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更新日:2022年5月10日

環境保全研究所

高山帯の生態系モニタリング調査研究

高山帯における生態系モニタリングの推進に関する調査研究

研究機関:H25~H27年度(2013~2016年度)

Nijyumaru

研究の背景

背景1:高山帯の生物多様性の危機

  • 踏みつけや開発による高山植生の荒廃(第1の危機)
  • ニホンジカの摂食圧増加による植生変化や生態系への影響(第2の危機)
  • ゴミやペットの持ち込みにともなう汚染(第3の危機)
  • 気候変動によるライチョウ・高山植物等の生息適域の縮小(第4の危機)

背景2:長野県の重点施策の一つ、日本の屋根(高山帯)プロジェクト

背景3:環境のモニタリング事業、モニタリングサイト1000

  • 全国1000ヶ所程度で、長期生態観測を実施。ただし、県内の高山帯では、「蝶ヶ岳~常念岳」のみ。

研究の目的

  • 県下の高山生態系の環境変動への応答に関する長期モニタリングの推進
  • モニタリングサイト構築および調査手法、データ公開に関するマニュアル類の整備化と試行
  • 県・国の高山帯の生物多様性保全に必要な情報の提供

研究の内容

高山生態系のモニタリング手法に関する調査研究

  • 赤外線センサーカメラを用いた高山帯の鳥類相・ほ乳類相(ニホンジカを含む)の把握

(爺ヶ岳:2007, 2011, 2012 自然保護課による調査実施)

  • インターバルカメラを用いた融雪および植物フェノロジーの記録

 センサーカメラの設置状況

 高山帯を歩くニホンザル

高山帯に生息する希少生物の現状と保護に関する調査研究

  • ライチョウの生息状況に関する調査研究
    • 環境省レッドリスト改訂(VU→EN)(2013.8)
    • 保護増殖事業計画策定(2013.10)
    • 生息域内保全:生息状況のモニタリング(立山、乗鞍、御岳、爺ヶ岳、火打、南アルプス北岳、南アルプス南部)

Ptarmigan_Territory 爺ヶ岳、岩小屋沢岳におけるライチョウのなわばり分布。水色の多角形が2007年、桃色の多角形が2011年、緑色の破線が2012年のライチョウのなわばりを示す。GM1~GM5、SM1~SM5はセンサーカメラの設置位置、1A、1B、2A、2Bは定点調査地点を示す。

  • 中部山岳に固有・隔離分布する高山植物の生育状況に関する調査研究
  • モニタリングサイトの選定にあたって考慮

生態系モニタリングサイトの構築

  • 同一手法による生態系モニタリングの推進

これまでの高山帯での研究プロジェクトで個別に行われていた関連調査事業を統合

  • 生態系モニタリングサイトの構築とモニタリング調査の実施

県下の高山帯に県独自の生態系モニタリングサイトを設定

  • モニタリングデータの公開(Web)

高山生態系モニタリングを通じて

  • 高山の生物多様性の保全生態学研究
  • 高山環境の変動を探知・施策へ反映

(研究リーダー 尾関雅章)

お問い合わせ

所属課室:長野県環境保全研究所 

長野県長野市大字安茂里字米村1978

電話番号:026-239-1031

ファックス番号:026-239-2929

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