ホーム > 諏訪建設事務所 > 施策・計画 > 流域協議会関係 > 第10回砥川流域協議会

ここから本文です。

更新日:2024年2月22日

諏訪建設事務所

第10回砥川流域協議会

 

第10回 砥川流域協議会 要旨

 

日時: 平成15年10月10日(金)  18:30~21:00
場所: 下諏訪町役場 4階講堂

議事内容および決定事項

1.前回の課題と決定事項

(1)流域対策原案について、以下の内容で説明を受けた。【河道内遊水地について】

・資料にあるような穴あきダムではないが、考え方は基本的には同じである。

・計画されていた下諏訪ダムよりはるかに小規模であり、生態系への影響や環境に対する負荷は少ないと考えている。【スケジュールについて】・県議会や前回の協議会の意見を踏まえたうえで、県としての方針は、森林整備は保水力調査を含め概ね10年間で実施する。河川改修も概ね10年間で実施していく。流域対策は、効果が大きいもの、地元要望のあるところや同意の得られたものから、優先的かつ重点的に実施し、その効果等を見ながら、他の箇所へも拡げていく。そのための調査を平成16年から実施する。

・今年度の9月補正予算で、流域対策と河川改修の整合を図る流出解析と遊水地の概略検討を行い、河川整備計画案作成に向けて取り組んでいきたい。

(2)流域協議会としては、『治水の枠組み』に沿って流域対策を実施することを評価する。但し、実施にあたっては、住民と行政の意思疎通が十分図れるようにしていって欲しい。

 

2.討議(主な意見)

・前回、流域対策について3時間半議論したが、その結果は新聞等で書かれているとおりである。あの段階では(流域対策原案に)不確定な要素が多いため、Yes,Noを判断できないということで棚上げをした。この2週間の間、県議会でも議論があり、今回の説明は、前回より若干なりとも 踏み込んでいると思う。前回は決して否定的な意見ばかりではなかった。河川改修に向けてなん とかしようという意見も見受けられたと思う。 (座長)

・前々回、5年かけて流出量の調査することについて、具体的な報告を求めたが答えが無い。スケジュールについて河川改修と併せて30年というのでは、ダムなら平成21年に完成予定であり、それが延びることは納得できない。町民が長期間にわたって危険にさらされることになり、県が本気でやる気があるのか疑問に思う。町民の立場に立って、対策を早急にやる姿勢を示して欲し

い。→基本高水の見直しでなく再検証である。現在の流出解析のモデルの妥当性をさらに高めるため、流量観測を行っている。 (長野県)

・ダムのときに出された解析はいい加減だったということか?

→基本高水の算出の仕方がどうかという問題は、検討委員会でも議論があったところで、答申の両論併記にも表れている。更にデータを得た中で再検証していくことになる。

・280m

3/sの枠の中でやるというのは、この協議会の約束事。それを5年かけて見直しをするということが納得できない。そこまでして調査する必要があるのか?場合によっては、費用の無駄遣いではないか。5年の内に洪水が無かったらそのデータはどうなるのか?

・見直しでは無く再検証である。基本高水が下げられることを心配していると思うが、逆に上がる場合もある。ここでは基本高水の問題は議論しないというふうにしないと前に進まない。

(座長)

・流量調査について、大水の時は水位計に砂がつまり正確な水位が測れない。平成11年6月、9月の大雨は最高水位はわかったが、ハイドログラフは書けなかった。医王渡橋に水位観測用のカ

メラ設置を提案したい。→河川についてのスケジュールは、通常20年~30年と言われているものを10年でやるという県の方針が出された。資料で示した期間も最大でかかる期間を見込んである。 流域対策についても、10年というわけにはいかないが、極力短くする努力はしなければいけないと思っている。特に河道外遊水地については、地権者・地区の同意が大前提となるので、それをみながら可能なものは、なるべく早めに着手していきたい。 (長野県)

・着手できるものについては、是非お願いしたい。河道内遊水地は森林がほとんどであり、地権者

との交渉はそれほど難しくなく、時間もかからないだろう。河川改修と河道内遊水地を平行して行 えば、大水の際河道内遊水地に水が貯まり、河川改修の工事中流量が少なくなり、施工し易いし、 効果があると思う。町民が危険にさらされる期間を短くする最善の努力をして欲しい。

・東俣川の観音沢と合倉沢は、集水面積は合倉沢の方が大きいが、流量は観音沢の方が多い。これは山腹の傾斜や植生や地質等、その他の水脈の関係だと思う。調整ダムとしての萩倉の棚田はアトを払っても排水口が狭いため水が貯まる機能は無視できない。仮に水が溢れても、土手には水の吸収力がある。萩倉に遊水地は必要無いのではないかと思う。調査をしっかりとやって

