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更新日:2017年1月9日

知事会見平成25年(2013年)8月1日(木曜日) 11時00分~11時40分 県庁:会見場

項目

知事からの説明

  1. 中央アルプスでの韓国人登山者の遭難、「子育て同盟サミットinとっとり」、「ふるさと信州風景百選」の総合審査員及び募集延長、「ぐるっと信州体験博2013」について

取材者からの質問

  1. 中央アルプスでの韓国人登山者の遭難について(1)
  2. 中央アルプスでの韓国人登山者の遭難について(2)
  3. 山岳遭難防止の検討会について(1)
  4. 長野県松川村(男性)の平均寿命日本一について
  5. 子どもの性被害防止について
  6. メガソーラーの設置に係る課題について
  7. 山岳遭難防止の検討会について(2)

配布資料一覧

「ふるさと信州風景百選」の総合審査に参加する委員をお知らせします(PDF:221KB)
「心の残る『ふるさと信州』の情景」をテーマとした農村風景写真の募集(後期)を行ないます(PDF:257KB)

本文

知事からの説明

 

 1 中央アルプスでの韓国人登山者の遭難、「子育て同盟サミットinとっとり」、「ふるさと信州風景百選」の総合審査委員及び募集延長、「ぐるっと信州体験博2013」について

 

