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更新日:2022年1月12日

環境保全研究所

環境保全研究所研究報告要旨(17号)

第17号要旨(2021年度)

 中部山岳国立公園上高地内キャンプ場で発生した人身事故加害ツキノワグマの食性履歴

中下留美子・瀧井暁子・濱口あかり・岸元良輔・黒江美紗子・鈴木彌生子・泉山茂之

2020年8月上高地内キャンプ場でツキノワグマによる人身事故が発生した.捕獲個体の安定同位体比解析による食性履歴の推定を行ったところ,当該個体は事故直前の数週間前から残飯等の人為由来の食物を摂取していたことが明らかとなった.

原文(PDF:1,167KB)

 長野県中西部烏川支流斧研沢に分布する後期更新世~完新世の堆積物

浅川行雄・葉田野希・富樫 均

烏川支流の斧研沢(ゆきとぎざわ)に分布する堆積物について,野外における記載,植物片の放射性炭素年代測定を行い,その形成年代を明らかにした.また,段丘礫層を覆う堆積物中に,3層の指標テフラを特定し,段丘の形成年代を明らかにした.

原文(PDF:2,203KB) p12正誤表(PDF:1,045KB)

 新型コロナウイルス感染症流行に伴う長野県の大気汚染状況(2020年2月~5月)

中込和徳・町田 哲・山本明彦・原田 勉・池田友洋・掛川英男

PM2.5,SPM,NOx及びOxの4項目について,COVID-19流行発生に伴う,長野県内の大気汚染状況について検討した.COVID-19の流行に伴う国内外での社会経済活動の制限により,長野県内の大気汚染物質濃度が低下した可能性が示唆された.

原文(PDF:1,136KB)

 2010年から2020年に長野県軽井沢町で得られたハクビシンPaguma larvataとニホンテンMartes melampusの寄生蠕虫類保有状況

鈴木夏海・林 美穂・中澤美菜・福江佑子・山下國廣・黒江美紗子・浅川満彦

長野県軽井沢町で捕獲・拾得されたハクビシン(消化管,糞便)およびテン(糞便)の寄生蠕虫検査を実施した.その結果,ハクビシンでは約4〜5%に回虫類,鉤頭虫類,線虫類が,テンでは20%で線虫卵,回虫卵,線虫卵および原虫類コクシジウムが検出された.

原文(PDF:1,211KB)

 ヒメザゼンソウ(Symplocarpus nipponicus)の2014–2016年の個体群構造,開花及び葉数と葉サイズ

大上迪士・遠藤昭太・平田識穏・佐藤光彦・高野(竹中)宏平・植木玲一

ヒメザゼンソウの自生地に設置した調査区内で,個体を標識して3年間,開花の有無および葉数と葉面積を追跡調査し,個体群構造の変化を調べた.また,本種においてステージバックを観察した.

原文(PDF:1,508KB)

 長野県内の下水処理施設の下水流入水における下痢症ウイルス遺伝子の検出と年変化

塚田竜介・水澤哲也・西澤佳奈子・加茂奈緒子・藤井ますみ・竹内道子・中沢春幸・小野諭子・和田純子

2014年12月から2019年3月の間, 長野県内の下水処理施設の下水流入水に含まれるノロウイルスなどの下痢症ウイルスの遺伝子コピー数をモニタリングした.その結果を集計し, 下痢症ウイルスの流行実態との関連性を分析した.

原文(PDF:1,204KB)

 LC-MS/MSによる「いわゆる健康食品」等に含まれる医薬品成分の分析(平成21年度~平成30年度)

小山和志・鎌田光貴・疋田晃典・天野保希・加賀野井祐一・宮川あし子・西澤洋一・岩松秀雄・土屋としみ

平成21年度からの10年間で当研究所が実施した「いわゆる健康食品」等に含まれる医薬品成分の分析について,その方法及び結果を取りまとめた.分析は高感度で選択性に優れたLC-MS/MSを用い,合計119検体延べ2,499項目について行った.

