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更新日:2023年1月20日
中国の北部、黄河が湾曲する北に位置して、首都北京市、天津市を取り囲んでおり、北東部は渤海湾に面している。河北省の旧称冀州から、略称は冀である。
7,383.75万人(長野県の約36倍、日本の約半分) (2014年)
18.88万平方キロメートル(長野県の約14倍、日本の約半分)
東南(沿海部)から西北(山岳地帯)に向かって高くなっており、山地と高原が省の面積の約57%を占めているが、標高50m以下の地域も約43%となっている。
温帯大陸性モンスーン気候で夏と冬が長い。夏は高温で雨期は7月~8月に集中し、冬は寒冷で降雪が少ない。春は風砂が多いが、秋は涼しく快適である。年平均気温4~13℃、平均降雨量400~800ミリである。
2013年石家荘市の年平均気温は13.5℃、年間降水量は587ミリである。
河北省は、肥沃な華北平原では早くから農業や文化が発達し、華北に建設された国の都を補佐してきた。
明・清代には、皇帝直轄地(直隷省)であったが、1928年に河北省に改称された。1955年の熱河省域編入と1967年の天津市分離(中央直轄市へ)を経て、現在に至る。
清代末期の20世紀初頭から鉄道インフラ整備や炭鉱の開発により近代工業化に歩みだし、現在では首都北京から放射状にのびる多くの鉄道幹線、高速道路網により内陸交通の要衝になっている。
この立地のメリット(北京・天津のインフラや消費人口)を生かしながら、渤海沿岸地方や省都石家荘市を中心に外資の導入や改革開放政策が積極的に進められている。
華北平原(平野部)においては、小麦と綿花の主要な産地となっている。このほか、平地ではトウモロコシ、落花生、ゴマなどが裏作で栽培され、丘陵地で生産される梨、ナツメ、栗等の生産高は全国のトップで、野菜と漢方薬草の主な生産地である。
地下資源は、鉄鉱石、石炭、石油などで、有数の産出量を上げている。
産出される地下資源の加工型立地構造に特色が見られ、鉄鋼・冶金、装備製造、石油化工、食品、医薬品、建築資材(セメント、ガラス)、紡績品等の7大支柱産業が発達している。電子情報、現代的流通、観光は新しい支柱産業になっている。
雑技や武術の里として知られ、歴史文化遺産は陜西省と並んで中国一と数えられる。独特な民族風情があり、滄州のムスリム文化、琢鹿の炎帝、黄帝、蚩尤の三祖文化、邯鄲の太極拳文化、陶芸文化および安国の漢方薬草などはよく知られている。劉備(三国時代蜀の初代皇帝)、曹雪芹(清代「紅楼夢」の作者)などの著名人も多く輩出している。
避暑山荘、外八廟、長城、木蘭囲場、清の西陵、北戴河、山海関、野三坡、正定寺廟群、白洋淀などがあり、そのうち、承徳にある避暑山荘と周辺にある寺院、長城、清の東陵、清の西陵はユネスコによって世界文化遺産に指定された。
河北大学、河北医科大学、華北電力大学、河北農業大学、河北理工大学、河北師範大学など
石家荘市(1968年~。北京から南西に280km、長野市の友好提携都市)
項目 |
河北省 |
長野県 |
---|---|---|
面積 |
18.88万平方キロメートル |
13,562平方キロメートル |
人口 |
7,383万人 |
209万人 |
平均気温 |
26.7℃(7月)~-3.1℃(1月) |
25.8℃(8月)~-1.1℃(1月) |
降水量 |
581ミリ |
940ミリ |
県(省)都 |
石家荘市(1,276万人) |
長野市(38万人) |
農業 |
畑作地帯 |
園芸作物(野菜、果樹、きのこ) |
工業 |
資源加工(重厚長大)型 |
加工組立(ハイテク)型 |
象徴 |
万里の長城 |
日本アルプス |
共通点 |
南北方向に長い楕円形(境界線) |
河北省は、黄河の北側に位置しているため「河北」と呼ばれています。華北平原の中心部にあり、北部は遼寧省、内モンゴルと接し、西部は山西省、南部は山東省と河南省と接し、東は渤海に接する海岸線が487kmあり、西には山西省の石炭基地に接しています。
歴史的には、中華民族の発祥の地の一つで、古くから群雄が割拠した地域です。明・清代には首都の領地で直隷省となり、1928年に河北省に改められました。省都は、1949年の中華人民共和国の成立後、保定市から天津市へ、天津市から再び保定市へと移動しましたが、1968年から石家荘市になりました。(天津市は1967年に直轄市へ分離)
省内は、石家荘市、唐山市、邯鄲市、泰皇島市、けい台市(けいは刑のりっとうのかわりにおおざと)、保定市、張家口市、承徳市、廊坊市、滄州市、衡水市からなっています。中国の行政区分は、基本的に省-市(県)-郷という区分になっていて、規模の大きな市の中にさらに市や県があるという構成です。
県内では、長野市が石家荘市と、松本市が廊坊市と、坂城町が満城県と友好提携を締結しています。
西部の山西省と接するあたりは太行山脈が、また泰皇島から北京の北部にいたる地域には燕山山脈があります。残りのほとんどの地域が華北平原と呼ばれる広大な平野になっていて、小麦や綿花、トウモロコシの産地です。梨、ナツメ、栗などの生産量は全国トップです。
みなさんよくご存じの天津甘栗。天津甘栗といっても、その産地は天津ではなく河北省にある燕山山脈を挟んだ地域(万里の長城がある地域の南北40kmのベルト上に秦皇島から西へ400kmの地帯)です。この地域で収穫された栗が天津港から出荷されると、天津甘栗と命名されます。河北省のなかでもこの地域で取れるのがとくに美味しい栗だそうです。
北京の北西にある張家口市では、ブドウの栽培が盛んで「長城ワイン」と呼ばれるブランドワインの産地です。
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