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更新日:2016年12月25日

知事会見(平成24年(2012年)8月6日(月曜日) 10時30分~11時00分 県庁:会見場)

項目

阿部知事からの説明

  1. 「平成25年度以降の長野県森林づくり県民税(案)」の公表について

取材者からの質問

  1. 「平成25年度以降の長野県森林づくり県民税(案)」について(1)
  2. 「平成25年度以降の長野県森林づくり県民税(案)」について(2)
  3.  「平成25年度以降の長野県森林づくり県民税(案)」について(3)
  4.  「平成25年度以降の長野県森林づくり県民税(案)」について(4)
  5.  「平成25年度以降の長野県森林づくり県民税(案)」について(5)

 

配布資料一覧

■「平成25年度以降の長野県森林づくり県民税(案)」を公表します(PDF形式:661KB)

本文

知事からの説明

 1 「平成25年度以降の長野県森林づくり県民税(案)」の公表について

長野県知事 阿部守一
 まず、森林づくり県民税、平成20年度に制度創設以来、大勢の皆様方のご協力、ご支援いただきながら、里山の整備を中心にですね、活用をしてまいりました。皆さまのお手元のところには、プレスリリースの2枚目のところに別紙1ということで、現行の森林税の実績という形でつけさせていただいておりますけども、里山の整備の実績見込み、まだ24年度計画実行段階でありますので、見込みになっておりますけども、約22,500ヘクタールの間伐等の推進に役立ててきております。
 今年度末で課税期間が終了することで、さまざまな皆様のご意見をいただきながら、検討を重ねてまいりました。7月の31日には地方税制研究会からの報告書が提出されたわけであります。
 6月の定例会で私は、森林税は継続したいということで表明をしたわけでありますけども、その後、いろいろな検討をした結果を今日ご報告をして、次年度以降、県民税引き続き超過課税という形でですね、森林整備のために県民の皆さま方にご負担をお願いをしていきたいと思っております。
 まず森林税の仕組みでありますけども、資料をおめくりいただいて3枚目のところに、森林づくり県民税案、「平成25年度以降の長野県森林づくり県民税(案)」という紙があろうかと思います。まず、基本目標、ひとつは県民生活を土砂災害等から守り、水源林を保全するために、里山の森林整備を推進しますということで、里山の森林整備の中でもですね、特に緊急性の高いところを重点的に対応していきたいと思ってます。それと併せてですね、これは森林整備、継続的に5年間で変わるというものではないわけであります。税金をいつまでも同じ形にですね、投入し続けるということには限界もあると思います。そういう観点で、間伐材の利活用というものも促進をして、里山のみならず奥山も含めた持続可能な森林づくり、これはちょっと表現が分かりにくいかもしれませんけども、利活用を通じて、森林経営をしっかりと構築する、持続可能な森林経営を構築することによって、森林整備が持続可能性を持たせられるようにする、そういう観点であります。この二つを目標にしてですね、仕組みとしては超過課税の税額について、期間については、現行と同じく、個人の皆様方には年額500円、法人の皆さまには、均等割り額の5パーセントと、概ね6.5億円の税収の規模を見込んでおります。期間につきましては5年間ということで、平成25年の4月1日から、5年間の超過課税をお願いさせていただきたいというふうに思っております。
 継続にあたって、これまでとは少し使途の側面において変更をさせていただきたいというふうに思っております。そこにポイントの1から4まで記載しておりますが、一つは間伐による水源涵養(かんよう)、土砂災害防止等の機能の高度発揮ということで、里山全体ということではなくてですね、水源の涵養あるいは土砂災害の防止等の機能を維持するという観点で特に重要なものからの優先的に取り組んでいこうということで、緊急に手入れが必要な里山約15,000ヘクタールの整備を目標に取り組んでいきたいと思っております。ここについては対象について一定の限定をかけているという形になります。里山であれば何でもいいというものではないということであります。
 それから、ポイントの2でありますけども、里山等を活かした持続可能な森林づくりの推進ということで、これは税制研究会の方からも切捨間伐のみだけではなくて、搬出間伐も対象にするようにというご意見が出されてきています。私としても、持続可能な森林整備を進めていく上で、木材の利活用というものを抜きには語れないと思っております。そういう観点でこの持続可能な森林づくり、森林経営、林業経営がしっかり成り立つような形を構築していくという観点でこの利活用の視点を新たに大きな視点として盛り込んで、間伐材の搬出、それから活用というものについても森林づくり県民税を重点的に充当していきたいと思っております。少し丸い表現で書かせていただいておりますけども、丸印の3つ目のところに、地域リーダーの育成の話がありますけども、今、林業士という皆さんが活躍をしていただいておりますけども、森林経営、林業経営、そうした森林整備という観点だけではなくてですね、経営できる、持続可能な森林活用の仕組みづくりあるいは森林の利活用ができる人材というものも、この5年間でですね、重点的に育てていくという取り組みにも皆さまの税金を充当をさせていただきたいと思っています。
