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更新日:2015年9月24日

知事会見(平成27年(2015年)9月24日(木曜日)14時16分~14時43分 会場:県庁)

項目

知事からの説明

取材者からの質問

  1. 出退勤時間の弾力化について
  2. 新県立大学について
  3. 御嶽山噴火災害への対応について
  4. 木曽地域の観光振興について
  5. 朝型勤務の実施結果について

本文

知事からの説明

 県議会9月定例会が開会、「夏の生活スタイル変革」(朝型勤務と定時退庁)の実施結果及び出退勤時間の弾力化(早出・遅出勤務の実施)、「地域活力創造枠」をはじめとした社会人経験者を対象とする県職員採用選考、大玉で甘い!スモモの新品種を開発について

長野県知事 阿部守一
 それでは9月24日の会見を始めさせていただきたいと思います。冒頭4点お話をしたいと思います。
 まず1点目ですが、今日から9月県議会開会ということで、会期が10月9日までという形になりましたが、今回も地方創生に関連しての補正予算案であったり、条例案を提出させていただいております。十分にご審議いただいた上でご議決いただきたいと思っております。先ほど提案説明させていただきましたが、特に木曽の復興、観光面も含めてしっかり取り組まなければいけないと思っておりますし、神城断層地震対策も公共施設の復旧を着実に進めていくと同時に、国に対しては何度も何度もお願いしてきましたが、なかなか災害公営住宅の要件には該当しないということでありましたので、県としても公営住宅の建設を応援していこうということで県単の補助制度を創設させていただきました。また、地方創生の関連ではかなり文量を割いて提案説明に盛り込ませていただいたところでありますけども、今まさにパブリックコメントを行っているところであります。現在出しているのはあくまでもまだ案の段階でありますので、ぜひ県民の皆さま方、幅広くさまざまなご意見を賜りたいと思っておりますし、そうしたご意見も十分踏まえた上で総合戦略を取りまとめていきたいと思っております。あたかも決まったかのような報道も一部なされていましたので念のため申し上げておきますけども、パブリックコメントを受け付けている現状でありますので、よろしくお願いします。あと、国際関係再構築年ということで、先ほどチェコの大使にもお越しいただいてお話をさせていただきましたけども、地方創生を進めていく上でも総合戦略の案の中には書かせていただいておりますけども、やはり世界の中での長野県の在り方、位置付けというものをしっかり考えて、世界の国や地域とも十分信頼関係の中で交流、連携深める中で地方創生を進めていきたいと思っておりますので、そうした思いも込めて諸外国との関係についても言及させていただいたところであります。さまざまな県政の課題があるわけでありますけども、これから9月県議会、私どもも県議会の皆さまのご質問に真摯(しんし)に丁寧にお答えをする中で、多くの皆さま方のご理解を得ながらさまざまな施策の推進に努めていきたいと思っています。
 それから2点目でありますが、「夏の生活スタイル変革」についてであります。プレスリリース資料をお配りしているかと思いますが、7月13日から8月21日まで「夏の生活スタイル変革」ということで、朝型勤務、定時退庁に取り組みました。他の県は一部試行みたいなところが多かったと思いますが、長野県はどうせやるからには大規模にやっていこうということで、多くの職員にも参加してもらって取り組みました。結果としては職員全体の86.1パーセント、4,253人が実施して、定時に退庁できた職員の割合は9割ということで非常に高い数字であった。いい結果ではないかと思っています。多くの職員が参加していたことによって、職員全体、あるいは職場としてもワークライフバランスを考えるきっかけにもなったのではないかと思っています。また、時間外勤務の縮減にもつながっています。7月、8月の時間外勤務については前年度と比較して76.5パーセントということでありまして、超勤の縮減にも効果があったのではないかと思っています。そういう結果を受けて、これであとはまた元の通りということにしてしまってはもったいないと思いますので、来月からこうした状況を踏まえて職員の出退勤時間を弾力化する「早出・遅出勤務」ということで実施をしていきたいと思っています。