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更新日:2016年1月21日

知事会見(平成28年(2016年)1月15日(金曜日)11時01分~11時44分 会場:県庁)

項目

知事からの説明

取材者からの質問

  1. 軽井沢町でのバス事故について
  2. 子どもを性被害から守るための条例モデルについて
  3. 雪不足について
  4. 道路占用料の徴収漏れについて

本文

知事からの説明

 軽井沢町でのバス事故について、部局長会議を開催(信州型自然保育の愛称・シンボルマークの決定)、山のグレーディング・ピッチマップ事業の評価結果公表、しあわせ信州移動知事室の実施、信州の伝統工芸品(長野県農民美術)のご紹介について

長野県知事 阿部守一
 それでは1月15日の会見を始めさせていただきます。
 まず冒頭、本日未明、軽井沢町で観光バスの横転事故が発生しました。多数の犠牲者が出ているという状況の中で、長野県にスキーを楽しみに来られた皆さんが犠牲になってしまったということは大変つらい思いでございます。お亡くなりになられた方々のご冥福を心からお祈り申し上げるとともに、負傷された皆さま方が1日も早く回復いただくとともに、お見舞いを申し上げたいと思います。また、警察、消防、医療関係、大勢の皆さま方が迅速に対応していただいたことに対しまして感謝を申し上げたいと思います。引き続き被害に遭われた方々への対応をしっかり行っていっていただきたいと思いますし、事故原因を究明していただいて、こうした痛ましい事故が2度と起こらないような対応をぜひ考えていかなければいけないと思います。ぜひそういう観点での原因究明をしっかり行っていってもらいたいと思います。
 本日の会見は、私の方から冒頭4点お話をしたいと思います。
 まず1点目、本日の部局長会議の会議事項の報告であります。特にその中でも、信州型自然保育について、愛称とシンボルマークが決定を致しましたので、皆さま方にご報告をしたいと思います。愛称につきましては、今まで「信州型自然保育」ということで漢字がいっぱい並んでいたわけでありますけれども、愛称については「信州やまほいく」、「信州」は漢字で「やまほいく」は平仮名という形で決定を致しました。また、シンボルマークについては、こちらに掲示しておりますものに決定させていただいたところでございます。両作品とも安曇野市在住の羽賀浩之さんが考案されたものでございます。羽賀さんからは「山国信州の豊かな自然環境のなか、子どもたちが野山ではつらつと、しあわせな幼児期を過ごしてほしい」と、こういう思いを込めたというコメントを頂いているところでございます。また、この愛称を活用致しまして、「信州やまほいくの郷」というタイトルでウェブサイトを開設したところでございます。この「信州やまほいくの郷」におきましては、自然保育のイメージ動画や、昨年10月に決定致しました各認定団体の情報、自然保育事例等を掲載しているので、県内外の多くの子育て世代の方、あるいは保育者の方にご覧、ご活用いただきたいと思っております。特に自然保育のイメージ動画につきましては、撮影については県内の認定団体の保育者の方々あるいは子どもたちにご協力をいただきました。台本あるいは演技指導等が無い自然の様子をお伝えしようということで制作させていただいたわけであります。私も何回か見ていますけれども、ぜひ皆さんにもご覧いただきたいと思っております。こうした愛称、シンボルマークを有効に活用して、「信州やまほいく」、自然保育が長野県に定着し、さらに広がっていくよう県としても取り組みを進めていきたいと思っています。
 それから2点目でありますけれども、「信州 山のグレーディング・ピッチマップ」事業の評価結果の公表ということで、皆さんのところに資料がお配りされているかと思いますけれども、山のグレーディングについては長野県が発案をして、先行して実施して、その後新潟県、山梨県、静岡県等にも拡大をしてきているところであります。山岳遭難を抑制していこうという中で、ご自分の技量、体力に合った登山をしていただこうということで進めてきておりますけども、非常に好評でございます。ただ、これまでのグレーディングにつきましてはルート上で最も高い難易度をルート評価ということで、しかも文字情報で表示をしているという段階でございましたので、実際は登り始めから山頂に行くまで、実際のルート上にはさまざまなレベルが存在しているのは、これもう当然のことであります。こうしたものについて、今回全国で初めてルートを細分化したピッチごとの難易度評価を地図情報としてお示しをするということに致しました。この情報につきましては、地図情報を提供されている市町村あるいは登山関係事業者について提供するとともに、またネット上等にも地図情報を提供されている事業者等もありますので、そうした関係の皆さま方に広く提供して活用いただいきたいと思っています。また地区遭対協、あるいはツアー登山の実施団体、さらにはグレーディングにこれまで一緒に取り組んでいる周辺各県にも普及活用を呼び掛けていきたいと思っております。昨年の山岳遭難は前年より11件減少ということで261件でありました。最悪を記録した平成25年から比べると2年連続減少ということでありますが、依然として多くの発生があるという状況であります。ぜひこの新しいグレーディングのピッチマップ、そして登山安全条例も11月県議会で可決いただきましたので、さらに、山岳遭難防止対策をしっかりと進めてまいりたいと思っております。私も昨年スイスに行きましたけれども、スイスのツェルマットでハイキングコースというかトレッキングコースというか、そういうコースもしっかりランク付けをされていました。世界水準の山岳高原観光地をつくるという上でも非常に大きなツールだと思いますので、ぜひしっかりと普及をしていきたいと思っております。皆さま方のご協力をよろしくお願い致します。
 それから「しあわせ信州移動知事室」のお知らせでございます。1月12日にすでにリリース済みでありますが、18日から21日までの4日間、佐久地域で「しあわせ信州移動知事室」を実施致します。長野県の東の玄関口であります。首都圏をはじめ他地域との交流が盛んで、かつ農業等の地域資源にも恵まれた地域でございます。また健康長寿の長野県をけん引していただいている医療機関等も存在している地域でございますので、できるだけさまざまな皆さんと対話をする中で地域の課題を共有し、これからの県政推進に役立てていきたいと思っているところでございます。また移動知事室の中にも一部通常業務を入れますが、テレビ会議システム等を活用して本庁ともつないだ仕事も佐久において行ってまいりたいと思っております。
 それから4点目でありますけれども、伝統的工芸品の知事室への展示事業をこれまでも続けてきているわけであります。四半期ごとに伝統的工芸品を展示してPRしているわけでありますが、今回は「長野県農民美術」を展示してまいりたいと思っております。こちらにご紹介させていただいておりますけれども、「長野県農民美術」は昭和51年に県知事指定をした伝統的工芸品でございます。大正時代の洋画家、山本鼎(かなえ)さんが現在の上田市で講習会を開かれたというのが始まりだと伺っております。主に地域の自然や風土をテーマに制作をされてきているわけでありまして、芸術性の高い美術工芸品から人々の好みや生活様式を反映した工芸品まで幅の広い作品でございます。多くの方々に親しまれてきているところでございます。本日は長野県農民美術連合会会長の徳武忠造(ちゅうぞう)さんにお越しをいただいておりますので、少し作品等についてお話をいただければと思います。よろしくお願い致します。

