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更新日:2015年10月16日

知事会見(平成27年(2015年)10月16日(金曜日)11時00分~11時46分 会場:県庁)

項目

知事からの説明

取材者からの質問

  1. 子どもを性被害から守るための条例モデルについて(1)
  2. 大北森林組合補助金不正受給について
  3. 「復興祈願 横綱土俵入り」について
  4. TPP協定交渉の大筋合意に関する緊急要望について
  5. 子どもを性被害から守るための条例モデルについて(2)

本文

知事からの説明

 子どもを性被害から守るための取組みに関する意見交換等の進め方、「信州大王イワナ」の名称の商標登録について

長野県知事 阿部守一
 それでは10月16日の会見を始めたいと思います。私の方からは冒頭2点お話を申し上げたいと思います。
 まず1点目でありますが、お手元に資料をお配りさせていただいているかと思いますけれども、子どもを性被害から守るための取り組みについて県民の皆さまと意見交換を行ってまいりたいと考えています。子どもを性被害から守るための取り組みについては、一昨年5月から専門委員会での検討を始め、そして現状の対策の延長では子どもを性被害から守りきれないという形で専門委員会からのご報告をいただいております。その中で条例の必要性についてのご提言もいただいているところであります。また、この報告を踏まえて昨年の8月には県の青少年育成県民会議の県民運動見直し検討チームが報告書をまとめているところでありますが、ここにおいても新たな県民運動と条例との両輪が必要というご提言をいただいているところであります。こうした状況を踏まえて、長野県としては昨年の11月に「子どもを性被害から守るための県の取組み」ということで県としての考え方を取りまとめて、性被害の未然防止を図るための予防の取り組み、そして救済としての被害者支援の取り組み、さらには県民運動の再活性化への支援の取り組み、こうしたことについては早急に実施する取り組みということで順次具体的な取り組みを進めてきているところでありますし、今年度の当初予算の中にもそうした取り組みを進めていこうということで予算化を図っているところであります。他方で県の取り組みの中で慎重に検討するという位置付けに、条例についてはさせていただいたところでありますが、立法的な、法制的な論点があることから、法律の専門家の皆さんに条例のモデルについてご検討いただくということでお願いをしておりましたが、先月ご承知の通りこの点については県にご報告をいただいたところであります。こうした一連の流れを受けまして、県としてのさまざまな取り組み、これまでの進捗(しんちょく)状況、あるいは条例のモデルについて県民の皆さま方にご説明をさせていただき、子どもを性被害から守るためにどんなことをしていくかということについて意見交換を行っていきたいと考えています。県政タウンミーティングを2回、今のところ予定しておりますし、またランチタイムミーティングも2回予定をしているところであります。また、子どもの育成支援に関わる団体の皆さんとは約50団体の方々と意見交換を行っていきたいと思っております。一部報道では、非公開でけしからんという趣旨の報道もされておりますが、当該団体、相手方のあるお話でございますので、ご了解が得られたものについては公表していきたいと思っています。ただ、これまでも、例えば会長さんであったり役員の皆さま方と意見交換するときに、それは会として意思決定しているものではないので、なかなか会の名前を出しての公表は差し控えてもらいたいといったようなご意見もあるわけでありまして、全てが全て公開できるというものではないと。むしろ、非常に微妙な問題を含んだ意見交換になるわけでありますので、そういう意味では、私はむしろ率直なご意見をぜひいただくということに主眼を置いて取り組みをしていきたいと思っています。また、今回のタウンミーティング、ランチミーティング以外も、ご関心のある県民の皆さま方も大勢いらっしゃると思いますので、ご希望いただければ私どもとして出前講座を実施して丁寧なご説明をしていきたいと思っています。また、若い人たち、あるいは子育て中の保護者の方々、こうした皆さま方のご意見を伺う機会も考えていきたいと思っています。ぜひこれからいろいろ意見交換してまいりますので、メディアの皆さま方にもぜひこうした取り組みについて広く県民にお知らせをいただければありがたいと思っております。
 それからもう1点でございますけれども、今日はここに現物を持ってきてもらっておりますけれども、イワナの話でございます。これもプレスリリース資料お配りをさせていただいているかと思いますが、昨年の9月の会見で、水産試験場で量産技術を確立した大イワナについてお話しさせていただいたところであります。本日はこのイワナについて名前を付けたということでご報告をしたいと思います。「信州大王(しんしゅうだいおう)イワナ」という名前でデビューをしてまいります。この信州大王イワナという名称については、「おいしい信州ふーど(風土)大使」を務めていただいております玉村豊男さんにお願いをして名付けていただいたものでございます。名前の由来については資料にある通り威風堂々としたたたずまい、あるいは優しく穏やかな風味から「大王」という名前をいただいたものでございます。県としては3月に特許庁に対して商標登録の申請手続きを行い、審査を受けた上で、9月4日付けで登録になっております。品種改良をされたイワナの商標登録は全国で初めてということでございます。昨年出荷致しました信州大王イワナの稚魚が食用として出荷されますのは、来年の秋以降になる予定でございます。関係者の皆さま方と力を合わせて信州大王イワナのブランドの取り組みを進めていきたいと思っています。信州創生、地方創生の総合戦略の中でも「地消地産」ということをうたっているわけでありますけれども、長野県は海無し県でありますので、どうしても旅館やホテルへ行っても海の魚が出ることがまだまだ多いわけでありますけれども、先に開発した「信州サーモン」と併せて、「信州大王イワナ」、ぜひ県内でお魚を消費される皆さま方には積極的に食べていただきたい、あるいはご利用いただきたいと考えています。本日はお料理がそちらに並んでいますけれども、お作りいただきました長野県調理師会の湯本忠仁会長にもお越しをいただいております。お忙しい中ありがとうございます。調理師会の皆さま方にはブランド化に向けてご協力をいただくことになっているわけでありまして、ぜひ一緒になって取り組みたいと思いますのでお願いを申し上げるとともに、心からご協力に感謝申し上げたいと思います。ありがとうございます。後ほど、信州大王イワナを使っていただく立場としてお話しいただければと思っています。それでは信州大王イワナの詳細について小原昌和水産試験場長からご説明をさせていただきます。