自らの出退勤時間を職員に選択してもらって勤務時間内に効率的に業務を遂行してもらおうというものであります。先ほども提案説明の中で地方創生、産業のところで生産性の向上ということが重要だというお話もさせていただきましたが、公務部門においての生産性の向上ということも必要であります。この勤務時間の在り方を変えていくことによって「しごと改革」にも結び付けていきたいと考えています。また、勤務時間を変えることによって行政サービスが低下するというようなことになってはいけないと思います。やはり各所属長がしっかりと現場責任者としてマネジメントをしていくということが重要でありますので、そうしたことについても徹底をしていきたいと思います。所属長に対する支援、あるいはそうした取り組みに対するチェック体制、こうしたものも併せて取り組むことにより県民の皆さま方からも支持されるような勤務時間の見直しにつなげていきたいと思っています。10月1日から全ての所属において実施をしていきたいと考えておりますので、ぜひご理解をいただければと思います。
 それから3点目でありますが、これも人に関連する話でありますけれども、職員採用についてであります。「地域活力創造枠」をはじめとする社会人経験者を対象とする職員採用の今の状況についてであります。この社会人経験者を対象とした職員募集については7月10日の会見でお話をしておりますが、今回、地方創生や国際化の対応のためということで新たに「地域活力創造枠」という枠を設けております。5名程度という募集でありますが、150名の方からお申し込みをいただいたところであります。また、この枠を含む社会人経験者採用全体につきましては、昨年度の約1.8倍の800名を超える方からお申し込みをいただいている状況であります。募集総数が全体で30名程度ということでありますが、全体で800名を超える方々からお申し込みをいただいているということで大変大勢の皆さま方にご応募いただいたことをありがたく思っています。地方創生をターゲットとした新たな枠を設置したということに加えて報道の皆さま方のご協力、あるいはさまざまな媒体、口コミ、フェイスブックやメールマガジン等を活用しての積極的な広報もこの応募者の増加に資しているのではないかと考えています。9月20日に1次考査を実施致しましたが、今後2次考査として10月下旬から11月上旬にかけて面接等を行っていきたいと思っております。特に「地域活力創造枠」においては、幹部職員によるプレゼンテーション面接ということで応募者にプレゼンテーションしてもらおうと考えております。これだけ大勢の皆さま方にご応募いただいているので、あとは選考する側の能力が問われていくのではないかと思いますので、しっかり選考して優秀な人材に長野県職員として活躍してもらいたいと思っています。
 それから、最後4点目でありますが、ここにポスターと現物がありますけれども、プレスリリース資料をお配りさせていただいているかと思いますが、新しいスモモの品種についてのお知らせでございます。今回、果樹試験場で開発致しましたスモモの品種「シナノパール」ということで今、品種登録出願中でございます。まだ国の審査で変更される可能性があるということで、確定するまでは「スモモ長果(ちょうか)1」という無味乾燥な名前でありますけれども、この「スモモ長果1」、われわれとしては「シナノパール」ということで呼んでいきたいと思っている品種の中で、高品質な果実のみ「麗玉(れいぎょく)」という形の特別な名前を付けて販売をしていきたいと考えております。一定の基準を満たした高品質な果実のみに、いわゆる一般的な「スモモ長果1」イコール「シナノパール」と違う「麗玉」という名称を付けていこうというものでありますので、こうしたブランド化を図る戦略は県として初めての取り組みの仕方であります。この「麗玉」という名称については県が商標登録を行って、協議会を設立して県と関係者でブランド化を進めていきたいと考えています。スモモというと酸っぱいというイメージが非常に強いのではないかと思いますが、この品種は非常に糖度が高く甘味を強く感じるものであります。私も先ほど食べさせていただきましたが、非常にスモモのイメージをいいものにする新品種ではないかと思っています。ぜひ大勢の皆さま方に、食べていただいた感想を記事にしていただければと思いますけれども、特徴等については開発した果樹試験場の鈴木場長の方から説明してもらいたいと思います。

