ホーム > 県政情報・統計 > 県概要 > 知事の部屋 > 知事会見(動画とテキストでご覧になれます) > 2013年度知事会見録一覧 > 知事会見2013年8月22日
ここから本文です。
更新日:2017年1月9日
長野県知事 阿部守一
それでは、8月22日の会見、ちょっと遅れて申し訳ございませんでしたが、始めさせていただきたいと思います。
まず冒頭、夏休みを頂戴させていただいて、アメリカの方に行かせていただきました。ちょうど今日イチローが日米通算4000安打達成ということでしたけども、ヤンキースタジアムにも行かせていただいて、イチローが活躍する姿を拝見してきたところですので、大変今日のニュースもうれしく聞かせていただいたところであります。私もだいぶリフレッシュさせていただきましたので、しっかり県民のために改めて全力で取り組んでいきたいと思っています。
それから、今日私の方からは2点、お話をさせていただきたいと思います。
1点目が、天皇皇后両陛下のご訪問についてでございます。明日8月23日から24日にかけまして、天皇皇后両陛下が松本市を中心に長野県にご訪問されるということになりました。今回はサイトウ・キネン・フェスティバル松本のオペラをご鑑賞いただくほか、旧開智学校をご視察いただく予定にしております。サイトウ・キネン・フェスティバル松本では、まつもと市民芸術館におきまして、小澤征爾氏が2年ぶりに指揮をされますオペラ「こどもと魔法」をご鑑賞になる予定でございます。また旧開智学校では、わが国の最も古い小学校の一つであり、明治の文明開化を象徴する、和風と洋風の入り混じった擬洋風建築として、重要文化財にも指定されている校舎のほか、当時のさまざまな資料によりまして、近代における信州教育の様子をご視察いただくことにしております。なお、24日土曜日から29日金曜日に掛けましては、ここ数年来ご恒例となっております軽井沢でのご静養に入られることになっております。ご静養中は、東御市の水村喜一郎美術館もご訪問される予定と伺っております。今年の4月には千曲市を中心に私的ご旅行ということで、お越しいただいたわけでありまして、同じ年に再度ご訪問いただくということで、大変名誉なことだと考えております。長野県の文化・教育に触れていただくことができる良い機会と考えております。長野県として大変光栄なご訪問だと受け止めています。
それからもう1点でございますが、北アルプス涸沢における山岳遭難防止啓発、それから山岳関係者との意見交換についてであります。8月17日、先週の土曜日、標高2,300メートルの北アルプス・涸沢を訪問させていただきました。山岳遭難事故が増加する中、山岳遭難防止の啓発、そして山岳遭難防止対策、山岳環境の保全対策といった諸課題について山岳関係者と意見交換をさせていただきました。大変好天に恵まれたわけで、素晴らしい山岳景観、さわやかな風の中で、改めて長野県の貴重な財産としての山岳の素晴らしさというものを実感したところであります。また、県内外、涸沢音楽祭もちょうど開かれておりましたけれども、全体的には県外からの方が多かったわけでありますけれども、大変多くの登山者でにぎわう様子を拝見して、やはり山岳高原観光地、長野県としてはしっかりそうした地域の整備を進めていく必要があると感じたところであります。登山者の多様化、未組織登山者であったり、外国人の登山者であったり、そういう方々が増えている中での、山小屋関係者、山岳関係者の皆さんの問題意識ということも伺わせていただいたところであります。また夏山常駐パトロール隊からは、配置期間をもう少し延ばしてもらうことはできないだろうかというお話もありました。こうしたさまざまなご意見、9月末ごろに山岳遭難防止対策検討会を設置予定でございますので、山岳遭難防止については広くこの場で検討していきたいと思っておりますし、さまざまな予算を伴う組織等については、大勢の皆さんの声も踏まえて方向付けをしっかりしていきたいと思っているところであります。いずれにしても、長野県の山岳が安全な形で大勢の皆さんにお越しいただける、そして、長野県、山岳高原観光地ということで、世界に向けても発信できるような観光地づくりの取り組み、これまで以上に力を入れていきたいと考えております。私の方からは以上であります。よろしくお願いします。
信濃毎日新聞 牛山健一 氏
才教学園の問題ですが県内の私立学校の所管は知事部局となっておりますので、知事からぜひとも踏み込んだ受け止めについてお願いします。それから補助金返還を要請するかどうかは県からすると問題になると思うのですが、このことについて現時点でどのようにお考えになっているかお聞かせください。
長野県知事 阿部守一
