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更新日:2015年11月26日

知事会見(平成27年(2015年)11月26日(木曜日)14時02分~14時43分 会場:県庁)

項目

知事からの説明

取材者からの質問

  1. 子どもを性被害から守るための取り組みについて(1)
  2. 大北森林組合補助金不正受給について(1)
  3. 自動車取得税の廃止に伴う環境性能課税について
  4. 子どもを性被害から守るための取り組みについて(2)
  5. 子どもを性被害から守るための取り組みについて(3)
  6. 子どもを性被害から守るための取り組みについて(4)
  7. 大北森林組合補助金不正受給について(2)
  8. 子どもを性被害から守るための取り組みについて(5)
  9. 航空宇宙産業の振興について

本文

知事からの説明

 県議会11月定例会が開会、電子版「ふるさと信州風景百選」カレンダー作成について

長野県知事 阿部守一
 それでは、11月26日の会見を始めさせていただきます。
 まず、11月定例会が今日から開会ということで、補正予算案、それから条例も「福祉のまちづくり条例」の改正案であったり、「登山安全条例案」の新設でありますけども、こうしたご提案させていただいておりますので、十分ご審議いただいた上で、ぜひご議決を賜りたいと考えているところでございます。
 今日、私の方からは1点、「ふるさと信州風景百選カレンダー」を作成ということで、こちらにもございますけれども、その話をさせていただきたいと思います。ご承知のとおり「ふるさと信州風景百選」、こういう冊子で取りまとめて配布、あるいは販売してきたところでありますけれども、今回、この景観の素晴らしさをもっともっと大勢の皆さま方にお伝えして、そして活用していただこうということで、電子版のカレンダーを作成致しました。後で回していただいてもいいと思いますけれども。これは「ふるさと信州風景百選」のホームページからダウンロードしていただいて、印刷をしていただければ壁掛け用のカレンダーになるというものであります。パソコンの壁紙としてもご利用いただけますので、どんどんご利用いただきたいと思っています。それからもう一つ、この風景百選の関係では絵はがき。こちらも企業団体の皆さんのご協賛をいただく中で作成をさせていただきました。現在17カ所の風景を絵はがきにさせていただいておりますけれども、それぞれ1カ所2,000枚の絵はがきを作成しております。パネル展、あるいはイベント等での配布を通じて、長野県の景観の素晴らしさを大勢の皆さんに知っていただく契機にしていきたいと思っています。「ふるさと信州風景百選」のもともとの冊子については、当初今年の1月に初版3,000部印刷したわけですが、さらに2,000部を増刷という状況で大変好評をいただいているところであります。これとは別に2,000部を配布用として作成しておりますので、これまで合わせて7,000部を印刷しているということで、長野県の風景、景観に対する取り組みを大勢の人に知っていただく機会になっているものと思っています。カレンダーや絵はがき、大勢の皆さまにご利用いただきたいと思っていますので、よろしくお願い申し上げます。
 私の方からは以上でございます。よろしくお願いします。

取材者からの質問

 1 子どもを性被害から守るための取り組みについて(1)

信濃毎日新聞 村澤圭一 氏
 先ほどの11月県会の提案説明のところで、子どもを性被害から守る条例について言及があったかと思うんですが、具体的に2月県会までには条例に関する基本的な方針を取りまとめた上で、というようなご発言をされたんですが、この基本的方針というのはどのようなことを指していらっしゃいますか。

長野県知事 阿部守一
 子どもを性被害から守るための取り組みについては、県民の皆さんと意見交換を進めているところであります。そういう中で、今回、県議会の提案説明の中で2月県議会定例会までには条例に関する基本的な方針を取りまとめた上で、県議会において十分なご議論ろいただけるよう取り組んでまいりますとお話をさせていただいたところでございます。最終的には県議会が意思決定機関であるわけでありますので、私とすれば県民の皆さま方との意見交換を踏まえた中で、今さまざまなご意見が出ています。こうしたものを集約して条例制定の是非ということも含めて、県としての考え方をお示ししていきたいと思っています。