もらいたい。和田峠から春宮までの20㎞の間、道路の水(幅6mとすると、100㎜の雨1万2千m3)がどういう形で流れてくるかを調べてもらいたい。地道な調査をして地に着いた、いい結論を出してもら いたい。

・発電所から見ると砂防堰堤があるため比較は難しい。

霧ヶ峰のほうから流れてくる水の量が多い。水田への湛水は効果があると思うが、農地利用について、地権者の了解を得るのが難しいと 思う。河道内外の遊水地の効果に疑問があるので聞きたい。1.自然のままで、人為的に調整出来ないため、 必要な時に制御できるのか、効力を発揮できるのか疑問がある。2.(堰堤が小さく)詰まる可能性が高いのではないか。堆砂、流木等不測のものに対応しているのか?

・同様に河道内外の遊水地の効果に疑問がある。観音沢から出る水は、勾配が緩く、森林も多いため、合流点まで時間がかかる。本流で貯めた水が出る時間と、東俣から出る水が一緒にならないか。雨量・流量観測所が現在4箇所あるが、砥沢上流と観音沢上流にも設置して、そこで降った雨がいつ頃合流点に出てくるのか流量調査して欲しい。時間的なズレはどの程度加味してある

か?→原案では平成5年9月の降雨をもとに考えている。カバー率100%なので、基本的には過去の洪水に対応できると考えている。土砂対策については、今後の調査の中で土砂の防止の検討、埋まらないような工夫、貯まった場合の土砂撤去についての検討をしていく必要がある。発生源の対策については、森林整備の中の治山事業として進めていく。ピークの時間が合うのではという質問については、流出解析の中で加味していきたい。 (長野県)

・地質が弱く、それに伴う鉄砲水が怖い。100年前にも大災害があった。20年前にも福沢川で山崩

れがあり、被害が発生したかもしれない。河川内に何かを造ることは、もしそれが崩れた場合一挙に水が出てくる怖さがある。地質の脆いところにものを造るときは、きちんとしたものを造るか、造 らずに早く流すかにして欲しい。

・森林整備が数値化できないと言われているが、経験上、保水力があることは確かであり、考慮していかなければならない。砥川上流は凝灰岩で隙間がかなりあり、森林だけではなく、山自体に貯まると言われている。その調査も流量調査と一緒にして欲しい。信州大学の宮崎先生は独自の調査で、医王渡橋で基本高水150m3/sという量を出されている。

水が断層に潜るのではという話も聞いている。そのような調査も基本高水と併せて実施して欲しい。

・シシバ岩の河道外遊水地は、遊水地群となっているが、水田に湛水をさせるという意味での群なのか。それともいくつか池を造って貯めるという意味か。

→水田に直接水を貯めるのではなく、池を7箇所造ることを想定している。平常時の利用方法については今後検討する。 (長野県)

・雨量の観測所を砥沢に設ける必要があると思う。遊水地について、河道内3箇所で30万m3貯めるということで、単純に計算して1箇所10万m3。これには100m×100mの土地で深さが10m必要となり相当大きいものとなる。もう少し数を多くして小さくしたらどうか。同様に、河道外遊水地は1箇所あたり16万m3で、100m×100mの土地で深さが16.5mとなり、これは可能か再検討して欲しい。

→砥川河道内遊水地は5m3/sカットで7万m3貯留、砥沢河道内遊水地は5m3/sカットで5万m3貯留、それぞれ高さは15m以下で考えている。大きいものでは、砥川上流河道外遊水地は4箇所で20万m3貯める。これらの数字は概算であり、9月補正で行う解析で、もう少し詳細に大きさ等わかってくる。現在考えている中では、不可能という数字ではない。 (長野県)

・砥沢の河道内遊水地については、複雑な断層がある。また、地質がレキ岩であり脆い。

→来年からの調査の中で詳細な地質調査をしていきたい。 (長野県)

・シシバ岩河道外遊水地については、段丘の水田への湛水は危険だと考える。いくら貯めても15cm位だろう。水の管理は誰がするのか、くずれた場合誰が責任を負うのか、という問題がある。だから、棚田に湛水するのは反対だ。医王渡橋下流河道外遊水地は、本当に地権者が協力して