水産試験場長 小原昌和
 それではイワナについてご説明させていただきます。これまでも長野県におきましては県内の豊かな水資源を利用しまして、ニジマス、佐久鯉、シナノユキマスといったような養殖業が県内で発展してまいりました。水産試験場はこのような養殖業の飼育技術の開発を行う、また、できました技術の普及指導を通じまして産業支援してきたところでございます。また、河川や湖沼といった漁場の環境面といったことについても、例えば諏訪湖のシジミ復活だとか、ブラックバス等の外来魚対策など調査研究にも積極的に取り組んでいるところでございます。本日紹介させていただきます信州大王イワナについて、水産試験場では県民の方はもとより信州を訪れる多くの観光客等の方々にもできるだけ高品質で、もう一つは信州らしい食材を味わっていただきたいということが大切だと考えまして、新たな養殖業を振興してまいりたいと考えております。その中で野菜だとか切り花といった農産物にも利用されている倍数体育種という品種改良技術を魚に応用しまして、高品質でしかも生産効率の良い養殖魚の開発に取り組んできたところであります。この技術の結晶となったものが、既に皆さんご承知いただいている信州サーモンであります。非常にありがたいことなんですけれども、県内はもとより県外から多くのご注文をいただいてご評価いただいているところであります。非常にありがたいと思っております。さらに近年になりまして養殖業者の方、あるいは調理師といった利用される方々から肉の色がサーモンピンクと呼ばれる紅色をした信州サーモンなのですが、それと併せて提供するような県産の魚がないだろうかというご要望が大変多くなってまいりました。信州は山岳県でもありますし、そうした信州を強くイメージしていただける魚でありますイワナを使いまして品種開発に取り組んだということでございます。年間を通じて品質が安定しているイワナの大型魚ということで三倍体魚を作るという技術を使いまして、平成20年から研究に取り組みました。そして平成25年には量産技術のめどが立ちましたことから、昨年養殖生産者の方々に向けて稚魚を出荷したところでございます。この信州大王イワナは、三倍体魚という特性もありまして、成熟ということがありませんので、年間を通じて品質が非常に安定しているという点がまず第1点。もう一つは、成熟、産卵をしませんので、エネルギーを消費しませんので成長が鈍ることなく、だいたい生後3年で1キロを超すような大型魚に育ってくれるということでございます。本日、皆さんに見ていただいている魚も体重でいきますと1.4キロという魚に育っています。食用魚として一般の方に初お目見えされるのは、来年の秋ごろになるのではないかと見込まれます。大型魚の非常にニーズが高い観光地の宿泊施設や料理店を中心に出荷されると思われます。今後は、生産者などの関係者が集まって協議会を設立しまして、「信州大王イワナ」の商標を活用して、信州サーモンと並びます信州産のブランド魚として、皆さまから高評価が頂けるように振興を図ってまいりたいと考えております。本日は、県調理師会長の湯本さんの方で試食用の料理をご用意いただいています。会見が終了しました後、本日お見えいただいている記者の方々には召し上がっていただければと思います。私の説明は以上とさせていただきまして、調理していただいた湯本会長さんに大王イワナの味についてコメントいただければと思います。