 8月1日の会見を始めさせていただきます。私の方から冒頭4点お話を申し上げたいと思います。
 まず1点目でありますが、中央アルプスにおきます韓国人登山者の遭難事故についてでございます。7月29日月曜日、駒ケ根市の中央アルプス檜尾岳付近で韓国からのツアー登山者20名のうち4名の方が命を落とされました。深く哀悼の意を表しますとともに、心からご冥福をお祈りしたいと思います。
 また、16名の方々、無事下山することができたわけでありますけれども、韓国から私ども長野県にお越しをいただきながら事故に遭われましたこと、心からお見舞いを申し上げます。今回の事故原因につきましては、現在県警において調査中という状況でございます。当日、風雨が強く霧も発生して視界が悪かったということのようでありますが、気象情報の把握の状況、あるいは登山計画に無理がなかったか、装備が十分であったのか、日本の山岳に対する認識がどの程度のものであったのか、十分な認識が仮になかったとすれば、山岳ガイドの同行の必要性など、確認を行うべき点がいくつもあると考えております。外国人登山者に限った統計が現在ないわけでありますけれども、近年、県内への外国人旅行者が増加をしておりますし、山小屋関係者のお話としても外国人の登山者の方々、増加していると聞いています。こうした中、外国人の遭難も毎年発生しているという状況であります。韓国人に限ったデータで、最近5年間で5件の遭難が発生して、一人の方がお亡くなりになられて、4人の方がけがをしているというデータがございます。県としては、これまでツアー登山者の安全確保につきまして、旅行業者、登山案内人組合に対しまして、毎年注意喚起の依頼通知を行ってきておりました。これに加えて、県の遭対協(山岳遭難防止対策協会)におきましては、平成21年7月に韓国人登山者の現状について、遭対協会員の皆さまに対して研修会を開催して、日韓の登山スタイルの違い等について意識共有を図るとともに、平成21年9月には、韓国人に対して注意喚起をするハングルでのチラシを作成して、県内の山小屋に配置をしてきました。今回の事故を受けまして、私どもとしての当面の対応として、東アジア、欧米の駐日外国公館に対しまして日本の山岳の特殊性、急しゅんであること、あるいは地域によって天候が急変すること、あるいは夏であっても残雪がある山があるといったこと、あるいは登山時の十分な準備状況等につきまして、母国の関係者の皆さんに注意喚起をしていただきたいという旨を文書で依頼をしていきたいと考えております。また、安全登山のための注意事項を説明する外国語のチラシを作成して、登山口、登山の相談所におきまして、外国人の方に配布をしていきたいと思います。さらに、県の外国人向け観光情報サイト「Go!Nagano」におきまして、安全登山に係る注意喚起などを実施して、安全登山をこれまで以上に呼び掛けてまいります。また、更なる対策につきましては、長野県は、外国人の方の限らず、山岳遭難が増えてきているということで、関係の皆さま方と9月頃を目途に山岳遭難の防止に関する検討会を設置していきたいと考えております。こうした場におきましても、外国から登山にお越しになられる皆さま方への対策・対応についても検討してまいりたいと考えております。1点目につきましては以上でございます。
 それから2点目でございますが、「子育て同盟サミット」についてでございます。先般、7月27日・28日の二日間、鳥取県の米子市におきまして「子育て同盟」の加盟県知事によります「子育て同盟サミット」、知事が集まっての会議が行われたところであります。私も参加をさせていただきました。今回のサミットは、発足以来行われる2回目の会議ということで、サミットとしては、初めての開催でありますけれども、同盟として共同で取り組む事業、あるいは国への提言について意見交換をしたところであります。でき得る限り、地域の側が主体的に行動を起こしていきたいというのが私どもの思いであります。私からは、「しあわせ信州創造プラン」で活動人口増加プロジェクトということで、結婚、あるいは子育てしやすい環境づくりについて、しっかり続けているという点についてご説明をさせていただいたほか、「しあわせ信州創造プラン」自体が県民の皆さま方との協働であると、この子育て支援、結婚しやすい環境づくりというものも行政だけではなくて、広く社会全体でそうした機運を作っていくということの必要性についてお話をさせていただいたところであります。当日、共同で取り組んでいく事業として、例えば「共同調査チーム」を発足していきましょうというようなことについて、合意を致しましたし、また「少子化危機突破基金」を創設することを国に提言していくことなど、国に対しての要請事項も取りまとめたところであります。今月の上旬にも、平井(鳥取県)知事を代表にして、国へ提言する予定にしているところでございます。併せて、共同声明も発表したところであります。子育てサミット、各県知事・各地域が連携して子育てに対する機運を高めて、私ども少子化に対する危機感を共有して取り組んでいこうというものでありますが、来年は、ちょっとまだ時期は未定でありますけれども、このサミット、私ども長野県で開催する予定にしているところであります。ぜひ長野県の取り組みについても、各県・全国にも発信をしていきたいと思いますし、また長野県の会議が、この少子化への対策の大きな転換につながるように、努力をしていきたいと思っております。
 それから3点目でございますけれども、「ふるさと信州風景百選」の総合審査に参加する委員、そして農村風景写真募集の期間延長ということについてのお知らせでございます。皆さま方のところに委員の名簿をお配りしているかと思いますけれども、今回景観審議会からの答申を受けて、「長野県農村景観育成方針」を策定致しました。これに基づいて、「ふるさと信州風景百選事業」、今年度の新規事業として取り組んでおります。これは県民の皆さま方からご提案をして、そして審査をして選んでいこうというものでありますが、1次審査は地域での審査ということで、公募の県民の皆さま方が主体であります。2次審査・総合審査につきましては、今回10名の有識者の皆さま方に審査をお願いしようと考えております。高橋まゆみさんでありますとか、原田泰治さんでありますとか、非常に長野県の文化・芸術を引っ張っていただいているような皆さま方にも加わっていただいて、ぜひすばらしい風景を選定していきたいと思っております。また、今回「ふるさと信州風景百選」の写真の募集について、期間を来年の4月まで延長していきたいと考えております。どうしても季節感が長野県の強みでもありますので、今年の秋・冬の風景写真についてもこの百選に反映できるように、募集期間を延長していきたいと考えております。ぜひ、県民の皆さま方から、どんどん積極的にご応募いただければと思っております。
 それから、最後4点目でありますけれども、「ぐるっと信州体験博」についてのお知らせでございます。本年度、年間を通じて実施しております「信州四季旅キャンペーン」の特別企画として、体験や文化・芸術に触れる旅をお楽しみいただきます「ぐるっと信州体験博」を8月1日から11月30日までの4ヶ月間実施していきたいと思っています。昨年に続けて2回目の開催ということであります。今回、多くの皆さま方にも参加いただきたいということで、体験プログラムに加えて、美術館・博物館を参加施設に加えて約300の施設にご参加・ご協力をいただいているところであります。また、夏の期間に信州を訪れていただくお客さんが多いということで、昨年に比べて開始を1カ月早めて、8月1日からのスタートということにさせていいただいているところであります。ぜひ、長野県でさまざまな体験ができます。また、美術館・博物館、これは公設のものだけでなくて民設のものも含めて、数多くの美術館・博物館を有している長野県に大勢の皆さま方にお越しいただいて、ぜひ1カ所だけではなくて周遊で長野県を楽しんでいただければと思っております。私の方からは以上4点でございます。よろしくお願い致します。
 それからもう1点、私、明日から来週いっぱいですね。夏季休暇を取らさせていただきたいと思っております。プライベートでアメリカに行ってこようという予定にしているところでございます。以上でございます。

