNHKと受信契約を締結しなければならない。
受信契約を締結した者は当該契約に基づき受信料の支払義務が生じる。
受信契約は、総務大臣の認可した契約約款である「受信規約」に関して(受信)申込みをする形態であって、受信設備1台ごと又は受信設備合計○台を合計して連署した個別契約書ではないとされる、また、NHKから毎年、契約受信設備の設置状況(設備の種別及び台数)の増減の照会があり、これに対する回答を基に受信料の徴収が行われるとの情報があるが、詳細は明らかでない。
放送法には、受信設備とは何か、受信設備を設置するとはどのような状態を指すのか、具体的な定義規定はない。判例においてどのように判示しているか、NHKは従来県に対してカーナビ等の該当性を含めどのように説明してきたのかなど、不明な点が多いが、電波法における無線設備の定義、無線設備規則等から類推して以下のとおり私見を述べる。
受信設備とは、(放送受信機能を有する)テレビ、カーナビなどの受信機器と空中線(受信アンテナ)との総体(携帯できる電話機等でワンセグの受信ができる機器にはアンテナが一体内蔵されていると解される)と考える。
設置とは、試験等一時的ではなく、継続して受信することを目的として受信設備を一定の場所に固定し、又は常時に携帯して受信しうる状態にすることをいう(携帯は設置にあたらないと考えるが、判例に従い含めることとする)と考える。
以上の論では、アンテナが設置されていなければ、受信設備を設置したことに該当しない。このことは、NHKが(BS)衛星放送のチューナーを内蔵するテレビであってもBSアンテナを設置せず(BS)衛星放送を受信していない場合には、普通契約で了としていることと符合するのではないか。
今回の問題について、未契約状態にある以上、県には支払債務は発生していないと考える。
また、そもそも従来、県は執務室のテレビ受信機についてどのような受信の申込み又は契約書の締結もしくは受信設備の報告回答を行っているか。
受信契約の締結は放送法上の義務とされるが、放送法上直ちに強制されるものではなく、あくまで相対とされる。
相対である契約について、県は関係法令上、遡って契約することができるか。(過去の債務を生じさせる、即ち県に不利益が生じることとなる遡り契約を締結して受信設備設置以降の過去分の受信料の支払いをすることができるか。)
県は、そのような契約を相対ですることはできず、過去分の料金支払債務を免ずる特約を含む契約を締結するべきであり、NHKがこれに同意しない場合には契約を締結せず、NHKが提起する契約締結訴訟に対して契約締結を命ずる確定判決を待って5年間に限り遡る(時効5年)契約を締結するのではないか。
なお、県が設置する受信設備は、当然、公共目的のものであり、災害緊急時等において重要なものと考える。一方、行政事務は最小経費で最大効果が求められ、その原資は租税である。受信料は交付税の単位費用に計上されているか。計上されていなければ、計上すること又はその支払を免ずることを知事会を通じ、また、他の地方団体と協調して総務大臣に対して求めるべきと考える。
長野県総務部長の須藤俊一と申します。
「県民ホットライン」にお寄せいただいたNHKとの受信契約及び受信料の支払いに関する件についてお答えします。
この度は、当県におけるNHKとの受信契約等について、大変貴重なご意見等をいただき、ありがとうございます。また、回答が遅くなりましたことをおわび申し上げます。
最初に、「執務室等における受信設備の契約手続き」についてのご質問についてです。
毎年、NHKから県内各地の県機関(県庁舎、合同庁舎及び単独現地機関)あて、設置状況の調査依頼があり、各機関から設置状況を報告した後、NHKが内容を確認・精査した上で、機関ごとに受信契約を締結しています。
次に、「特約を含む契約の締結」に関するご質問についてです。
NHK受信契約は総務大臣の認可を経て決められており、「契約当事者の一方があらかじめ定めた定型的な条項によって契約内容が規定され、相手方はこれを承諾するか否かの選択しかできない附合契約である」とされていることから、県とNHKとの双方が協議の上、自由に契約内容を定めることはできないと理解しております。
次に、「5年間に限り遡る契約を締結するのではないか」というご意見についてです。
最高裁判決(平成29年12月6日)では、「受信契約が成立した場合、受信設備の設置の月以降の分の受信料債権が発生する」、「受信設備の設置の月以降分の受信料債権の消滅時効は、上記契約成立時から進行する」と判示されており、行政は法律や司法の確定判決に従い守っていく立場であることから、コンプライアンスの遵守が必要と認識しているところです。
次に、「地方交付税の単位費用に計上されているか」という点につきましては、総務省が示す「単位費用算定基礎・標準団体行政経費積算内容」において、「NHK受信料」の積み上げが明記されていないため、わからない状況です。
最後に、総務大臣への要望に関するご提案をいただきました。まずは、NHKに対し、事業者と一般世帯で受信契約の取り扱いが異なる点などについて、事業者に明確に示すよう要望してまいります。
当県といたしましては、税金を原資にNHKの放送受信料を支払う立場として、今回の事案への対応が法令に照らしてどうあるべきか、県の契約弁護士にも確認を取りながら慎重に検討し判断してまいりました。何卒、ご理解くださいますよう、よろしくお願いします。
以上、ご意見等への回答とさせていただきますが、ご不明な点がございましたら、財産活用課長:沼澤由憲、担当:庁舎管理係までご連絡いただきますようお願い申し上げます。
【問合せ先:総務部/財産活用課/庁舎管理係/電話026-235-7045/メールzaikatsu(あっとまーく)pref.nagano.lg.jp】
(分野別:その他)(月別:2025年6月)2025000116
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