もらえるか疑問にである。であれば、穴あきダムをもう一つ二つ造るか、または、15m以上もいい のではないか。15m以下だからダムでないというのはまやかし。必要あるなら大きいものでかまわない。あまり数を増やすのは経費のロスだし好ましくない。→60m3/sをカットすることは、原案に示した中でしていかざるを得ない。これには地権者、あるいは地域の住民の方の同意が必要となってくる。それを踏まえたうえで駄目なら、カット分を他にしなければならない。原案はたたき台である。最終的に駄目なら他の場所で確保するようなかたちとなり、再度、協議会で検討をし合意が得られた中で進めていかなければならない。医王渡橋下流河道外遊水地分を、河道内遊水地で代わりに貯めればいいではないかという話は、提案として今後の検討課題であると考える。 (長野県)

・上流部は土砂が流出しないようにして欲しい。地質が悪いので小さい堰堤をいくつか造る方法しか無いと思う。河床洗掘防止対策、また小さい沢の土砂崩落対策をして欲しい。棚田については

水は貯めるべきでない。シシバ岩河道外遊水地は賛成。落合の発電所のあたりから、そこへの管理道路を造れば良いと思う。砥沢の雨量計に併せて赤渋のほうも調査すれば、きめ細かいデータ が得られると思う。→土砂対策は流域対策の中に入っていない。別途検討している。治山事業においても土砂の流出防止は実施している。雨量計については、森林の保水力調査の中で2箇所設置してい る。砥沢中流に1箇所、三峰山の下のほうに1箇所。 (長野県)

・土砂対策は別途とはどういうことか?森林整備に入っているのではないか?総合的に取り組んで流域対策になると解釈している。

→土砂対策が別途というのは、川に入ってきた砂の部分、砂防事業については別途検討しているという意味になる。

・上流は治山で森林整備、途中は砂防で別途と言われる。総括的にはやらないという解釈でいいの

か?→砂防対策は通常事業で進めている。

・2点教えて欲しい。

1点目は、土砂生産をどう抑えるかについては別途考えると言うことであるが、河川改修より上流部と河道内遊水地の間について、河川改修なり土砂対策が必要という声が大きく、河川改修より も早く着手して欲しいとの要望があるが、具体的な意見を聞かせて欲しい。2点目は、保水力調査を実施するということであるが、国では全国一元的な考えで管理しているため、長野県が今後5年間の検証でそれを修正できるかどうかが心配である。その点について教え て欲しい。→原案の中に「森林整備による流出抑制」があるが、森林が持つ多目的機能の一つである土砂流出防止機能のための治山事業を実施することとしている。先程申し上げたのは河川に 入ってきた土砂は、砂防事業による砂防堰堤等により別途検討していくということである。流域対策には水と土砂の両方があり、森林の育成・整備は水と土砂の両方に効果がある。河道内遊水地は洪水時にピークカットをする効果は十分にあり、土砂流出についても役立つが、ピーク時の効果を長く持たせるためには、土砂がたまらない方がいい。土砂抑制については森林整備とあわせて、砂防堰堤等で補足していくことになる。そのための調査を砂防基 本計画といことで要望している。保水力調査は下諏訪町と県が連携して10年かけてやっていくことになっている。(長野県)

・基本高水の検証は5年間でできるのか?

→大きな雨が5年間に降ればデータを蓄えられるが、もし5年間に大きな雨がこなければ検証の対象とならない。

(長野県)

・基本高水の算出のプロセスには問題がある。今後の再検証では素人にも分かるよう広い視野を持って実施して欲しい。

→広い視野を持って進めたい。 (長野県)

・前回座長提案として流域対策を認めて前へ進もうと言ったが、多数の賛同は得られず不十分とし

て判断をしなかった。今日の議論や説明を受けて、前回より一歩前へ進んでいる。この間に議会 がありいろいろな質問を受けての結果、議論を重ねた結果であると思っている。こういった議論の 積み重ねできっと成案になると思っている。再度提案するが、5時間をかけ説明を受け、流域協議会では流域対策に対する方向性を出さな ければいけないと思っている。これをNOとした場合のことも考えなくてはいけない。流域対策につ いては、今の段階では原案ということであり若干不十分な説明があるが、今後皆さんの意見を聞 きながらつくりあげていきたいということで、県の説明や小市土木部長も言っている。したがって、流域協議会としては、この枠組みに沿って流域対策を実施することを評価する。ただし実施にあたっては、行政と住民の十分な意思疎通が図れるようにキャッチボールを行って欲しい。問題点は今後詰めるとして、河川改修を前進させるよう提案する。 (座長)

・ダムの代替えは必ず何らかの形でやらなくてはいけない。脱ダム宣言では、河川改修費用がダム建設より多額になろうとも、100年、200年先の我々の子孫のためにダムは造らないと知事は言っている。流域対策をやらないと河川の引堤かバイパスしかないが、この対策は不可能である。 流域対策は必ずやると県は約束して欲しい。もともと河川改修と流域対策は1つのものであると考え