信濃毎日新聞 村澤圭一 氏
 2月県会に区切られたのは何か理由というか、その根拠というのはおありになるんですか。

長野県知事 阿部守一
 これは提案説明で申し上げましたように、いろいろなご意見が出されているところであります。片方で慎重に考えるべきというご意見もある一方で、早期の制定を求める強いご意見もあります。私とすれば、これまでこの問題についてさまざまいろいろなプロセスを経て検討してきているわけでありますし、これからも若い人たちとの意見交換もぜひ行っていきたいと考えています。ただ、現実に被害を受けている子どもがいる中で、待ったなしの対応をしなければいけないという部分もあるわけでありまして、一定の時期には判断をしていかなければいけないだろうと思っています。そういう観点で、先ほどの提案説明のような表現をさせていただいたところでございます。

信濃毎日新聞 村澤圭一 氏
 これは今日掲載しているインタビューでもお聞きをしたのですが、今後若い方以外にどんな形で県民の方から意見を聞いていくかというのは、他にこういう聞き方というのは何か決まってらっしゃる部分もあるのでしょうか。

長野県知事 阿部守一
 今、条例のモデルのご説明をして、そして意見交換をさせていただいてきている状況でありますけれども、意見交換の相手、対象として例えば若い人たちからも保護者の方たちとは意見交換させていただきましたが、若い世代については私まだ直接お話をさせていただいていませんので、そうした部分については今までのどちらかというと保護者であったり、あるいは子どもを支援する人たちであったり、そういう方々とはやや違う観点からのご意見はまず伺いたいと思っています。それから、これまでご意見を伺った方とも条例のモデルということをご説明して意見交換させていただいていますけれども、ある程度県民の皆さま方からの出ている意見というものも集約されつつあるのではないかと思っています。そういう中で、より深い意見交換ということも片方でしていく必要があるんじゃないかと思いますので、各種団体の皆さんとも担当部局の方で意見交換してきていただいていますけれども、私とすればより広い範囲の皆さん、それからこれまで意見交換した方との間でも場合によってはもうちょっとより具体的な意見交換をしていくということが両面必要かと思っています。いずれにしても、さまざまなご意見はありますけれども、私としては一定の時期には方向性を定めていかなければいけないと思っています。

信濃毎日新聞 村澤圭一 氏
 そうすると、これから今まで聞いた中で聞けていない方とすれば若い世代だけ、それ以外の世代については知事が必要とされている意見交換、必要な方というのはほぼ聞き終えたと考えられるということですか。

長野県知事 阿部守一
 厳密にセグメント分けしてやっているわけではなくて、例えば県政タウンミーティングはどなたでもご参加いただけますので、先般開催したときには比較的若い世代の方からもご意見は出ていましたので、そういう意味ではこれまでも相当私は意見を幅広く聞かせていただいていると思っています。ただ、この場でもご指摘いただいていますが、若い人たちの意見は聞かないのかというご指摘もあるので、なるほど確かにそうだと私は思っていますので、そういう意味で若い人たちからの声も伺っていきたいと思っています。

信濃毎日新聞 村澤圭一 氏
 具体的な手法とすると、若い方を集めたランチミーティングなりの方法とすれば、どういう形かも教えていただきたいんですけど、不特定の方を集めるタウンミーティングのようなものは、もうこれからは予定はないと考えてよろしいですか。

長野県知事 阿部守一
 どういうやり方をするかというのは少し考えたいと思います。

信濃毎日新聞 村澤圭一 氏
 続けて、おととい知事にお伺いしたときに、今日の紙面には盛り込んでいないのですが、今後のスケジュールについては、あくまで現時点では意見交換中だということで、今後のスケジュールについては言えないというご回答をされていて、一方で今日の冒頭の提案説明では2月県会までにという具体的な方針を示されたのですが、正直ここ1日2日で何かこう状況が変わったという部分がおありになるのでしょうか。