長野県農民美術連合会会長 徳武忠造 氏
 本日は農民美術を紹介する機会を与えていただきましてありがとうございます。私の方からは簡単に説明させていただきます。皆さんは農民美術といいますと「上田獅子」とか「石楠花(しゃくなげ)」だとかというレリーフを思い浮かべる方もきっと多いのではないかと思いますけれども、農民美術というのは正しくは「農民美術運動」というのが正しい言い方であります。大正8年に、先ほども知事からご紹介いただきましたが、山本鼎という版画家であり洋画家である先生が日本へ帰ってきて、ロシアに農民美術があるのを見てきまして、北欧とかロシアの農民美術は日本に持ち帰っても面白いのではないかということで、大正8年に現在の上田市の神川というところで第三セクターのような形をとって、小学校を借りて講習会を開いたというのが始めでございます。大正12年には研究所もできまして、男子部、女子部というような会も組織されて、その中で今は木彫だけが残っておりますけれども、当時は刺しゅうだとか木工科だとか塗術科だとか、ホームスパンといいまして毛織物、そういうものも含めたいろいろな工芸品をやっていこうということで、偏るのではなくありとあらゆるものを、考えられるものを農民の手で作り出していく。それにはそうはいっても簡単にはできないだろうからということで、運動に協力していただく有名な工芸家だとか彫刻家だとか画家の先生方をこの田舎に呼んできて農民に直接指導した。これは副業を推進するということもありましたけれども、それだけではなくて美術教育ということを兼ねて、当時学校にも行かなかったような農民に美術教育を施したら一体どんな作品が生まれるだろうという非常に壮大な計画もあって生まれたのが「農民美術運動」であります。今回持ってまいりましたけれども、発足当時からあります「木端(こっぱ)人形」と60年ぐらい前から作られている「鳩の砂糖壺」ですけれども、これも農民美術を代表する作品と言っていいのではないかと思いますけれども、2種類をお持ちしました。現在はどちらかというとレリーフとか大型のものが多いわけですけれども、私はこういう「木端人形」というのがいいんじゃないかということで、実は去年、東信地方の方で呼び掛けましたら結構反響が大きくて、大勢の方が自分も実は興味があってやってみたかったということで、今までは割合年配者が農民美術を支持していただいていたのですが、「木端人形」に関しては非常に若い方も関心を持っていただいています。大正8年ですので、あと3年で100周年というところまできております。私たちも昭和37年に山本鼎記念館というのをわれわれの先輩が作ったわけですけれども、老朽化によって閉鎖ということについ先ごろなってしまいまして、上田のサントミューゼに移管されたわけですけれども、そんなこともありまして、われわれとしてはちょっと心寂しいところもありまして、伝統工芸品は後継者も少ないんですけれども、こういう木端人形なんかを通じて各村々の道の駅なんかでそれぞれ違ったものを伝統文化あるいは働く人々、そういう地域の特色のあるものを人形に変えてこういうものを作って、それを道の駅なんかに置いていったら面白いんじゃないか、それをコレクションする人も出てくるのではないかというようなことも考えまして、去年から始めましたら非常に好評をいただいております。そんなことで今回は紹介させていただきましたけれども、ぜひ100周年、またその先まで続くように県の方にもお願いをしまして、ご協力いただいて、これから何とか後継が絶えないように頑張っていきたいと思っておりますのでよろしくお願い致します。ありがとうございました。

