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更新日:2013年11月29日

知事会見(平成25年(2013年)11月29日(金曜日)16時05分~17時00分会場:県庁)

項目

知事からの説明

  1. 県議会11月定例会の一般質問が終了、「凍り豆腐」に係る食と健康を考えるフォーラム、知事の左手首骨折(入院・手術)について

取材者からの質問

  1. 特定秘密保護法案について(1)
  2. 航空宇宙産業クラスター形成特区について
  3. 特定秘密保護法案について(2)
  4. 特定秘密保護法案について(3)
  5. 松本市中心市街地の再開発計画について
  6. リニア中央新幹線について(1)
  7. リニア中央新幹線について(2)
  8. しあわせ信州シェアスペースについて
  9. 「アルクマ」著作権の取得について
  10. 全国学力テストの結果公表について
  11. 子どもの権利支援条例(仮称)骨子案について
  12. 献血血液によるHIV感染について

本文

知事からの説明

 1 県議会11月定例会の一般質問が終了、「凍り豆腐」に係る食と健康を考えるフォーラム、知事の左手首骨折(入院・手術)について

長野県知事 阿部守一
 それでは、11月29日の会見を始めさせていただきます。今日で11月定例県議会の一般質問が終了したわけでありますが、県政全般にわたりまして、さまざまご議論、ご意見いただきました。来週から委員会ということで、個別具体的な議論をさらに深めていきたいと思っております。私の方から今日は2点お話しを申し上げたいと思います。
 まず一つ目が、プレスリリースの資料をお配りしているかと思いますが、「食withフォーラム 見直そう、日本食文化~高野豆腐でおいしく健康に~」の開催についてであります。来る12月9日月曜日、大阪市北区の大阪国際会議場グランキューブ大阪で「食withフォーラム 見直そう、日本食文化~高野豆腐でおいしく健康に~」が開催されます。この催し、関西圏では高野豆腐として広く知られております凍り豆腐の健康面での機能性に触れながら、伝統的な食文化を見直して、無理のない食生活の工夫で健康に生きることについて考える場を提供するものであります。凍り豆腐は長野県を代表する伝統的食品でありまして、全国で突出して1位の出荷量を誇っています。平成24年の実績で9,062トンというデータになっております。これは国内シェアの9割以上を県内からの出荷が占めている状況であります。また、凍り豆腐は、良質なたんぱく質やカルシウム等の栄養素を豊富に含む食品でありますが、そのほかにも中性脂肪の上昇を抑制する効果やコレステロールを調整する作用等さまざまな機能性があるとする研究結果も報告されています。当日は諏訪中央病院名誉院長の鎌田實先生によります「幸せで、健康で、長生きの秘訣(ひけつ)~高野豆腐の力」をテーマとする講演などが行われますが、医療の専門家の見地から長野県の伝統食と健康長寿の関係について、興味深いご講演をいただけるものと期待をしております。長野県の最大の強みである健康長寿日本一。県内各地域に根差した食品と健康との結び付きが、大きな要因の一つであるといわれております。こうした強みを関西圏で広く発信するとともにトップシェア商品であります、この凍り豆腐、さらなる躍進を期して長野県の食品産業の一層の振興を図ってまいりたいと考えております。
 それから、もう1点でありますが、私、ずっとギプスというか添え木をして包帯を巻いて一般質問に対応させていただきましたが、既に報道されておりますけれども、左手首骨折をしてしまいました。私自身の不注意で大勢の皆さま方にご迷惑、そしてご心配をおかけしておりますことをお詫び申し上げたいと思います。傷病名、左橈骨遠位端手関節内骨折(ひだりとうこつえんいたんしゅかんせつないこっせつ)という、私も医学用語はよく分からないし、体の部位もよく分からないですけれども、要は手首の骨折ということであります。全治1カ月の見込みということでありまして、明後日、12月1日から入院をさせていただいて、翌2日月曜日に手術をする予定にしております。その後、1日あるいは2日、手術の状況で療養、入院をさせていただく予定にしておりますので、早く治して、しっかり県民の皆さまのために頑張っていきたいと思っております。私の方からは以上でございます。

取材者からの質問

 1 特定秘密保護法案について(1)

信濃毎日新聞 牛山健一 氏
 知事、一般質問なかなか大変だったと思いますが、お見舞い申し上げます。無事の退院をお祈りしております。
 県議会ですけども、今回、国会の方で特定秘密保護法案、県会の方でもだいぶ議論になりましたが、私の方からもちょっと私どもの知事はじめ市町村長のアンケートも踏まえて今国会にこだわらず慎重に審議すべきだという首長が8割を超えまして、知事もご自身も審議自体は慎重にも慎重にと答弁にもあった通りだとは思うのですが、県民ですとか首長がいろいろ不安に思ってたり、そもそもよく分からないという声がある中で改めてお伺いするんですが、今国会での成立にはこだわらない方が良いというふうにお考えはないでしょうか。改めてお伺いします。

