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更新日:2017年1月9日

知事会見(平成25年(2013年)8月30日(金曜日) 11時00分~11時40分 会場:県庁)

項目

知事からの説明

1 部局長会議を開催、「信州ひすいそば」が本格的にデビューします

取材者からの質問

  1. 「信州ひすいそば」について
  2. 「基本政策集2010『信州底力全開宣言』」に係る取り組み状況について
  3. 若年者の雇用の場について
  4. 県立大学基本構想への署名活動について
  5. 才教学園における教員免許法違反について(1)他
  6. 才教学園における教員免許法違反について(2)
  7. 才教学園における教員免許法違反について(3)

配布資料

「信州ひすいそば」が本格的にデビューします(PDF:335KB)

本文

知事からの説明

 1 部局長会議を開催、「信州ひすいそば」が本格的にデビューします

長野県知事 阿部守一

 それでは8月30日の会見を始めます。冒頭、私から何点か、部局長会議、それから「信州ひすいそば」についてお話をしたいと思います。部局長会議、先ほど開いたわけでありますけれども、いくつか報告事項がございました。ひとつは第67回全国植樹祭の開催の決定ということであります。長野県、平成28年に全国植樹祭を開かせていただくということが正式に決まりましたので、林務部を中心に各部が協力して、ぜひこの行事を成功させていきたいと思いますし、この全国植樹祭を契機に長野県の森林・林業政策、一層飛躍するように取り組ませていただきたいと思っています。
 それから、山の日の関係で山を考えるシンポジウム、9月7日土曜日の午後2時から大町市の文化会館で開催をしていきます。山の日の制定の検討をしているわけでありますけれども、単に日を作るだけということではなくて、やはり、この制定を契機として、われわれが何をしていくのか、山に対して、どういう取り組みをして山をどう守っていくのかということに対して、しっかり考える契機にしなければいけないと考えています。今回も各界でご活躍されている皆さま方とお話しをさせていただくことを通じて、今後の方向性を見出していきたいと思っています。パネラーとしては日本山岳ガイド協会理事長の磯野剛太さん、それから地元大町市長の牛越徹市長、それから信州大学山岳科学総合研究所長の鈴木啓助所長、さらには長野朝日放送アナウンサーの平沢幸子アナウンサー、以上4名の方と私とで一緒に山について考えてまいりたいと思っております。この他、県内の山の映像、あるいは山の恵みを使った料理教室、県の取り組みの展示等を行っていきます。ぜひ大勢の皆さんにお越しをいただきたいと思います。大勢の皆さんのご参加の中で、県民総意で山の日を制定していきたいと思っておりますので、どうぞよろしくお願い致します。
 それから、信州四季旅キャンペーンについても、部局長会議で報告をもらいました。年間を通じて、信州四季旅キャンペーンを行っておりますが、秋のキャンペーンを9月1日から11月30日の3カ月の間行っていこうと考えております。長野県を滞在型の観光地にしていきたいと考えておりますので、今回も周遊・滞在というところに力点を置いて、このキャンペーンを進めていきたいと思っています。一つは、先行実施しておりますけれども、「ぐるっと信州体験博」でございます。8月1日から実施をしておりますけれども、各地の体験プログラム、そして美術館・博物館に加わっていただいて、大変多くの、約300施設にご参加をいただいています。こうした中で、スタンプラリーを行って、広く県内を巡り歩いていただきたいと思っています。スタンプラリーにご参加いただいた方には、もれなく特製アルクマピンバッジを応募者全てでございますし、それからスペシャルプレゼントとしては、アルクマがもてなす1泊2日のツアーペア宿泊券を抽選で1名様にプレゼントをさせていただきたいと思います。