取材者からの質問

 1 中央アルプスでの韓国人登山者の遭難について(1)

信越放送(SBC) 熊﨑陽太 氏
 韓国人の方の大量遭難の関係で確認も含めてお聞きしたいのですが、これまで県としては、どのような外国人登山者に向けての広報啓発を行っていたのかという点と、あとそこから新たに見直す点ですね。それを改めて、重複してしまう部分もあるかもしれませんが、これまでとこれからどうするのかいう比較を含めてお願いします。

長野県知事 阿部守一
 はい。これまでとこれからということで、先ほども申し上げたことの繰り返しになりますけれども、まず、外国人に限らず全般的な注意喚起ということで旅行業者の皆さま方への注意喚起ということは、毎年依頼通知を出してきているところであります。それから、今回韓国人の皆さま方への対応ということで、先ほど申し上げましたように平成21年におきまして、これは韓国からの登山者の方々が増えてきているという状況も受けてですね。遭対協の会員向けへの研修会というものを実施しております。日韓の違い等について、意識をしっかり共有してもらおうという趣旨で行ったわけでありますが、その同じ年にハングル語で注意喚起をするチラシを作成して、県内の山小屋には配置をしてきたところであります。これからの対応という点につきましては、これは県あるいは遭対協で行ってきている話でありまして、実際山へ行っていただくと今私も手元に持っておりますけれども、それぞれの地域においてはですね、外国語での地図でありますとか、あるいは注意喚起、注意事項を記したものとか、そういうものをそれぞれの地域ごとに作られています。ちょっと待ってください。これは例えば伊那市と山小屋組合の皆さんが作っている南アルプス関係のものでありますけれども、これは外国語標記のある地図と、それから注意喚起事項について、これは、英語、中国語、中国語も簡体字と繁体字と2つですかね。それからハングルですね。こういう形で作られていまして、他の地域にも同じようなものが作られているところであります。今回の事故を受けての当面の対応ということで先ほど申し上げましたけれども、一つは、駐日の在外公館に対しまして、日本の山岳の特殊性についてお知らせする注意喚起をしてもらいたいという文書を出していきたいと思っています。それから外国語のチラシを作成して登山口で配布するようにしていきたいと思っています。加えて県の観光情報サイトにおいて安全登山に対する注意喚起を行っていきたいと考えております。その他の対策につきましては、先ほど申し上げましたように、関係の市町村、あるいは地区遭対協とも情報交換をしていかなければいけませんし、検討会を作る中でですね、これ日本人の遭難件数も増えてきている状況でありますので、外国人の方だけではありませんけれども、遭難対策全般の中で外国人の皆さま方への対応ということについても検討していきたいと考えております。

信越放送(SBC) 熊﨑陽太 氏
 先ほど知事がおっしゃられた、9月頃をめどに山岳遭難防止の検討会を設置されるということなんですが、現状のところ知事が考えている例えばメンバーですとか、例えばそこに少し外国の方からの意見といいますか、外国旅行社関係の方を入れるですとか、こう考えているメンバーというのが、何か。

長野県知事 阿部守一
 そうですね。これまでは主として日本人の皆さま方を念頭に、中心においていたところがありますんで、今回の事故等も踏まえてですね、検討すべき課題というものがあると思いますので、人選についてはしっかり考えていきたいと思います。

 2 中央アルプスでの韓国人登山者の遭難について(2)