長野県知事 阿部守一
 ちょっと私の回答だけ他の市町村長と違う形で書かせていただいていますけども、特定秘密保護法案については、これは県議会でも答弁申し上げました通り国民の知る権利、これ基本的人権との関係で慎重の上にも慎重に審議検討されるべきものだと考えております。そういう意味で、行政機関が指定する特定秘密が拡大的に解釈されるようなことはあってはならないというのは当然のことでありまして、そういう意味で国会において国民の不安や懸念を払しょくするような努力をしっかり行っていただきたいと思っております。そういう意味で、何というか質問の選択肢、今国会に関わらずという質問だったですかね。当然、私は十分必要な審議を行ってもらいたいと、県議会でも申し上げましたけれども例えば総理の答弁の中でもですね、この第3者機関については、総理もご自分では必要ではないかとご発言されてらっしゃるわけですから、そうしたことも含めてどうするのかということをしっかり議論してもらわなければいけないだろうと思います。国会ですから、マスコミ報道では会期延長がないというような形で論じられているんですが、そこは私がよく分からないところなんで、もちろん会期延長するとかですね、継続審議するとかいろんなやり方ももちろんあると思いますけれども、いずれにしても国民がしっかり理解して、「こういう形ならいいよね」と思えることができるような審議をしっかり尽くしてもらいたいと思っています。

信濃毎日新聞 牛山健一 氏
 あの、ちょっと誤解だったら申し訳ないですが、県民との協働、それから市町村長とも、市町村とももちろんそういった姿勢で日々県政臨まれている知事ですけれども、ちょっと始めの県会の答弁での前振り辺りをとらえるとちょっと国と国といいますか、そういった国という方の観点からちょっとそういった目でも見られているのかなというふうにも思ったんですが、あくまでもこの県民視点というんですか、そういった在り方で考えた場合、この法案どうなんでしょうかということをちょっと改めてお聞きしたいんですが。

長野県知事 阿部守一
 これは、何というかちょっとごめんなさいね。片手が使えないのでちょっと資料がなかなかめくりづらくて申し訳ないのですが、藤岡議員の質問に答弁させていただく際に、私もあまり責任ある立場ですから、政府の直接的な考え方も聞かずに答弁してはいけないだろうということで内閣官房に対していくつか質問をさせていただいて、その回答も踏まえてですね、答弁をさせていただいております。そういうことを踏まえて申し上げたのが、例えば県の情報が特定秘密に指定されるということは、これは基本的にないというのが回答でありますし、私も条文を見る限りそういうことは、これも答弁で申し上げた、たまたま同じ情報を保有しているというときにはあり得ると思いますし、また国から提供を受けて都道府県警察が特定秘密を保有するというような場合は、法文の中に明らかにそういう規定が置かれているわけでありますけれども、それ以外は基本的にはないだろうと考えております。ただ、電話照会でありますし、政府の側からちゃんと説明会を講じた上で行われたものではないので、まだ法案が審議中でありますから、担当部局も法案が確定しないと全体的な考え方が整理しづらい部分もあるんじゃないかと思いますが、今の段階ではそういうことで把握をしています。また情報公開制度についても、法案の10条2項について、都道府県が条例で設置している情報公開審査会での審議にあたっては、特定秘密を提供できる旨の規定が置かれているので、そういうことも答弁させていただいているところであります。県との関係では、そういう整理だろうなと私も思いますが、ただ広く国民全般の知る権利といったような観点から見たときには、さまざま議論がされておりますし、さまざまな問題提起もされているわけでありますので、やはり国民の理解がしっかり得られる形にしていくということが重要だろうと思います。ここはやっぱり慎重に国会で議論いただいて、将来に禍根を残すことがないようにしていただく必要があるだろうと思っています。

信濃毎日新聞 牛山健一 氏
 ありがとうございました。

 2 航空宇宙産業クラスター形成特区について

信濃毎日新聞 佐藤大輔 氏
 特区についてお尋ねしたいと思いますが、昨日、長野県を含む東海エリアの、正式名称じゃなくて恐縮ですけれども、産業競争力会議というような名称の会議の中で、愛知の大村知事の方から、長野県の飯田・下伊那地域で航空宇宙特区に関して、長野・静岡両県の参加を認めることに前向きなご発言があったというふうに伺いました。この件に関しまして、知事の方で推進協議会というんでしょうか、特区に関する協議会への参加スケジュール等について、現状把握されているようなことがあれば教えてください。あるいは大村知事の方から具体的に参加を認めるようなお知らせがあったか教えてください。