アルクマのもてなしということで、アルクマが宿に迎えるとかですね、そうしたことの工夫をして、アルクマにもしっかり対応してもらいたいと思っています。それからもう一つ、これもスタンプラリーで県内各地を巡ってもらおうという観点で、「食と収穫の祭典スタンプラリー」ということで実施をしてまいります。最近長野県を訪れる方も車のご利用が多いということで、道の駅、高速道路のサービスエリアは一つの観光拠点となっています。お車でいらっしゃった皆さま方に信州の食、旬の農産物をお楽しみいただいて、県内各所を巡っていただくということで、道の駅、高速道路のサービスエリア、農産物の直売所の皆さんに参加をいただいて、この「信州食と収穫の祭典スタンプラリー」を実施してまいります。ぜひ、点ではなくて、長野県を広く巡っていただきたいと思いますし、そうした中でできるだけ滞在をしていただける努力をこれからも私ども進めていきたいと考えています。長野県旅館ホテル組合の皆さまとは連携して宿泊という観点では、体験・紅葉・実り・エココイン、この4つをテーマにした宿泊プランの提供も併せて行ってまいります。ぜひ、メディアの皆さま方のご協力をよろしくお願い致します。
 それから私の就任3年ということで、今日の部長会議で長野県政の主な取り組みについて取りまとめ、報告をいただくと同時に、もう一つ「基本政策集2010『信州底力全開宣言』」に係る取り組み状況について、私からお話しを致しました。自己評価ということで、昨年と同じような形で評価をさせていただいていますが、実施済み、実施中、一部実施というものを含めて、おおむね9割程度は、何らかの形で実行できてきている、あるいはしつつあると思っております。達成に向け検討に着手ということで、これまだ着手したてというよりは、かなり検討してきているものもありますが、それが、全体の96項目中10項目ということで、こうしたものについては、残りの任期の中で、具現化できるように取り組んでまいりたいと思っております。メディアの皆さんにもいろいろご協力いただいて、今月で知事就任丸3年という形になるわけでありますけれども、この間本当に大勢の県民の皆さま方、あるいは市町村、関係団体の皆さま方にご協力いただく中で、県政を進めてこれたなと思っております。改めて、関係の皆さま方にはお礼を申し上げたいと思いますし、これからも県民の期待に応えるべく、県職員と力を合わせて取り組んでまいりたいと思います。
 それからもう1点、大きな報告事項として、部局長会議は以上でありますけれども、この場での報告として、「信州ひすいそば」についてご報告をしたいと思います。お手元にプレスリリース資料を配布しておりますけれども、久保田場長にも来てもらっていますので、ちょっとこちらへ来ていただいて、特色とか苦労話とかをお話しをしてもらえればと思いますが、冒頭私の方で簡単にお話ししたいと思いますけれども、長野県、新たに育成したそば「長野S8号」であります。今年から栽培を始めて、この秋いよいよ「信州ひすいそば」という名前で本格的にデビューを致します。先ごろ「信州ひすいそば」という名前で、7月でありますけれども、長野県として商標登録させていただきました。この「信州ひすいそば」という名称については、おいしい信州ふーど(風土)大使の玉村豊男さんにご提案いただいたものでございます。久保田場長から詳しく説明をしてもらいますけれども、ぜひ鮮やかな緑色という特色を持ったそばでありますので、ぜひ、ブランド化を図っていきたいと思っています。県内のそばの生産・製粉・加工・販売に関係する方々でこの「信州ひすいそば振興協議会」というものも立ち上げて、官民連携で振興を図っていきたいと思っています。県内10カ所、17ヘクタールで今栽培が進められているところでありまして、10月上旬から中旬にかけて収穫される見込みであります。協議会の立ち上げと併せて、またお披露目会も開催したいと思っておりますので、またメディアの皆さま方にはご案内をさせていただきたいと思います。じゃあ、ちょっと久保田場長の方から、少し。こっちで説明してもらっていいですか、よろしくお願いします。