共同通信 小島佳祐 氏
 今の件に関連して2点お伺いしたいんですけれども、1点は韓国の領事館の方が、中央アルプスには案内表示がちょっと少ないんではないかと、あったらもう少しその道が分かりやすくなっていたのではないかという指摘をしているということをどうお考えかということと、もう1点、韓国では、天気悪いと入山規制をかけるという話があって、それで日本はそういったことがないので、ちょっとその違いが今回あったのか、事故につながったというような指摘もなされているようなんですが、これについては、する、しないでどちらもメリット、デメリットあろうかと思うんですけれども、これについて知事がどのようにお考えかということをお聞かせください。

長野県知事 阿部守一
 まず、前段のお話しについてのコメントは、これは直接私がお話しを伺っているわけではないのでですね、双方誤解があるようなことになってはいけないので、その点については直接の言及はこの場では控えたいと思います。山岳については、これは、何というかいわゆる整備された観光地ということではないわけでありますので、日本でも登山される方に対しては、われわれからもさまざまな注意喚起の呼び掛け等を行ってきているわけでありますし、非常に天候も変わりやすい、そうした山に入られるわけですから、それ相応の対応というものはしっかりとっていただくということが重要だと思っています。こうした点については、ツアー会社等に対しては、私どもからは、先ほども言ったように毎年注意喚起を行わせてきていただいているところでありますけれども、こうしたことを踏まえてですね、さらなる対策を行っていこうということで、先ほど申し上げたとおりの対応をしていきたいと考えています。

共同通信 小島佳祐 氏
 入山規制については、どのようなお考えをお持ちですか。

長野県知事 阿部守一
 先ほど申し上げましたように、遭難、これ外国の方に限らずですね、日本人の遭難も近年増加しているという現状があるわけでありますので、先ほどの検討会の場で関係の皆さま方の意見も十分踏まえる中でですね、どういう形で安全な登山を確保していくかということについて、広く考えていきたいと思います。今、お話しがあったような入山規制ということ、それだけをテーマに開催するわけではありませんけれども、そうしたことも視野に入れて幅広く検討していきたいと思っております。

 3 山岳遭難防止の検討会について(1)

毎日新聞 小田中大 氏
 関連して、9月頃設置予定の検討会の関係なんですけれども、従来から遭対協、県の遭対協などでも防止対策をやっていらっしゃると思うんですが、どういった分野について、新たに対策を検討したいのかっていう点が、もし知事の中でお考えがあればお伺いしたいんですが。

長野県知事 阿部守一
 どういった分野で?

毎日新聞 小田中大 氏
 例えば、新たに検討するといった際に、従来の対策とは違った観点という部分も出てくると思うんですが。

長野県知事 阿部守一
 そうですね。これはさまざまな角度からの議論があると思いますけれども、山に入られる方の形態というのはさまざまあるわけで、近年長野県で課題となっているのは、いわゆる例えば山岳会等に属さない組織・登山者の方が増えてきているということで、そこに着目した島崎三歩さんの、「岳」のキャラクターを使わせていただいて、広く一般の皆さんに普及をしていかなければいけないという取り組みを進めてきている矢先であるわけで、今までと、非常に山に入られる方々の層が広がっているということが、一つ言えると思います。そうしたことが、今までと同じような注意喚起の仕方だけで十分なのかどうかということが、一つ大きなポイントだろうなと思いますし、もう一点、長野県は、登山案内人制度を県の条例で設けているわけであります。こうした制度を、安全登山とどういう形で結びつけていくのかということは長野県として、しっかり考えていかなければいけない課題だと思っております。

毎日新聞 小田中大 氏
 登山の場合になると、当然、気象の話を先ほど話されたと思いますけれども、気象条件をよく見て登山をしてほしいという注意喚起をされると思うんですが、先ほど知事がおっしゃられたように、登山する方の層が広がっていて、なかなか気象条件が読めない方もいらっしゃったりとか、もあると思うんですけれども、そういった点で、例えば県が積極的に、また新たに情報の出し方を変えていったりですとか、気象協会とかと協力してやったりですとか、そういう点というのも検討になったりはするのでしょうか。