長野県知事 阿部守一
 私とすればこの問題は非常に重要な問題だと思っていますし、再三にわたってご質問されるということは、重要だとお考えになってご質問していただいているんだろうと思います。そういう意味で今回の県議会に臨むにあたっても、最後まで提案説明上どう表現していくかということについては、私自身熟慮したわけでありまして、その上で今回の提案説明をさせていただいたところであります。そういう意味で私とすれば信濃毎日新聞の取材にも真摯(しんし)にお答えをさせていただいたと考えています。

信濃毎日新聞 村澤圭一 氏
 それに関連してもう1点だけ、先ほどのご説明に対して、県議会の方にお聞きをすると、私もまだ全員の方にお聞きをしたわけではないですが、結論ありきの進め方ではないかということをおっしゃる方もいらっしゃるんですが、期限を区切ることに対してはそういうご批判もあると思うのですが、それについてはどのようにお答えになりますか。

長野県知事 阿部守一
 これだけ大勢の皆さんと意見交換して、すぐにでも制定してほしいという方がいます。反面慎重にという方がいます。そういう中で最終的な意思決定は県議会でありますから、私が県議会の皆さま方にどういうスケジュール感で臨んでいくかということをお示ししないというわけにはいかないだろうと率直に私は感じています。そういう意味で仮に何も触れなければ、逆にいったいどうするつもりなのかということはお尋ねになられるという部分だと思いますので、そういう意味で私とすれば本当に何度も繰り返して申し訳ありませんけれども、この問題は子どもたちをどうするのか、現実に被害を受けている子どもたちがいる中でどうすればいいかという極めて重い問題だと思います。そういう意味では、さまざまなご意見とか、場合によってはご批判があっても、私としては信じている進め方でやっていかざるを得ないと思っています。

 2 大北森林組合補助金不正受給について(1)

信濃毎日新聞 村澤圭一 氏
 別の質問で、大北森林組合の問題についてお聞きをしたいのですが、先日、前専務理事が逮捕された際に、知事の方でコメントを出されて、やるべきことは県として進めていくという話をされたんですが、もう少しちょっと具体的にこの問題に対して県としてどういうことを進めていくご予定かというのを教えていただけますか。

長野県知事 阿部守一
 まず県として刑事告発をしておりましたので、それを受け止めていただいた上での対応をしていただく中で今回の逮捕ということで、私どもとすれば県警が捜査を通じてしっかりと今回の事件の全容解明をしていただくということをまずは期待しています。その上で私どもとしては二度とこういうことを起こさない対応をコンプライアンスの推進も含めてやっていくと同時に、まだ県職員の処分であったり、補助金の返還額の確定だったり行わなければいけないことがさまざまございます。そういうことをしっかりと確実に進めていくことによって、県民の皆さま方のご理解をいただきたいと思いますし、県民の皆さま方の信頼回復に努めていきたいと考えています。

信濃毎日新聞 村澤圭一 氏
 具体的に職員の方の処分については、任意で虚偽公文書作成の疑い等で聞かれている方が複数いらっしゃるかと思うんですが、その職員の方の処分はいつどのような段階と考えていらっしゃいますか。

長野県知事 阿部守一
 コンプライアンス推進室の方で、対象者が多数いる中、私としては時間がかかってしまっているという感覚は持っていますけれども、とは言え非常に期間も長期ですし、対象として検討すべき職員も多人数いるということで時間がかかっている状況であります。そういう中で、県民の皆さま方の信頼が得られるようにしなければいけないと思っていますので、いろいろな事実関係もしっかり確認しなければいけませんので、その上で厳正な処分を行っていくということで、いたずらに先延ばしをするというつもりは全くありませんが、ただ他方で十分な確認をしない中での処分も行えないと思っていますので、しかるべき時期にしっかり対応していきたいと思っております。

 3 自動車取得税の廃止に伴う環境性能課税について

日本経済新聞 逸見純也 氏
 自動車取得税の廃止に伴う環境性能課税についてなんですけれども、政府与党の方で議論を進めていますけれども、経済界の方からは制度設計の議論を先送りすべしというような声も出ていますが、その辺について知事はどういうふうにお考えか、ご見解とこれまでの県の取り組みについて教えていただきたいんですけれども。