長野県知事 阿部守一
 これは、私ども長野県においても航空宇宙産業クラスター形成特区に関係のある地域があるところでありますので、愛知県とも調整をさせてきていただいているのが、現状であります。大村知事、前向きなご意向だと伺っておりますので、ぜひ、この区域を長野県もしっかりと拡大をしてもらいたいと思いますし、その方向で、関係方面にご検討いただけていると思っています。

信濃毎日新聞 佐藤大輔 氏
 繰り返しになりますけれども具体的に参加のスケジュールというか、多分地域の、ごめんなさい、これも正式名称ではないんですが、協議会に参加した上で特区拡大なのか、新設なのかというような、いろいろ方法あるかと思うんですけど、そういう段取りを踏むと思うんですが、その参加のめど、具体的にスケジュールはどうなっていますか。

長野県知事 阿部守一
 これは、既にほかの地域で先行しているところを拡大をしてもらう方向で調整しておりますので、今中心になって取り組んでいらっしゃるのは愛知県でありますから、愛知県とはしっかりと調整させていただいているところであります。前向きな対応をしていただけていると思っておりますので、どういう形でということについては、愛知県の方でしっかり対応を進めていただけると思っています。

信濃毎日新聞 佐藤大輔 氏
 最後、同じ特区の関係で。特区、仮に認められた場合にそこからやっとスタートかなと思うんですけど、現状でも県とすればレンタルラボの関係、補助等されていて、産業集積に向けていろいろ尽力されていると思うんですけれども、今後その特区に仮に編入というか加われた場合に、どのような支援というかですね、産業集積に向けた取り組みをされるか、もし現状こんなイメージがあるということがあれば最後教えてください。

長野県知事 阿部守一
 そうですね。国際戦略総合特区としてのアジアNO.1航空宇宙産業クラスター形成特区として、例えば輸入航空機部品等の関税フリーゾーン化でありますとか、あるいは航空宇宙部品の一貫受注システムの構築とか、工場アパートの整備とか、そうした戦略的取り組みをこの地域で進めていこうということで、検討されているわけでありますので、長野県も次世代交通ということで、次世代産業へシフトさせていこうということを「しあわせ信州創造プラン」にも掲げているわけでありますから、この航空宇宙産業クラスター形成特区の区域に長野県が入ってくるということは、われわれの目指すべき方向性にとって非常に大きな追い風になると考えています。

信濃毎日新聞 佐藤大輔 氏
 ありがとうございました。

 3 特定秘密保護法案について(2)

日本放送協会(NHK) 渡辺史織 氏
 たびたびで申し訳ないのですけれども、特定秘密保護法案について賛否含めて知事ご自身がどのように考えていらっしゃるかっていうのを改めてお願いしたいのが一つと、今日の県議会でも関連した意見書が出されて、一つは法案そのものに対する慎重な対応を求める意見書で、こちらは否決をされて、もう一つが法案の成立を前提として適正な運用策を検討することを求める意見書の方が可決されたわけですけれども、これについてどのように受け止めていらっしゃるかというのをお願いします。

長野県知事 阿部守一
 まず特定秘密保護法案についてどう考えるかっていうのは、先ほども申し上げた通り、これは国民の知る権利との関連性でですね、やっぱり慎重に審議をしていただいて、将来に禍根を残すことがないように対応してもらいたいと思っております。意見書については、意見書っていうのはご存じのように、県議会の意思でやるわけでありますので、それぞれの中身について私が詳細に伺っているわけではないので、私が意見書についてコメントする立場でもないし、適当でもないだろうと思っています。

日本放送協会(NHK) 渡辺史織 氏
 国民の知る権利が侵害される懸念というのは、いろいろなところで声が上がっていますけれども、今審議されている法案について、知事もそうした懸念は持っていらっしゃるんでしょうか。

長野県知事 阿部守一
 特定秘密保護法案について、いろんな観点からの意見が出ているわけでありますけれども、例えば国会、国権の最高機関としての国会との関係性をどういう形で整理するのかとかですね、あるいは総理も第三者機関について設置すべきだと考えているということで、衆議院の委員会でもご答弁されていらっしゃいますけれども、そうしたことをどう具体化するのかといったようなこと、まだまだ参議院の場でですね、議論するべき点は多々あるのかなと考えています。

日本放送協会(NHK) 渡辺史織 氏
 先ほどの質問とまた少し重なってしまうんですが、今国会での成立を目指しているわけですけれども、それでその議論の時間というのは十分であるというふうに考えていらっしゃいますか。