長野県知事 阿部守一
 なかなか味があっていいなと思います。知事室に飾ると子どもたちも大勢来るし、こういうものが長野県の伝統的工芸品としてあるというのを多くの子どもたちにもぜひ知ってもらえればと思いますのでよろしくお願いします。伝統的工芸品については県としてもしっかりこれからも振興に取り組んでいきたいと思いますのでよろしくお願い致します。
 私の方からは以上でございますので、よろしくお願い致します。

取材者からの質問

 1 軽井沢町でのバス事故について

信濃毎日新聞 村澤圭一 氏
 最初に知事からもお話があった軽井沢のバス事故なんですが、これまでに県の方に入っている情報と、先ほどの部局長会議でも県警本部長の方からご報告があって県として協力できることがあればしていくというお話もありましたが、過去の例で、例えば御嶽山の災害のように多数の方が犠牲になったようなケースで、遺族の方の対応ですとか、県としてできるものというか、何か今検討されていることがあれば教えていただけますか。

長野県知事 阿部守一
 まず、冒頭申し上げた通り、私どもとすれば大変痛ましい残念な事故だと受け止めています。今、警察の方で原因究明に取り組んでいるわけでありますので、その状況を私としては現時点ではしっかり見守っていきたいと思っています。長野県は観光県でありますので、ぜひ大勢の皆さま方にいろいろな形でお越しをいただいたときに安心、安全にお越しいただける環境づくりをしていくということは非常に重要だと思っています。ただ、個別の事件、事故を全面的に防止すると、一般的な、例えば交通事故対策、今日も県警本部の報告にもありましたけれども、交通事故死者数については、昨年は減少という状況でありましたけれども、引き続き交通事故防止対策には努めていきたいと思っておりますし、また先ほど登山道のグレーディングの話も含めて、全体として安全、安心にお楽しみいただける長野県づくりということはしっかり念頭に置きながら、これからの観光振興を進めていきたいと思っています。