長野県知事 阿部守一
 いわゆる車体課税の部分でありますけれども、このことについては平成26 年の税制改正大綱の中で、消費税率10%引き上げ時において自動車取得税を廃止すると、それと併せて自動車税、軽自動車税に環境性能に応じた取得時課税を導入するという大きなスケジュールが決められているわけでありまして、そういう中で地方にとりましては極めて重要な財源でありますので、その在り方については大変重要な事項であり、大きな関心を持っているところであります。そういう中で、ご質問がありましたように環境性能課税のところについて、具体的な制度設計の議論は先に送ってはどうかという意見も出ていると認識をしております。ただ私どもとしては、最終的には国が決定をされる話ではありますけれども、仮に平成29年度の税制改正に先送りされるということになると、私どもにとってはいくつか大きな問題があると思っております。一つは新たな税制上の仕組みを構築するということでありますけれども、条例案、自治体としては議会にかけていかなければいけないわけでありますので、早い段階で方向を決めてもらわなければいけないと思います。特に具体的に税務電算システムの改修が必要になってくるわけでありますので、これには相当の期間を要してくるだろうと思います。そうしますと平成29年度の税制改正に先送りということになると課税事務に支障を来す恐れがあると思っています。また税の話でありますから、納税者の皆さま方には十分な周知期間をもってお知らせしていくということが必要だと思います。そういう意味で本県としては、11月16日に自民党の税調の委員の皆さん、そして県選出の国会議員の皆さんに対して、地方財源の充実確保の要請をさせていただいておりますが、この中で今年中には具体的な制度設計を行っていただくよう要望をしているところでございます。ぜひ私どもの声を受け止めていただいて、国においては十分な検討をいただいた上で、平成28 年度の税制改正の中でしっかりとした方向付けをしていただきたいと考えています。

 4 子どもを性被害から守るための取り組みについて(2)

朝日新聞 関口佳代子 氏
 子どもを性被害から守る条例の関連なんですけれども、ランチミーティングの中でカウンセラーの方から性暴力の加害者になった人に対するアプローチというのが被害を生まない上で一番大切だという意見があったと思うんですけれども、県として加害者へのアプローチとしてどういったものを取り組んでいこうと考えられているのか、何か意見がありましたらお願いします。

長野県知事 阿部守一
 確かにそういうご意見がありました。私はそのときにも申し上げたかと思いますけれども、加害者側の更生であったり、再犯を防止するという観点は、確かに私も重要な視点だと思います。ただ犯罪者になった後のプロセスというのは司法プロセスに乗っていくわけで、基本的に国が裁判所を運営して、そして刑に服するとなれば刑務所なりで、そういうところでの対応は国が行うべき部分になってしまっていますので、そういう意味で地方が独自に取り組む余地というのはかなり限られているのではないかと感じています。ただ、それこそ例えば県民運動という話でずっとこの青少年の保護育成やっていますけれども、犯罪を犯した人に対する更生の支援を行っている方々もいらっしゃるわけでありますけど、そういう方たちのご意見等も伺いながら、できることが本当にどんなものがあるかということは考えていかなければいけないと思います。ただ、非常に県としては、取り組みにくい分野ではあるかと思っています。

 5 子どもを性被害から守るための取り組みについて(3)

長野朝日放送(abn) 箱田博正 氏
 同じく子どもを性被害から守る取り組みについてなんですけれども、提案説明の中で、県議会において十分なご議論をいただけるよう取り組んでまいりますという文がありましたけれども、そうしますと、2月県議会の定例会に条例案としてまとめて議会に提出するというお考えなのかどうか、その辺はいかがでしょうか。

