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更新日:2024年3月2日

北安曇郡小谷村中土地区大草連・葛草連

中土村図(一部:明治初期)

概要

姫川の支流中谷川流域は地すべり地帯であり、過去、度々災害が発生しています。
明治の町村地図(中土村図)では、中谷川左岸に「大草連(おおぞうれ)」、「葛草連(くんぞうれ)」の地名を見ることができます。草連(ぞうれ、そうれ、ぞれ)という地名は、崩壊地や土砂の流出による傾斜地を表します。

大草連地区では、1995年(平成7年)に集落の背後斜面で地すべりが発生しましたが、その後の対策工により小康状態となっています。
葛草連地区では、1887年(明治20年)9月27日に地すべりが発生し、明才堰下より中谷川へ土砂が流出したとの記録があります(小谷村誌より)。同集落は、1983年(昭和58年)9月16日に、全戸が転出しました(同)。近年では1995年(平成7年)に滑動し、下部の斜面で水路工の破損や堰堤工の倒壊が発生しています。

中谷川流域の地形は急峻な斜面からなる山地ですが、所々に緩斜面が点在しており、そこに耕地や集落が分布しています。これらは地すべりによって形成された地形です。また、急峻な斜面には崩壊地が多く見られ、土石流や雪崩の発生源ともなっています。

中谷川右岸(北側)の斜面には、新第三紀中新世の仙翁沢層が分布しています。岩相は暗灰色の塊状砂質泥岩からなり、砂岩を伴っています。また、同左岸には、新第三紀鮮新世の暗灰色泥岩からなる長崎層が広がっています。
中谷川西方の尾根には第四紀更新世の流紋岩質火成岩体が貫入しています。また東方の尾根沿いには、第四紀更新世の礫岩や砂岩からなる奉納層や曲師谷層が分布しています。
これらの地層は北東-南西方向(中谷川の流下方向)の走向を有し、同方向に軸を持つ褶曲構造によって変形を受けています。また、中谷川沿いには中土断層が通過しています。
火成岩や礫岩は硬いので、尾根を形成しています。一方、泥岩は風化に弱く、かつ褶曲や断層により亀裂が多く形成されていることから、粘土化しやすく、地すべり発生の素因となっています。

大草連・葛草連周辺地区は、地すべり防止区域、地すべり危険箇所、土砂災害警戒区域(地すべり)に指定されており、土石流危険区域、土石流危険渓流、土砂災害警戒区域・土砂災害特別警戒区域(土石流)、急傾斜地崩壊危険箇所、山地災害危険地区(崩壊土砂流出危険渓流)が重なっています。また中谷川や支流の一部は砂防指定地となっています。

大草連集落内の地すべり対策工は、抑制工として地下水排除工(横ボーリング工、集水井工)、地表水排除工(水路工)、谷止工、フトンカゴ工が施工されており、土石流対策工として堰堤工(透過型)が設置されています。
葛草連地区には、抑制工として地下水排除工(集水井工)、地表水排除工(水路工)、谷止工、カゴ枠工、大型フトンカゴ工が施工されています。また末端部の中谷川渓岸には、床固工及び片法枠工が設置されています。

関係図面

地形図 地質図
 
空中写真  

現地状況写真

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建設部砂防課

電話番号:026-235-7315

ファックス:026-233-4029

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