信濃毎日新聞 村澤圭一 氏
 これまでに入っている情報が危機管理の方であれば教えていただきたいんですが。

消防課長 西澤清
 10時40分現在でございますが、死者が14名、警察情報でございます。男性9名、女性5名の方ということでございます。あと、軽井沢町役場の方でご遺体の安置所を町の屋内多目的運動場に、それから家族の皆さんの休憩所を町の中央公民館に設置致しました。県と致しましては佐久地方事務所の職員を町の役場の方に派遣しまして、何か必要なことがあればすぐ対応できるような体制を取っております。以上でございます。

 2 子どもを性被害から守るための条例モデルについて

信濃毎日新聞 村澤圭一 氏
 別の質問で、子どもを性被害から守る条例モデル、今日の午後に大町市の方で意見交換会があるかと思うんですが、現時点で予定しているのは以上になるかと思います。これまでの意見交換会を通じて知事はご判断されることになるかと思うのですが、議論についてかなり出尽くしたというか、逆にどの部分がかなり深まった、もし深まってない部分があるとすればどの部分があるかとか、そういった部分をちょっと教えていただけますか。

長野県知事 阿部守一
 かなりいろいろな県民の皆さんと意見交換させていただく中で意見として多く出てくる部分というのは、例えばその教育、予防の問題であったり、あるいは他県の条例と比べると、今回の条例のモデルは罰則の対象、規制の対象が限定されているわけですけれども、そうしたものに対するご意見であったり、ある程度いろいろな会場で同じような意見が出る、出される部分というのは同じような傾向があるのではないかという受け止めはしています。ただ、私が全ての会場出ているわけではありませんし、また各関係団体、子どもたちを支援する団体の皆さんとの意見交換会は部局の方で対応してもらっているので、そういうものを全体として整理をした上で、私として判断をしていきたいと思っているところであります。

信濃毎日新聞 村澤圭一 氏
 具体的な提案があって、例えば先日知事も出られた若者とのタウンミーティングでは、インターネットを使った相談ですとか、ちょっとなかなか今までなかったようなアイデアも出たりしているかと思うのですが、一方私どもが従前指摘しているような罰則規定についてそのものについての是非というのがあまり議論にならなかった気がするんですが、それについてはどのように捉えていらっしゃいますか。

長野県知事 阿部守一
 この間、TOiGO(トイーゴ)で開催した若者とのタウンミーティングは少しこれまでのタウンミーティングや意見交換とは趣が違うというか、年代層も少し違う感じがありましたので、かなり私も改めて認識したのはインターネットの普及という社会環境の変化ということはいろいろなところで話が出ておりましたけれども、さらにそうしたものが個別にどういう形で高校生たちが活用しているかということについて、私自身も改めて認識しましたし、そこに出ていた多くの人たちは、より認識が深まったのではないかと思っています。そういう意味で、実はこれは社会環境の変化に対応して子どもたちをどう守るかということで検討してきているわけでありますけども、実は私が感じたのは社会環境の変化を生かして、例えばSNSで子どもたちの相談に乗るとか、よく検討しなければいけない部分はありますけれども、新しい手法での子どもたちへの向き合い方というものを行政として強く求められているということを認識をしました。また、罰則とか規制の話については、前回のタウンミーティングでも、例えば高校生からはやはり友人が被害者になったときに何も規制されない、罰則を受けないということではいけないのではないかというような趣旨のご意見もあったので、罰則とか規制の話について何も検討、議論がされていないということではないだろうと思います。ただ、私どもの方で条例のモデルを説明したときに、例えば最高裁判決との関係であるとか、構成要件の明確性の問題であったり、いくつか法制的にどうしても罰則とか規制のところは難しいテクニカルな部分があるので、そういうところのレベルの議論がないのではないかと言われれば、それは確かにないと思います。ただ、そこは法令の専門家、法律の専門家の皆さま方の中でかなり詰めた議論をしていただいたところでありますし、そうしたことを踏まえて私としては県民の皆さまの個々の罰則規定がどうだこうだという部分ももちろん重要な論点でありますけれども、それと同時に県民運動を中心にこれまで取り組んできた長野県が新たに条例の制定をした上で条例と県民運動の両輪で取り組むという大きな方向性についての感覚はどういう思いなのかということを把握していくことが私としては重要ではないかなと思っております。そういう意味では、私としては大変いろいろな参考になるご意見をいただく機会に前回のTOiGOでの開催になったと思いますし、これまでの意見交換、タウンミーティングの中でもかなりさまざまなご意見をいただいてますので、そうしたご意見を総合して県としての方針を決めていきたいと思っています。

