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更新日:2025年8月20日
2025年4月7日付で、A高校における個人情報の取扱いについて意見を提出しました。しかし、県教育委員会のその後の対応には、個人情報保護法上の観点から法的な疑義があり、コンプライアンス上も課題が残されています。3か月以上経過しても是正がなされていないため、県としての対応を求めます。
1.個人情報提供に関する同意文書の不備について
学校は下記同意文書により保護者の個人情報をPTAに提供しています:
・同意書
・ 5 PTA会員名簿は、本校『個人情報保護方針(別紙)』に基づき、運用されること
・個人情報保護方針(別紙)
・3.個人情報の収集及び利用について
・ 本校関係者: (2)本校保護者等
・主たる利用目的:PTA名簿の作成とPTAへの名簿提供
「PTA名簿の作成とPTAへの名簿提供」という文言は曖昧で、以下のように解釈が分かれます:
1.学校がPTA名簿を作成しPTAに提供する
2.PTAが作成する名簿のために、学校が保護者情報を提供する
1では、教職員がPTA活動を校務として行う場合、地方公務員法第35条の職務専念義務との関係で問題が生じます。仮に免除措置を受けた場合でも、校務外の第三者提供に該当します(2の解釈)。
2の場合、同意書との整合性に問題があります。名簿を作成・保有するのは学校ではなくPTAであるため、「学校の個人情報保護方針に基づき運用される」という記載と実態がかみ合いません。別紙の文面も「PTA名簿をPTAに提供する」と読め、自己矛盾的です。また保護者情報をPTAに提供する旨が明示されておらず、保護者本人が提供の目的・相手・任意性を十分に理解できる構成とは言いがたい内容です。
第三者提供として法的に有効な同意を得るには、以下の3点が必要です。不明確な同意書ではこれらの要件を満たすことはできません。
・提供先の明示
・利用目的の特定
・任意性(同意・不同意の自由)
仮に学校とPTAが同一の団体であれば名簿の作成は内部利用にあたり、同意文にも一定の妥当性があります。しかし実際には別団体であるため情報提供は第三者提供に該当し、明確かつ自由な同意が必要です。この点の認識や理解が十分でないことが不備の背景にあると考えられます。
2.教育委員会の対応に関する問題点
同意書には問題ない旨の回答に加え、下記回答がありました。
・分かりにくい表現になっているため、「PTA名簿作成とPTAへの名簿提供」という「個人情報提供」に
・ご同意いただく内容であることを認識せずに同意書を提出された方がいた場合に対応するため、
・今後作成予定であるPTA名簿について、PTAへ保護者の個人情報を提供しない確認を、今回発出した
・通知で周知したものと聞いております。
この説明は、事後の通知で同意を補完できるかのような誤解を与えます。個人情報保護法第27条は「あらかじめ本人の同意を得ないで」と明記しており、同意の遡及は認められません。法令の基本的理解に誤りがあると考えざるを得ません。文書が法的要件を満たさなければ意図に関わらず適法とは言えません。
法的根拠に基づき繰り返し是正を求めてきましたが、教育委員会は問題を認めようとせず、提供後の通知で対応しようとする姿勢は、信義誠実の原則にも反し、行政手続としても不適切です。こうした実務を是正せず容認している現状は、組織的にも深刻な問題です。
繰り返し指摘されているにもかかわらず、外部の法務専門家である弁護士の助言を求めないまま対応を続けているのは、極めて疑問です。法令順守と透明性確保のために専門家の関与が求められる場面で、なぜ慎重な姿勢を崩さないのか。正当な対応が取られない背景に何らかの不都合があるのではないかと懸念を抱かざるを得ません。
3.法令順守とコンプライアンス体制の改善要請
外部の法的専門家による確認を行っていれば、本件のような初歩的な誤認は避けられたはずです。すでに教育委員会には外部アドバイザー(弁護士)が存在しているにもかかわらず、活用されていないようです。
ついては、以下の対応を県に要請いたします:
