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更新日:2019年1月1日

知事会見(平成23年(2011年)1月13日(木曜日) 13時30分~14時15分 県庁:会見場)

項目

阿部知事からの質問

  1. 1月補正予算案・条例案、知事と看護職員の懇談、情報誌「KURA」のコーナー「阿部知事が行く」掲載、児童養護施設等へのランドセル等の寄付、信州型事業仕分けについて

取材者からの質問

  1. 1月補正予算案について
  2. 信州型事業仕分けについて(1)
  3. 信州型事業仕分けについて(2)
  4. 信州型事業仕分けについて(3)
  5. 情報誌「KURA」への掲載について
  6. 児童養護施設への支援について
  7. 並行在来線について
  8. 農商工の国際化戦略について

本文

阿部知事からの説明

1 1月補正予算案・条例案、知事と看護職員の懇談、情報誌「KURA」のコーナー「阿部知事が行く」掲載、児童養護施設等へのランドセル等の寄付、信州型事業仕分けについて

長野県知事 阿部守一
 私のほうからは、5点ほどお話ししたいと思います。
 まず1点目ですけれども、20日に臨時の県議会を開催致しますけれども、その際に提出します補正予算案、そして条例案につきましてまとまりましたのでお話ししたいと思います。お手元に「平成22年度1月補正予算案のポイント」という紙が配られているかと思いますけれども、今回の補正予算、平成23年度当初予算はまさに編成中でありますけれども、一体的な編成によりまして切れ目ない経済・雇用対策を行っていきたいと思っております。その一方で、前回この場でも申し上げましたけれども、社会的な困難に直面している皆様への支援ということも行っていきたいと考えております。大きな柱立てとしては、「暮らしの安心確保」それから「雇用の安定確保」さらには「県内経済の下支え」ということであります。暮らしの安心確保、子宮頸(けい)がんとワクチン接種への助成、これは国のお金を活用して市町村に対して助成していくというものでありますが、5億円余を計上しております。その他、児童養護施設への支援ということで、入っていらっしゃる子どもたちの生活向上のための機器、冷暖房機器やパソコンなどの更新を行います。また、社会福祉協議会が行っております生活福祉資金の貸付原資を増額するという観点での生活福祉資金の貸付、さらには犯罪被害者への支援ということで、DVやストーカー、児童虐待などの情報の一元化、あるいは研究活動を推進するための装備機材の整備、さらには自殺防止対策、これは3月が自殺対策強化月間ということでありますので、それにあわせて相談会等を行って、痛ましいことが起こらないことを目指して努力していきたいと思っています。それから雇用の安定確保ということで、パーソナル・サポート・モデル事業、これはこの場でもお話しをしてきておりますけれども、人が人に寄り添って支援を行うということで、行政の対応というのはどうしても縦割りな対応になりがちでありますけれども、そうしたものを乗り越えて困難に直面した皆さんに寄り添うパーソナル・サポーターを設置して、そうした方々を支える、応援する仕組みを長野県できっちりとした形で作っていきたいと。これは労福協(長野県労働者福祉協議会)が主体にはなりますけれども、私のほうからはいろいろなNPO、地域でさまざまな取り組みを行っている皆さんと一緒になって取り組むような進め方をお願いしているところであります。それから新卒未就職者の人材育成ということで、民間企業で就労して必要な知識や技能を習得するための現場実習等、本格的な雇用につなげていってもらいたいということで、債務負担行為の設定をしております。次に3ページでありますけれども、県内経済の下支えということで冒頭申し上げましたようにこれから23年度予算を編成するわけでありますけれども、どうしても年度の変わり目、会計年度が独立しているということから新しい事業の発注が少なくなりがちであります。年間通じて事業を発注していくという観点からも県単独の公共事業を計上してきめ細かく対応できるような修繕工事等を行っていきたいと思っております。さらには県有施設の設備の改修・修繕、県有施設のアスベスト対策、交通安全施設等の整備ということで、必要な公共事業、投資的事業について、切れ目なく継続して行っていきたいと思っています。その他国の補正予算関連ということで、北陸新幹線の建設費の負担金として4億3,000万円余、それから国の各種基金の積み立てということで、合わせて66億円余を計上したところであります。全体総額としては1枚目のほうにお戻りいただきまして、116億6,455万4,000円という事業規模であります。私としては事業規模は結果の話だと思いますので、規模自体どうこうというふうには思いませんけれども、昨年の1月補正が118億3,500万円でありましたから、金額的にはほぼ昨年と同程度の予算規模という形になっております。それから合わせて条例案を提出したいと考えておりますが、今申し上げました補正予算に関連しまして、子宮頸(けい)がん予防ワクチン等の接種を促進するための基金を新設するということで、資金積立基金条例の一部を改正するということであります。引き続き厳しい経済・雇用情勢でありますので、ぜひ20日の臨時県議会においてご議決を賜りたいと思いますし、議決を得た後はできるだけ早急に執行していくように努めていきたいと考えております。