長野県知事 阿部守一
 国会の委員会日程とか、国会の審議日程について私は必ずしも十分に承知していないので、今議会がいいのか、送った方がいいのかというのは、先ほどの会期延長の話だってあり得なくはないわけでありますから、単純に申し上げる話ではないと思いますけれども、少なくともやっぱりしっかりとした審議をして、国民の多くが理解できるような形にしてもらうということが大事だろうと思います。

日本放送協会(NHK) 渡辺史織 氏
 ありがとうございます。

 4 特定秘密保護法案について(3)

共同通信 小島佳祐 氏
 重ねての質問になってしまって恐縮なんですけれども、特定秘密保護法案に関して、慎重に審議が必要というのは、およそどのような法案であっても当然必要かと思うんですけれども、先ほどから知る権利が阻害されないようにすることが重要だという趣旨のご発言をされているかと思うんですが、実際どうすれば知る権利が阻害されて、どういう部分が修正されれば知る権利が阻害されないのかという点について、知事ご本人としてはどのようにお考えなのでしょうか。

長野県知事 阿部守一
 例えば、先ほどから申し上げているように、法案の修文が必要になってくるのか、運用ベースで対応し得る問題なのかというのは、これはしっかり国会で議論していただかなければ、明確にはなってこないと思いますけれども、例えば第3者機関の設置も、今、法案の中では、附則9条で検討ということで、所要の措置を講じますと書いていますが、例えば所要の措置とは、具体的にどういうものを考えているのかっていうことは、法文を見るだけでは、われわれ知り得ないわけですから、こうした点はやはり国会の審議を通じてですね、明らかにしていく必要があるだろうと思いますし、他にも、私は国会議員であるわけでないんで、国会議員で委員会に参加していれば、当然ここはどうなんだと、これはこの条文で本当に大丈夫かとかと、しっかり詰めていく必要が、知る権利との関係で、通常の法案も慎重審議が必要だというのは当然だと思いますけれども、しかしながら、この特定秘密保護法案は、通常の法案以上に慎重に考えて議論されなければいけない法案だろうと思います。

共同通信 小島佳祐 氏
 現状、何か問題点だというふうに、お感じになる部分というのはないのでしょうか。

長野県知事 阿部守一
 問題点。問題点は、先ほどから申し上げているように、本当に行政機関が恣意(しい)的な運用に流されないように担保がされているのかとかですね、そういうところを明確にしていただくということが重要だろうと思います。

共同通信 小島佳祐 氏
 ありがとうございます。

 5 松本市中心市街地の再開発計画について

市民タイムス 渕上健太 氏
 この間、松本商工会議所の会頭さんですとか、商店街連盟の代表の方が知事をお訪ねされて、松本のカタクラモールというショッピングセンターの再開発に伴って、適正規模での実施を求める要望書を提出された中で、知事に対しても、適正規模での開発に向けて、協力というか、連携を要望された中で、知事としても歩調を合わせて取り組んでいきたいという趣旨の回答をされていたんですけれども。その場でも知事の方で説明されていたように、なかなか大規模小売店舗立地法に基づくと、県としても強制力を伴う権限ていうものはない、かなり制限されているという現状の中で、今後どのように問題に対処していかれるか、聞きたいのですが。

長野県知事 阿部守一
 そうですね。私も、松本のまちづくりは、非常にいい形、コンパクトシティー的な形でですね。しかも、居心地がいいというと、ちょっと変な感じかもしれませんけれども、暮らしやすい中心市街地の形が作られてきていると思っていますので。そういう意味で、将来に向けても、いい形のまちづくりができるように県としても協力していくということが重要だと思っています。ご質問にあったように、今、開発の関係の権限が、かなり松本市に移っておりますので、県が直接的な権限としてあり得るのが大店法、しかも、かつて大店法の議論がさんざあって、当時と比べると権限が極めて縮小されているものぐらいしかないわけでありますけれども、これは、地元の皆さんとか、松本市とかですね、関係する皆さんと思いを合わせてですね、共同歩調で取り組んでいきたいと思っています。

市民タイムス 渕上健太 氏
 この関係で、例えば市長ですとか、その関係する方のお話を聞いたりですとか、開発する側のイオンモールの方のお話を聞いたりっていう、何かそういった行動というかですね、その辺、何か考えていらっしゃいますでしょうか。