長野県調理師会 湯本忠仁 氏
 私が魚を扱っている中で、大王イワナは厚みを売りにできる点でマグロに匹敵する魚だと思っております。この大王イワナは、1キロから1.2キロぐらいになると優しい脂が乗ってくるんです。その脂のなめらかな食感を生かすためにも、厚みをあまり薄くしないで食べていただいた方がいいと思い、そんなことも心掛けております。身は美しさもある色だし、淡泊というところも女性からも評価を頂けるのではないかと思っています。今までの川魚のイメージを変えた魚だと思っております。今後は、調理師会としましては、大王イワナの入口はまずは刺身から入っていきたいと思っております。その次に応用編がたくさん出てくると思いますけれども、刺身の良さを知った上で、これはどんな調理法がいいかといったことを各ホテルや旅館、料理屋さんにいる料理長が考えて、お客さまがどうやったら食べやすいか、そういうことを踏まえて、食べる人の気持ちをくみながら仕事に取り組んでいただきたいと思っています。これは本当にお客さまに評価頂けると思いますけれども、信州の川魚のイメージを変えた一品で、特産品になると思っていますので、調理師会としても地道に講習会を開きながら、最終的にはお客さまに支持される料理作りを心掛けていきたいと思っていますので、ご指導いただければと思っております。よろしくお願い致します。今日は、刺身のところに竹串を刺したものがあります。わさびじょうゆや酢みそで食べていただくのですが、子どもさんが箸を使うよりも刺した方がいいし、女性もその方が食べやすいかと思います。このヒントはからしを付けてたれと食べるおでんから得て、作業を分けて食べたところなかなか良かったと思います。ぜひとも試食、ご賞味いただければと思いますので、よろしくお願いします。

長野県知事 阿部守一
 湯本会長、小原場長ありがとうございました。今日は、私どもの方からは以上2点でございます。よろしくお願い致します。

取材者からの質問

 1 子どもを性被害から守るための条例モデルについて(1)

信濃毎日新聞 村澤圭一 氏
 大きく3点お願いしたいのですが、最初にリリースのありました子どもを性被害から守る条例モデルなのですが、ここに示されているのが県とすればこれから県民の方から意見交換していきたいという全体像ということになるのでしょうか。知事とすれば、どんな方からお話を聞いていきたいというのが反映されてこういった形になってらっしゃるということでしょうか。例えば先日の9月県会でも、条例に肯定的な議員さんから若い方から意見を聞いたらどうだというか、例えば当事者の、それは18歳未満の方になるんだと思うのですが、先ほども知事からも若い人たちとですとか、子育て中の方からも意見を聞きたいというような話があったのですが、その辺の具体的な聞き方の手法も含めて、こういった形で聞いていきたいということになりますか。

長野県知事 阿部守一
 先ほども申し上げたように、若い世代の人たちとか、あるいはお子さまをお持ちの保護者の方たちとか、そういう方とも意見交換をぜひ行いたいと思います。実は、私も知事として性被害に特化した話ではないですけれども、常にいろいろな県民の皆さまと話をさせていただいておりますが、その中でもこの性被害、報道等でいろいろと論評されているわけでありますので、県としての今の取り組み状況をお話しさせていただきます。若者、あるいは保護者の皆さんとは、どういう形で意見交換するのがいいかは考えて具体化していきたいと思いますし、また、ことさら性被害に特化した場面だけではなくて、いろいろなところでさまざまな皆さんのご意見を伺っていきたいと思っています。