 それから2点目でございますけれども、看護職員の皆さんとの懇談会を開催したいと思います。1月19日に長野赤十字病院に会場をお借りして、看護職員の皆様と懇談を行おうということで予定をしております。看護職員不足、医療従事者の不足というのは県としての最重要課題であると考えておりますので、ぜひ日頃、医療現場で活躍されている皆さんの問題意識を私としても直接お伺いをしたい。それでお伺いしたものを県として取り組める事については政策につなげていきたいと思っております。率直な意見交換の場としていきたいと思っております。
 それから3点目でありますが、「KURA」という情報誌があります。株式会社まちなみカントリープレスが発行している情報誌でありますけれども、これは私の目、知事としての視点を通じて県の現地機関を紹介していくというコーナーを作っていただくという形になりました。いろいろ相談をする中で、これは私一人で県政を行っているわけではないわけでありまして、本当に多くの県職員が日夜県民の皆様のために働いているわけですけれども、部所によってはなかなか県民の皆様の目から見えにくい、あるいは普段県民の皆さんと必ずしも接する機会が無い、そういう部所もあります。私としてはぜひ県職員がこんな所で、こんな思いでこんな活動をしているということをぜひ広く県民の皆さんに知っていただきたいと思いまして、合わせて私自身も現場の職員と語り合う機会ということにもなりますので、そういう企画をKURAの皆さんからのご提案をいただいて実施することになりました。今度の2月号から毎月テーマを決めて行っていきたいと思っております。第1回目につきましては県の水産試験場と信州サーモンの開発をご紹介したいと思っております。私としては年頭のあいさつで職員に「共創と協働」ということを申し上げました。いろいろな人たちと一緒になって、この県政をより県民の皆さんに知ってもらいたいし、県民の皆さんに役に立つ県組織にしていきたいと思っていますので、そういう共創と協働の一環でもあると思っております。ぜひ今日お集まりの皆さんもメディアの関係者の方が多いわけでありますので、ぜひいろいろな形でコラボレーションできればありがたいと思っておりますので、よろしくお願い致します。
 それから、4点目でございますけれども、伊達直人と名乗る方が全国でランドセル等の寄贈をされてきているという状況、私としてもある意味でなかなか日本の社会では寄付文化ということがない中で、社会が変わっていく一つの大きなきっかけになればいいなと思っております。長野県の中央児童相談所、それから松本児童相談所にもランドセルを寄贈いただいているわけであります。私、知事の立場としては大変ありがたいと思っておりますし、これは子どもたちのために有効に活用をさせていただきたいと思っております。県内、児童養護施設等ありますので、児童養護施設あるいは母子生活支援施設、さらには里親委託児童の皆さん、そうした皆さんに広く希望をお伺いして、必要な皆さんのところにお届けをしたいと考えております。施設に入られている子どもたちの側からすれば、先程、県として補正予算の中に児童養護施設、児童福祉施設関係の設備の整備予算等も盛り込ませていただきましたけれども、税金で行うということももちろん私は重要な仕事だと思っておりますけれども、やはり人と人との心のふれあいというか、子どもたちにしてみると自分たちを見守ってくれている人たちがいるということは大変うれしいことだろうと思いますので、県としても、匿名でご寄付いただいた方、あるいは匿名以外でもこれまでも松本市の中原防水布店、あるいはニトリ、ライオンズクラブ、そうした皆様方からランドセルのご寄付等いただいてきているわけでありますので、そうしたご寄付に改めて心からお礼申し上げると同時に、こうした温かい活動がますます広がっていくことを期待したいと思っております。
 それから、最後5点目でありますけれども、いよいよ15日、あさってから信州型事業仕分けを行わせていただくということであります。改めてできるだけ多くの皆様方に関心を持って参加、見守っていただければと思っております。私のほうから追加で、これは構想日本に委託をするわけでありますけれども、構想日本の加藤秀樹代表が1月15日の午後3時頃こちらにいらっしゃって、翌16日の前半まで会場をご覧になると。私とも懇談をすると。行政刷新会議の事務局長でもありますので、私の元上司でもありますので、いろいろ忌憚(きたん)のない、事業仕分けに限らず昨今の行政刷新会議の現状等お伺いして意見交換をしたいと思っております。合わせて15日の4時過ぎに、静岡県の川勝知事がお越しになって、この事業仕分けをご覧になって閉会式にもご出席をいただけるということであります。私も静岡県の事業仕分けを拝見させてもらいましたけれども、静岡の場合、2回目でありましたので、非常にやりとりも円滑に行われていたなと思っております。また川勝平太知事のいろいろなご意見もお伺いしたいと思っております。
 私のほうからは以上でございます。