長野県知事 阿部守一
 この間も商工会議所とご一緒に松本市の方もいらっしゃっていたわけですから、県と松本市あるいは商業関係の皆さんと、当然、情報は共有して対応していくことが必要だと思っています。これ、相手がある話なんで、私だけが決めつけるわけにいかないですけれども、私としては関係の皆さんが協力し合えるような形にしていくことが大事だろうと思っていますし、県としても積極的に関わっていきたいと思っていますが、これ、まちづくりの話なんであんまり県の方が主導的にやるということでもないだろうと思っていますから、まずは地域の皆さんがどういう形で取り組まれるか、そしてわれわれに具体的にどういう期待をされているかということを十分お伺いする中で、一緒になって取り組んでいきたいと思います。

市民タイムス 渕上健太 氏
 ちょっと前後しちゃってあれなんですけれども、5月の会見の時に知事の方で、カタクラの問題について、私が委ねる話ではないということで、市の方で適切に対応されるだろうということをおっしゃってたんですけれども、今回、この間の要望のときには、かなり共同歩調で進めたいというようなお話されていたんですが、その間で何か、例えば現地を見て認識が変わったのであるとか、知事の思いが前向きになった、その辺の変化っていうのはどういうところなんでしょうか。

長野県知事 阿部守一
 今も申し上げたように、それぞれの地域のまちづくりに関してわれわれ県がですね、あまり強力に関与してお節介を焼くというような問題ではないと基本的には思っています。ただ、先般、松本商工会議所の皆さんが、県としても問題を共有して取り組んでほしいということでご依頼いただいたわけですから、そうした地域の皆さんの思いにはわれわれも応えていきたいと思っています。

 6 リニア中央新幹線について(1)

市民タイムス 渕上健太 氏
 一点、今日の一般質問にもあったんですが、リニアの関係で木曽の議員さんが、中津川に駅ができるということで、駅名について岐阜県側の方からも木曽の名称を一部使って木曽中津川とか中津川木曽っていう案を岐阜の方でも提案されていると話あって、知事も大変興味深い提案というお答をしていたんですけれども、今後、例えば岐阜県さんの方と事務レベルでそういったことを話し合うとかですね、対応をもし考えていることありましたらお聞きしたいんですが。

長野県知事 阿部守一
 これは答弁でも申し上げましたけれども、基本的には岐阜県側のお話ですし、私も今回の質問を受ける中で、そういうご意見を持たれている方がいると、持たれている方というのは岐阜県側にですよ、いらっしゃるということを初めて伺ったわけですので、われわれとしては岐阜県の皆さんのお考えを、まずはよくお伺いするということが必要だろうと思います。

 7 リニア中央新幹線について(2)

信濃毎日新聞 古志野拓史 氏
 今日、リニアの質問でもアセスのですね、手続きについていろいろ慎重な立場からの質問なんか出たと思うんですけど、23、24と飯田と南木曽で公聴会がありまして、私も取材で行ったのですが、公聴会なので全体としていろいろな環境面での不安とか懸念の立場のご意見の方が多くて、特にやっぱり大鹿とか南木曽とか、駅ができる飯田市というよりは、その周辺部でやっぱり、特に目に見えたリニアの恩恵はないにもかかわらず、大量のトラックだとか残土だとかそういう負の側面を小さい町村で引き受けなければいけないことに対するやりきれなさといいますか、そういう声が肉声でたくさん出てまして、本当に大変なことだなと思いながら取材していたのですけれど、中では大鹿の若い女性の方なんかから、後はもうJRも国もありきで進めているのだけれども、頼るのはもう本当に最後は県、県ぐらいとは言っていないですけれど、県しかないとか、知事しかいないとかですね。以前村にも来てもらったことがあって、知事と話をする機会もあったけれど、非常に耳を傾けてくれたとか、リニア通信を渡せただとか、そういう知事に対する期待の声というのも非常に聞かれていまして、計画全体としては当然県は建設促進のところに名を連ねていて、一方では進める立場でもあると思うのですが、知事意見、2月、3月あたりに向けてまとめていく上で、技術委員会の専門的な見地とか意見概要とかっていう事務的なあるいは間接的な手続きはあると思うのですけれど、例えば、いろんなテーマで知事が各地で開催されているように、タウンミーティングのようなものを、大鹿とか南木曽とかそういうところで開いて、直接知事が住民の声を聞いてみるとかそういう検討の余地はありませんでしょうか。

長野県知事 阿部守一
 なるほど。今の時点でそういうことは考えてなかったわけですけれども、技術委員会の皆さんが現地調査もしたりしながら、まずは専門的な部分はしっかりやってもらいたいと思っていますし、他方で自然環境にどう影響が出るかみたいな技術的な側面は技術委員会の皆さんがしっかりやっていただくことが大事だと思いますが、生活環境への影響みたいなところは、やはり市町村の皆さんとか、住民の皆さんからのご懸念・ご心配というものをわれわれもしっかり把握していくということが重要だろうと思っています。知事意見とりまとめのリミットが決まっているわけでありますので、そこまでの間でどういうことができるかということがありますけれども、できるだけしっかり意見を把握した上で、知事意見のとりまとめをしていきたいと思います。このリニアの問題については、地域振興にとって有益な事業としてしっかりJR東海に対応してもらわなければいけないのと同時に、やはりできる限り環境への負荷は低減してもらうということが必要だと思いますので、地域の皆さんの思い・声をしっかり受け止めた上で対応していきたいと思います。