才教学園小学校そして才教学園中学校におきまして教育職員免許法違反の授業が長年続いていたということ、そして同法違反の容疑で捜索を受けたということは教員の免許制度、長野県の私学教育への県民からの信頼を失墜させる行為だと考えております。非常に残念であると同時に、才教学園が行った行為に対しては厳正に対処していきたいと考えております。他方で子どもたちが教育を受けているということがあるわけでありますので、法違反の是正に向けた措置、あるいは学習環境の整備に向けた措置については、県としても積極的に才教学園に協力していきたいと思っております。才教学園には公教育を担う立場としての責任を改めて十分自覚をしていただくと同時に、信頼の回復に努めていただきたいと考えています。県としての対応ですけれども、今年度の経常費補助金についてはいったん執行を停止させていただこうと考えています。今年度の補助金を最終的に執行するかどうかということについては原因、是正措置、関係者の責任の取り方、こうしたものをさらに詳しく聞く中で、過去の処分事例等の均衡も勘案して適切に判断していきたいと考えています。
信濃毎日新聞 牛山健一 氏
本年度の執行停止部分はお聞きしたのですが、返還そのもの、過去の分も含めて返還を求めるかどうか・・・
長野県知事 阿部守一
それも含めて才教学園の対応であったり事実関係をしっかり把握する中で判断をしていきたいと考えています。
信濃毎日新聞 牛山健一 氏
引き続きすいません。県立大の問題です。知事は現時点で9月補正について県立大関連予算についてはどのようにお考えでしょうか。
長野県知事 阿部守一
一部の新聞に私がコメントしていないようなことまでコメントしたかのような表現がされていて、私自身非常に驚いたところでありまして、9月県議会に提出する予算案については県立大学の話も含めて、まだ私の段階では全く未定という状況であります。
信濃毎日新聞 牛山健一 氏
知事の中では未定と今おっしゃいましたか・・・
長野県知事 阿部守一
未定というのは私のところでの議論・検討はまだなんら行っていないということであります。
信濃毎日新聞 牛山健一 氏
予算化する場合については、これまでも松本、塩尻、安曇野の3議長の要請の中でもですね、9月補正に対する「ちょっと早いんじゃないか」、「なし崩し的に進めるのはどうか」という声が、私どもの取材でも9月補正での対応では時期尚早ではないかという・・・
長野県知事 阿部守一
9月補正については私のところでは全く議論を行っていませんから「時期尚早ではないか」というコメントが新聞に載ること自体、私としては全く理解できないというのが現状であります。
信濃毎日新聞 牛山健一 氏
そういった声も受けて、今後どのように検討をしていくのでしょうか。
長野県知事 阿部守一
そういった声は私は直接聞いておりませんし、私のところでどういう対応をするかということが議論されてないのにそういう前提でのコメントが出されていること自体、私自身不思議でならないということ申し上げたいと思います。
信濃毎日新聞 牛山健一 氏
知事の最終判断というのはもちろん私どもも分かるんですが、事務レベルでは十分検討されていますし。
長野県知事 阿部守一
事務レベルで検討をしているということをちゃんと取材をされたのかどうかということを私は確認をさせていただきたいと思いますので、そうした点についてはこの場でなくて結構ですからしっかりと回答していただきたいと思います。
信濃毎日新聞 牛山健一 氏
あと一点すみません。さまざまな声がある中で今後どのようにこの点については判断されるようなお考え、例えばもう少しこういろんな意見を聞く形とか、開会まで19日というのは、1カ月近くはあるんですけれども。
長野県知事 阿部守一
私のところで今県立大学の大きな課題として考えていることは、学長の候補者の選任を含めた取り組みということで、予算的な問題については現時点で私のところでは全く何の検討もしていないと、しかしながらそれがあたかも行われているような形でですね、そういうストーリーを組み立てて私に対して質問することは控えていただきたいと思います。
信濃毎日新聞 牛山健一 氏
では、予算と限らずですね、全般、知事とすればぜひとも県立大という目指しているお立場として、9月県会ではどのように前進させていくのか。今後9月県会に限らず・・・。
長野県知事 阿部守一
県立大学全般につきましては、県としての基本方針、基本構想を定めたわけでありますから、それを具体化させるためにしっかりとした取り組みを進めていくというのが今の現状であります。これ県民の皆さんへのわれわれからの説明をご理解いただくという取り組みも不可欠でありますが、われわれとして今さまざま検討している段階でありますので、さらに具体化を進めていく上で発表できる段階ではどんどん方向付けについては県民の皆さま方にもお知らせしていきたいと思っています。