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取材者からの質問

1 1月補正予算案について

信濃毎日新聞 島田誠 氏
 1点目は、先程お話がありました補正予算案なんですけれども、今回の補正予算案拝見しますと、国からの地域活性化交付金はじめですね補正予算の措置に伴うその枠内にある内容が主だと思うんですけれども、そういうその外部的な事情の中であってもですね知事として特に独自色をこういうところで出されたんだというところがあれば少しご説明願えればと思うんですけど。

長野県知事 阿部守一
 私としては、この交付金の利用の仕方にぜひ工夫をしてもらいたいということで各部局にお願いをしてきたところでありまして、そうした観点で先程申し上げました自殺防止対策の拡充でありますとか、あるいは児童養護施設等の環境改善、そうしたところに対応させていただく予算になっていると思っています。それから、かねてからここでお話をさせていただいておりますので繰り返しになりますけれども、パーソナル・サポート・モデル事業。これは長野県としてモデル地域に選定されたわけであります。これはモデル事業でありますので、モデル事業として確実に成果を上げていかないと、国の全国的な制度には結びついていかないわけでありますので、私としては労福協の皆さんとも力を合わせて成果が上がるものにしていきたいと思っておりますし、ぜひ広範な生活困難な皆様方に対応しているNPOの皆さんはじめそれぞれの立場でご尽力いただいている皆さんの力を広く結集するような形にもっていきたいと思っています。それから、県内経済の下支えの公共事業の関係は、私としてはかねて申し上げているように新設から維持補修に転換をしていくということが重要だと思っておりますので、そうした点に力を置きながら必要な維持補修、修繕の経費を積極的に積み上げたということであります。

信濃毎日新聞 島田誠 氏
 それから、先程知事のほうから総額の話についてもお話がありましたけれども、中身を見ると半分以上が、今回は基金の積み立てに充てられるということで、事業実施分は50億弱ということなんですけれども、今回の考え方としてですね、地域活性化交付金の使い方によっては県債をもう少し活用して事業規模を膨らますというか、県単であったりだとか公共事業系のものを増やすという選択肢もあったかと思うんですが、そうせずに、今回こうした額にされたというのはですね、財政規律の面からのバランスを取られたということなのか、長野県の、今冬ですから、そうした冬期間であるという気候、季節を考慮してこのくらいに抑えられたということなのか、どういった考え方でしょうか。