長野県知事 阿部守一
 気象情報の提供の在り方みたいなことは重要なテーマだろうなと思います。どこまでルール化して、どこから、どこまで以上はルール化しないかっていうのは、かなり慎重な検討をしていかなければいけない部分ではないかな、先ほど入山規制の話にもありましたけれども、例えば、登山される方の経験や能力というのは非常にさまざまあるわけでありまして、そういう方たちを一律に扱うというのは、多分現実的ではないんだろうなと思いますし、案内標識の話についても、観光地であれば案内標識いっぱいあった方がいいよということになのかもしれませんけれども、本当に純粋に大自然に抱かれたい、山を楽しみたいという方は、逆にあまり標識がなくて自分で地図を読んで山に入ると、山を歩くという方がいいという方々もいるわけで、非常にさまざまな人たちの対応を考えたときに、非常に簡単な線引きとか簡単なルールづくりではいかない部分が正直あるなと思っています。そういう意味で非常に山を熟知された皆さま方の御意見もしっかり踏まえながら、検討していくことが重要だろうと思っています。

 4 長野県松川村(男性)の平均寿命日本一について

日本放送協会(NHK) 渡辺史織 氏
 今日の会見の内容とは直接は関係ないのですけれども、昨日厚労省が発表した平成22年の平均寿命についてですね、松川村が日本一になって、その他にも長野県内合わせて4つの市町村が10位以内に入ったということで、これを受けて知事がどのようにお感じになっているか一言いただけますでしょうか。

長野県知事 阿部守一
 長野県は県全体で男性、女性が長寿日本一ということになっていたわけですけれども、今回市町村別でも松川村が男性長寿で日本一という形になって、その他多くの市町村が、県全体が長寿なわけですから、多くの市町村がランク入りするのは当たり前なのかもしれませんけれども、男性女性共に上位にかなり多くのところが入ってきているということは大変うれしいニュースだと思っております。ただ、これはうれしいというだけで喜んでいるだけではなくて、まさに健康づくり、医療体制の整備というのが「しあわせ信州創造プラン」の重要な柱になっているわけでありますから、市町村の皆さんの取り組みとも軌を一にしつつさらに胸を張って健康長寿であるということを発信していける県民の皆さんも安心して長寿社会の中で暮らしていける、そうした長野県をつくるべくさらに努力していきたいと思います。

 5 子どもの性被害防止について

信濃毎日新聞 山越悌治 氏
 昨日、県の方からプレスリリースされた県政モニターアンケートの関係ですが、子どもの性被害の防止について今後強化すべきだとか、導入すべき防止策の項目で、県の条例による規制を選んだ方が26、27パーセント位だったと思うんですが、その点を今後の専門委員会の検討にどう反映させていくのかという点と、率直に知事の受け止めを改めてお伺いしたいんですが。

長野県知事 阿部守一
 これは私どもが行った調査でありますから当然議論の参考にはしっかり供していく必要があると思います。数字の受け止めということですけれども、これは微妙な難しい結果かなと。難しい結果というのは評価の仕方が見方によって別れるんじゃないかと思っていまして、今回県による新たな条例による規制というのともう一つ規制の話が国の法律による規制の強化と二つ、いわゆる行政による規制ということか並んでいて、それともう一つ業界自主規制の強化と複数選択になっているわけで、いわゆる規制の関係が三つあってそのうち行政による規制が国と県と二通り出ているわけでありまして、今回私が規制をするしないというのはニュートラルな立場でありますけれども、規制するしないというのは、何をどのようにということを示した上でのアンケートではない、意識調査ではないわけでありますので、非常に漠然とした部分があるのかなと思っています。そういう意味で一つの参考という形で受け止めていかざるを得ないと思っています。

信濃毎日新聞 山越悌治 氏
 この問題の、明日第2回の専門委員会があるということで、ちょっとそれを前に知事の考えを改めて確認したいのですけれども、中立の立場ということをこれまでおっしゃっている中で、ただインターネットの普及なんかで、これまでの対応だけでいいのかという疑問も持たれているというようなことをおっしゃっていたと思うのですが、どちらかというとやはり中立の立場ではあるけれども、何らかの対応は、新たな対応は必要だということを考えていらっしゃるということですか。