果樹試験場長 鈴木秀行
 ただいま知事から説明がありましたように、「スモモ長果1」は大玉で高糖度、糖度が高いということで、従来のスモモの品種とは異なるものでございます。そこで高品質で希少な果実という付加価値を創造して、本県を代表するブランドスモモとしての地位を確立してまいりたい。そして消費者においしい日本スモモを提供するとともに生産者の所得向上、それからスモモ振興、果樹振興を図ってまいりたいと考えております。このため、県では「麗玉」を商標登録致しまして、「スモモ長果1」の中で一定の基準を満たす高品質な果実のみをこの商標名で販売をするとしております。基準に満たない果実の販売につきましては、今出願中でございます品種名で販売をしていくということでございます。なお、「スモモ長果1」という名前でございますけれども、これは開発の際の系統の名前、系統名でございます。商標を利用したブランド化を図るために生産、販売に関係する機関、団体で協議会を設立して、商標と品質の管理を行ってまいります。また当面は栽培を県内に限定し県内の産地化を優先してまいります。新品種の育成の経過、特徴等でございますけれども、パネルもご用意をしてございます。果樹試験場におきましては、味の良いスモモの品種を目指して新品種の育成に取り組んでおります。「スモモ長果1」は、平成7年に種をまいて果実の品質や栽培方法について調査を繰り返してまいりました。昨年、平成26年度に品種育成を完了致しまして、本年度、種苗品種の登録申請を致しております。育成を完了するまでに20年かかっております。「スモモ長果1」は、ソルダムという品種がございますけれども、これの交雑実生、約140ございますけれども、この中から選抜してまいったものでございます。果実の特徴でございますけれども、まずその大きさでございます。こちらの方に並んでおりますけれども、着果管理を行うことで平均200グラム程度の重さにするということで、スモモの中では最大の部類に入ります。収穫時期はちょうど今ごろ9月下旬でございまして、スモモの中では最も遅い時期に収穫となります。晩成種ということでございます。このスモモが出ることによりまして、長野県産のスモモを楽しんでいただける期間が長くなって、秋の味覚の幅が広がると考えております。味の特徴でございますけれども、まず甘さでございます。糖度は19~20パーセントということで、一般のスモモよりもはるかに甘い、そして酸味が少ないということで、お子さまからお年寄りまで楽しんでいただけるものと考えております。種の大きさは一般のスモモと変わらないので、果実が大きい分、食べるところが多くなっております。プレスリリース資料でございますけれども、下段にお披露目会のスケジュールを記載しております。9月28日には銀座NAGANOで試食会とミニセミナーを開催致します。果樹試験場の研究員が「スモモ長果1」ができるまでということで講演会を行います。9月30日には生産者や現場の技術指導を行っていただきます皆さまを対象に品種の検討会を開催致します。「スモモ長果1」の特色・特徴をご説明し、生産意欲を高めていただいて積極的な生産振興につなげていきたいと考えております。この秋から苗木の販売が始まります。しかしながら果実がなるまでには3年程度を要するということでございます。この3年の間に品質の基準、商標の管理方法等を定着させて、高品質な果実がより安定的に生産できるように栽培技術の改良・改善にも努めてまいりたいと考えております。同時に「麗玉」がブランドとして認知されますように県内外でのPRに努めてまいりたいと考えております。今後、生産者、生産者団体等から成る協議会を設立致しまして、協議会の皆さまと力を合わせて生産振興・ブランド化を進めてまいります。以上でございます。

長野県知事 阿部守一
 「スモモ長果1」、そして新しいブランドとしての「麗玉」をこれからしっかり発信していきたいと思っておりますのでご協力いただければと思います。私の方からは以上でございますのでよろしくお願いします。