日本放送協会(NHK) 清木まりあ 氏
松川の方のですね、教員が麻薬密輸で逮捕されたという件について知事の受け止めをお願いします。
長野県知事 阿部守一
本当に教員の不祥事が後を絶たないということで、これは保護者の皆さん、そして何よりも子どもたちに対して大変申し訳ないという思いでいっぱいであります。教育委員会とも話してですね、特に義務教育、この場でも皆さんにもいろいろお話させてきていただいていますけれども、県の教育委員会があったり市町村の教育委員会があったり、県と市町村の関係、責任分担が非常に複雑になっているということもあるわけでありますが、ぜひこれはあっちの問題だ、こっちの問題だということではなくて、教育に関係するもの全員がしっかりと責任を持って対応していくということが重要だと思っています。そういう観点で、これは9月2日に予定していますけれども、教育委員会と私ども県、一緒になって教職員の不祥事根絶のための緊急会議、教育委員会の緊急会議を開きたいと考えています。市町村からは教育委員会の委員長あるいは教育長にご参加をいただきたいと思っています。ありきたりの一方通行のお話をするだけではいけないと考えておりますので、教育委員長または教育長の皆さん、グループを作って、本当にこうした非違行為を根絶するために何をしなければいけないのかと、何が問題なのかということを真剣に議論していただきたいと思っています。私からもお話をさせていただく時間も作っていただこうと思っております。市町村教育委員会、県の教育委員会、そして首長、私も含めてですね、長野県全体でこの問題にしっかりと向き合っていきたいと思っています。
日本放送協会(NHK) 清木まりあ 氏
教育委員会レベルでは緊急会議をされるということですが、もう少し現場レベル、学校への対応というのはどうでしょうか。
長野県知事 阿部守一
まずは、教育委員会、市町村の教育委員会の皆さんと今の現状の危機感というものを共有していきたいと思っています。各学校には、校長と教員との面談ということをこれまでやってきてもらっているわけでありますけれども、何というか本質的な問題への対処ということについては、「教育制度のあり方検討会議」の提言が出ているわけでありますから、これはできるだけ早く具体化をしていくということが重要だと思っています。
日本放送協会(NHK) 清木まりあ 氏
今回の事案に関しては、薬物に関するということで、薬物に関する知識というのは当然あるだろうというお考えもあるかと思うんですが、これからの研修にそういった内容を盛り込んでいくですとか、充填(じゅうてん)していくっていうことはお考えでしょうか。
長野県知事 阿部守一
ごめんなさい。当然あるっていうのは、知識が当然ある。
日本放送協会(NHK) 清木まりあ 氏
薬物に関する知識っていうのは、当然あるのではないかと、教員には、そうお考えもまた皆さんあったんじゃないかと思いますけれども。
長野県知事 阿部守一
今回の件が非常に薬物という、何と言うか、私からすれば全く信じられないような行為として問題が出てしまったわけでありますけれども、そうしたものへの対応も含めて、これは私でなくて、教育委員会としてどう対応するのかと、教員の不祥事全体じゃなくて、薬物ということで対応が迫られたということに対しては、まずは教育委員会でしっかり検討してもらいたいと思っています。
日本放送協会(NHK) 清木まりあ 氏
ありがとうございました。
信越放送(SBC) 熊﨑陽太 氏
才教学園の関係で県としてですね、才教学園の開学以来、監査委員も含めて4回現地でチェックする、補助金の現地調査を行う機会があったわけなんですが、今回それらを踏まえてですね、県のチェック体制に甘さはなかったのか、そういったところについて、県の姿勢ですね、そういったものについて知事の受け止めをお願いします。
長野県知事 阿部守一
そうですね。これは行政として、報告が上がってきたものを前提として受け止めていたということで、なかなか問題が発見できなかったわけでありますけれども、こうした対応を、これまでの対応で十分であるのかどうかということについては、全体の事件の真相、学校側、才教学園側の対応が故意であったのか、あるいは単純な過失であったのか、そうしたこと、警察の方でも捜査をされているわけでありますけれども、そうしたことと、そうした状況も踏まえてですね、県としての対応が十分であったのかどうかということについても、しっかり検証して改善するべき点があれば改善していきたいと思っています。