長野県知事 阿部守一
 先ほど申し上げましたように、まず条例制定の是非も含めてどうするかということを考えて、その上でその条例に関する基本的な方針を県としてお示しをして議論いただきたいと思っていますので、今のお話で申し上げれば、最終的な条例案を出してご議論をしてもらうというようなことでは必ずしもないわけでありまして、あくまでも私どもとして条例制定の是非、それについてどう考えるか、そしてその上で県としてどのような考え方に立って対応していくのか、そういうことも踏まえたものをお示ししていくと。今の段階でどんな形でどんなものをお出しするかというところをぎちぎちに詰めているわけでありませんけども、先ほど申し上げたように最終的には条例の話ですから、県議会が意思決定されるわけであります。今、私が県の執行機関として県民の皆さんと意見交換させていただいている状況なわけですけれども、いつまでも意見交換してますということだけでは、議会に対する責任を私としては果たせないわけでありますので、そういう意味で県議会に対しては条例に関する基本的な方針を取りまとめていきますと。その在り方とか中身はこれから引き続き意見交換してまいりますので、そうしたことを踏まえて決めていきたいと思っています。

 6 子どもを性被害から守るための取り組みについて(4)

朝日新聞 関口佳代子 氏
 追加なんですけれども、先ほどの若い人にも意見を聞いていきたいというお話だったと思うんですけれども、具体的には中学生・高校生だったり、そういった人たちを想定しているのかどうかっていうことをお願いします。

長野県知事 阿部守一
 私は中学生とか高校生という考え方もあり得るかもしれないんですけれども、ただ微妙なセンシティブな話ですから、むしろ子どもだった時期に比較的近い人たち、あるいは子どもたち、若者たちの感覚を共有できるような年代の人ということを中心に考えていきたいなと思っています。

朝日新聞 関口佳代子 氏
 もう少し上の世代っていう理解ですか。

長野県知事 阿部守一
 そうです。

 7 大北森林組合補助金不正受給について(2)

朝日新聞 小松隆次郎 氏
 大北森林組合の問題では先ほども質問あったんですが、まず前提として元専務理事が逮捕されて、それ以前、その後も含めて、県職員の方が被疑者として何らかの犯罪の嫌疑が掛けられた上で、事情聴取を受けているかどうかっていうところの把握は知事としてはされていますか。

長野県知事 阿部守一
 個別の話なので、本当は県警の人に答えてもらった方がいいかのかもしれないですけど、コンプライアンス推進室の方で状況をお願いします。

コンプライアンス推進室室長 宮下克彦
 県職員の捜査への協力につきましては、県警の方に協力をしているところでございますけれども、嫌疑を掛けられての調査、その辺につきましてはこちらから答えるということはできないので、協力は十分にしているということでご理解いただきたいと思います。

朝日新聞 小松隆次郎 氏
 今回の逮捕容疑というのは、作業道を開設してないのにしたように装ってということで架空申請の類かなと思うんですが、県の調査でも平成23年度以降の職員は少なくともその架空申請を認識していなかったという調査結果っていうのが出ているんですが、そうすると今回の案件というのは平成24年度ということで、現段階でも、今、警察の捜査も進んでいると思うんですが、職員の方はそれを認識していなかったということで、今も知事の考えは変わりないですか。架空申請を職員の方が認識していなかったということですね。

長野県知事 阿部守一
 まず、刑事的な対応は警察の判断になってくると思いますので、そこは私があまりどうだこうだ申し上げるわけにいかないと思っています。他方で私の方とすれば、先ほど申し上げたように、県職員を組織として処分をする立場にあるわけで、どういう処分量定するかというのは今1人1人の人物について、なおかつ複数年にわたる、どういうものに対してどういう対応をしてきたということをつぶさに整理をする中で検討しているところでありますから、今、お尋ねいただいたような点については、処分をする段階でお話をさせていただくことが適切ではないかと思っています。

朝日新聞 小松隆次郎 氏
 全体的なことなんですが、調査全て通じて県北安曇の林務課で不適切な事務処理をということはずっと出てくるんですが、知事として不適切な、何らか違法行為があったかどうかということは、違法行為があったというふうにお考えですか。不適切な事務処理というのは非常に表現があれなんで。