取材者からの質問

 1 出退勤時間の弾力化について

信濃毎日新聞 村澤圭一 氏
 知事からご説明があった職員の方の出退勤時間を弾力化するというお話なんですが、狙いをもう少し詳しくご説明いただきたいのと、あと例えばこれ民間企業ですとコアタイムというか、必ず勤務する時間を決めるという考え方もあると思うのですが、どうしても前後の時間に会議ですとか知事レクですとか、いろいろ入ってしまうとなかなかこの勤務が難しくなると思うのですが、その辺例えば会議時間ですとか、ここの時間に業務を集中させるとかそういった取り組みもされるご予定はありますでしょうか。

長野県知事 阿部守一
 今回の「早出・遅出勤務」については、今回夏に国が旗を振って日本全体ではどんな状況だったのかよく分かりませんけれども、長野県としては一定の効果があると思っていますし、今回の地方創生の総合戦略の中でも新しい働き方・暮らし方ということも大きな方針の柱に打ち出させていただいています。そういう意味で、まずは県組織から今までのような画一的な働き方というものを変えていく必要があると思っています。ただフレックスタイムのところまではいっていないので、朝が1時間まで早くなるということで、純粋なフレックスタイムで非常に柔軟な対応というところまではいっていないので、そういう意味では柔軟化していく上での第一歩というのが私の感覚であります。勤務時間の割り振り変更については事務処理規則で既に所属長の権限となっているのを、各組織で抑制的に今まで運用してきていました。これをもっとしっかり活用していこうというものでありますし、先ほど申し上げましたように、県民の皆さまから不満やサービス低下だという声が出てこないようにしていかなければいけないと思います。県民の皆さま方の満足度も上げ、そして県職員の働く側の満足度も上げということが重要ですので、これまで以上に所属長の力量が問われてくるものと思っています。人事課には所属長に単にやれというだけではなくて、しっかりとフォローをするようにということで指示しているところであります。こうしたことをしっかり活用することによって、例えば県職員の中にも介護とか子育てに携わっている職員もいますので、仕事と子育て、介護等が両立しやすくなるような職場づくりを目指して取り組んでいきたいと思っています。

 2 新県立大学について

信濃毎日新聞 村澤圭一 氏
 あともう1点、今日の県会の提案説明の中にもあった県立大の関係でいくつかお聞きしたいのですが、冒頭説明された入学金について、県内と県外出身の方についてかなり委員会とすれば差を付ける、3倍という差を付ける方針を示しているのですが、県内出身者をある意味優遇するというか、その辺の理由というのを改めて教えていただけますか。県内出身者を優先的に入学させたいというお考えというかその辺の理由についてご説明いただけますか。

長野県知事 阿部守一
 県立大学の設立については、設立委員会においてさまざまご検討いただいている中で、今お話があったような授業料について、あるいは入学金についての考え方が取りまとめられたところと認識をしています。私の立場は県全体を統括している立場でありますので、提案説明でも申し上げましたけれども、大学運営費、全体の収支といったことも十分勘案しながら本年度中に学生納付金の在り方を固めていきたいと思っています。そういう中で県立大学として学生に対してどういう負担を求めるかということをご議論いただいた一つの結果としてこういう方向性が出されていると受け止めておりますので、こうしたご議論を尊重しながら最終的な決定をしていきたいと思っています。

信濃毎日新聞 村澤圭一 氏
 あともう1点、県内高等教育の振興という他の大学も含めた関係で教えていただきたいのですが、食健康学科が今回の見直しというか結果として管理栄養士課程にある意味特化する形になったことについてはいろいろな議論があるかと思うのですが、慎重意見というか反対意見が出てきていることについてはどのような対応をされていきますか。最初に申し上げたように高等教育全般という考え方からすると、ここ1~2年、松本大学も教育学部を作ったりですとか、上田が公立大になったりですとか、いろいろな大学が変わりつつある中で、県立大と他の大学との一つはすみ分けという問題と、一方私立、公立大との振興というか、そういった全体像の振興というか、そういう観点はどのように見ていらっしゃいますか。

