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更新日:2024年10月28日
大糸線の利用促進として、バスによる増便および白馬への乗り入れのニュースを拝見しましたが、個人的には増便より、高速化の検証を進めた方が良いのではと考えています。
バスによる増便は北陸新幹線の敦賀開業に合わせて北陸関西方面からの観光客を誘致する狙いがあるとの事ですが、成果を上げるのは難しいと考えています。なぜなら車に対する優位性が無いからです。
白馬の主要な観光資源はスキーや登山等だと思います。観光地としては魅力があると思いますが、わざわざ重たい荷物を担いで、新幹線から大糸線に乗り継いで、さらに白馬や南小谷駅からバスに乗り継いでスキーや登山に来る人は、モータリゼーションが進んだこの時代においては少ないのではないかと思います。
さらに大糸線の駅周辺に限ると環境資源が乏しいので、なおさら電車を選択する人は少ないのではないかと考えています。
本気で北陸関西からの観光客の誘致を狙うのであれば、大糸線の増便より各スキー場を経由する特急バスを糸魚川から白馬間で走らせる方が、荷物を持った移動を考慮すると、現実的かと思います。
一方で北陸と中信地区(あるいは甲府辺りまで)を結ぶルートとしてみると、大糸線のルートの方が長野駅を経由するルートより50km程距離が短いというメリットがあるかと思います。長野駅経由だと所要時間は短く本数も多いので便利なのですが、距離が長く特急料金もかかるので、運賃が高くなるデメリットがあると考えます。
しかしながら、大糸線のルートは南小谷以北の速度制限や乗り継ぎの悪さから、長野駅経由と比較して所要時間が長くなるため、利用者が少ないのではないかと思っています。
そこで以下のような取り組みを行えば利用者増につながるのではないかと思い、意見させていただいた次第です。
・糸魚川駅から南小谷駅間をノンストップで走らせる。
(どのくらい速達化できるか分からないですが、例えば11時59分南小谷着のあずさに対して、12時45分の糸魚川発の金沢行きの北陸新幹線に乗り継ぐ事ができれば、松本から富山間であれば所要時間2時間33分で運賃6,300円となります。長野駅経由では2時間10分前後で運賃8,500円前後となるので、所要時間はほぼ同等で運賃を抑制することができるかと思います。
例えば松本であれば駅周辺の観光資源も十分なので、鉄道を利用して北陸方面から観光に来るという選択肢も出てくるのではないかと思います。
大糸線沿線の方の利用も少ないとは言えゼロではないと思いますので、ノンストップの設定はあずさや南小谷と松本直通の普通列車との接続に限定(1日2から3本程度)するので良いかと思います)
・糸魚川駅から南小谷駅間の速度制限解除を検討する。
(先日実際に大糸線を利用したのですが、見通しの良い箇所も速度制限がかかっている箇所があり、必要性に疑問を感じました。当然安全優先ですが、仮に線路のダメージを気にして速度制限をかけているのであれば、保線費用を助成してでも速度アップを試してみても良いかと思います)
・北陸新幹線とともに、南小谷発着のあずさ、あるいは夏季時期限定の白馬発着あずさの乗り継ぎが最短になるダイヤに見直す。
JRとしては中信地区から北陸間の移動は収益的に「しなのと北陸新幹線を使ってください」って意見だと思うので、上記施策の実現は中々難しいかと思います。ただこのままだと、「増便しても利用者増えないから廃線にします」という結果になりそうな気がしています。
地域の輸送手段としての活用は沿線人口も少なく絶望的だと思いますが、北陸から中信地区間の輸送手段としては活用できる可能性があると思いますので、ご検討いただければ幸いです。
長野県交通政策局長の小林真人と申します。
この度は大糸線の利用促進に関して貴重なご提案をいただきありがとうございます。
高速化の取組については、目的地への速達性を向上させるものであり、利便性が向上し、大糸線の利用者の増加につながる取組として、検討すべき事項と考えます。
一方、ご提案いただいた新幹線や特急列車への乗り継ぎの最短化を目指すダイヤの見直しについては、JR西日本によると北陸新幹線など幹線となる路線は出発時間について定時を基本としたダイヤ編成がなされることなどから、必ずしも乗り継ぎが最短となるダイヤにはなっていない状況とのことです。しかしながら、沿線の期成同盟会等からJRに対して北陸新幹線等との円滑な接続の実現に向けて要望を行っているところです。
次に、速度制限解除については、JR西日本によると線路、カーブ、勾配の状況や落石等によるリスクを低減させるなど安全性を配慮する目的で制限が設けられていると聞いています。
最後に、糸魚川駅~南小谷駅間のノンストップ走行については、利用者が多い糸魚川駅と南小谷駅の高速化を実現する取組として有効と考えられるものの、JR西日本からは停車しない駅からの利用者への配慮が重要である旨聞いております。
これらの具体的なご提案について課題が多いと認識していますが、大糸線利用促進輸送強化期成同盟会や大糸線活性化協議会などそれぞれの組織において、新潟県や地元市町村、JR、関係団体と共有を図り、今後の利用促進の参考にしたいと考えています。
なお、高速化とは異なりますが、今回のバス運行実証事業は、北陸新幹線と大糸線との接続のない時間帯に北陸新幹線のダイヤに合わせてバスを運行することで、接続を確保し、利便性を向上させるものであり、利用促進策として一つの有効な手段と考えております。
このほかにも、利用促進に向けた取組として、列車の増便に向けた方策の検討や糸魚川発の列車の白馬駅までの乗り入れの実現に向けた検討などについてJR西日本に対して要望してまいります。
以上、ご提案への回答とさせていただきますが、ご不明な点がございましたら、交通政策課長:丸山正徳、担当:鉄道企画係までご連絡くださいますようお願い申し上げます。
【問合せ先:企画振興部/交通政策局/交通政策課/鉄道企画係/電話026-235-7027/メールtetsudo(あっとまーく)pref.nagano.lg.jp】
(分野別:交通)(月別:2024年5月)2024000108
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