信濃毎日新聞 古志野拓史 氏
 付け加えで、県のレベルになってしまうと、そういうその地域の懸念はあるだろうけれど、それを低減するような事業にしてもらうということなのかもしれないですけれど、実際現地へ行ってみると、そういう前提でことが進んでしまっていることに非常に住民の皆さん、別に着工認可が下りているわけじゃないとか、着工の指示が出ているわけではないということで、造られるんだという前提で、あるいはトラックが入ってくるとか、そういうことが前提でいろいろなことが議論されていることに憤りを感じている方も非常に多くて、そういうのは本当に現場へ行ってみないと肌では伝わってこないなあということも感じたんですけれども。

長野県知事 阿部守一
 これはJR東海がどういう説明をされているのか、よく聞いてみないと分からないんですけれども、ちゃんと環境影響評価の手続きを踏んだ上でやってもらわないといけないわけですから、今JR東海が考えているものについても例えば技術委員会でももっと資料をしっかり出せと言っているわけですから、今のJR東海が想定しているものがそのまま実現するというものではないだろうと思っています。

 8 しあわせ信州シェアスペースについて

信濃毎日新聞 小坂真希 氏
 銀座に開設を予定されている情報発信拠点について質問があるんですが、今回一般質問の中で、市町村向け、あるいは観光協会に向けての説明を12月、1月に掛けてやっていくというお話があったんですが、肝心の県民向けの説明ですとか、意見を吸い上げるといった具体的な予定は何かあるんでしょうか。

長野県知事 阿部守一
 説明の日程とかは、私はよくちょっとまだ承知してないですけれども、市町村とか観光協会の皆さんには、もちろん全面的に協力して一緒に取り組んでいただきたいと思いますけれども、今回の活動拠点は、もっと幅広く企業の皆さんとか県民の皆さんにも活用していただく形にしなければいけないと思いますので、そこは少し広い形での参加・協力、あるいは周知というものをしていくことが重要だろうと思っていますが、室長の方から今の状況を。

観光部信州ブランド推進室長 熊谷晃
 知事が申し上げた通りでございまして、全市町村への担当者ベースでの会議、これが再来週からになります。それと各市町村にございます観光協会、これも全協会を対象として1月に現在予定しております。それと今知事が申し上げましたように、民間企業の皆さんにも広くご説明してまいらないといけませんので、12月中にですね、実施計画をまとめてまいりまして、そういったものを経済界の皆さんだとかを通して説明会などを開催していく予定でおります。

信濃毎日新聞 小坂真希 氏
 これは12月中に実施計画をまとめてというお話なんですけれども、そのまとめるところの議論というのは公開で行うんでしょうか。と言いますのも、2回目の整備推進会議が非公開で行われたので、結局県民からすると、どういう流れで銀座に決まって、どうしてこういう話になったのか分からないのが実状だと思うんですけれども、3回目の議論というのは公開でやるのですか。

長野県知事 阿部守一
 個別の物件の話とかあったから多分非公開にしているんだと思います。そのあたりを室長から。

観光部信州ブランド推進室長 熊谷晃
 それは今まで説明をしてきた通り、契約の前であり、物件が絡んでいたので、その点については第2回は非公開という形を取らせていただいておりましたので、これから実施の内容はオール信州でということなので、当然公開という形で行きたいと思っています。

信濃毎日新聞 小坂真希 氏
 民間企業向けと、住民向けにも実施計画の内容の説明会なり、意見交換をする場を設けていくということでよろしいのでしょうか。

長野県知事 阿部守一
 そこはどういうふうにやるか。
 
観光部信州ブランド推進室長 熊谷晃
 先ほども申し上げた通りでありまして、私どもの方で具体的な内容だとかゾーニングだとか決まらない限りはですね、民間の方にお話することはまとめてできませんので、実施計画がまとまった段階で、企業の皆さんを中心にですね、ご説明をしてまいりたいと思っております。

 9 「アルクマ」著作権の取得について

信濃毎日新聞 小坂真希 氏
 別件で、アルクマについてなんですけれども、アルクマの著作権がJR側から県の方に移った場合、知事として期待することというか、こういうことに活用していきたいということとかご意見を伺いたいのですが。