信越放送(SBC) 熊﨑陽太 氏
併せまして今後他の私立への、今週中にも調査をするといった、会見で出ていたんですが、他の私立への対応というのは、知事のお考えを改めてお願いします。
長野県知事 阿部守一
他の私立学校…。
信越放送(SBC) 熊﨑陽太 氏
他の私立学校にも同様の事例があるやなしや、他の問題があるかどうかも含めてですね。
長野県知事 阿部守一
基本的に、こうした極めて大規模な、教員免許を取得されてない方が教壇に立って行っていたということはないと考えていますけれども、これは詳細な調査をするとかいう話よりは、むしろ制度の趣旨とかですね、そうしたものについては、これは当然のことでありますけれども、各学校には分かっていただいているという前提ではありますけれども、改めて周知するというようなことは必要だと思います。ただ、他の学校が同じようなことを行っているということはないという認識でおります。非常に例外的かつ問題が多い事例だと思っています。
中日新聞 森若菜 氏
県立大のことについて私もお聞きしたいのですが、6月に決まりました構想案について、設立準備委員会の最後の会合、第6回目で委員の皆さんからいろんなご指摘があったと思うんですが、最終的には、お一人、健康発達学部についてこのままでいいのかっていう懸念を表明されていたと思います。そのお一人の指摘のことを知事はどのように受け止めてらっしゃるか、まずお聞かせいただけますか。
長野県知事 阿部守一
はい。この県立大学の話はいろいろご意見があるんで、今みたいなご質問が出てくるんだと思いますけれども、まずは、準備委員会は私が取りまとめたわけではなくて、準備委員会として、そして責任を持って取りまとめてもらったということを前提に、私が判断しているわけであります。さまざま、いろんな審議会とか検討の場、あるわけでありますけれども、もちろん、すべての皆さんが全く同じ意見でまとまることが一番望ましい形だと思いますけれども、違う意見の方がいるから何も決まらないということでは、何も行政進んでいかないわけでありますので、そうした少数意見の方のご意見にも配慮はしつつもですね、しかしながら、県として方向付けしなければいけないところは責任を持ってやってかなきゃいけないと。今回、準備委員会でのご議論も踏まえて、最終的に基本構想は私が決定をさせていただいたわけでありますので、そういう意味では、今後進めていくにあたっては、私が責任を持ってですね、県民に対してもご説明していくことが必要だろうと思っています。
中日新聞 森若菜 氏
ありがとうございます。あと一点。先ほども牛山さんがお聞きになっていましたけれども、その中でもありましたが、具体化をしていく中でこれから専門部会なんかを設立していって、カリキュラムだったりとかを詰めていく算段になってくると思うんですが、具体化していく中で、知事が県民にも説明していきたいっていうことでしたが、これは、もう少し言うと、どの段階で。例えば、予算化する前にとか、時期的なものをお考えがあればお聞かせください。
長野県知事 阿部守一
予算の段階でとかっていう感覚で私はあんまり捉えてないんで、先ほどからの質問には若干違和感をもってお答えしているんですけれども、大学の基本構想自体はもちろん予算的な措置を講じていくということも必要ではありますけれども、それ以上に、学長、校舎はどうするかとかですね、基本構想で示されたものを具体化していくためにどんな検討をしていくのか、カリキュラムを含めてですね、そうしたことが重要なわけでありまして、そうしたものが検討の節目において、方向付けをできるだけ県民の皆さんと共有していきたいと思っております。そういう意味では、予算の時期がいつでとかいうこととは、ちょっと別の次元で県民の皆さんにお伝えをしていかなければいけないのかなと思っています。
共同通信 小田智博 氏
才教学園のことなんですけれども、学園側としましては、今回のケースについては不注意、法律もよく分かっていなかったとお話しになっているんですけれども、県の調査に対して事実と異なる内容の報告、書面で報告されているという実情があるんですけれども、知事はそのような状況をご覧になって、故意性についてですね、どのようなお考えをもっているか、現時点で伺えればと思いますが。
長野県知事 阿部守一
それ、先ほど申し上げたように、現時点で私の立場でどちらであるかということを断定しているわけではありませんので、さらに十分ですね、原因の調査をしていかなければいけないと思っています。
共同通信 小田智博 氏
つまり、学園側のお話というのをすべて受け止め、その通りだと受け止めたいという考えではないという、そういう理解でよろしいでしょうか。
