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更新日:2024年11月22日
環境保全研究所
感染症部で行っている調査・研究や日常の出来事などの業務風景を掲載しています。 |
令和6年10月16日に、長野県消防学校の特殊災害科でバイオテロ基礎知識の講義を行ってきました。
日ごろ、長野県内各地の消防機関で勤務されている皆様が、放射性物質・生物・化学などによる特殊災害時の対応を学ばれる8日間の研修プログラムの一部として、当部からはバイオテロに使用される可能性がある微生物の特徴や患者の症状、治療方法、感染対策の注意点などを説明しました。
真剣な表情で聴講いただき、また、準備や片付けなども率先して御協力くださる、素晴らしい受講者の方々でした。
バイオテロ基礎知識の講義の様子
令和6年10月10日に、令和6年度厚生労働科学研究費補助金(健康安全・危機管理対策総合研究事業)「公衆浴場の衛生管理の推進のための研究」の一環として、参加協力依頼のあったレジオネラ属菌培養検査の外部精度管理に参加しました。
通常実施しているレジオネラ属菌培養検査の検査方法に従い、配布試料からレジオネラ属菌を分離し、菌種の同定及び菌量の算定を行いました。レジオネラ属菌の培養検査は、7-10日間培養・観察し、培地上にレジオネラ様コロニー(モザイクカットグラス状)が発育した場合、グラム染色や血清型別等の検査により、菌種の同定を行います。
当所では、病原体等検査の信頼性を確保するために腸管出血性大腸菌や麻しん・風しんなど、様々な外部精度管理事業に参加しています。
GVPC寒天培地上のコロニー
モザイクカットグラス状のコロニー
令和3年11月22日、国が実施する感染症流行予測調査に協力するため、麻しん抗体価検査を行いました。この調査は、各保健所管内の医療機関、看護学生、保健所職員等に協力を依頼しており、ご協力いただいた方々の血液(血清)中に、麻しんの感染や発症を抑えるために十分な抗体量があるかを測定するものです。
写真の96穴プレートには、2倍、4倍、8倍...と2倍ずつ段階希釈した血清が各穴に入っており、そこに麻しんウイルス抗原を吸着させた赤紫色の粒子を添加し、両者を十分に混合させます。
血清中に麻しんウイルスに対する抗体が存在する場合、粒子と抗体が反応し大きく広がって凝集しますが、血清中に抗体が存在しない場合、粒子と抗体は凝集せず穴の底に小さくまとまって沈みます。
抗体価は、凝集を形成した最高希釈倍数をもって決定しますが、その際、判定用比較画像と比較しながら抗体価を決定します。
凝集像確認の様子
判定用画像と比較して抗体価決定
検査の結果、年齢群別・男女別の抗体保有状況から、予防接種の対象者・年齢・回数が適正かどうかなどの評価が行われます。
集計・解析された結果は「感染症流行予測調査報告書」として厚生労働省から発行され、今後の予防接種計画の作成や感染症の流行を予測するための資料として利用されています。
また、国立感染症研究所のホームページ(http://www.nih.go.jp/niid/ja/yosoku-index.html)にも公開され、誰でもご覧になれるようになっています。
令和3年11月19日、国が実施する外部精度管理事業「新型コロナウイルスの核酸検出検査」に参加しました。この事業は、検査結果を国立感染症研究所へ報告し、日ごろの検査が正しく行われ、精度の良い結果が出ているかを、国立感染症研究所によって評価してもらうことが目的です。 通常実施している新型コロナウイルスの検査方法に従い、国から配布された試料から核酸を抽出し、リアルタイムRT-PCR検査で新型コロナウイルス遺伝子の検出を行いました。 当所では、このほかにもレジオネラ属菌や腸管出血性大腸菌など、様々な外部精度管理事業に参加し、病原体等検査の信頼性の確保に努めています。 |
リアルタイムRT-PCR検査の様子 |
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