長野県知事 阿部守一
 まずはその交渉経過は今どうなっているのですかね。ちょっとこれは仮定の話にはなりますけれども、この間くまモンが来て、アルクマと一緒に私も入って、アルクマとくまモンでダンスを踊ってもらったりしたわけですけれども、長野県の発信役としてアルクマだいぶ活躍してもらっているなと思っておりますし、子どもたちにはいろいろな会場で私とアルクマ一緒になることがありますが、皆アルクマの方に行って、アルクマの人気はすごいなと思っていますが、ただ版権が全部今までJR東日本、今も持っているわけでありますので、そういう意味で活用の仕方というのがどうしても限定されざるを得ないという部分があるので、これは県が取得をすれば、もう少し自由な形での活用はできるだろうと思っています。ちょっと秋山さんから今の現状を。

観光部観光振興課長 秋山優一
 JRさんの方とですね、交渉を重ねてきているわけなんですけれども、今までもですね、アルクマの今の使い方が基本パターンというのが決まっておりまして、マニュアルに沿った形でしか使えないと。まずそれの自由度を拡大してほしいというのと、それから商品化等をするときにですね、やはりロイヤリティーが今掛っておるものですから、その辺も緩和したいなというのが私どもの希望でございます。そんな話をする中で、JRの方でやはり育ての親である県の方にですね、お譲りしてもいいかなというような方向性が見えてまいりましたので、昨日申し上げたわけでございます。これからですね、当初予算に向けまして、私ども予算化をお願いしまして取得をしてまいりたいと考えております。

信濃毎日新聞 小坂真希 氏
 ありがとうございます。

 10 全国学力テストの結果公表について

毎日新聞 小田中大 氏
 今日なんですけれども、文科省の方で、全国学力テストに関して公表の方法について、要綱の中で公表方法の変更が触れられていまして、市町村教委かもしくはその同意を得た県教委が学校別の成績を公表することができるということに変更になりまして、そのように変わった点についてまず知事のご所見をお伺いしたいのですが。

長野県知事 阿部守一 
 今回は市町村教委の判断でできるということになったわけですよね。

毎日新聞 小田中大 氏
 基本的にはそういうことですね。

長野県知事 阿部守一 
 これまでは各学校の判断という形になっていたところが、市町村教育委員会の判断という形になったのは、私は良い方向だろうと思います。私自身市町村教育委員会が全国一律で原則公表と、原則というのは小規模校とか、結果を出すと個々の子どもの成績もある程度推定されるような場合を除いてですね、原則公表ということが望ましいと考えておりましたので、そういう意味で教育委員会の判断で公表できるというのは、今までの形よりは良い方向になると思っています。

毎日新聞 小田中大 氏
 すみません。2点あって、改めてその学校別の結果がですね、何ていうか学校ごとの判断でなくて、市町村教委なりで判断して広く出るようになる形が、良い方向に進むというのは、どういう観点からその良い方向に進むのかとおっしゃっているのかが。

長野県知事 阿部守一
 良い方向っていうのは、その例えば各学校の判断ということだと、やっぱりその校長先生次第で同じ地域でも公表するところ、しないところというのは、私は何というか同じ学力学習状況調査をやっているのに、変だなと。で、先ほども全然レベル違いますけども、知る権利みたいな話があるわけですけれども、やっぱり結果をその教育委員会が持っておきながら、それは何というか文科省が公表が適当じゃないよと言っているから、公表していないわけですよね。それは縛り方として私はおかしいんじゃないかなと思います。積極的に公表することによって、やっぱりこの学力の向上、この学力テストで測れる結果だけが、唯一絶対のものだという感覚で扱っては、私はいけないと思いますけれども、しかしながら、一つの指標としてですね、学力の改善に結び付けるということのためには、公表して、保護者の皆さんとか地域の皆さんと共有していくということは望ましい方向だと思っています。

毎日新聞 小田中大 氏
 すみません。最後に一点なんですけれども、先ほど最初に冒頭おっしゃられたように、知事としては全国一律で公表していくのが望ましいんじゃないかということで、文科省から照会というか、アンケートが来た際にご回答されているということを先般お伺いしていたんですが、今回のその要綱の中では、都道府県教委においては市町村教委に同意を得た場合には、学校別の結果を都道府県教委が公表できるという一文が入っていまして、やり方によっては、県が市町村教委に対して、同意を取り付けた上で、一律に公表するっていうやり方も有りといえば有りだと思われるんですけれども、知事としてその辺を、例えば県教委、教育長なりにですね、例えば要請なりとかされるようなお考えとか、どういう形が望ましいかっていうのがあれば、お伺いしていいですか。