長野県知事 阿部守一
 私が、かねてからここでも申し上げていますけれども、経済雇用対策を確実に行う一方で財政規律というものも考えていかなければいけないと思っております。来年度当初予算においては、前年度以下に抑制したいと考えておりますけれども、今回の補正予算においても、補正予算であるからといって、県債をどんどん発行するということではなくて、今回は、北陸新幹線の負担金の部分には県債を充当していますけれどもそれ以外の部分については交付金を活用するという基本的なスタンスの下で県債発行の抑制にも努めたという形の予算になっております。

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2 信州型事業仕分けについて(1)

信濃毎日新聞 島田誠 氏
 それからですね、もう1点。先程事業仕分けの話もありましたけれども、これまで基本的な考え方などではですね、行政の効率化であるとか、それから開かれた県政運営に資するために行うんだという目的をご説明されているかと思いますが、初めての先行実施にあたって、どういうことができればまずまず合格点というか、ご自身として一定の成果が得られたというふうに判断できる、そのあたりの基準みたいなものはお考えでしょうか。

長野県知事 阿部守一
 まずは、私は事業仕分け自体の意義の一つは、県民の皆さんに関心を持って見守ってもらうことだと思っています。そういう意味で、当日の参加者あるいはインターネットあるいはCATVを通じて多くの方にご覧いただきたいと思っていますし、多くの方にご関心を持っていただけないとなかなか事業仕分けのあり方としては難しいなと。今後の展開を考えていったときに、関心を持っていただかなければ、あるいは参加していただくという意欲を持っていただかなくては難しいなと思います。まずは県民の皆さんの関心ですね。それはぜひ今日の皆様方にもご協力いただきたいと思いますし、それからこれは私の手の届かないところでありますけれども、当日の仕分けの議論が充実した議論になっていただきたいと。事業仕分けに対する批判というのはとかくパフォーマンスじゃないかとかですとか、そういうご議論、ご意見があるわけでありますけれども、私も参加したりあるいは行政刷新会議の事務局で見たりした経験からすると、一部だけ見るとそういうふうに見えてしまうところもあるかもしれませんが、全体を通じて見たときにはやはり非常に建設的な意見だったり、行政側がなかなか普段は問題意識として持たないとか、あるいは持っているけれどもあまり公の場では議論しないとかですね、そういう論点が出てきますので、ぜひそうした幅広い視点での議論が行われることを期待したいと思っております。

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3 信州型事業仕分けについて(2)

中日新聞 小松田健一 氏
 事業仕分けについて2点お尋ねします。まず仕分けの結果の反映なんですが、11年度予算編成までほとんど時間がない中でどの程度来年度の予算に仕分け結果が反映させることができるのか、もしそれが間に合わない場合にはどのような対応をするのかというのを伺います。

長野県知事 阿部守一
 これ基本的に仕分けの結果を踏まえて、私自身がどう対応するか判断していくので、その結果がまだ見えてないのでどういう形になるか分かりませんけれども、もちろん反映できるものは反映していきたいと思っています。大きな議論を仕分けの結果を踏まえてもっと大きな議論をしていかなきゃいけないな、というような問題がでてくれば、時間をかけて関係者と議論するという場合もあると思いますけれども、私の責任と権限で行い得るような話であればできるだけ速やかに対応したいと思っています。

中日新聞 小松田健一 氏
 1点、仕分け人の県民委員についてですね、県のほうから一部の自治体に対して仕分け人の推薦を依頼していたのではないかという報道がありますがこれについての事実確認をお願いします。