長野県知事 阿部守一
 たぶん何らかの対応というのと、条例による規制というのは必ずしもイコールではないだろうなと思っていますし、何らかの対応が例えば県民運動をもっと強化すべきだというところもあり得ると思います。ただ環境が変わってきているなかで、これはたぶんインターネットの話もありましたけれども、地域であったり社会であったりというところを飛ばしてつながる可能性があるのはインターネットですよね。あるいは県内の周りの人、普通はその周りの人たちの人間関係の中で育つわけですけれども、インターネットだと全く今であれば海外の人だってすぐにつながる関係性ができてしまっているわけで、それだけ社会の環境が大きく変化している中で、長野県としてどういう対応が望ましいのかということを真剣に考える必要があるというのが私の問題意識でありまして、今の時点でこれをやります、あれをやらないですというのを考えているわけではないということです。

 6 メガソーラー設置に係る課題について

信濃毎日新聞 古志野拓史 氏
 自然エネルギーに関連して、今の県内のメガソーラーの設置、県が絡むものも含めていろいろ拡大してきていると思うのですけれども、それに関連して伊那市で眺めのいい、高台にある場所に地元の事業者さんがメガソーラーの計画を進めていらして、地元住民の方が割と生活の場に近接したところにパネルが設置されるということで、圧迫感とか景観とか住環境みたいなことに懸念をして、業者さん側が譲歩をされて住宅の近くには設置しないような計画で進めるというような地域でのお話しというか、計画をめぐるやり取りがあったようなんですけれども、全国的に見ても景観とか住環境というような側面のメガソーラーとか太陽光パネルに関して課題が出てきているようでして、いろいろメガソーラーの特性とか太陽光の特性ってあると思うのですけど、今これだけ拡大してきた背景にはアセスの対象なんかには特になっていなくて、計画から事業化までのスピードが短いとかそういうことが追い風になってきてHIT(住宅用太陽光発電システム)なんかとも合わせて、進んできていると思うのですけど、そういうこととは別に伊那市の一件なんかも合わせて何らかの事業者と住民の方の現場での合意形成とかそういうところに、市町村とか県とかそういうところが関わるような仕組みとか必要性というのを感じている部分があるんですけれども、知事にそういった問題意識というのがもしあれば伺いたいなと思いまして。

長野県知事 阿部守一
 個別の具体的なケースは私も詳細を承知してないので、どういうケースなのかなと思いますけれども、これもある意味でさっきの子どもの話じゃないですけれども、どこまでルール化してどこまでルールかしないのが良いのかと、いろいろなもの、われわれも例えば長野県の美しい景観を守っていきましょうということで取り組んでいるわけでありますけれども、他方で自然エネルギーの普及拡大も重要だと、これはある意味で場合によったら今お話にあったようにバッティングする部分も生じると、そういうときにどういう形で誰が調整していくのかというのを、例えば全国一律こういうルールでやりましょうということがいいのかですね、地域の特性があって地域ごとに何を優先するべきかということで、地域の皆さん同士が調整した方がいいものと両方あるのだろうなと思います。ちょっと個別の案件は私が承知していないので明確なお答えはできませんけれども、いろいろ利益に反する事業とか民間事業者の取り組みというのは、Aという事業とBという事業が利益に反するという話が当然ある話なので、それを行政が事前調整するのがいいのか、司法が事後的に調整するのがいいのか、いろいろなやり方があると思いますので、今県の段階でそこについて具体的な検討ということは恐らくしていないですよね。そういう必要性があれば県としても考えることにやぶさかじゃないですけれども、今の時点では私どもとしてはそうした対応は行っていないというのが現状です。

信濃毎日新聞 古志野拓史 氏
 すみません、ちょっと関連で風力発電に関しては、一定規模以上だと県の条例アセスの対象になっていたりして、これは過去に伊那とか須坂なんかで計画が持ち上がって、同じように地元の住民がいろんなバードストライクとかそういう問題、低周波音とかそういうだんだん顕在化してきた問題を取り上げられたことなんかがきっかけでそういう県の対応にもつながった面があると思うのですけれども、現状で太陽光発電に関してこういう再生可能なエネルギーというプラスの側面は当然全国的に認知されているかと思うのですけれど、課題の面というかそういうのは、知事は何かご認識ありますか。