長野県知事 阿部守一
 県教委の。

毎日新聞 小田中大 氏
 要は、県教委がその市町村教委に同意を取り付ければ、県教委自身がその全学校のデータを公表するってこともできなくはない制度になっていまして、その市町村教委に委ねるのか、県教委がやるのかっていうのもあるんですけれども、その知事がおっしゃっているような形で言うんであれば、県教委に集約してもらって公表するっていう方が、在り方としては望ましいとお考えになってもおかしくはないかと。

長野県知事 阿部守一
 私の感覚は、今日の質問にもありましたけれども、その権限の責任を一致させましょうっていうのが教育委員会制度改革で、私の基本的なスタンスです。小中学校っていうのは、何となく人事権を県の教育委員会が持っているので、県の強力な関与をする場のような感覚がありますけれども、しかしながら、市町村立学校ですから、基本は市町村だと思っています。ただ同意を得た場合には、県教委も公表できるということがありますけれども、それは県教委において、市町村教育委員会と十分相談してもらった上で、どういう対応をするのが適当かというのを考えてもらいたいと思います。

毎日新聞 小田中大 氏
 局面においては、知事の方では特段どうした方がよろしいのではないかということをおっしゃるということはないという。

長野県知事 阿部守一
 まず、高校であれば、私がどうこうっていうのをかなり積極的に言わなきゃいかんなと思いますが、やっぱり設置者である市町村、例えば市町村教育委員会がそういうことをやるのかやらないかって、また、市町村長のお考えっていうのもあると思いますし、何と言うか、そういうことも含めて、やはり何というか、教育については権限と責任の所在が不明確なんですよね。私はやはり市町村立学校である小中学校については、市町村がまずは主体的に考えてもらうということが基本だと思いますが、市町村と相談した上で、県教委が対応するということも当然あり得るだろうと思います。

毎日新聞 小田中大 氏
 分かりました。

 11 子どもの権利支援条例(仮称)骨子案について

信濃毎日新聞 竹村研人 氏
 一つ、子どもの支援条例の骨子案が出てきました。こちらの条例の制定について賛否あるところではあるんですけれども、知事として骨子案、県民意見募るにあたって示された段階で、選挙の時に権利条例の方を掲げていたわけですけれども、骨子案について知事が掲げていたことは十分反映されているかどうかについて教えてください。

長野県知事 阿部守一
 はい。これも質問で出ていましたけれども、子どもたちを取り巻く環境が非常に厳しくなりつつあるなと。児童虐待の問題であったり、いじめの問題であったり、極めてストレートに人権にも関わるようなことが増えているわけで、そういう中で子どもの権利をしっかり守っていく必要があるだろうということで、公約には子どもの権利条例ということで掲げたわけであります。子どもの育ちを考える委員会において、さまざま、慎重な議論をしていただいた上で、今回条例の原案を作ったわけでありますので、私が意図している方向と同じものができてきていると思っています。パブリックコメント等を行った上で、県民の意見も更にしっかり伺った上でですね、成案にして議会にお諮りをしていきたいと思っています。

信濃毎日新聞 竹村研人 氏
 あと一点。他のですね、自治体の子ども条例だと一般的に前文だとかですね、そういったものがあるケースもかなり多いんですけれども、あと一部の県民の方からですね、前文というのがやはりないと気持ちが伝わらないんじゃないかと、子どもたちに、そういうような意見もあるんですけれども、現時点でどんなふうに考えてらっしゃいますか。

長野県知事 阿部守一
 この間、議会の答弁で部長は検討するということで答えていますから、今の時点では、その部長の答弁通りだと申し上げておきたいと思います。

信濃毎日新聞 竹村研人 氏
 ありがとうございました。

 12 献血血液によるHIV感染について

朝日新聞 軽部理人 氏
 12月1日が世界エイズデーということで、今ちょっと取材をしているんですが、先日エイズウイルスに感染した男性が献血して患者2人に輸血された問題がありました。長野でも起こり得るケースかもしれないので、それへの対策とか、受け止めとか、もし何かあれば教えてください。

長野県知事 阿部守一
 なるほど。ちょっとそこについては、具体的な事例については私も承知していませんけれども、献血の際にすり抜けてしまう可能性があるということですよね。これは全国統一的に対応されてきているわけでありますから、そこについては、厚生労働省なり、日赤なりで十分な対応を考えてもらうということが必要だと思います。これちょっと県レベルで何かすることが必要なのかどうかっていうのは、少し健康福祉部と話をしないと分かりませんけれども、まず、輸血を受けられる方々、ああいう報道があると非常に不安になられるだろうと思いますので、そうした不安がなくなるように取り組んでいただきたいと思います。

長野県知事 阿部守一
 はい。ありがとうございました。

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