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更新日:2019年7月20日
消防防災航空センター
「信州の山」
その魅力は一言では言い表せません。
登山者を魅了してやまない「雄大な景色」、「頂きに立った時の達成感」、「四季折々に感じられる自然の豊かさと偉大さ」などが挙げられるでしょう。
北アルプス、中央アルプス、南アルプス、八ヶ岳、北信五岳など、魅力的な山々が多い事、それが近年の登山ブームも相まって登山客が増加している背景でもあります。
さて、そんな魅力に溢れた山登りですが、一歩間違えると大きな事故に繋がってしまいます。
「山岳遭難」
この言葉を聞いて、「自分は大丈夫だろう」、「私には関係ない」と思っている人は多いのではないでしょうか。もちろん、自分が遭難すると思って山に登る人は誰もいません。しかし、実際には思わぬ転倒や滑落により重傷を負ったり、命の危険にさらされる事もあります。
その危険を少しでも回避するためには、「自分の身は自分で守る」ことが基本になってきます。
そこで消防防災航空隊では、実際にあった山岳遭難事故の対応事例から事故概要や予防策を紹介したいと思います。
平成25年の夏、西穂高岳で男性が約30m滑落するという事故が起きました。救助時その男性は全身を打ち、意識状態も悪く会話もできない状態でしたが、その後意識が戻り、リハビリができるまでに回復しました。
その男性が助かった要因の一つに、「ヘルメットの着用」が挙げられます。
滑落時、一番守らなければいけない部分が頭部です。この男性は、ヘルメットを着用していたため、頭部の負傷を最小限に止められたのが助かった大きな理由です。
皆さんも、もしもの時に備えてヘルメットを着用しましょう。
「助かった命をつなぐヘルメット」
平成25年の秋、黒姫山で道迷いによる救助事案がありました。
その方は運良く上空より発見され、無事救助されました。
しかし、誤ったルートに迷い込むと自分の位置も分からなくなり、捜索・救助に時間がかかってしまう場合があります。
さらに、その時に怪我などしていなくても、迷い込んでいくうちに、焦りの気持ち、不安な気持ちから足元がおろそかになり滑落・転倒し怪我をしてしまうおそれがあります。
そうならないためにも、事前に「地図」と「コンパス」は必ず用意して、綿密な計画を立てて登山に出掛けましょう。
ポケットナビゲーションや携帯電話で緯度・経度情報を通報することによって、捜索場所の範囲が狭くなり、早い発見につながります。
また、道迷いに限らず、樹林内や日没間際、たくさんの登山者の中から要救助者を見つける場合などは、
「ヘッドライトの灯り」が非常に有効的になります。ヘッドライトの灯りは上空からでも非常に分かりやすいので、早期発見につながると思います。ヘリが来たらヘッドライトをヘリの方に向けてください。ヘリが見えない場合でも、音のする方に向けていただけると発見が早まる可能性があがります。
「地図持って方角照らすライトかな」
※この写真は参考です。地図やコンパス、ヘッドライトには様々な種類があります。
それでは、安全な登山を楽しみましょう。
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