長野県知事 阿部守一
 課題というのは、今の景観の話に限らず、プロジェクトをやれば周辺環境に何らかの影響を及ぼすということは当然あり得るわけでありますから、そういう意味でそういう調整を行うということは場合によっては必要になってくるだろうと思います。それをどういう仕組みの中で行うのかということが、いろんなレベルでの対応方法があるだろうなと思いますので、ちょっとそのことについて具体的な案件を承知していないので、いやこれについてはこうあるべきだと今ここでは明確には申し上げられませんので、ちょっとそこはご理解いただければと思います。

 7 山岳遭難防止の検討会について(2)

信濃毎日新聞 島田誠 氏
 先ほどの山岳遭難防止の検討組織の関係で、何点か確認だけさせてください。一つは、メンバーの人選の構想の話については、外国人観光関係者であるとか、そうした方については考えたいというようなお話でしたけれども、全体としては先ほど最後に山を熟知された方の意見も踏まえながらというようなご発言もありましたけれども、遭対協であるとかどんな分野の方、どんな関係者の方を全体的には漠然と想定されていらっしゃいますか。

長野県知事 阿部守一
 それはまだ私のところでちゃんとフィックスしていないんですが、今の時点での考え方を観光部の方からお話しします。

観光部観光企画課長 浅井秋彦
 検討会の委員、どんな方を想定されているかというご質問でございますけれども、山の専門家ということで、山の、山岳ガイドの方ですとか、例えば山岳会の方、または遭難対策の関係では、遭対協の方、山小屋ですとか、そんなような方たちを今のところは想定しております。

信濃毎日新聞 島田誠 氏
 それから年度途中で始まる話になりますけれども、かなり論点が本当に本格的にやろうと思えば、かなり多岐にわたる話になるかと思うんですが、知事の現在のところのスケジュール感というのはいかがでしょうか。結論、どのくらいの時期に出して、これを県として対策なり、県としてやるべきことがあれば、予算化なりしていくという。

長野県知事 阿部守一
 そうですね。これはお話のように非常に多岐にわたる検討をしなければいけないという部分だと思います。ただ、県の対応を具体的に行っていくことを考えると一定程度、例えば中間取りまとめしてもらって、来年の予算に反映するっていうことも考えていかなければいけないわけでありまして、少し課題の洗い出しをしないと、いつまでに方向付けをするかというのは今の段階でははっきりは申し上げられませんけれども、ただ、ずるずる議論をして何もしないっていうことではなくて、来年度の予算的な対応を考えた議論ということも私としてはぜひお願いしたいなと思っています。そういう意味で、中間報告みたいな形になるのは、議論の途中で出てきた方向性をわれわれが受け止めて具体化するかということはいろいろやり方があると思いますけれども、しかしながらできるだけ、早く対応できるものについては早急な方向付けをしていきたいと思います。

信濃毎日新聞 島田誠 氏
 それから最後に確認ですけれども、先ほどさまざまな登られる方の経験であるとかさまざまなので簡単な線引きだとかルールづくりっていうのは難しいですよというのは御認識を示されてらっしゃいましたけれども、先ほどの流れの中では、質問のやり取りとか気象情報の提供の話の質問に対して、こういう後段の方でこういう発言がありましたけれども、直接は気象情報の提供の話ではなくて、そのルールづくりだとか、線引きの話っていうのは、前段の方の例えば入山時規制なんかも悪天候時の入山規制なんかも、視野にいれてだとか、そちらの話とつながる話だっていうふうに認識すればいいんですか。

長野県知事 阿部守一 
 そうですね。ちょっと私の文脈があまり分かりづらかったかもしれませんけれども、全体的に検討する、その気象情報の提供の話が、上級者、中級者とかいろんな方がいるという話だけではなくて、全体の検討を行う中でもやはり非常に登山される方の裾野が広がっているということを十分踏まえて、考えていかなきゃいけないだろうとに思います。

長野県知事 阿部守一 
 ありがとうございました。

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