長野県知事 阿部守一
 もちろん県立大学だけ良ければいいという発想に立っているわけではないわけでありまして、今回の「健康社会マネジメントプログラム」という形でコースが変更されたという方向性については、県立大学全体を健康長寿社会に貢献できる人材を育てていく場にしていこうという強い思いの表れだと私としては受け止めています。健康社会コースを履修する人間だけではなくて、広く全体の学生が履修できるような形にするものと受け止めていますので、今回、私も、先ほども海外の話をしましたがいろいろなところで教育の話、大学の話をさせていただいておりますけれども、長野県の健康長寿の取り組みについてのご関心というのは、どこの国・地域においても非常に強いものがあります。そういう意味ではこのコース立ての中で、科目郡としての「健康社会マネジメントプログラム」をつくっていくという方向性には一定の理由があるものと受け止めております。松本大学との関係では、そもそも管理栄養士課程自体の競合についてのご指摘をかねてからいただいているところでありますが、この点についてはわれわれもかねてからいろいろとご説明をさせていただいてきているところでございますし、今日の提案説明の中でも触れさせていただきましたが、かねてから申し上げてきているように、単に管理栄養士課程をとるということだけではなくてマーケティングや資金調達論とか、こういう科目も学ぶことができるコースにしていこうという検討がなされているわけであります。そうした観点で差別化を図っていくことは可能だと思っておりますし、県としては今回の地方創生の総合戦略案の中でも広く高等教育全体を振興していこうという方向性を、さらにこれまで以上に出させていただいているところでありますので、信州大学、あるいは県内私立大学の皆さんとはこれからもこれまで以上に連携した取り組みを進めていきたいと思っています。

 3 御嶽山噴火災害への対応について

読売新聞 戸田貴也 氏
 御嶽山噴火についてお伺いします。今日、提案説明でも1年を振り返られて発言等ありましたけれども、そこの中で火山防災対策についても言及がありましたが、改めてこの1年火山防災対策について、知事としてここまではできたのではないかという部分と、ちょっと気が早い話ですけれども9月27日以降、また1年これから何に特に力を入れたいかという点を教えていただけますか。

長野県知事 阿部守一
 御嶽山の噴火災害の教訓をわれわれは最大限に生かしていかなければいけないと思っています。国においても「活動火山対策特別措置法」を改正されて、火山協議会の位置付けの明確化等、今回の噴火災害を踏まえた方向付けをしていただいたところであります。そういう意味でわれわれ、今年の当初予算の中でもシェルター設置だとか、あるいは火山の入口の看板設置であるとか、そうした取り組みを支援するための予算をすでに計上させていただいております。ただ、御嶽山そのものについては、まだ山頂付近に入山規制かかっているという状況の中で、山小屋の復旧等大きな課題がまだこれからも残されています。そういう意味では、地元の市町村、あるいは山小屋関係者の皆さま方のお考えを十分聞かせていただく中で山小屋の復旧も含めた、いざというときの避難場所の設置であるとか、あるいは一番重要なのは情報の伝達だと思っていますので、そういう意味でまだ長野県内の火山の中で携帯が通じないエリアというものも一部残っていますから、そうした地域の解消であるとか、しっかり取り組んでいきたいと思っています。

読売新聞 戸田貴也 氏
 関連して、御嶽山も一つの要因になっていますけれども、登山安全条例ですね。今、骨子案等示して進めていますけれども、次に向けた一歩としてはそのような条例案についても制定等に向けての推進というのはどのようにお考えでしょうか。

長野県知事 阿部守一
 今、どちらかというとハード面の対策のお話を申し上げましたけれども、もう一方でソフト面の対策も大事だと思っています。今回、登山届の必ずしも十分提出されていない中で行方不明者の判明ということに時間を要した部分もあります。今現在、登山安全条例検討しているわけでありますけれども、入山届、私ども長野県は、罰則で強制するというより、むしろ提出しやすい環境をつくることによって大勢の皆さま方に提出していただこうと思っていますし、また、やはり火山も含めて、山に登る際の基本的なルールであったり、県としての取り組みであったり、そういうものを明確化していこうと思っています。すでに長野県が率先して取り組み、関係県にもご協力をいただいた山のグレーディングも進めてきていますけども、山に入られるときには、ご自分の体力、技量、そうしたものを十分勘案して、ご自分に合った山を選んで登ってもらえるような環境整備、こうしたものについても引き続き取り組んでいきたいと思っています。 