長野県知事 阿部守一
 私が報告を受けている中身としては、組織的に依頼をしたと、県の組織として依頼をしたということはないと聞いております。担当している職員の皆さんがある意味善意で積極的な参加を求めたということに呼応していただいた部分はあるのではないかと思いますけれど、公平性を疑わせるような対応があったということではないと思っています。

中日新聞 小松田健一 氏
 県として「あなたの市からこれこれこういう人を出していただけないか」という依頼はしていないということでよろしいですね。

長野県知事 阿部守一
 そういう形での依頼というのはしてないと思います。

中日新聞 小松田健一 氏
 ありがとうございました。

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4 信州型事業仕分けについて(3)

テレビ信州(TSB) 大和洋介 氏
 すみません仕分け関連で一つお願いします。補正予算のほうにも経済雇用対策で、雇用の面でも力を入れられていると思うんですが、事業の中に技術専門校の職業訓練事業も入っておりますが、知事としてどういった議論を、どういった観点でご議論を進めてほしいかという思いをお聞かせください。

長野県知事 阿部守一
 雇用問題が非常に重要になってくる中で、そうした技術を身につけていただく場っていうのは私は非常に重要な行政としての責務だと思っております。ただこれはやはり社会経済情勢の変化に応じて行われている中身、内容ですよね。そうしたものも変えていかなければいけないと思いますし、私が事業仕分けの中身をこうあるべきだと言うのはなかなか言いづらい部分が正直ありますけれども、本当に今求められているニーズに対応した形のものになっているのかどうかっていうのは一つ大きなポイントにはなるのだろうなと思います。

テレビ信州(TSB) 大和洋介 氏
 昨年の事務事業評価の中にも同じ専門科を統合させたり、もうちょっと効率を上げたほうがいいんじゃないかっていうお話もありましたけど、そういう具体的な観点でも議論を望みたいところでしょうかどうでしょうか。

長野県知事 阿部守一
 これは私がこれを望むからこれをやってもらいたいということよりは、むしろ仕分け人の皆さんがどういう問題意識を持っているかっていうことが反映されてくるのだろうと思っています。何度も繰り返しになっちゃうかもしれませんけれども、私の発想にも限界があるわけですよね。私は私の目線で見ているわけですけれども、やはり違った角度、違った経験を踏まえた切り口で議論をしていただくということが大事だと思っていますので、私が私の頭の中で想定がつくようなことであれば、それは私が担当課と議論をして方向性を出せば良いわけですけれども、私としては私の頭の中にあるような限界を超えたものを議論の俎上(そじょう)にしていってもらいたいと思います。

テレビ信州(TSB) 大和洋介 氏
 ありがとうございます。

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5 情報誌「KURA」への掲載について

中日新聞 大平樹 氏
 KURAの「阿部知事が行く」のコーナーについてお伺いしたいんですが、これは雑誌向けに知事が現地視察をするということなんでしょうか。あと事業費とかが発生するものなのか、雑誌の会社とのお金のやりとりみたいなものがあるのか、その点についてお伺いしたいんですけど。

長野県知事 阿部守一
 これは事業費はないです。広報課長のほうから具体的な制度設計について説明をしてもらいます。

総務部広報課長 青木弘
 今回KURAさんのほうからご提案をいただいたわけでございますけれども、そういうこともございまして県としての事業費というのは予算的にはございません。あくまでも私ども県としての情報の提供、それから一つには職員との懇談の場面の設定、これは知事日程等秘書課を通しての調整はございますけれども、そういう面では予算というものはございません。

中日新聞 大平樹 氏
 特定の雑誌向けで、他にこういう提案があれば拒まない、っていうことも書かれてありますが、この雑誌を選ばれた理由っていうのは何かあるんでしょうか。

長野県総務部広報課長 青木弘
 それも私のほうからだと思いますけれども、あくまでもこれは一つのご提案をいただいたことがきっかけでございますので、そういった部分での選ばせていただいたというよりもむしろそのご提案の内容に賛同させていただいたということで、協力をさせていただくと。それが県としての情報発信に資するというように私どもなりに考えさせていただいたと。従って今後ともこういった民間の皆様方からのご提案についてはぜひともまたお受けしていきたいと思っております。