信濃毎日新聞 村澤圭一 氏
 もう少しその若い方たちと、実際、当事者の18歳未満の方から聞くというのは今のところアイデアはこれから考えてらっしゃるというところとなりますか。

長野県知事 阿部守一
 当事者というのは性被害を受けた人は直接的な当事者になり得ると思いますが、これまでもいろいろな検討の中で、例えば大学生の意見を聞いたり、そういう取り組みもしてきていますので、非常にセンシティブな問題です。私が例えば高校生の時にストレートにこんな話を聞かれたら一体何と答えるかと考えると、長野県の林業振興どうしますかというようなもののように聞きづらいと、あるいはご意見を言う方の側もなかなか難しい。先ほども、例えばさまざまなご意見がある中で、これが会の代表としての意見だけれども、会全体の総意とは必ずしも意志疎通をしていなければ、言いづらいという部分もありますので、どういう形での意見交換をするのが本当にいいのかというやり方も含めて考えていかなければいけない部分もあろうかと思います。私どもとしては、ランチミーティングとかタウンミーティングというのはこれまでもいろんな課題について行ってきていますので、まずはこういうことを行ってまいります。それと同時にこれまでも青少年の育成に携わっている皆さま方とはいろいろ意見交換をさせていただいておりますので、そうした方たちとはしっかり、まずは意見交換をしていきたいと思っております。

信濃毎日新聞 村澤圭一 氏
 進め方なんですが、昨日の青少年問題協議会でも、先ほど知事からお話があったように、私どもとすればそういった問題意識を持って今回報道しているわけですが、確かに知事ご自身が重要視されている、例えば被害者支援ですとか予防といった、そういった部分を県側の方から強調してご説明されるのは非常によく分かるんですが、一方、これについては非常に多様な議論があって、その部分についてはやっぱり県の側からの説明というのは必要ではないかと思っております。私どもの報道についていろいろご意見があることは承知しておりますし、しかも、必ずしも私どもの報道を全ての県民の方が見てらっしゃるわけではないというのがまず前提にあると思います。一方、作る側の県として、やっぱりそこは公権力を行使してこれから条例を作ろうという側から、やっぱり積極的に懸念があるという部分というのはもう少し丁寧に説明していくべきではないかと思うんですが、その点についてはどのようにお考えになりますか。

長野県知事 阿部守一
 全く否定するものではありませんし、私はむしろ県民文化部には、例えば条例についてもいろいろご懸念をお持ちの方、あるいは場合によったら反対だという方の考え方をしっかり聞くようにということで指示をしているところであります。私はやはり広いコンセンサスを得ていくということが大事だと思いますし、あるいは性被害から青少年をどう守るかということについては、単に条例を作る作らないというところの議論にどうしても、いまだに矮小(わいしょう)化されている気がしてならないんですけども、そんな話ではなくて、県民運動も含めて本当にどういう形でトータルとして対応していくのかという観点での意見交換が重要だと思っています。信濃毎日新聞の報道もタイトルはいまだに淫行処罰条例モデルという形で記載されていますが、内容については性行為を処罰する規定を持った条例ということで丁寧に書いていただいているので、見出しの付け方と中身がいささか違うのではないかと正直感じていますけれども、しかしながら、私もこの信濃毎日新聞に報道されているようなこうした指摘、受け止めなければいけないものももちろんあると思っていますので、私とすればさまざまなご意見をしっかり伺う中で、性被害に対する対応、全国に対しても誇れる、本当に子ども中心に考えられたものにぜひしていきたいと思っています。

信濃毎日新聞 村澤圭一 氏
 今後のスケジュールのところで、今回実際にこういった形でタウンミーティングの日程が示されて、意見交換に要する時間がまずどのぐらいを想定してらっしゃるかというのと、その後、もし実際に条例をつくるとなればさらにその条例モデルをベースにしたさらなる検討が必要だと思うんですが、現実的には議会にも上程していくとすれば、11月、2月、来年度になれば6月以降という具体的なスケジュールがあると思うんですが、その辺はどのように考えていらっしゃいますか。