・PTAへの個人情報提供が法的に適正か、第三者の弁護士を交えて検証すること
・同意取得において、自由意思と明示性が担保される文書様式への見直し
・学校とPTAの組織的独立性を踏まえた個人情報管理体制の再構築
同様の指摘は県民ホットラインに公開されてます(2023年2月20日受付)。教育委員会は周知を継続すると回答しましたが、改善は見られず問題を認めない姿勢から行政の不作為が疑われます。是正には、県が中立かつ主導的に対応することが不可欠です。
長野県教育委員会事務局教育次長の松本順子と申します。
6月22日付で「県民ホットライン」にお寄せいただきましたご意見について、お答えします。
なお、この度教育委員会の対応に関する問題点のご指摘をいただきましたが、「県民ホットライン」の運用上、いただいたご意見等については、担当する部局において責任を持って調査・検討を行い、回答させていただくこととなっておりますのであらかじめご了承ください。
この度は、A高校におけるPTA名簿作成に関する個人情報提供の同意書について、貴重なご指摘を賜り、誠にありがとうございます。
県教育委員会のこれまでの対応によりご心配をおかけしていることに関しまして、心よりおわび申し上げます。
まず、個人情報提供に関する同意書の内容につきましては、4月7日付でいただいたご意見を受け、県教育委員会では速やかにA高校が発出した文書の内容を精査し、県契約弁護士とも協議のうえ、対応を進めてまいりました。
個人情報保護法では、県が第三者に個人データを提供する際には、事前に本人の同意を得ることが求められており、同意に際しては提供目的、提供先、提供される情報の項目等を明確にする必要があります。
投稿者様のご指摘のとおり、当初学校から発出された文書において、これらの説明が十分でなく、保護者の皆様が内容を理解されないまま同意書を提出された可能性があることを、県教育委員会としても重く受け止めております。
この反省を踏まえ、A高校から改めて文書を発出し、保護者の皆様に対して、より明確な情報提供を行い、個人情報提供前にご確認をお願いしたところです。
なお、個人情報保護法における「事前の同意」とは、情報の取得及び第三者への提供の前に本人の意思確認を行うことを指しており、本件においては、個人情報提供の同意書及び学校の個人情報取扱方針(プライバシーポリシー)の内容、さらには事前同意の確認方法について、契約弁護士とも協議し、事前の同意を得られているという点を確認しております。
しかしながら、初期対応の不十分さや説明の不備により、投稿者様にご不信を抱かせてしまったことにつきましては、深く反省しております。
また、2023年2月20日付ホットラインの回答のとおり、PTAへの個人情報提供に関しましては、これまで県内の全ての公立高校に周知してまいりました。また、「3か月以上是正がなされていない」とのご懸念につきましては、県教育委員会およびA高校において、投稿者様からのご指摘を真摯に受け止め、可能な限り誠意をもって対応を重ねてきたことをご理解いただければ幸いです。
今後は、引き続き契約弁護士と連携しながら、同意書の様式や提出方法の見直しを行い、保護者の皆様が内容を十分に理解し、自由な意思に基づいて判断できる環境づくりに努めてまいります。
以上、いただいたご意見への回答とさせていただきますが、ご不明な点がございましたら、個人情報の取り扱いについては、高校教育課長:柳沢忠男、担当:管理係、PTA活動に関することについては、生涯学習課長:市村由紀子、担当:生涯学習担当までご連絡くださいますようお願い申し上げます。
【問合せ先:教育委員会事務局/高校教育課/管理係/電話026-235-7430/メールkoko(あっとまーく)pref.nagano.lg.jp】
【問合せ先:教育委員会事務局/生涯学習課/生涯学習担当/電話026-235-7437/メールshogai(あっとまーく)pref.nagano.lg.jp】
(分野別:教育・文化)(月別:2025年6月)2025000143
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