 それから利活用の形であります。いくつかの具体的な方向性を考えております。例えば木質バイオマス、長野県は自然エネルギー元年ということで取り組んでおりますが、木質バイオマスの自給型コミュニティを作っていく、そういったモデル地域を構築していきたいと思っております。それから木材、地域で出た木材を地域において積極的に活用していく、そういう視点での地域づくり、そうしたものにも、この森林づくり県民税を充当して、単に活用をしましたではなくてですね、本当に持続可能な林業経営に結び付くような取り組みをぜひ税を活用して行っていきたいと、そうしたモデルをつくって、他の地域にも広げていく、そうしたことに充当したいと思っております。
 それから、ポイントの3番目でありますけども、水源林の保全対策ということで、これは長野県としても環境審議会に水源、水資源の保全ということを検討していただいております。そういう中で、今回この森林づくり県民税の活用方策の中にですね、ぜひこの水源林の保全ということも盛り込んでいきたいと。具体的には市町村が水源林を取得するに際して、その経費を補助するという形で取り組ませていただきたいと思っています。
 それから、ポイントの4番目でありますけども、森林づくり推進支援金の使途の限定ということで、森林づくり推進支援金につきましては、市町村の皆さま方にこれまでも活用していただいてきているところでございますけども、税制研究会等のご意見も踏まえつつですね、いわゆる県民税という形で超過課税をしているわけでありますので、県が推進する森林・林業施策との関連性の明確化という観点での検討を行ってきております。県として県民の皆さまから頂戴した税金の使い道の説明責任を果たすという観点から、この支援金については、使途の明確化を図ってまいります。この資料ではちょっと具体的な記述がなくて大変恐縮でございますけども、例えばですね、先ほど申し上げましたように水源林の取得費用の補助については、これは拡大する部分でありますけども、例えば野生鳥獣被害対策等については、緩衝帯の整備等、森林整備に関わる、森林整備そのものというものに限定をしていくというような形であるとか、あるいは、所有者負担の軽減に森林づくり県民税をご活用いただいている部分もあるわけですけども、これは県民税として負担軽減をする部分については、一定のルール化をしていくと。市町村がそれぞれの考え方で負担軽減をするということでなくて、県としての考え方の下、県民税の使い方としてはルール化をしていきたいと思っております。また、森林・林業を題材とするような体験学習、これはさまざまな学習機会というのはあるわけですけども、やはり県民税の趣旨ということを考えれば、広域的な参加が見込まれるようなものに限定していきたいと思っております。ちょっと資料がないんで申し訳ないですけども、森林に関する取り組みであれば何でも活用できるというようなことではなくて、県の進めようとしている方向に則したものに限定をかけていきたいというふうに思ってます。そういう意味では活用の観点から、自然エネルギーとしての活用であるとか、あるいは長野県として森林の里親を進めると言いますが、そうしたものに関わる事業であるとか、そういうものついては、この支援金で応援をしていきたいと思っております。
 加えてですね、事業を選定する際にも、地方事務所のチェック機能を強化、チェック体制を強化して、県の施策の方向性に合致するもの、特に利用促進、利活用、森林・木材の利活用という観点から、やはり、何となく使いました、利用しましたということだけでなくて、やはり持続可能な経営に資するという観点、持続可能な経営に結び付くような観点、そうしたものを対象にすべく、チェック体制、チェックを十分行っていきたいと思っています。そういう観点で使途等についての見直しをした上で、5年間さらに県民の皆さま方のご負担をいただきながら、長野県の美しく豊かな里山、森林を守っていきたいと思っております。
 お手元のプレスリリースに、1枚目に戻っていただきまして、今のような考え方につきまして、本日から9月5日まで1カ月間パブリックコメントを実施をしてまいります。同じく本日から10日までの5日間、県内の10カ所で県民説明会を開催して県民の皆さま方のご意見を伺ってまいります。そうしたパブリックコメント、県民説明会でいただいたご意見、さらには県議会、市町村、関係団体からご意見をいただいて、そうしたものを踏まえた上で、次期森林税の、これは条例事項でありますから、県議会でご議決をいただかなければいけないわけですので、県、私知事としての案を、ご意見を踏まえた上で決定した上で、9月定例県議会において条例案を提出すべく、今後短期間の作業で林務部大変暑い中大変な作業になるわけでありますけども、取り組んでいきたいと思っております。ぜひ大勢の県民の皆さま方のご理解ご支援の中で、いい形で県民税が活用されますことを期待して私の会見の冒頭の説明と致します。よろしくお願い致します。