中日新聞 大平樹 氏
 分かりました。

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6 児童養護施設への支援について

中日新聞 大平樹 氏
 すみません、それから先程タイガーマスクの関連で知事の思いを話していただいたんですが、この寄付が相次いでいるということはある意味、児童養護施設の子どもたちに対する環境整備というのがまだまだ不十分だというふうに県民から思われているという側面もあるわけで、行政側として知事はこの現状と、今後どういうふうにされていくお考えかというのをちょっとお聞かせいただければと思います。

長野県知事 阿部守一
 これは行政の取り組みが不十分だというふうにもちろん思っている方もいらっしゃると思いますけれども、私は必ずしもそういう観点ばっかりじゃないだろうと思っています。むしろ人が人を助けたり支え合うっていうのは、ある意味人間としての本来的な心情である部分もあるわけで、そうしたものが今回のこういうタイガーマスクを名乗った寄付ということが行われることによって多くの皆さんの心にそういう思いがわき起こるきっかけになったのではないかと思っています。ただその一方で行政としてやるべきことはやらなければいけないというのはもちろんでありますので、先程申し上げたように今回も安心こども基金を活用しての児童養護施設、乳児院への施設整備等の支援を行おうと思っています。私としては常にやはり行政だけがいろいろなことに取り組むということではなくて、県民の皆さんと広く一緒になって取り組んでいきたいと思っています。ベースのところは行政が責任を持って行いますけれども、よりいろいろな支え合いの活動については一人でも多くの県民の皆さんが主体的に参加していただく、あるいは参加しやすいような環境をつくっていくと。これも私は県知事としてやっていかなければいけない仕事ではないかと思っています。政府は新しい公共というふうに言っておりますし、実はパーソナル・サポーターを補正予算にのせていますが、パーソナル・サポーターの議論のそもそものきっかけは湯浅(湯浅誠氏:「年越し派遣村」村長など)さんたちと私も一緒に加わって新しい公共を理念として語っているだけでは意味がないので、どうすれば具体化できるかということがスタートになったということもあります。その具体化するフィールドはどこがいいかって、私がかつていた、横浜市にも神奈川県庁にも勤めていましたから県庁とも市役所とも非常に円滑に連携を取り得るということで横浜市を選んだわけでありますので、そういう官民一体となった取り組みをこれからもどんどん進めていかなければいけないと思っておりますし、ぜひこの長野県をそうした活動が行われやすい地域にしていきたいなと思っています。

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7 並行在来線について

信濃毎日新聞 古志野拓史 氏
 並行在来線支援のことでお尋ねしたいんですが、知事は昨年の知事選でアンケート等に答えていただいた際に、並行在来線の経営分離問題なんかに関してですね、そもそもかつての分離原則がいいのかどうなのかということを根本的に国と議論したいとか、経営主体についても先入観を持たずにあらゆる可能性を追求するというようなふうにおっしゃり、その後知事になられてからも国に求めてきておられるわけですけれども、その辺の県側といいますか知事側のそういう思いが今国のほうでどんなふうに受け止められているかという現状認識をまずお尋ねしたいなと思いますが。

長野県知事 阿部守一
 まずJRからの分離の話は私自身はそのことも含めて国として平成2年の政府与党申し合わせの段階にさかのぼって検討してほしいと思っていますし、そういう要請をしてきておりますけれども、今の現状からするとなかなかそこまでさかのぼって今のスキームを覆すということは難しい状況かなと思っています。ただ、県としての取り組みは引き続き行っていく必要があると思っています。並行在来線の支援策として貸付料の活用ということも訴えてきているわけでありますけれども、まだ確実にそうした方向性が示されてきていないという状況でありますので、引き続き並行在来線の問題については、財政的な問題も含めて国に対して強力に、地域にとっては生活の基盤でもありますので、非常に強く要請をしていきたいと思っています。