野菜花き試験場長 久保田純司
 この「長野S8号」ですけれども、平成14年に交配を致しまして、当時の育種目標と申しますのは、そばは大変風に弱くて、倒伏をしますと、収量が大幅に減少したり、あるいは今コンバインで収穫をしますので、コンバインの機械収穫がなかなか難しいということで、倒伏に強いそば、それからもう2つ目は、実需者であります製粉業者の皆さまからは、なるべく大粒の品種を作ってもらいたいということで、と言いますのは、そばの品種は小粒なものから大粒なものまであるんですけれども、小粒のものはどうしてもそば殻を取るときに効率が悪いということで、なるべく大粒の品種でということで、この2つの育種目標で育成をしてまいりました。当時、「関東1号」と言います、これが母親になるわけですけれども、国側の試験場で育成をしました、品種とまで至ってない系統なんですけれども、大粒で茎が太いということで、倒伏に強いということ、これを母親にしまして、父親は「信濃1号」と言いまして、これは昭和19年に県の試験場で育成をした品種なんですけれども、長野県の主力品種でございますけれども、これの花粉を交配致しまして作りました。品種を交配しますと、その子どもの中には、さまざまなタイプのものが出てくるものですから、その中から育種目標であります倒伏性ですとか、粒の大きい、そういうものを選抜していくんですけれども、その育成の中の子どもの中から、特異的に緑の濃い品種のものが出てきましたので、育種の中身につきましても、緑の濃いというのを新たに追加致しまして、その3つの育種目標で育成をしてきたのがこの品種でございます。そばの場合は、ふつう系統選抜と言いまして、地域で作っている品種の中から良いものを選抜していって、選んでいくのが多いんですけれども、この品種は交配をしたということで、長野県では交配をした品種は初めてでして、全国的にも今登録になっている、あるいは申請中のものを加えますと49品種になるようですけれども、その中で交配をしたというのは3つだけということで、育種の方法としては珍しいことで、育成をしてまいりました。それで、S8号のSは、そばの頭文字のSということで、8号はもともとこの品種、系統番号が付いていまして、「桔梗8号」という系統番号だったんですけれども、桔梗という、植物名なもんですから、そばに使えないということで、「長野S8号」という名前で品種登録をし、商標名については先ほど知事からも話がありましたように、栽培・加工・販売に対する厳格な基準を定めて、それに基準を満たしたものについて振興していこうということで、「信州ひすいそば」ということで、品種名と別に登録商標を付けていただいて、今後プロジェクトでやっていこうということです。品種の登録につきましては大体2、3年かかるものですから、昨年の8月に出願しましたんで、早くても来年か再来年に品種登録をされると、そんな状況になっています。私からは以上です。

取材者からの質問

 1 「信州ひすいそば」について

長野県知事 阿部守一
 はい。ということで私の方からは以上でございますけれども、「信州ひすいそば」、私も一遍、試験栽培したのを食べさせてもらったのかな。私も実際に食べさせていただきましたけれども、色合いのイメージはここの「しあわせ信州」のロゴマークのイメージに近いグリーン色がほんのり出ているなあということで、ぜひ広げていきたいと思いますので、よろしくお願い致します。私の方からは以上でございます。おそばの質問が先にもしあったら、久保田場長が来ているんで。

信濃毎日新聞 牛山健一 氏
 せっかくなので。いつ頃、何て言うか、お披露目会ってのを。10月に行うんですね。

農政部農業技術課長 北原富裕
 振興協議会の立ち上げとお披露目、今の予定ですと10月中旬に松本の会場を手配して進めたいと考えております。会場等決まりましたら、できるだけ早く報道の方へご連絡致しますので、多くの方がPRしていただければと考えております。

信濃毎日新聞 牛山健一 氏
 すいません。やはり味というのがすごく興味あるんですけれども、どんなお味というのをもう一度説明していただけますか。特徴を。

野菜花き試験場長 久保田純司
 なかなか難しいんで、そちらの資料の中段に数字を書いていますけれども、一番の特徴はそこにあります色ということで、これについては、アスタリスクが3つ付いていますけれども、その下の注3)にありますように、大変、「信濃1号」、従来の県の主力品種に比べますと、大きく緑の色が濃いということですし、香りについてもいわゆるそばの香りが大変高いということです。味については、「信濃1号」並みということで、n.s.ということでほとんど変わらないということで表示をさせていただきまして、一番の特徴は色と香りということでかなりそば屋さんとか製粉業界の期待に応えられる品種だと思っています。

