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更新日:2014年6月24日

水産試験場

養成飼料の開発試験

シナノユキマス物語コレゴヌス養殖技術開発の記録

飼育技術の改善

養成飼料の開発試験

北沢 利美

 シナノユキマス種苗の民間配布が始められて、数年を経た昭和60年(1985年)4月に、諏訪支場から佐久支場に転勤となり、シナノユキマスに関わることとなった。この頃は、新しい養殖魚種として注目され、養殖数量も徐々に伸び、安定的な種苗生産が望まれていた。また、民間養殖を普及する上で、養成飼料の開発も求められていた。
 養成飼料については、昭和59年(1984年)にそれまで通常使われていたマス用配合飼料の蛋白質含量より低い蛋白質34%が適切であることが明らかになった。この結果をもとに、木曽試験地に転勤するまでの5年間に、配合蛋白質の原料及びその添加率、脂肪の利用について試験を行った。供試魚は50L容水槽を用いたため、魚体重10g程度のものとした。供試魚は、前年に採卵した0年魚を1~2週間予備飼育した。予備飼育中は、元気のないもの、餌食いの悪いものはできるだけ摘出して条件をそろえるようにし、試験期間中魚にストレスを与えないように、中間測定後は水槽の位置を入れ替えたり、人影が映らないように低い位置から時間をかけて給餌するなど、試験飼料を十分に給餌するように工夫したが、試験飼料を全く食べないものが各水槽で1~2尾出たりと、それまで行ってきたアユやコイの飼料試験より気を使った。
 試験飼料は、原料の配合からクランブルの調整まで真夏に実験室内で行ったため、実験室内をもちろん、玄関を入ると餌のにおいがしてきた。養成飼料の開発には、まだまたやらねばならないことがあるが、植物性蛋白質、特に大豆の蛋白質の利用と脂肪の利用について、まとめることができた。これに基づき、長野県漁連の「シナノユキマス用飼料」が発売されたが、その後のユキマスの伸びが進まないため、立ち消えとなった。


 

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