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更新日:2013年6月23日
(当ページは作成途中段階のものであり、今後も質問項目や関連情報を追加していく他、適宜文言の修正があることをご了承ください。)
6-1.浅川ダムは、穴(常用洪水吐き)が小さく、土砂や流木で閉塞されないでしょうか?
6-2.模型実験の流木は枝も根もなく、実際とかけ離れているのではないでしょうか?
6-3.浅川には大きな石が転がっています。模型実験の土砂は小さすぎるのではないでしょうか?
6-4.地滑りの模型実験も行うべきではないでしょうか?
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大丈夫です。閉塞しないものと考えています。
浅川ダムは、常用洪水吐きのサイズが小さいことから、小さい流量で貯水が開始します。このような小さい流量では土砂や流木を動かす力が小さく、常用洪水吐きを閉塞するような土砂の動きはありません。さらに流量が大きくなり貯水深が大きくなると、土砂は貯水池の上流端となる押え盛土の上下流に溜まるようになり(図6-1参照)、また流木は当然貯水池に浮遊するようになります。従って、流量の大きい洪水時には常用洪水吐きには土砂も流木も届かなくなります。これらについては模型実験でその物理的現象を確認しています。
また、貯水池上流端に流木捕捉工を設置するとともに、常用洪水吐きにはスクリーンを設置し、呑み口が閉塞しにくい構造としています(図6-2参照)。
※常用洪水吐きとは
ダムの上流から流れてくる流水を常時放流する穴です。
※流木捕捉工とは
貯水池上流に設置予定の流木を止める施設です。
図6-1.堆砂箇所と流木捕捉工位置図
図6-2.スクリーン概要図
より現実に即した厳しい状況とするために、流木が捕捉工に掛かりにくい形状として、根や枝のない形にしています。
○一般に洪水時に河川に流出してくる流木は、流れてくる途中で根や枝が折れ、丸太の状態で流下してくる例が多いこと、また、今回の実験の目的は、流木捕捉工(貯水池上流に設置予定の流木を止める施設)やスクリーン(常用洪水吐きの呑み口に設置予定の網)等による流木の捕捉効果を確認することであり、実験に用いる試料としては、より捕捉されにくい形状が望ましいことから、根や枝のない流木の形状を選定しました。
根や枝がある流木の場合には、流木捕捉工により捕捉されやすくなり、更にダム地点に到達しにくくなるものと考えています。
洪水時に常用洪水吐きまで届く可能性のあるサイズの土砂としました。
今回の実験に用いた石につきましては、常用洪水吐きに対する土砂の影響をより正確に把握するため、動き得る最大の石を含む材料を河床に敷き、流入土砂として用いることとしました。
川底の土砂や石を動かす力は、流れに応じて発生する「掃流力」と言われるもので、この「掃流力」が大きいほど、大きい石(重い石)を動かすことができ、小さければ小さい石(軽い石)しか動かすことができません。一般的に流水が貯留され貯水池となった場合、川底の水の動きが著しく小さくなり、石を動かす「掃流力」も著しく小さくなります。
このため、通常の川の状態のときに動く石の大きさに対し、ダムができた後に貯水池内で動く石の大きさは著しく小さくなります。動き得る最大の石の径につきましては、ダム予定地上流の河床状況の調査(粒径調査)を踏まえたうえで、浅川ダムができた後に、計画の洪水が流下し、一時的に貯水池を形成する状況下で、場所毎に計算した結果を基に16cmとしました。
洪水時に貯水池が形成されると、貯水池底部の石の動きはほとんどなく、動きやすい小さい石でさえ常用洪水吐き呑み口を閉塞するような動きがないことを模型実験により確認しています。
※掃流力とは
水が動くときに川底の石や砂をこするようにして動かす力
地すべりを対象とした模型実験は極めて難しく、全国にも例がありません。
○地すべりの斜面内部の地層は複雑に重なっているため、地質構造を正確に模型で再現することは極めて困難であり、かつそれぞれの土質的強度、比重、水の浸透状況など諸特性について模型で再現することも極めて難しいことから、全国的にも地すべりの模型実験を実施した例はありません。
貯水池内の地すべり対策につきましては、これまで十分に調査してきており、その結果を基に、貯水の影響を考慮し必要な対策工を実施することとしています。
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