信濃毎日新聞 牛山健一 氏
 私も大変そば好きなんですが、こういった緑の色のおそばというのは世の中に流通しているのですか。

野菜花き試験場長 久保田純司
 もともとそばといいますのは、新そばの時に緑が濃くて、貯蔵して、1年間くらい貯蔵して最終的には8月頃まで、そばで提供されるんですけれども、新そばの色というのが緑が濃くなりまして、だんだんだんだん色が退色をしてまいりますんで、今回のこのそばはいわゆる退色がないということで、そこにグラフがありますけども、下の方にありますけども、緑色の濃いのがずっと維持できるということで、夏になっても蕎麦屋さんの期待に応えられるような緑の蕎麦が提供できるということでございます。

長野県知事 阿部守一
 今、そばの説明、久保田場長からしてもらいましたけど、長野県、産業イノベーション推進本部をつくって、経済構造転換ということで取り組んでいるわけでありますけれども、長野県の資源生かしていく上で県ができること、いくつか大きな柱だと思いますが、私は、人材育成、それから試験研究体制の整備ということが重要だと思っております。そういう観点で、今お話しをしてもらいましたけれども、長野県の試験研究機関、さまざまですね、具体的で良い取り組みをさせていただいてますんで、そうしたものをまた、折に触れてですね、私だとどうしても技術的な説明が上手にできないもんですから、現場の場長なり、実際に試験研究やっている職員なりにも来てもらって、説明してもらうという形をとっていきたいと思いますんで、よろしくお願い致します。私からは以上です。

 2 「基本政策集2010『信州底力全開宣言』」に係る取り組み状況について

信濃毎日新聞社 牛山健一 氏
 知事丸3年ということで、基本政策集なんですけども、拝見しまして、条例が(3)というのが多いように見受けるのですが、いわゆる淫行処罰規定を盛り込んだ条例の検討もされておりますけども、それよりも、こういった知事のマニフェストに盛られた条例の方を先に優先して制定された方がいいのかなっていうふうに、ちょっとお見受けしたんですが、いかがでしょうか。

長野県知事 阿部守一
 条例、何ていうか、優先順位がどうこうというよりは、やっぱり、しっかりと検討を行った上で、必要なものを具体化していくということだと思っています。実は、先ほどもちょっと、私の説明の中で申し上げましたけれども、(3)になってるやつも各部一生懸命やってもらっているものが多いわけで、例えば、中小企業振興条例であったり、子どもの権利条例の制定であったり書いてありますが、これはもう、県民の皆さんにもご参画いただいたりする中で、具体的な議論、進めてきています。ですから、努力度合いからすると、実は(2)だったり(1)だったり十分なるレベルだと思っていますが、ただ、私が県民と約束したのは、制定しますという形で申し上げているんで、そういう観点からすれば、いくら一生懸命頑張っていても、まだ(1)(2)ではないなということで(3)ということにしていますので、条例っていうのは単につくればいいという話じゃなくて、県民の皆さんに広く意見をいただき、そして、しっかり定着する形でですね、制定していくことが重要だと思っておりますので、そういう意味で、一定期間時間がかかっておりますけれども、こうしたものについても具現化を図っていきたいと思っています。

 3 若年者の雇用の場について

 

信濃毎日新聞 牛山健一 氏 引き続きすみません。部局長会議でも論議になった人口の関係の資料ですけれども、やっぱり20歳あたりから減っているという部分、論議になっていましたけれども、県外への流出というのも確かに大きいのだろうと思いますが、流出をさせないという工夫も確かに大事だと思うのですけれども、私なんぞもそうですけれども、都会への憧れというのはどうしても若い時はあるので、大都市経験して戻ってくるっていう職場っていいますか、県内の魅力ある働き口というものの確保が、重要かなと思ったのですが、いかがでしょうか。

 

 