信濃毎日新聞 村澤圭一 氏
 今の知事のおっしゃられた罰則の規定のところなんですけど、確かに議論を聞いているとテクニカルな話題にはならなかったと、一方、それについて県の皆さんとしてみれば、法的な問題はクリアされたというふうに考えていらっしゃると思うんですが、一方、専門家の方の中では依然として構成要件が不明確ではないかと、そもそもこういった手段を取る罰則規定というのは最後の手段ではないかと、そういった視点がいろいろとあるかと思うんですね。そういった部分を県側の方から今回説明をしないまま説明会をしている状況があるんですが、それについては今までも私は指摘するべきではないかというふうに主張してたと思うんですけど、それについてはどうお考えになりますか。

長野県知事 阿部守一
 専門家の方が構成要件が不明確だというのは、どこでどなたがおっしゃってらっしゃるんですか。

信濃毎日新聞 村澤圭一 氏
 それについては次世代サポートの方でも直接専門家の方からお聞きをしていらっしゃると思いますので、そういった懸念があるということは県の方で把握していらっしゃると思うんですね。例えば18歳の高校生に話を聞くときに、県の方からは何も懸念がありません、これについて法的な問題クリアされたものです、それの下で議論してくださいというのは多様な議論ができる状況なのかどうかという点はいかがですか。

長野県知事 阿部守一
 私は懸念の声に対して耳をふさぐというつもりは毛頭ございませんし、今おっしゃったようなお話がもし私どもの方に聞こえているのであれば、そうしたものも含めて基本的な方針を決めていくということになります。結論ありきでやっているわけではない。今お話があったような構成要件の明確性について懸念があるという話は、次世代サポート課で聞いているか。

次世代サポート課課長補佐 久保良二
 専門家の方の懸念というご質問でしたけれども、私どももそういった懸念があるということで、新聞報道等でされている専門家、大学教授の方にお聞きをしたという経過はございます。

長野県知事 阿部守一
 懸念があるとおっしゃっているのか。

次世代サポート課課長補佐 久保良二
 一般的に懸念があるということでおっしゃっています。

長野県知事 阿部守一
 今のご質問の趣旨がよく分からないんですけれども、われわれは広くいろいろな方のご意見を伺っていて、皆さまから出ている意見はしっかり踏まえた上で方針を決めようと思っていますので、そういう意見は横に置いてしまっているかのような受け止めをされているということであれば、そうしたことはないということで申し上げなければいけないと思います。

次世代サポート課課長補佐 久保良二
 一般的に刑罰の効果を過信してはいけないというようなお話であるとか、刑罰は謙抑的であるべきあり、その効果を過信してはならないというようなご発言をいただいております。

長野県知事 阿部守一
 村澤さんのご質問に対して申し訳ないですけれども、私も新聞等でそういうご懸念があるということについては、むしろこちらから積極的に確認しなければいけないと思って聞いています。要するに具体的な条例のモデルを基にしてのご議論なのか、一般論としてのご議論なのかというので、だいぶそこは私は違っているのではないかと思いますので、ぜひ長野県の議論は他の県のいわゆる青少年健全育成条例制定の議論とは相当程度違うということは何度も私はこの場で申し上げておりますので、ぜひメディアの皆さんにおいてもその辺しっかりご覧をいただいた上で、批判いただくべきところはご批判をいただければありがたいと思いますのでよろしくお願い致します。

信濃毎日新聞 村澤圭一 氏
 くどいようなんですが、今のお話で私どもが報道している専門家の方については条例モデルについて全部見ていただいた上でコメントを頂いています。そのコメントの下に皆さんの方でお話を聞いてそういうことを確認していらっしゃるかと思うんですけど、お聞きしたい点は、行政のありようとして、何かしらやるについてはメリット、デメリットがある、デメリットを上回るほどのことがあるのかどうかということは議論を進める上でやるべきではないかと思うんですけど、今回の議論について私もほとんど出ましたが、そういった点が県側の姿勢になかったので、それについてどうかというふうにお聞きをしているんですが。