原文(PDF:1,390KB)

 苦みを有するユウガオ中のククルビタシンの分析事例と部位による含有量の偏り

鎌田光貴・宮川あし子・小山和志・髙橋佳代子・土屋としみ

苦みの強いユウガオ及び試験栽培したユウガオを部位ごとに分け,苦み成分であるククルビタシン類の分析を行ったところ,部位ごとにククルビタシン類の含有量の顕著な差が認められた.

原文(PDF:1,101KB)

 長野県に流通する農産物中の農薬残留実態及び令和元年度県民健康・栄養調査に基づく農薬摂取量の推定(令和元年度~2年度)

北原清志・宮川あし子・小山和志・安藤景子・髙橋佳代子・天野保希・竹澤有紗・鎌田光貴・宇都宮れい子・土屋としみ

農産物中の残留農薬を測定し,得られた結果と県民の最近の食事摂取状況が反映された令和元年度県民・健康栄養調査の食品摂取量の結果を用いて,10農薬について農薬摂取量を推定し,許容一日摂取量(ADI)と比較した.

原文(PDF:1,162KB)

 UAVを用いたカラマツ人工林の葉フェノロジーの観測

尾関雅章・栗林正俊

カラマツ林の葉フェノロジーについて,UAVを用いた観測手法の有効性を検討した.UAVによる観測は,同一飛行コースでの高解像度の画像取得が可能で,撮影画像から算出した植生指標GRVI,GEIはカラマツの展葉・繁茂期と落葉期の区分を明瞭に表現していると考えられた.

原文(PDF:1,083KB)

 長野県における気候変化の観測事実と将来予測

栗林正俊・浜田 崇

長期気象観測値と「農研機構シナリオ2017」の気候予測値を解析して,長野県における気温・降水・日射・湿度の過去の変化と将来の予測を定量的に示した.また,予測の不確実性について,温室効果ガス濃度シナリオの違いと全球気候モデルの違いに応じて評価・検討した.

原文(PDF:4,013KB) 原文(カラー版)(PDF:6,535KB)

 長野県北東部における特定外来生物アカボシゴマダラ(タテハチョウ科)の生息確認

大塚孝一・栗岩竜雄・黒江美沙子・須賀 丈

2020年に長野県北東部の34か所の小高い山頂部でアカボシゴマダラの分布を調査した.その結果,須坂市,長野市,千曲市,坂城町,上田市,東御市,小諸市,佐久市,軽井沢町の計26か所で生息確認し,成虫182個体を捕獲した.上田市では幼虫1個体を確認した.

原文(PDF:1,674KB)

 グロリオサ及びイヌサフラン中のコルヒチン分析

小山和志・鎌田光貴・宮川あし子・髙橋佳代子・宇都宮れい子・土屋としみ

高感度で選択性に優れたLC-MS/MSを用い,誤食により死亡事故等の発生のおそれがあるコルヒチンの分析法を検討し,それを含有するグロリオサ(塊茎)及びイヌサフラン(地上部)の分析を行った結果を取りまとめた.

原文(PDF:1,055KB)

 土壌中放射性セシウムの長期的挙動について -降水を用いた加速実験の試み-

松沢雄貴・細井要一・今井万治朗・渡辺哲子

放射性セシウムを含有する土壌試料を充填したカラムに雨水を通水して,土壌環境と降雨を疑似的に再現した.また通水を加速的に行うことで,放射性核種の移行の実態を把握し,長期的変化を予測した.またpHの違いによる土壌からの移行についても確認した.

原文(PDF:858KB)

 視程による大気環境調査の可能性

掛川英男・中込和徳

大気保全の普及啓発のため,視程と大気常時監視データを解析し,視覚により大気の状況を把握する方法について検討した.その結果,視程から大気の状態を実感し,大気汚染に関心に関心を持つきかっけになると考えられるが,より簡便な方法となる工夫も必要と考えられた.

原文(PDF:1,358KB)

 諏訪湖におけるオウチュウ Dicrurus macrocercus の長野県初記録

井川 洋・笠原里恵・堀田昌伸

2020年5月23日に長野県中南部に位置する諏訪湖湖畔で,長野県初記録となるオウチュウが確認された.

原文(PDF:1,112KB)

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お問い合わせ

所属課室:長野県環境保全研究所 

長野県長野市大字安茂里字米村1978

電話番号:026-227-0354

ファックス番号:026-224-3415

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