取材者からの質問

 1 「平成25年度以降の長野県森林づくり県民税(案)」について(1)

信越放送(SBC) 伊藤一郎 氏
 今、パブリックコメントのくだりで知事が説明された中なんですけども、関係機関からも意見を、パブリックコメントと別にとおっしゃったと思うんですが、具体的にはどういうようなところからお話を聞いてということですか。

長野県知事 阿部守一
 それについては林務部の方で説明してもらいますか。

林務部森林政策課長 有賀秀敏
 関係団体と申しますと、当然林務に関する団体でございますので、林業の、森林組合でありますとか、関係団体はさまざまございます。いわゆる川下の団体、あるいは森林整備の、いわゆる山の上の方の団体、さまざまございます。そういった各団体のご意見をこれから伺ってまいりたいと思います。

信越放送(SBC) 伊藤一郎 氏
 おおよそどれぐらい。数は。

林務部森林政策課長 有賀秀敏
 すみません、手元に数はないんですけども、いつもこういった施策については、いわゆるお聞きする団体は林業関係団体がございますので、そういった団体であります。数はすみませんちょっと即答できませんので、もしあれでしたら林務の方に来ていただければ概ね数は出るようになっております。

 2 「平成25年度以降の長野県森林づくり県民税(案)」について(2)

読売新聞 中村和裕 氏
 重点項目4つありますけども、税額の税の配分としてはどのような割合を考えていらっしゃるのでしょうか。

長野県知事 阿部守一
 手元にないので、有賀さんの方でおおむねの割合を説明してもらいますか。

林務部森林政策課長 有賀秀敏
 現行でございますが、森林整備関係につきましては、おおむね25億円ほど今まで使ってございます。里山の活性化等については3000万円、先ほど申しました支援金については、5年間で6億ほど使っております。合計して32億円ございますけども、知事から先ほど説明がありましたように、今後そういった方向の施策の間伐に対する経費をご支援申し上げるということもございますので、そういった中で、搬出間伐の経費についてはどのくらい盛り込むか、といったことについて、森林整備だいたい25億円の中から、割出しながら、制度設計をしていきたいと思います。
 それともう1点でございますが、水源林の取得でございます。水源林の取得については、今後、その他今後市町村の支援でございますので、支援金の中でどういった制度ができるのか、規模や何かについても検討していきたいと、そのようなふうに考えております。

 3 「平成25年度以降の長野県森林づくり県民税(案)」について(3)