長野県知事 阿部守一
 もちろん、雇用の場が必要だというところもありますし、先日もヒカリエで「信州若者1000人会議」を自主的に開催してもらって、私も参加をさせてもらいましたが、1000人会議を主催した人たちとお話しをさせてもらいました。長野県の魅力なり、長野県の企業、非常に強い関心を持ってもらっていますが、例えば、あまり固有名詞を上げるとよくないかもしれませんが、大手の就職情報、インターネットで今みんな情報を集めているけれども、なかなか大規模な企業はいいけど、中小企業はそういうところで目立ちにくい。そして、本当にいい取り組みであったり、若者・学生が関心を持っていても、なかなかそれが届いていないという話もありました。ぜひ、若者1000人会議の皆さんとわれわれいろいろな形でコラボレーションしていきたいと思っておりますので、そうした観点で長野県の経済構造、中小企業のウェイト、非常に高いわけですけれども、しかしながら、この道一筋で頑張って世界の中で大きなシェアを占めている企業とかですね、あるいは本当に従業員・地域のことを考えて経営されている経営者の皆さん方、多いわけでありますので、そういう長野県の企業の良さも、単に景気を回復させましょうということだけではなくてですね、そういうものをもっと発信することによって、学生・若者と長野県の企業、より結びつけていく可能性はあるのかなと思っております。
他方で、この人口ピラミッドを見ると非常に顕著なのが、大学就学年齢層が極端に少なくなっているという状況であります。若者がいったん県外に出て戻ってきてもらう、あるいはUターンだけじゃなくてIターンを受け入れていくということも大事でありますけれども、他方で県内に残りたくても残れないという若者は減らさなければいけない。それは就職の問題と進学の問題と両面から考える必要があると思っております。そういう意味で県立大学の在りようも、県内高校生の選択肢、別に県内に全員留まってもらうということを求めているわけでなくて、県内に留まりたいという学生もいる中で、まだ選択肢が十分ではないのではないかという、そういう思いもございますので、しっかりこの構想、関係方面の理解を得ながら進めていきたいと思っています。

 4 県立大学基本構想への署名活動について

信濃毎日新聞 牛山健一 氏
 もう一点だけお願いします。ちょっと関係しているのですけれども、昨日、松本駅前で松本大学の関係者の方が学生さんも結構いらっしゃいまして署名運動をされていました。やはり、母校という思いは学生さんにあるのだなと、いろいろな論議の中ではあるのですが私も思いました。いろいろ議論のある中で、学生やごく普通の人も署名されていました。そういった中で、どうしても大学と大学とか、県と大学とか関係者の話に見られがちなんですが、今通っている学生さん、一般の人もこの基本構想の見直しを求める陳情書に署名していたという、数はちょっと分かりませんけれども、この事実についてはどのようにお考えですか。

長野県知事 阿部守一
 まだ陳情書も受け取っているわけではありませんし、どういう中味でご意見いただけるか分からないので、それを見た上でないと責任ある対応はできません。これは松本大学を始めとしていろいろご意見あるわけでありますが、県としても私どもの考え方をお伝えしながら御意見を極力反映するように努力してきております。私大の皆さんのご意見をあたかも全く聞かずに進めているかのような報道が時にされていることがありますけれども、そんなことは全然ないわけでありまして、例えばグローバル化に対応して入学試験に通るTOEICの活用も検討しろというようなことも私大の皆さんからのご指摘も踏まえて入れているわけでありまして、私どもは県内の高等教育全体の振興が必要だと思っています。そういう観点で真摯(しんし)に私大の皆さんとも向き合って協力関係を作っていきたいと思っています。どうしてもメディアの皆さま方は違いというところを強調して報道されがちだと思います。そうしたことも場合によっては必要な部分もあるのかもしれませんけれども、私とすればぜひですね極端な意見の違いのところだけではなくて、共有している部分、あるいは県立大学の全体の構想についてもぜひ県民の皆さま方に伝えていただく形でご協力をいただきたいと。もちろん私ども自身も県民の皆さま方にしっかり伝える努力をこれからも行っていきたいと思っております。

 5 才教学園における教員免許法違反について(1)他

日本放送協会(NHK) 渡辺史織 氏
 才教学園の問題で、昨日全く教員免許を持っていない事務職員として採用された女性が小学生の算数の授業をしていたということが新たに明らかになったんですけれども、それについて知事がどのように受け止めていらっしゃるかということ。2点目が先日結果が公表された全国学力テストの長野県の結果について、中学生の方が全国の平均を下回るというところがいくつかあったと思うんですけれども、それについてどのように受け止めていらっしゃるか、ということと今後どのような対策が必要かお考えでいらっしゃるかお聞かせください。