長野県知事 阿部守一
 まずは意見交換させていただく中で、県民の皆さんの感覚、思いというものを私としてもしっかり把握をするということが必要だと思っております。その上でまだ条例のモデルでありまして条例案ではないわけでありますから、そこのところがいささか誤解があるような気がしますけれども、法制的な論点があるところを中心に議論していただいたわけでありますから、条例モデルの検討会の議論が全て性被害から守るための検討にはなっているわけでは必ずしもありません。先ほどから申し上げているように、専門委員会の議論から一連の流れ全体としてわれわれ受け止めて、そして県民に対しても説明していかなければいけないと思っていますので、その中で全体としての性被害から子どもを守るための取り組みについては、これは場合によっては予算措置で対応しなければいけない部分もあろうかと思いますし、あるいは県民運動のさらなる内容の強化ということで受け止めなければいけない意見もあろうかと思います。そういう中でひとつの論点としての条例、しかも罰則付きの条例をどうするかということについても県民の皆さま方のご意見を伺っていきたいと思っています。何度も繰り返しますけれども、今回の条例モデルについては、他の県の青少年健全育成条例とは全く内容的には異なっているものだと私は受け止めていますし、構成要件の明確性であるとか、あるいは立法事実が必ずしも十分でないものについては、刑罰法規の謙抑性という観点から罰則なしということでご提案されているわけであります。こうしたことについても丁寧に県民の皆さま方にご説明をする中で県民の皆さま方のコンセンサスを作っていく努力をしていきたいと思っています。

 2 大北森林組合補助金不正受給について

信濃毎日新聞 村澤圭一 氏
 別の質問で、大北森林組合の補助金の不正受給問題なんですが、今月末に時効を迎える部分が一部あって、2回目の返還請求を検討されている段階だと思うんですが、先日の県議会で林務部の方から来年の1月までには返還請求を全額確定したいというスケジュールが示されたんですが、まずその辺りのスケジュールについて知事ご自身はどのくらいの時期と考えてらっしゃいますでしょうか。

長野県知事 阿部守一
 今月中にまず2回目の返還請求を行っていくということで取り組んでいますので、林務部の方から状況をご説明したいと思います。

森林づくり推進課 企画幹兼課長補佐兼県営林係長 日向一夫
 ご質問のあった第2回目の返還請求ということで、今、精査をしておりまして、10月27日に5年という時効の期間が到来する分がございますので、それの前に第2回目の返還請求を行うということで、今、作業を進めているところでございます。また、それ以降の分につきましても1件1件精査を進めておりまして、来年1月ということを目標に作業を進めているというところでございます。

信濃毎日新聞 村澤圭一 氏
 もう1点、それに関連して林野庁と県の返還の請求について、まだまとまっていない部分があるかと思うんですが、林野庁とすれば申請段階で未施工だった分について、その後施行されていたとしても返還を求めていくと、県とすればそういった方針でいくかどうかっていうのはまだはっきりしない部分があって、もし林野庁と同じ方針でいかない場合はどうしても差額が生じてしまう。その点についての検討というのは今どのようになっているのでしょうか。結論が出たというか、方針をまだ決めかねているという段階ですか。

長野県知事 阿部守一
 基本的には林野庁と十分話し合いをして、考え方が同じになるということが望ましいと思っています。今申し上げたように、具体的な返還請求については精査をしているところでありますので、具体的な事案における対応の中で県として対応については明らかにしていきたいと思います。

信濃毎日新聞 村澤圭一 氏
 大北森林組合の問題については、県職員の方の不適切な対応があったというのが第三者委員会、県の設置の検討委員会からも指摘されている状況で、その辺のことを踏まえた上で、返還に対してどういう姿勢で臨むかというのは判断されるということですか。

長野県知事 阿部守一
 もちろんさまざまなケースがあるわけでありまして、以前にもお話し申し上げたように、補助金の返還については1件1件内容を精査した上で判断していくという形にしています。当然今お話あったように、県側との関係ということも検証委員会からは指摘されている部分もあるわけでありますので、そうしたことも念頭に置きながら最終的な判断をしていきたいと思っています。

 3 「復興祈願 横綱土俵入り」について

信濃毎日新聞 村澤圭一 氏
 もう1点。大相撲の関係で昨日土俵入りも知事行かれたと思うんですが、今回の力士の皆さんの長野県復興にかける思いですとか、間近にご覧になってどんな印象を持たれたかというのを少し教えていただけませんか。

