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更新日:2026年5月18日
環境保全研究所
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<お問い合わせ先> 長野県環境保全研究所 飯綱庁舎 自然環境部 住所 〒381-0075 長野市北郷2054-120 電話 026-239-1031 FAX 026-239-2929 Eメール kanken-shizen<at>pref.nagano.lg.jp(<at>を@に) |
長野県の生物多様性は、3000m級の山岳地を有するこの地域の生態系や美しい自然環境を特徴づけています。この生物多様性のもたらす恵みを未来の世代に引き継ぐため、第五次長野県環境基本計画の基本目標「共に育み 未来につなぐ 豊かな自然と確かな暮らし」の実現を目指して調査研究を行っています。
特に、信州の山岳高原の生物多様性がもつ地域資源としての価値を、SDGs・観光・文化・教育など社会の多分野での取り組みや連携に役立つ形で発信することを目標としています。
また、長野県内の生物多様性の現状を見つめ、守り、回復へと導く拠点として、2025年12月16日に「長野県生物多様性センター(別ウィンドウで外部サイトが開きます)」を設置しました(県庁自然保護課と環境保全研究所が共同事務局)。

信州の代表的な生物多様性ホットスポットの一つ、霧ヶ峰草原
野生鳥獣(カモシカ・シカ・イノシシ・クマ・サル・魚食性鳥類など)が県内で分布域を広げ農林業や生活被害が増加して大きな問題になっています。高齢化が進む中山間地域では、対策を十分担えず農地の耕作放棄が進むなど、地域社会の維持にとっても大きな課題となっています。
県では、法に基づき、種ごとに対策計画を策定し、「野生鳥獣被害対策本部」を設置して総合的な被害対策の展開を図っています。当所では、本研究で得られた各種の生態に関する知識や捕獲個体の年齢、シカの生息密度マップや推定個体数等を対策本部に提供しています。

牧場内を移動するニホンジカの群れ
気候変動の影響を抑えるためには、原因となる温室効果ガスの排出を抑制するとともに、既に顕在化している気候変動への適応策をとらなければなりません。長野県は、気候変動に関する情報の収集、分析、発信と、さまざまな主体の適応の取り組みを促進するため、2019年4月1日に「信州気候変動適応センター」(別ウィンドウで外部サイトが開きます)を設置しました(当研究所自然環境部と県庁環境政策課が共同運営)。当センターでは、県内の気候変動の実態把握や予測とともに、各分野の適応策促進に必要な情報を提供する取り組みをすすめています。

気候変動の影響が最も懸念される高山帯、南アルプス最南部イザルガ岳
研究期間:R4(2022)~R8(2026)年度
長野県では2014年に生物多様ながの県戦略を策定し、人と自然が共生する信州の実現に向けてさまざまな施策を展開してきました。しかし、生態系問題の単独解決には限界があり、多くの分野での保全策の実行と連携が不可欠であると指摘されるようになってきました。本研究では、行政をはじめさまざまな社会経済活動において生物多様性を主流化し、持続可能な社会を目指すために必要な情報の整備と発信、その活用事例づくりを行います。

希少な生きものが生息する草地での草刈り作業(木曽町開田高原)
研究期間:R6(2024)~R10(2028)年度
野生動物と地域社会の共存にむけ、大型哺乳類による農林水産物等の被害軽減や人身被害の抑止の実現は、大きな課題となっています。本研究の目的は、被害対策方針決定に必要となる野生動物側の情報を収集し、提供することにあります。より効果的な被害対策および健全な野生動物個体群の維持を推進するため、野生動物の行動や食性、個体群の増減傾向など、対策に必要な生態情報を明らかにしていきます。

山林内で餌を探すツキノワグマ
研究期間:R7(2025)~R11(2030)年度
猛暑、豪雨、豪雪、暖冬など、近年、気候変動が県内各地で現れ、その影響も農業、健康、防災、生態系などさまざまな分野に及んでいます。こうした気候変動の影響に対して適応していくためには、どこが気候変動に脆弱な地域かを調べる必要があります。本研究では、県内の気候変動の実態や影響の地域特性を明らかにし、社会や経済などの地理的データと重ねることで気候変動に脆弱な地域を抽出します。また、気候変動適応に役立つ基礎的な情報を作成し、提供していきます。

気候変動に脆弱な地域抽出のイメージ
研究期間:R8(2026)~R10(2028)年度
長野県は「長野県生物多様性センター」を新設し、生物多様性の維持・回復・創出に係る相談への助言や環境保全活動の支援のほか、市民の行動変容を促すための情報発信を推進することとしました。また、2019年4月に設置された「信州気候変動適応センター」においても、基盤情報の整備や適応策の創出支援のほか、情報発信による行動変容の喚起に取り組んでいます。
しかし、これら発信した各種情報について、市民がどのように受け取ったか、市民の行動してみようという意識を向上させることに寄与したかについての検証は十分になされていません。そのため、この研究では、地域の自然環境の保全や回復、気候変動対策のために、市民が自発的に行動を起こすきっかけとなる情報の伝え方を明らかにします。特に、思わず行動したくなるような伝え方(ナッジ)や、集団内の個人の行動が周囲の仲間からの影響を受ける効果(ピア効果)に着目しながら、効果的な情報の伝え方を検証していきます。

座学型講座での情報提示効果の評価イメージ
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