長野県知事 阿部守一
 まずは才教学園に関してでありますけれども、これ、警察も捜査をしたり、また昨日も私どもの職員がですね、学校に出向いてさまざまな聞き取り調査等を行っている段階であります。報道等を私も拝見しておりますけれども、個々の時点、個々のものに対して私がああだこうだということでコメントするのは今の時点では適当ではないのかなと思います。全体像をはっきり把握した上で個々の問題については必要があればコメントしていきたいと思います。今回の問題はやはり学校経営の問題と同時にやっぱり子どもたちの教育環境と両面考えていかなければいけない話だと思っています。私としては才教学園にはぜひ信頼回復に向けた取り組みを真摯(しんし)に行っていただきたいと思いますし、他方で子どもたちの教育環境、この点については県としてもですね、十分配慮した対応をしていくということが必要だと思っています。
 もう一点、学力テスト。先に全国学力学習状況調査が結果が発表されたわけであります。長野県非常にざっくりいうと小学校は全国平均を相対的に上回っていると。中学校については全国平均より低いという状況であります。これについては詳しい分析とか、評価は教育委員会からお聴き取りいただくのが適当かと思いますけれども、私が教育委員会と話して聞いているところでは小学校、特に国語bあるいは算数b、こうした応用力を問う部分の成績が上がってきているということで、学校現場の先生方も例えば考える力、話し合いであったりですね、レポート出させたりとか、そういう応用力の育成ということに意を用いてきたことの成果が上がってきたのではないかと聞いています。それから中学校でありますけれども、これ小学校と中学校の今の大きな体制の違いというのは、小学校は全ての先生方が、全ての先生方というか基本的には担任の先生が国語も算数も社会も理科も教えるという形ですけど、中学校の場合は国語は国語、数学は数学ということで、小学校の場合はこの学力テストの問題学校全体の共有の課題になりがちですけども、どうも中学校の場合はまだまだ教科の問題と捉えられがちになっているんじゃないと思います。これは国語数学の学力だけを測っているわけでありますけれども、ぜひ学校全体の課題として中学校の教員の皆さんには取り組んでもらいたいと思っておりますし、またこれよく原因等を分析していかなければいけないというふうに思いますが、例えば長野県の中学校は1・2年次の補習的な授業は他県に比較して少ないのではないかということもあります。これから教育委員会がよくこの結果を分析して、対応を考えていくと思いますので、ぜひ学力を向上する面でもですね、教育委員会に協力していきたいと思っています。

日本放送協会(NHK) 渡辺史織 氏
 ありがとうございます。

 6 才教学園における教員免許法違反について(2)

共同通信 小田智博 氏
 才教学園の件で全体的な話で伺いたいのですが、先週の県が立ち入り調査をした第1回目のですね、発表をした時点では、意図的ではなかったと才教学園では話になっていたのですが、その後県警の家宅捜索が入りまして、その後になって実は一部については分かってやっていたと認めたという流れなのですけれども、これはともすれば県への調査に対する真摯(しんし)な対応がなかったのではないかと、そういう見方もできると思うのですが、知事へのお考えをお聞かせください。

長野県知事 阿部守一
 これは私が実際に調査をやっているわけではないので、県に対して真摯か真摯でないかという、半ば感覚的な評価が入る部分については、この場でコメントはできません。私とすれば、先ほども申し上げましたように、全体像をしっかり把握した上でですね、今現実に学ばれている子どもたちがいるわけでありますから、そうした子どもたちの教育環境、これは学校のこうした不祥事に対する対応に対しては、厳正な対応をしていかなければいけないと同時にですね、子どもたちの教育という側面ではいろいろな配慮をしていくということも片方で重要だと思います。そういうことも含めて、途中の段階で私がこうだああだと、校長の対応がこうだ、何がこうだという形についていちいちですねコメントをすることは適当ではないと思います。

共同通信 小田智博 氏
 真摯という言い方ですと主観というふうに捉えられるかもしれませんが、もっと分かりやすく言うと、嘘をついていたということだと思うのですが、そういった事実についてはどのようにお考えでしょうか。