長野県知事 阿部守一
警察も捜査をされているわけでありますし、先ほどの、補助金をどうするかというようなこともあります。これは、何ていうか、非常に感覚的な対応をするわけにはいかないわけでありますから、しっかりと今回の事案の原因等について把握をしなければいけないと思っております。
信濃毎日新聞 島田誠 氏
先ほどの県のチェック体制についての認識について、もう一度伺いたいんですけれども、先ほど知事の認識では、事件の真相といいますか、故意なのか過失なのか捜査を待って、踏まえた上で判断したいというお話でしたけれども、これは故意にしろ過失にしろ、結果的にチェックする側としては見抜けなかったことは同じであって、それを考えると、どちらなのかということの捜査を待っているよりは、すぐに県としては、何で見抜けなかったんだということを、もしこういう件があったときにどうすれば見抜けるんだということをすぐにも検証を始めて検討しなければいけないんじゃないかと思うんですけど、どんなふうにお考えですか。
長野県知事 阿部守一
それは、当然ですよね。今、担当課長が来ているので、課長の方からお話しをしてもらうような形でもいいですけれども、当然こうしたことに対して才教学園への対応ということだけでなくて、県として変えていかなければいけない点があるのかということは、検討するようにと言ってありますから、もし久保田課長の方で今の状況等何かあれば説明してもらえますか。
総務部情報公開・私学課長 久保田俊一
まず、才教学園に対する調査でありますけれども、できるだけ早く改めてやりたいと思っています。ただ、今、捜査が入っているということ、それから、子どもたちが二学期が始まるという環境でございますので、そういう性質で、できるだけ子どもたちの学びの環境を壊したくないという思いもありまして、そこは、これから学園と日程的な調整をしながら学校の方に調査にいきたいと思っています。それから、県の対応でありますけれども、私たちの補助金、例えば補助金の検査におきましては、実際にその教員がいるかどうか、架空の教員がいないかどうかということを今まで調査をしてまいりました。その中では、実際いるかどうか、お金を支払われているかどうか、その方が免許を持っているかどうかというような観点で、主だったところを検証してきたわけでありますけれども、それに加えて今回のような事例を踏まえて、実際の授業割り、時間割、そういったものを見ながら、免許法の違反がないかも含めて聞きたいということは今考えてございます。
長野県知事 阿部守一
いいですか。
信濃毎日新聞 島田誠 氏
今、おっしゃったように先ほどの先日の会見の時にも説明にあったように、時間割との比較であるとか、今後のやり方については、お話しあったわけですけれども、それだけでなくて、先ほどの知事のご認識としては、それ以外にも他になぜ見抜けなかったのかとか、そうした事項については改めて検証をしていくんだというご認識でよろしいでしょうか。
長野県知事 阿部守一
才教学園から提出された書類にそもそも事実と異なる記載がされているということで、先ほども他の私学の関係で申し上げましたけれども、教員免許法がある中で、それをその前提と違った形で考えていくというのは普通は想定されないことだと。当然、教員免許法の範疇(はんちゅう)で対応していくということが原則だったわけでありまして、そういう大前提、基本中の基本のところでこういう虚偽の報告がなされたということは、なかなかわれわれとしては見抜きづらい部分だったと思っています。ただ、そういう事例が出てしまったということも事実でありますから、本当に県の体制として、課長からは将来に向けての話として、現実の時間割との対比という話がありましたけれども、例えば、学校教育なり教員制度に精通した職員をもっと配置する必要があったのかとか、そういうことも含めて、私としては考えていく必要があるのではないかと思っています。
信濃毎日新聞 島田誠 氏
それからもう一点、別件ですけれども、10月から、福祉施策の母子寡婦福祉資金の未収金についての回収について、民間に委託するという方向で今業者選定を進めていらっしゃいますけれども、通常の地方税などの滞納と目的が違うというか、施策としての目的が、福祉目的で元々そういう分野なものであるという性格の違いもありますし、他県でもいくつかあるとはいえ、県としては、こうした分野への民間委託というのは初めてとなるということを考えると、今後の運用についてどんな姿勢で臨んでいかれるというお考えでしょうか。
長野県知事 阿部守一