長野県知事 阿部守一
 今回、私と加藤長野市長、それから実行委員会で、昨年本当に災害が相次いだ長野県を、大地を鎮めてもらいたいということで、今回の大相撲の長野場所に併せて横綱の土俵入りをお願いしていたところ、日本相撲協会の皆さま方には大変好意的に受け止めていただいて、昨日、横綱鶴竜の善光寺の本堂前での土俵入りが実現したということは大変うれしく、そしてありがたく思っているところであります。非常に天気にも恵まれて大勢の皆さまにもお越しいただいたわけでありますし、また災害対応に携わっていただいた自衛隊や消防の皆さん、あるいは被災地の市町村長の皆さんにも来賓としてご同席いただく中で土俵入りが行われたわけであります。ぜひこれから未来に向けて長野県において大きな災害が起きないようにということで私も心から祈っておりますし、また、万が一の際にはしっかりとした対応ができるように日頃の備えも行政として取り組んで行きたいと思います。横綱鶴竜をはじめ、関係の皆さま方には改めて感謝を申し上げ、そして相撲協会の皆さま方の思い、ご協力、こうしたことをわれわれはしっかり受け止めて行政として取り組むべき対応を責任を持って進めていきたいと思っています。

 4 TPP協定交渉の大筋合意に関する緊急要望について

朝日新聞 井口恵理 氏
 本日TPPに関して国に緊急要望を行うということですが、どのような要望になるのか簡単にご説明をお願いします。

長野県知事 阿部守一
 TPPについては昨日対策本部を設置して、情報収集、あるいは県として万全な対応を行っていきたいと思っています。そういう中で今回のTPP協定交渉の大筋合意を受けまして、今日の午後、国に対して緊急要望を行う予定にしております。要請につきましてはTPPの総合対策本部長であります安倍総理、そしてTPP政府対策本部長の甘利経済再生担当大臣、また農林水産省TPP対策本部長の森山農林水産大臣に対しまして私の名前で要請書をお渡ししたい。私は直接伺えないので東京事務所長からお渡しする予定にしております。内容につきましてはまだ必ずしも全容が分からない部分もあるという状況でありますので、大きく3点要請を致します。1点目がまず情報の開示と不安の払拭(ふっしょく)ということで、内容の詳細を全て開示するとともに具体的な影響を明らかにしてほしいと、その上で国民に対する十分な説明責任を果たしてほしいということが1点目であります。それから国内対策の実施と予算の確保、これが2点目であります。重要5品目はもとより本県の主要品目であります園芸作物等に対しての万全な対策、そして十分な予算措置を求めるものであります。それから3点目が地域社会の活性化ということで本県では農業、産業面だけでなくて農村の暮らしに直結する問題であります。そういう観点で農業関連の産業競争力の強化、そして活力のある農村づくりに向けた対策を求めるものでございます。以上3点を要請してまいります。

 5 子どもを性被害から守るための条例モデルについて(2)

信濃毎日新聞 牧野容光 氏
 子どもを性被害から守るための条例についてお尋ねします。知事として若い人たちと意見交換する場が必要だと話をいただきました。知事としてそれが必要だと考える理由について、どうしてだとお考えでしょうか。

長野県知事 阿部守一
 性被害の防止については、若い世代に限らず幅広い皆さんの意見というのが必要だと思っています。ただ性被害を受ける子どもを守ろうというものでありますから、やはり年代的に近い方々の感覚ということもやはりわれわれ承っておくということが重要だろうと思っています。

信濃毎日新聞 牧野容光 氏
 もう1点が、知事として条例が必要だと判断したのかどうかということについてお尋ねします。昨年の3月に専門委員会が県民運動の再構築とともに両輪として条例が必要だという報告書をまとめています。昨年の8月には県民会議の検討チームが同様の報告書をまとめています。ただ県としては、知事としては9月の定例会で、条例を制定する方向で県民の理解を得るべく意見交換をしていくという答弁をしていらっしゃいますが、9月の県議会の委員会でも条例を制定するのではなく県民運動でなんとかしていけないのかというような意見も出ている中で、知事としては専門委員会からは条例が必要だと報告書が出ているわけですが、行政体として県として条例が必要だというような判断をしていらっしゃるのでしょうか。

