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更新日:2023年12月5日

畜産試験場

自給飼料増産促進研修会を開催しました(令和5年11月22日)

 自給飼料増産促進研修会を11月22日、塩尻総合文化センターで開催しました。この研修会は畜産試験場が主催し、公益社団法人畜産技術協会や長野県獣医師会獣医畜産部会の協力を得たものです。開催方法はハイブリッド式で、生産者、JA、市町村、関係団体、大学及び県機関から会場で37名、オンラインで20名程度の出席がありました。
 研修会では、まず、畜産試験場飼料環境部の伊藤主任研究員が、「長野県内における自給飼料の生産状況と長野県畜産試験場の取組」について紹介しました。また、山形大学付属やまがたフィールド科学センター教授の浦川修司先生が、「耕畜連携・地域資源(飼料用イネ、子実トウモロコシ)を活かした畜産」について紹介しました。さらに、農研機構遺伝資源研究センター上級研究員の遠野雅徳先生が、「飼料用米及び飼料用イネの品種特性と栽培調製」について紹介しました。 浦川先生は、自給飼料生産が重要であるとし、その進化において、コントラクターから法人格のあるサービス事業体への移行が鍵となると強調しました。コントラクターは、自給飼料型のTMRセンターの設立に向けて垂直型の展開と、飼料生産、堆肥生産・散布、TMR調整、ヘルパー作業など水平型の展開を目指す必要があると指摘しました。
さらに、主食用米からWCS、麦、大豆、子実トウモロコシを含む地域の輪作体型を組織的に採用することが重要で、これにより農地や地域資源を最適に活用し、地産地消で地域住民の結びつきを強化できると述べ、「美しく強靭な持続可能な循環型農村経済圏(スマート・テロ・ワール)」を築くことが社会的に重要であり、これがSDGSに寄与すると語りました。そして、循環型経済圏を構築することで、競争活動を通じて全体の食料自給率が38%から58%まで向上する可能性があるとの見解を示しました。
また、遠野先生は、今注目を集めている飼料用イネの極短穂茎葉型品種を活用した生産体系のメリットについて詳しく説明しました。微細断型収穫機や乳酸菌剤の利用により、高品質で低コストの稲ホールクロップサイレージ(WCS)生産が期待できるとのお話です。
今後、本県でも極短穂型茎葉品種の利用が進む見通しであり、地域での有効な活用を検討する場合には、是非、当試験場にもご相談いただければ幸いです。浦川先生と遠野先生は当該分野のエキスパートで、浦川先生からはスマートテロワールも含めて現場起点の取組みを幅広く紹介いただきました。また、遠野先生からは特にイネWCSについて具体的なお話をいただきました。質疑応答も活発で、参加者の理解が深まったと思います。
 畜産試験場では、自給飼料の増産促進に向けて、今後も試験研究と普及に向けた取組を進めます。

shasin1 会場の様子

shashin2 浦川先生の講演

shashin3 総合討議の様子(左:浦川先生、右:遠野先生)

お問い合わせ

所属課室:長野県畜産試験場 

塩尻市大字片丘10,931-1

電話番号:0263-52-1188

ファックス番号:0263-51-1316

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