テレビ信州(TSB) 大和洋介 氏
 改めて、知事の、これまでの5年間の森林づくり県民税の評価と、これに至った意気込みをもう一度聞かせてください。

長野県知事 阿部守一
 森林づくり県民税は、長野県の里山整備に非常に効果があったと思いますし、大勢の皆さま方の理解もですね、長野県、環境を大事にする県、森を大切にする県、ということで、大勢の皆さま方から税を負担いただくというものではありますけども、むしろ積極的に継続した方がいいんじゃないかというご意見をいただくまでになったということは、私としてはありがたい。多くの方が森林整備に理解をし、そして期待をしていると感じてます。
 そうした観点で考えたときには、今後の5年間はむしろ責任が非常に重いと思っております。単に森林整備、間伐をします、ということだけではなくて、先ほど申し上げたように、利活用を通じて、持続可能な仕組みを作っていくということに、大きな力点を置かせていただいておりますので、5年間できっちりと循環する、資金的に経営的に成り立つモデルというものを作っていかなければいけないと思っていますし、そうしたものを構築することなしに、持続可能な森林整備というものは、私はなしえない、これから人口が減っていく中で、いつまでも税金をどんどん投入していくということには限界があるわけで、そういう意味で、私としては、県としてそこの部分については、全く新しいチャレンジという思いです。県民の皆さまの期待の中で、税金をご負担いただいて、税金を使って、間伐をただ行うということだけではなくて、持続可能な森林づくりへの新しいチャレンジをですね、県民の負担をいただきながらしていきたいと、そういう部分が私としては大変強いのが、今回の継続見直しでございます。

 4 「平成25年度以降の長野県森林づくり県民税(案)」について(4)

信濃毎日新聞 熊谷直彦 氏
 これまでの5年間の森林税が、地域の里山ということで、生活に身近な森林を対象にしていたものなんだと思うんですが、今後の水源林の話なんですけど、これは奥山の方にまで対象を広げるということで、こちらに対する整合性をどのように考えていらっしゃるかということをお聞きしたいのですが。

長野県知事 阿部守一
 これは誤解があるといけないんで、さっきちょっと申し上げましたけれども、少し表現が分かりづらくなっているかと思いますけども、奥山を含め里山等を活かした持続可能な森林づくりとありますけども、基本的には里山の中の、ホワイトボードがあれば図を描いて説明しますけども、この森林づくり県民税で重点を、ポイントのところを見ていただければと思いますけど、ポイント1に書いてありますように、里山の中でも緊急に手入れの必要な里山の整備に、むしろ重点化をしていくというのが基本です。丸印の二つ目のところがちょっと分かりづらくて申し訳ないのですが、奥山を含め里山等を活かした持続可能な森林づくり、これは奥山を含め里山等を活かした森林経営というふうに読んでいただいた方がいいと思いますけども、この点についてはですね、里山の木材も奥山の木材も、利活用という観点では線引きがされているわけでない、色がついてるわけではありません。丸印の2つ目のところは、単なる森林整備ではなくて、活用して持続可能な森林づくりにつなげていこうというところに力点があるわけで、奥山、里山というところはあまり意味がない。全体を通じて、利活用を促進していく部分に県民税を充当していくという形で読んでいただくのが適切だと思いますので、ここの紙の書き方は少し工夫を今後した方がいいかと思います。

 5 「平成25年度以降の長野県森林づくり県民税(案)」について(5)

信濃毎日新聞 菅田恵理子 氏
 間伐といったときに、国の補助金との関係性というのは切っても切り離せないと思うんですが、国の方でも搬出間伐を重視するような補助金の制度に昨年度から変更されていると思うんですが、県の森林づくり県民税としての独自性というのは、どういったところにあるのでしょうか。

長野県知事 阿部守一
 これも図示をしたものを示せば皆さまには、もう一回林務部には説明会用にはもっと分かりやすいような図を作ってもらいたいなと思っていますけども、国の対象事業は搬出間伐になってきているわけですけど、やはり規模とかが国庫補助の対象にならないものがかなり存在しています。そういう部分については、県単独事業でも搬出間伐をしていこう、利活用に結び付くもの、持続可能な森林経営に資するもの、そういう限定ではありますけれども、そういうものについても県として森林税を活用していこうということでありますから、当然国庫補助事業でやるものと森林づくり県民税でやるものとの仕切り、制度的な違いというのはあることが前提として行っているというものです。

信濃毎日新聞 菅田恵理子 氏
 単なる上乗せ補助ではないんですね。

長野県知事 阿部守一
 単なる上乗せ補助ではないですね。

長野県知事 阿部守一
 ありがとうございました。

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