信濃毎日新聞 古志野拓史 氏
 あと1点すみません、信越線でつながる新潟県側で、信越線の経営分離化を見据えて昨年11月にも第3セクターが立ち上がってすでにいろんな動きがあるようなんですけれども、見方によっては長野と新潟の連携がどうなのかなといいますか、向こうは向こうで、こちらもこちらでというような今の進め方かなというふうにも受け取れるかなと思うんですけれども、その辺知事の認識としてはいかがでしょうか。

長野県知事 阿部守一
 そんな認識では私はないですけれども、先程からお話出ている並行在来線の問題がスキームの問題であったり、あるいは財源の問題であったりそういうところが必ずしも確実に見通せないというような状況の中で、とはいえ北陸新幹線の開業はどんどん迫ってくるわけですからそれぞれ長野県としても新潟県としても、対応しなければいけないことは対応していかなければいけないということでそれぞれ着実に進めているという状況だと思います。これ新潟県側ともちろん最終的にはすり合わせをしていかなければいけない部分がいろいろ出てくるわけでありますので、泉田知事とも北陸新幹線の問題についてはいろいろと話をこれまでもしてきているわけでありますので、十分協力関係を持ちながら地域にとって不便にならないような形で対応していきたいと思っています。

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8 農商工の国際化戦略について

信越放送(SBC) 上條道哲 氏
 県の商工あるいは農業などの分野の国際化の考えについて伺いたいんですが、先日の信州経済戦略会議でもそういった話がありましたが、現段階で阿部知事のほうで何かその今後の国際化戦略などについてお考えのところがあれば伺いたいんですけれども。

長野県知事 阿部守一
 私はこれいろいろなところで申し上げていますけれども、長野県に限らず行政組織がとかく縦割りになりがちだという問題意識を持っていますし、それを改善していかなければいけないと思っています。経済戦略会議(信州経済戦略会議:第1回、12月20日開催)でもいろいろそうした観点でのご意見が出ましたが、特にものづくり産業であったり農業であったりあるいは観光業であったりそうしたものを考えていったときに、海外との関係というのは私は縦割りでそれぞれが対応しているということは非常に効率も悪いし、全体的に海外に対して長野県というパッケージを売り込むという視点からすると非常に弱いものになってしまっているのではないかと思っています。そうした観点で私としては部局横断的に国際戦略を考えていく取り組みを行っていきたいと思っていまして、これは今後、経済戦略会議でもいろいろご意見をいただいているところでもありますので、関係する皆さんのご意見も伺いながら、具体化をしていきたいと思っています。

信越放送(SBC) 上條道哲 氏
 現段階で何か一つでもいいんですが、何かこうしたいというものはありますか。

長野県知事 阿部守一
 これは、まさにこれをやるという話からスタートすると戦略ではなくなってしまうので、私としては海外とのいろいろな分野での提携とか、かつての国際交流的な友好交流の段階からこれからはもっと実務的な経済的な交流につなげていかなければいけない、発展させていかなければいけないと思っておりますので、そうしたことを念頭に置きつつ、これは海外との関係というのは一朝一夕にはできないと思っています。今年はここと付き合って来年はこうやって付き合いましょうなどという話ではなくて、やはり継続的に関係を築いていかなければいけない分野だと思っていますので、そうした観点でしっかりとまずビジョンを作ってそこに向けて第一ステップ、第二ステップ、第三ステップみたいにあるべき形に向けて手順をおって取り組んでいくということが重要だと思いますので、そうした観点での戦略の議論を行政だけではなくて、民間の皆さんも一緒になって行っていきたいと思っています。

信越放送(SBC) 上條道哲 氏
 ありがとうございました。

長野県知事 阿部守一
 ありがとうございました。よろしくお願いします。

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お問い合わせ

企画振興部広報・共創推進課

電話番号:026-235-7110

ファックス:026-235-7026

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