長野県知事 阿部守一
 むしろ私は特定の方向に誘導するというようなことは全くしてないと思っています。条例が必要だから条例を作りましょうと必要性を過度に強調するようなやり方も取っていないと思いますので、それはいろいろなやり方について個々具体的なご意見はあろうかと思いますので、それは村澤記者のご意見、信濃毎日新聞社のご意見として受け止めさせてはいただきますが、ただ、そうしたご意見にすべて即応して、こうした方がもっと良かったからこれがないのはおかしいと言われていることにすべて対応するわけにもいかないわけではありますので、ご意見として承っておきたいと思います。

信濃毎日新聞 村澤圭一 氏
 もう1点だけ、最初にお聞きをした議論について、これで2月県会までに表明されるというお考えが変わらないかという点と、議論が十分だったか、直接知事ご自身これからいろいろな場もおありになると思うんですが、こういった場が終わる、この後12時からもあると思うんですけれども、その点を踏まえて十分だったかどうかという点についてはいかがですか。

長野県知事 阿部守一
 これはもう極論すれば、県民の皆さん一人ひとりのご意見を聞くっていうこともすべてやろうと思えばやらなければいけないというお話になるのかもしれませんけれども、今回の性被害から子どもを守るための取り組みについては、相当私は慎重な検討を重ねてきていると思っています。検討委員会での検討を行い、そして県民運動を行っている皆さんからも意見が出され、さらには法律の専門家の皆さま方に条例のモデルを検討していただき、そして、そうしたものを踏まえた上で県民の皆さま方とのタウンミーティングであったり、あるいは子どもの支援を行っている皆さま方からの意見聴取であったり、そうしたことを行ってきています。これが不十分だということになると、他の意思決定、政策決定、長野県として行っているものは、おそらくほとんど県民の意見反映が不十分という話になり得るのではないかと私は思います。もちろん、もっとやろうと思えばやれる分はあると思いますけれども、しかしながら子どもを性被害から守るための取り組み、2年半前から検討委員会を立ち上げて検討してきているわけでありますので、私としては方針を固めて、県議会の皆さま方のご議論もいただくということが必要になってきた時期ではないかなと思っています。そういう意味で、条例についての基本的な方針については11月県議会でご答弁させていただいたとおり、2月県議会までには方針を固めていきたいと思っています。今日もこれから県民会議の皆さんともいろいろ懇談させていただく予定でありますし、また、県民文化部の方でもタウンミーティングが予定されておりますので、そうしたことも総合的に勘案した上で方向付けをしていきたいと思っています。

 3 雪不足について

信濃毎日新聞 村澤圭一 氏
 別の質問で、雪不足、暖冬傾向についてお伺いしたいんですが、産業労働部の方で相談窓口等設けたりしてますし、県会の方からも支援の要望というのがあるんですが、何か今、具体的な支援策というか対策というのは考えている点というのはございますか。

長野県知事 阿部守一
 スキー場の年末年始から1月の3連休にかけて、長野県非常に好天に恵まれたということの裏返しで、スキー場雪不足ということで困っている事業者、関係者大勢いらっしゃると認識しています。年末年始あるいは1月の3連休の状況を見ると、主なスキー場に対する聞き取り調査をしたわけでありますが、主な16スキー場のうち、約7割がスキー客減少という結果が出てきています。そういう中で、私どもとしては、こうしたものに対応していかなければいけないと思っています。一つは事業者が経営が厳しいという中で、低利な制度資金の貸付、こうしたものをしっかりPRしていきたいと思っています。また、誘客のプロモーションについても、雪は少ないけれども滑走はできるわけでありますので、しっかりとしたPRが必要だと思っています。この点については観光部の方に具体的な検討を指示して、今いろいろ知恵を出しているところでありますので、今の状況を観光部の方からご説明させたいと思います。