長野県知事 阿部守一
 これは報道等はもちろん私も拝見しておりますけれども、県は一定の権限を持っている組織でありますから、報道でいかなる報道がされようとも、私どもは私どもとしてしっかり把握したものに基づいて対応していくということになります。

共同通信 小田智博 氏
 昨日の段階で県の立ち入り調査がありまして、その調査にも同様の趣旨の回答をされたと伺っているのですが、それについてはいかがでしょうか。

長野県知事 阿部守一
 例えばですね、虚偽であるとか事実と違うことを言ったということも、非常に程度の問題があると思いますし、誰がいつどのような環境で発言しているかということでもかなりですね、違ってくると思います。そうしたことで今非常に抽象的にご質問いただきましたけれども、われわれ特に責任、権限を持っている私がですね、一つ一つこの発言はどうだ、あの発言はどうだということではなくて、私としては相対を判断して対応を考えていくということが必要だと思っておりますので、そういう意味でもちろんメディアの皆さんは誰がこう言った、この人がこう言っているということが重要なのかもしれませんけれども、私とすれば県として学園全体の在り方を見て、どうしていくかということを考えていくことが一番重要だろうと思っています。

 7 才教学園における教員免許法違反について(3)

市民タイムス 渕上健太 氏
 才教学園の関係なんですけれども、こちらも全体的な質問になってしまって恐縮なんですけれども、先ほど信頼回復に向けた取り組みをしてほしいと、県としても子どもたちの学習環境に配慮した取り組みをしていきたいというお話だったんですけれども、地元の方では今回非常に衝撃というか、出て広がっていて、県の補助金についても今後どうなるか分からないという中で、その才教学園が今後存続できるのか、っていうようなご不安も一部で広がっていると思うんですけれども、まだ最終的な報告というのも出てきてない中ではあるんですけれども、知事としては今の段階では子どもたちですとか、地域のためにも信頼回復をした上で才教学園が存続していくということが望ましいというお気持ちであるか、その辺をちょっとお聞きしたかったんですけれども。

長野県知事 阿部守一 
 これは、私とすれば全体像をちゃんと整理した上で、県としての対応を考えるということが基本であります。ただ先ほど申し上げましたように、現実に子どもたちが学んでいるわけであります。保護者の皆さんの思い、子どもたちの思い、そうしたものを例えば、この学校という組織でなくて、第三者的な利害がないことであれば、これは厳しく厳正にやっていきますという話だけで済むのかもしれませんけれども、学校教育の場というのは実際に学校経営運営されている方たちだけではなくて、一番受益を受けているメリットを受けている子どもたちとか保護者の皆さんがいるわけでありますから、そういう意味でそうした方々の思い、声というものもわれわれ真摯(しんし)に受け止めなければいけないと思いますし、そうした子どもたちの教育環境については十分な配慮をしていくということが、重要だと思っております。そういう意味でメディアの皆さま方からすると、私の発言は奥歯に物が挟まっているような感じで受け止められるかもしれませんけれども、私がこういう発言を申し上げているのも、子どもたちのことを考えたときには県としても慎重に対応していかなければいけないと、そういうふうに考えているところであります。

市民タイムス 渕上健太 氏
 関連なんですけれども、補助金を今、本年度分については執行停止になっていると思うんですが、その過年度分ですとか本年度の執行した分についての返還ですとか、返還するというと、どの程度の割合の返還を求めるですとか、その辺の決定というか、どういう今後手順で判断されていくのか確認したいんですが。

長野県知事 阿部守一
 これは、まだ具体的な対応についてお話をする段階ではないと思います。全体的な話をしっかりお伝えしていかなきゃいけないだろうと思いますが、ただ私が、考えておりますのは学校経営するときにはやっぱり学校でも、例えば入試があったりとか、卒業式あったりいろんなイベントがあるわけであります。われわれもそうした学校のさまざまなスケジュールというものは念頭に置きながら対応していかなければいけないだろうと、これは子どもたちあるいは保護者の皆さんのことを考えれば、当然そうした観点を持ちながら、責任ある対応をしていくということが重要になってくると思います。

長野県知事 阿部守一
 よろしくお願いします。

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