長野県知事 阿部守一
 信濃毎日新聞も徹底的な取材を行っていただいているので、私がいまさら申し上げるまでもないのではないかと思うんですけれども、9月県議会のときに条例を制定する方向で県民の皆さま方と意見交換をして、コンセンサスが得られれば条例案として取りまとめるという話をさせていただいているわけでありまして、今申し上げた通りであります。県議会でも申し上げましたけれども、条例の問題については、大きく二つ観点があると私は考えています。一つは他県のいわゆるこの青少年の育成に関する条例というのが、いわゆる青少年健全育成条例、そして他県はいわゆる淫行処罰規定を持っているところが、条文上も淫行は罰するという、法律の専門家等から言わせればというか、私もややそういう立場に近いですけれども、処罰規定の割には構成要件が不明確ではないかというような論点をはじめとした法的な論点。それからもう一つは、やはり県民運動を長年中心に取り組んできた長野県としてはやはり幅広い県民の皆さま方のご理解、この二つが条例を作っていく上では、重要な視点だと思っています。そういう意味では、今回条例のモデルという部分で、前段の部分については専門家の皆さま方の真摯(しんし)なご意見の中でクリアされてきたものと思っておりますので、そういう意味では私とすれば前段の問題については私が問題意識を持っていたような部分に対する回答をしっかり今回の検討の中でいただけたと私としては感じました。ただ、そうしたものについて県民の皆さま方のご理解、あるいは子どもを性被害から守るための取り組みについての全体としての理解を得ていくということが残されておりますので、そうしたプロセスを先ほど申し上げたように行っていく必要があると思っています。

信濃毎日新聞 牧野容光 氏
 繰り返しになってしまうのですが、昨年の9月に子ども性被害から守るための県の取り組み案が発表されまして11月に正式決定しました。それが大きく3本柱からなっていて、予防教育、被害者支援、それと条例についてという話になっています。それで県の方向性としては、そこでは予防教育と被害者支援については早急に取り組むべき施策で、条例制定については慎重に検討していくという記述です。そこから今の段階は知事としては3本目の条例は必要だという認識になっていらっしゃるんでしょうか。

長野県知事 阿部守一 
 先ほど申し上げた通りでありまして、条例の制定については、今までも専門委員会等からは条例の制定に向けた検討した方がいいということをいただいているわけです。私としては、県としても、そうは言っても私が先ほど申し上げたような点があるわけで、慎重な対応をしてきているわけであります。そういう中で、今回専門家の皆さま方から条例のモデルというものを示していただいたわけでありまして、私としては法的な課題については本当に真摯なご議論をいただいた上で方向付けしていただいていると考えています。ですから県民の皆さま方の広いコンセンサスを得るべく意見交換をしていこうと話でありまして、そういう意味では信濃毎日新聞は言葉尻を捕らえるので、丁寧な、慎重な言い回しを私はさせていただいているわけでありますけれども、県議会で答弁したものと全く同じ認識であります。

信濃毎日新聞 牧野容光 氏
 和田明子県議や清沢英男県議が県民運動では駄目なのかという質問をしていらっしゃると思います。それで知事としては、そうすると県民運動だけでは駄目で条例はやっぱり必要なんだと意思決定していらっしゃるということの認識でよろしいんでしょうか。

長野県知事 阿部守一 
 信濃毎日新聞は県民運動についてはどれくらい今勉強されてらっしゃるんですか。先ほどご質問いただいたように、県民運動であるとか、予防のための対応について、まずはやっていこうということで取り組んできていますが、信濃毎日新聞の紙面を見るとそういうことは全く記載されておりませんが、どういう取材をされているんですか。

信濃毎日新聞 牧野容光 氏
 知事会見は私の意見を述べる場ではないので申し訳ないですが。

長野県知事 阿部守一
 意見じゃなくて事実関係を聞いているだけです。そう言われても多分困ると思うんですけども、私はかなり丁寧にお話をさせていただいているつもりであります。そういう意味で○か×か、イエスかノーか、その一部だけ切り取って記事にするような質問にお答えする必要はないと思っています。これだけ丁寧にご説明をさせていただいているわけですから、あれだけの紙面を割かれている信濃毎日新聞は、今私が申し上げた点について丁寧に記載をしていただきたいと、そういうことを申し上げたいと思います。

長野県知事 阿部守一
 ありがとうございました。

お問い合わせ

企画振興部広報・共創推進課

電話番号:026-235-7054

ファックス:026-235-7026

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