長野県知事 阿部守一
 微妙なご質問だと思います。さっき性被害の話は罰則を付けるか付けないかというところの論点もあるわけでありますけども、違法というのも、刑罰法規に触れるレベルの違法状態なのか、あるいは一般の手続法に違反しているようなものなのか、たぶんいろんなレベルがあるので、あまり単純に申し上げることはできないだろうと思います。ただ、確かに不適切という表現ではあまりにも漠然としすぎるじゃないかというご質問の趣旨ではないかと思います。私とすればそうしたことも含めて、これはもちろん刑事的な手続は警察が捜査を踏まえてやっていただくわけですけれども、それとは別にわれわれは内部で職員の聞き取りを行っています。そうした中で今ご指摘いただいたように、不適切というもので済まされるようなものなのか、違法であったり、あるいは違法の程度が通常のものより高いものなのかということは、これはやっぱり個々の人物、個々の事案に即してしっかり検証していかないと、単純にそういう人たちがいたかもしれませんということをこの場で一般的に申し上げるのはなかなか難しいかなと思っています。

朝日新聞 小松隆次郎 氏
 ただ、調査報告書の中からでも多少違法と指摘できる部分もあると思うんですが、これ、漠っと不適切な事務処理、例えば流用を、時効とかは当時の案件で考えていくと、流用を実行していたりだとか、違法と指摘できる部分もあるかなと思うんですが。

長野県知事 阿部守一
 違法というのが何をもって違法と捉えるかというところが結構微妙なところだと思いますけど、例えば本来検査すべき検査を行っていなかったというようなことは、これは明らかに県としてのルール違反であることは間違いないだろうと思っています。そうしたことも含めてしっかり明らかにした上で、職員の処分も行っていきたいと思っています。

 8 子どもを性被害から守るための取り組みについて(5)

信濃毎日新聞 村澤圭一 氏
 先ほど質問が出た子どもを性被害から守る条例モデルの関係で、若者たちの話のところで、知事は従前から18歳未満、いわゆる当事者の子どもさんからお話を聞かないとおっしゃっているんですが、逆にいうとそれはなぜかもう少しちょっと詳しく教えていただけますか。

長野県知事 阿部守一
 いつもそこの話聞かれるので、またよく考えてみたいと思います。正直言って。ただ子どものところに行って、こういう行為に対して、例えばあなたに対する欺罔(ぎもう)というか、あなたをだまして性行為を行った大人に対して罰則を付けるのがいいと思いますか、そう思いませんかということはどうやって聞くのかというのは非常に悩ましいのではないかというのが正直思います。子どもの意思というものをしっかりと尊重していくということは大事なことだと思いますけれども、そのことといかなる問題もストレートに意見を聞くべきだということが、必ずしも私はイコールにはなり得ないのではないかという感覚を持っています。ただ何度もここでそういうご質問を受けるので、そこは別に全くご意見を否定するつもりはないわけでありますんで、本当にどういうことが適切なのか考えたいと思いますけども、今の私の考えとしては、今言ったような話ができないのではないかと。例えばお子さんとお話をするとなれば保護者の方たちの同意を得た上で、普通の県庁見学に来てくれた子どもたちに、今、勉強何やっているのという意見交換とは全く違うレベルの話になることは明らかだと思いますので、そう簡単な話ではないのではないかと正直感じています。

信濃毎日新聞 村澤圭一 氏
 そこまで被害を受けられた子どもさんに限らず、もう少しその同世代というか、例えば高校生の中でも性教育について非常に熱心な女の子もいらっしゃるでしょうし、同世代の子どもたちが巻き込まれないために同世代から見てこう考えるというか、そういった少し幅広い視点っていうのは可能かなという気もするんですが、そこまで広げてという聞き方というのはいかがなんでしょうか。