民間委託をしていくということ自体、業務を効率的に進めていくという観点で必要な部分があると思っています。ただ母子家庭の皆さんの現状も片方でわれわれしっかり把握をしていくということが重要なところでありますので、そうしたことも配慮しながら運用していくということが必要だと思っていますので、ちょっと担当課来ていないのであれですけども、私の方からは少しそこら辺の考え方についてはしっかり聞いておきたいと思います。
読売新聞 佐藤寛之 氏
才教学園の関係で先ほどからありますけれども、再発防止策の中で学校現況調査というのが毎年5月に提出されていますけれども、基本的には県に提出して、必要に応じて問い合わせるという形になっていますが、そこの体制についてもう少し踏み込んで調査をするなどという予定というのはありますでしょうか。
長野県知事 阿部守一
学校現況調査、それはちょっと担当課長の方からじゃあお願いします。
総務部情報公開・私学課長 久保田俊一
学校現況調査はですね、一般的な調査というか、特に何かを求めての調査ではなくて、学校の本当に一般的な施設の状況とか生徒の状況について調べる、そういった趣旨の調査でありまして、それを今改めるというのはございません。
読売新聞 佐藤寛之 氏
分かりました。この時点で時間割表などと照らし合わせながらチェックすることで、ある程度改善される部分もあるのかと思うのですが、その辺りはいかがでしょうか。
情報公開・私学課長 久保田俊一
検討致します。
読売新聞 佐藤寛之 氏
分かりました。あと、才教学園に対しての捜査の関係もあると思うのですが、調査の目途というのはどの時期というふうに考えていらっしゃいますでしょうか。
総務部情報公開・私学課長 久保田俊一
先ほども申し上げた通りですけれども、できるだけ早く早めに現地に行って関係者から話を聞きたいと思うのですが、それは捜査の関係、それから私どもの環境、そういったものも勘案しながら検討していきたいと思います。
読売新聞 佐藤寛之 氏
分かりました、ありがとうございます。
早稲田大学大学院 休波希 氏
県立大学の件について一点お伺いしたいのですけども、先ほどの説明でも県民の皆さまにどんなような構想をしていくのかということを説明してご理解いただくという、ある意味で県が主導で構想を進めていくという話もあったんですけれども、この理念として一つは、長野県としてこういう活性をさせていきたいというのがあると思うのですが、大学に進学する高校生が8割県外に進学しているというデータもありまして、高校生の志望者を集めるにあたり、どのような形でPRなどの高校生にとって魅力のある形にしていくのかということを伺いたいと思います。
長野県知事 阿部守一
高校生にとって、進学先としてしっかり選んでいただくことができる大学にするということが一つ重要なポイントだと思いますし、それはご指摘の通りだと思います。そういう意味で特色をしっかり出していく、そして、これは、私は県立大学は将来の長野県を背負ってもらう、長野県の各分野で活躍してもらう、いわば長野県のリーダーを養成していく場でもあると思っておりますので、そうしたことも踏まえつつ、カリキュラムの具体化を図っていくと。それで、折に触れてですね、県民の皆さまにも方向付けをお知らせをしていきたいと思っています。今の基本構想の段階でもまだまだ県民の皆さんに十分私どもの考え方が浸透していないと感じる部分もあります。一部議論があるところが非常に大きな形で取り上げられて議論されているわけでありまして、もちろんそうした点についても私どもは真摯(しんし)に対応していきます。ただ基本構想自体がすでに決定をしたわけでありますからそれを具体化するにあたってどうしていくかということについては、さまざま検討していきますけれども、しかしながら管理栄養士課程の部分のみならず、他の部分の大学の理念の方が、全体としては長野県教育に与える影響は極めて大きな話なわけでありますので、そうした点について十分県民の皆さんに伝える努力をしていきたいと思いますし、ぜひメディアの皆さま方にも、もちろん議論がある部分について報道いただくということは必要かもしれませんけれども、しかしながら大学構想全体の在り方についても、積極的に報道していただければ、私としては大変ありがたいと思っております。
早稲田大学大学院 休波希 氏
浸透していないということで選んでいただけるような大学にしていかなければいけないということなんですけれども、高校生がどのような興味を持っているかというようなヒアリングなどをこれまでされてきたのでしょうか、もしくはこれからもされていくご予定なのでしょうか。
長野県知事 阿部守一