観光誘客課長補佐兼観光プロモーション係長 中澤修二
 先ほど知事が申しましたように、現在長野県のスキー場は、この雪不足にありましてもおおむね9割のスキー場で滑走が可能となっております。しかしながら、この暖冬傾向で、世の中の皆さんにスキーができないのではないかと思われてしまうことが一番怖いことだと思っておりますので、県としましては、長野県の多くのスキー場は滑れるんだというメッセージを発信していきたいと思って取り組んでいるところでございます。まず、長野県のスキー情報総合ポータルサイト「SNOWLOVE.NET」というものがございます。こちらは11月から12月までのアクセス数で約50万ページビューという、長野県でも最も見られているサイトかと思われるのですが、こちらにスキー場の正確な情報、積雪情報に加えまして天候だとか滑走可能エリアとか、こういったものも毎日発信してございます。こちらは約7万人の会員がございますメルマガとか、フェイスブック、ツイッターも使ってスキー場の状況というものを正確に発信してまいります。それから、来週中から始めたいと思って今準備しているのですけれども、スキーやスノーボードを趣味にしている若者をターゲットに致しまして集中的に宣伝広告を行っていきたいと思っております。フェイスブック広告だとかインターネットのターゲティング広告、それから検索連動広告などを実施しまして、こちらもスノーラブの方に長野県の多くのスキー場は滑れるんだというメッセージを発信していきたいと思っております。また加えまして、本日も全国紙で出稿させていただいたりしましたが、新聞広告、あるいはスキー用品の展示即売イベント等で直接呼び掛けるなど、あらゆる手段を使ってメッセージを届けていきたいと思っております。これによりまして、スキー、スノーボードに対するムードを喚起致しまして、少しでも本県のスキー場にお客さまが来ていただくようにと取り組んでいるところでございます。

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 4 道路占用料の徴収漏れについて

信濃毎日新聞 村澤圭一 氏
 もう1点だけお願いします。先日8日に発表になったんですが、佐久地方事務所で道路占用使用料の徴収ミスがあったと。お聞きしたいのは再発防止についてと、これも事態が発覚したのが去年の9月で公表が今月、同じような事例でこれも会見で以前お聞きしましたが、去年の10月にこれは農政部の方ですけれど、農業者の利子補給の助成事業で14年の11月に発覚したのを公表したのが去年の10月だと、こういったミスというか、そのあったときに速やかな公表というのが、前もお聞きしたのですが、なぜこんなに時間がかかってしまうのか。

コンプライアンス室長 宮下克彦
 速やかな報道ということで、可能な限り速やかな公表に心掛けているところですけれども、ある程度の事実確認、実際にどういう状況だったのかという事実確認が必要ですので、そこは確認をさせていただいた上で可能な限り速やかに公表をしているということでございます。

長野県知事 阿部守一
 一般論としては、村澤さんのおっしゃっていることは私も同じ認識です。ですから、個別の事案でここがやっぱりおかしかったのではないかいうことがあれば、またご提言いただければと思います。ただ、いろいろな事象を見ていると相手方があるものについては、たぶん相手方との関係性を確認しないと出せないとかそういう部分もあるので、覚知したものが直ちにすべてその時点で同時に出せるかというと必ずしもそうではないという部分もぜひご理解いただきたいと思いますが、ただ、私一般的には、出すべきものはしっかり出すと、例えば先般も信濃毎日新聞社からのご要請もあったと伺っていますけれども、新幹線の騒音の問題、あれは環境省分と長野県分あるわけでありますけれども、環境省と合わせたという意見もありましたけれども、私は県で出せるものは出せということで公開させていただいていますので、ぜひそうした姿勢でこれからも取り組んでいきますのでよろしくお願い致します。

信濃毎日新聞 村澤圭一 氏
 再発防止策で今何か検討されているということはありますか。

道路管理課長 臼田敦
 再発防止策でございますけれども、今回占用物件に対しての未徴収があったということで、まずそうした事案が発生しないように事務の適正化について徹底していきたいと、これは占用事務の担当者会議、毎年開いておりますけれども、この中でより詳細に徹底してまいりたいと思います。またそれに関連しまして、事務のマニュアルをより具体的に示して、許可の基準、それからチェックすべき項目について、徹底していきたいと考えます。また所内のチェック体制と致しまして、担当者の者を複数の上司が必ずチェックするという仕組み作りをしていきたい、また今回発覚したのは、県庁からチームを組んで事務の適正化をチェックしたわけなんですけれども、そういった適正に事務が執行できるかどうかというチェックする調査を毎年度行っていきたいと考えています。

長野県知事 阿部守一
 ありがとうございました。

お問い合わせ

企画振興部広報・共創推進課

電話番号:026-235-7054

ファックス:026-235-7026

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