長野県知事 阿部守一
 私は、今直ちに分かりましたとは申し上げられませんけれども、何度もそういうご提案をいただくので、そういうことが可能なのか、今回の問題でも例えば性被害を受けた子どもたちへのアプローチの仕方ということに対する、被害を受けてなおさらそこからほじくり返されるような司法手続ということも問題ではないかという議論もあるわけでありまして、子どもたちに対するアプローチというのはそれなりにしっかり考えた上で行っていかないと、それはそれでまた問題があるのではないかと思います。いずれにしても何度もご意見いただいていますし、意見交換は継続していきますので、そうした私が言っているようなことが一般的にご理解いただけるのか、そうじゃないのかということも含めて考えてはみたいと思います。

 9 航空宇宙産業の振興について

信濃毎日新聞 古志野拓史 氏
 今日は開会あいさつで、MRJのことにも触れていらっしゃって、今月の11日に初飛行になって県内のメーカーもずいぶん関わったということで、今後に期待が持てるというところは全く同感なんですけれども、今現状では知事もよくご承知のとおり、南信州にクラスターというか形成されていて、なかなかまだ全県にすぐ明日あさってに波及するというような状況にはないと思っているんですけども、知事は昨年にボーイングへ行かれて長野県は航空のクラスターもありますというアピールされてきたと思うんですが、どうしても住んでいればこれだけ広い中に航空機産業を活性化していけばいいとは思うんですけども、知事の中では今まさにけん引している南信州を核にどんどんレベルアップしていけばいいと思われているのか、それとも県としても施策もなるべく全県的に網羅できるような進め方がいいのか、それ辺のイメージがあったら教えていただきたいんですけども。

長野県知事 阿部守一
 南信州は国としても特区指定されているわけでありますから、そういう意味で中核になって引っ張っていってもらいたいと思っています。ただ、県内の他地域も航空産業に関心をお持ちの企業、あるいは関連する企業もあるわけでありますから、そういう意味で飯田・下伊那だけで進めるということではなくて、県内の広い企業が参画、あるいは共に取り組んでいけるような環境をつくっていくということも併せて重要だと思っています。ただ、特区になっているのは南信州地域を中心に指定を受けているわけでありますので、やはりその地域がけん引していただくということが必要だろうと思っています。

信濃毎日新聞 古志野拓史 氏
 他地域にも関心を持っている企業がずいぶんあるというのも、まったくその通りだと思うんですけど、例えば今飯田への支援なんかとは別に今後県全体に波及させるような取り組みなんかを知事として今後については何かイメージとか、関心がおありかどうかというかどんなもんでしょうか。

長野県知事 阿部守一
 関心は大いにありますし、先般もカナダのケベック州の方たちが、飯田に来たときに意見交換させていただきましたけれども、やはり産と学と行政、地域の連携が極めて重要だというお話をされています。そういう意味では私とすれば航空宇宙産業については、経済界の皆さんと一緒にビジョンをつくって共に取り組んでいく、そういう状況を県としてはつくっていかなきゃいけない。飯田地域が今一生懸命頑張って特区指定まで持っていけるように努力をしてきていただいたわけでありますし、県も提案説明で申し上げましたようにさまざまな支援を行ってきています。こうしたものをさらに発展させる、特に私は中の議論では言っていますけれども、完全に航空宇宙産業がこれからの成長分野だっていうのは誰でも分かっている。みんなそう思っているという話でありますし、これは世界と競争でありますから、世界に伍(ご)していくためには何をするのかということを飯田・下伊那を中心としながらも、県内の経済界の皆さん、産業界の皆さんの知恵を結集していくということが不可欠だと思っています。

信濃毎日新聞 古志野拓史 氏
 今おっしゃったビジョンというのは、特に何か具体的にこういう枠組みでということを今お考えがあるわけではなくて、ビジョンを作っていきたいと。

長野県知事 阿部守一
 私は世界のどういうところを見習ってどういうところをライバルにするかしっかり見極めていかなきゃいけないと思いますので、そうした観点でこの航空産業の振興策を県としては考えていかなければいけないだろうと思っています。

長野県知事 阿部守一
 ありがとうございました。

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企画振興部広報・共創推進課

電話番号:026-235-7054

ファックス:026-235-7026

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