アンケート等は行ってきていますが、今回大学の構想を作った後にはご意見まだ聞いていません。これは私としては、高校生とか学生だけじゃなくて広く県民にも、これは教育機関であると同時に研究機関でもありますし、大学は大学のみならず高校教育であったり、周辺への波及効果ということも極めて重要なポイントだと思っておりますので、そうしたことも含めて全体像をしっかりお伝えしていく努力をしていきたいと思っています。
早稲田大学 前島亜沙子 氏
先ほど知事の方からも北アルプスの山岳事故についてのお話がありましたが、もうすぐ山も閉まってしまうと思いますが、ただ今結構中国や韓国など海外の方からの山岳事故が大変多くなっておりまして、また高齢者の方も結構山で事故、山での遭難や事故など起こっているんですけれども、これに来年、再来年と緊急でこのようなことをしなければならないと知事がお考えのことはありますか。
長野県知事 阿部守一
まず、当面、早急に在外公館を通じて、山岳、登山される際の注意事項等について海外への皆さんにも周知を図っていきたいと考えています。そうしたことと同時に、山岳遭難防止対策検討会を設置して、広く安全な登山、山岳遭難を防止するにはどうすればいいかということを考えていきますが、そうした中で、当然外国人の皆さま方への対応であったり、あるいはご高齢の方というか、ご自分の体力に合わせた登山の在り方といったようなことも検討していきたいと思っていますし、具体的な対策としてできるものについては、検討会での議論の状況を見ながら、速やかに具体的な政策をしていきたいと思っています。
早稲田大学 前島亜沙子 氏
それでは検討会の方を経てから具体的な政策を。
長野県知事 阿部守一
そうですね。この間も山小屋の関係者あるいは遭対協(山岳遭難防止対策協会)の皆さんともお話をさせていただきましたが、いろんな考え方がありますし、いろんな課題がありますので、実際に山で安全を守っていただいている方々のご意見ということも踏まえて、対応・方策を考えていく必要があると思っています。
信濃毎日新聞 牛山健一 氏
4大化の部分で、知事のご説明を聞いていて、カリキュラムの検討については、予算措置はとりあえずは必要ないとお考えでしょうか。
長野県知事 阿部守一
繰り返しになって申し訳ないですけれども、大学の話を進めていく上に当たって、当然予算措置が必要なものについて予算措置を考えていきます。ただ、普通の施策と違って予算を作って何かを考えるという思考のパターンではなくて、私の頭の中ではどういうことをしなければいけないから、それに伴ってこれから予算が必要になってくるという思考パターンでありますから、予算をいつ、何をするから、だからカリキュラムを考えようという視点で、頭の中で考えているわけではないということであります。
信濃毎日新聞 牛山健一 氏
カリキュラムの検討には有識者で作る、新たな、従前だと仮称ですが作業部会ですか、すいません名前を忘れてしまったのですが、検討会を作る予定になっていると思うんですが、その発足には予算措置は必ずしも必要ないということでしょうか。
長野県知事 阿部守一
そんなことを私は申し上げているわけではありません。私のところで予算に関わる議論は行われていないと。しかしながら、あたかも私がそういうことを行っているのではないかということをうかがわせるような報道がなされているのは、いささか私としては奇異な感じを受けたと申し上げているわけでありまして、これは私のコメントをかぎかっこ付きで使われるような場合というのは通常直接取材をされることが前提だと感じておりますので、そうした意味で違和感を申し上げさせていただいたわけであります。
信濃毎日新聞 牛山健一 氏
そうしますと現時点で知事とすると9月補正予算化は考えていないということですか。
長野県知事 阿部守一
個人的な観点であまりご質問されるのは正直いかがなものかと思っておりますが、私が申し上げておりますのは、私のところで県立大学の予算について今、行ってはいないと、そういうことを申し上げているわけでありまして、今後具体化をするにあたって、どういうことをしていかなければいけないかということについてはしっかり考えていきますけれども、やや一部報道されているものと私が実際に行っていることとの進度感に非常な違和感があると。私のところで何ら議論されていないものに対して関係者からそれに対して違和感が示されるということはいかがなものかということを申し上げているところでございます。
信濃毎日新聞 牛山健一 氏
知事の趣旨は聞けました。私ども信濃毎日新聞として適正な正確な取材をしていると思っております。これは今日申し上げておきます。以上です。
長野県知事 阿部守一
ありがとうございました。
お問い合わせ
より良いウェブサイトにするためにみなさまのご意見をお聞かせください