 4 木曽地域の観光振興について

読売新聞 戸田貴也 氏
 最後に、観光について、今日提案説明でも発言ありました。ちょっと細かい話になるかもしれませんが、知事、今日発言の中で、観光については数字を述べた上でまさに危機的な状況という言葉を使われました。この思いとしてはどういった思いを込めたのかというのを教えていただけますか。

長野県知事 阿部守一
 私も御嶽山の捜索、再捜索、その間何度も木曽地域に仕事だったりプライベートだったりで訪れました。特に去年の年末に伺ったときはほとんど人がいないというような状況を目の当たりにして、やはり木曽地域の復興、いろいろな意味で御嶽山を中心に住民の暮らしやなりわいが成立していたこの地域をしっかり復興させていくのがわれわれ長野県の役割だということを痛感しました。観光地の利用統計等を見てもまだまだ戻り切っていない、木曽地域全体もまだまだ戻り切っていませんし、とりわけ王滝村については数値を見る限りでは激減しているというような状況でありますから、そういう意味で地域の皆さんの取り組みを単に支援するということだけではなくて、県としても正面から向き合って取り組んでいくという決意を表明させていただいたところであります。中長期の対策も含めて、まず当面の対策とそれから中長期の対策と両面行っていかなければいけませんけれども、御嶽山については世界水準の山岳高原モデル事業の山岳高原観光地づくりのモデル事業のエリアにもなってるわけでありますので、そういう意味で地域の皆さんと知恵を出し合い、そして今回はお金も出し合い、最大限の取り組みを行っていきたいと思っています。

 5 朝型勤務の実施結果について

朝日新聞 関口佳代子 氏
 朝型勤務の件で伺いたいんですけれども、参加した職員、実施した職員が職員全体の86.1パーセントということなんですけれども、取り組みを実施っていうのは1日からでも取り組みは実施とみなされるんでしょうか。

人事課長 土屋智則
 1日だけ実施した職員も含めて86.1パーセント。

朝日新聞 関口佳代子 氏
 あと、その実施した職員さんたちにアンケート調査とかそういうのをする予定というのはあるのでしょうか。

人事課長 土屋智則
 職員へのアンケート調査ということではなくて、各所属にその数字をもらうのと同時に職員の受け止めであるとか、所属としてのやってみての状況、感想等をいただいておりますので、個々の職員のアンケートという形ではなくて、そういったことで職員の声もいただいております。

朝日新聞 関口佳代子 氏
 あと1点なのですけれども、時間外勤務も大幅に短縮とあるんですけれども、実際にこういうことを実施するに当たって、定時退庁をしなくてはいけないというプレッシャーでお家の方に持って帰ったりとか、そういうことも含めて職員の声を伺っているのかどうかということをお聞きしたいです。

人事課長 土屋智則
 職員組合の方でも今回のこの取り組みについてはそういった職員の声も集めておりますので、そうした中からは、今おっしゃったようなことも聞こえてきておりますけれども、それがどの程度であったとか、そこまでの分析は出来ておりませんけれども、全くなかったということではないと思います。

朝日新聞 関口佳代子 氏
 あともう1点で、このことを実施したことによって、電気代とかの変わりはあったんでしょうか。

人事課長 土屋智則
 計算してみたのですが、県庁において、このことによって若干の電気代の増はあったのですが、本当に若干です。

朝日新聞 関口佳代子 氏
 どのくらいになったんですか。

人事課長 土屋智則
 県庁の建物で1日当たり数百円とかそのくらいの規模であると承知しております。

長野県知事 阿部守一
 ありがとうございました。

お問い合わせ

企画振興部広報・共創推進課

電話番号:026-235-7054

ファックス:026-235-7026

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