なくてはいけない。→20年30年ということでなく、流域協議会や住民の意見を踏まえ、できるところから早めに着 手していく。そのためにも来年度から一部調査を始めることになっている。 (長野県)

・座長提案に賛成。遊水地よりもまず森林整備が基本である。第一に実施して欲しい。既存の砂防堰堤の活用も検討して欲しい。縦割り行政ではなくお願いしたい。

・今の発言は提言の中に盛り込みたい。再度確認するが、先程の流域対策を必ずやるという発言は、再検証を踏まえてということと、内外の遊水地の効果を検証しながら段階的に進めると言うことでよいのか。

(座長)→再検証の結果を踏まえ、効果を検証しながら実施していくということになる。 (長野県)

・自然現象は再現がない。被害が一点に集中するのではなく、流域全体で分散していくことが総合

治水対策である。土石流対策の実施、特に砥川は地質が脆く森林整備だけではなかなか難しい。下流は今よりも天井化させないよう、橋脚が支障となっている鷹野橋を早期に架け替えて欲しい。ダム計画から24~5年経つ、この間に流域がどの様に変化したのか、森林・開発・河川の状況をみながら流域対策をきちんとしてもらいたい。流域対策が先で次に川で封じこめる。流域対策をおろそかにして河川を優先しても意味がない。川は生きているという感覚を持っている。当面対処で きる問題を出してもらいたい。長期的な分は長期的に実施する。

・森林を重点にやって頂きたい。下流でワカサギ漁をしているが砂防の状況について教えて欲しい。

→生産土砂の関係と今後保全対象となる河道内遊水地の関係も含めて今後計画を詰めていきたい。 (長野県)

・280m3/sを基本とする案については賛成。流域対策の事業の効果については疑問を持っており、今後しっかり詰めて欲しい。政治的変化があった場合も方針を変えずに進めて欲しい。

・流域対策について、この案で国と協議を始めているのか?

→砥川は、流域対策の殆どが河川施設であるので河川整備計画を持って行く時には国と相談していくこととなる。浅川については水田ため池など河川施設以外のものが含まれるので、そ れについて国と相談をしていると聞いているが詳しいことは不明である。流域対策を含めた代替という話は国としているかもしれないが、具体的に一つ一つの相談には行っていないと思う。 (長野県)

・国の認可がもらえない場合も考えられるのか?

→ダムに替わる代替案と言うことで、トータル的な話で持って行かなくては国も相談は受けてくれない。協議会で一定の方向が見えれば国とのキャッチボールが始まる。 (長野県)

・遊水地で認可されれば良いが、もし白紙になった場合、付替水路を堤内地にし、河積断面を確保

することも考えられる。

・基本的に賛成。これから国との協議が始まるが、上川の流域協議会も始まっており、国の認可は上川とは別に認可を受けるということで協議するのか?

→現在のところでは諏訪圏域ということになっているが、今後の調整で変わってくる可能性はあるのではないか?基本的には諏訪圏域で持って行くことになっているが、砥川の状況がこのように進んでいるので、河川課に砥川だけでも認可が得られるようにお願いしていきたい。   (長野県)

・砥川を先行して進めて頂きたい。

・今までの経過を考えてみれば、砥川単独で交渉してもらわないと困る。森林整備だけでは解決できない。崩れないための治山は必要。沢筋を見落としてはいけない。浸食の進まないよう床固工

が必要である。

・先程の提案で集約させていただきたい。集約については提言の中でまとめていきたい。

最後に、河川改修ワーキンググループの中間報告をお願いしたい。 (座長)

・原案説明から今日まで、議事録の基本合意事項の確認、流域協議会会員応募時の意見から協 議会での意見・要望の精査をしている。多くの意見は、河口から上流まで画一的な断面とする必 要はないという意見で、現在区間に分け調整中である。全体像が見えるようなテーマが欲しいということで、テーマを提案してもらいたい。

・砥川がこういう川でありたいということを表現して欲しい。ワーキンググループでは、「桜色に染まる緑の渓流砥川」「子供らの歓声の絶えない川 渓流砥川」などが提案されている。このような砥川に対するテーマを事務局に送って欲しい。

(座長)


 

以上

 

お問い合わせ

所属課室:長野県諏訪建設事務所総務課

長野県諏訪市上川1-1644-10

電話番号:0266-53-6000

ファックス番号:0266-57-2946

より良いウェブサイトにするためにみなさまのご意見をお聞かせください

このページの情報は役に立ちましたか?

このページの情報は見つけやすかったですか?