感染症情報(2025年第29週)
長野県(健康福祉部疾病・感染症対策課)プレスリリース令和7年(2025年)7月23日
2025年第29週(2025年7月14日~7月20日)の感染症の発生情報です。
主な発生動向
- 百日咳の報告数は前週から増加し(前週:83人→今週:96人)、引き続き例年より多い状態で推移しています。

- 伝染性紅斑の報告数は前週から微減しました(前週:3.37人/定点→今週:3.35人/定点)が、例年より多い状態で推移しています。
- 新型コロナウイルス感染症が4週連続で増加しており、全国的にも増加傾向です。今後の動向に注意が必要です。
注意が必要な感染症等
- 百日咳
百日咳は長引く咳を主症状とする気道感染症です。感染予防のため、手洗いや咳エチケットを心掛けるとともに、咳症状が続く場合は、早めに医療機関を受診しましょう。
また、特に生後6か月以下の乳児が感染すると重症化することがあり注意が必要です。重症化予防のため、定期接種の対象年齢(月齢)に達した乳児は速やかな予防接種を検討しましょう。
〇厚生労働省「百日咳」(別ウィンドウで外部サイトが開きます)
- 伝染性紅斑
伝染性紅斑の主な感染経路は飛沫感染と接触感染であるため、手洗いや咳エチケット等の感染予防に努めましょう。
また、妊娠中に感染した場合は流産等のリスクとなる可能性があるため、かぜ症状がある方との接触には注意しましょう。
〇厚生労働省「伝染性紅斑」(別ウィンドウで外部サイトが開きます)
- 重症熱性血小板減少症候群(SFTS)の注意喚起を掲載しています。詳細は別紙をご覧ください。
重症熱性血小板減少症候群(SFTS)について
SFTSとは
SFTSについて
- 重症熱性血小板減少症候群(Severe Fever with Thrombocytopenia Syndrome:SFTS)とは、主に病原体(SFTSウイルス)を保有しているマダニに刺されることにより感染するダニ媒介感染症です。
- マダニに刺されてから6日~2週間後に症状が出現します。
- 主な症状は発熱、消化器症状(嘔吐、下痢等)であり、重症例では死に至る可能性があります。
(各種調査によると致死率は最大30%程度とされています)
発生状況について
- SFTSの患者は西日本を中心に報告されていますが、徐々に感染確認地域が拡大しています。
- 2025年第28週までの今年の全国累計届出数は110件です。
- 長野県内ではこれまでに患者発生の報告はありませんが、注意が必要です。
感染経路
- SFTSの患者は西日本を中心に報告されていますが、徐々に感染確認地域が拡大しています。
- SFTSウイルスに感染し発症している動物(ペットの犬・猫等を含む)の体液に接触することで感染することもあります。
- SFTSウイルスに感染した患者の体液に直接触れる機会のあった医療従事者が感染した報告もあります。
予防方法
マダニに刺されないように注意しましょう
- マダニは山林や草むら、藪、畑などに生息しており、春から秋にかけて活動が盛んになります。
- 草むらや藪などに入る際は、長袖・長ズボン・足を完全に覆う靴等を着用し、肌の露出を少なくしましょう。(草刈りやキャンプなどの際も注意が必要です)
- マダニの付着を目視で確認しやすくするために、服は明るい色のものがお勧めです。
- 虫よけ剤(ディート、イカリジン)を使用しましょう。
(※虫よけ剤はマダニの付着数を減少しますが、マダニの付着を完全に防ぐわけではありません)
- 野外活動後はマダニを家の中に持ち込まないように屋外で上着や作業着を脱ぎましょう。
- シャワーや入浴時にマダニに刺されていないか確認しましょう。

マダニに刺されたときの対応
- マダニに刺された場合は、無理に引き抜こうとせず、医療機関を受診し処置してもらいましょう。
- マダニに刺された後、数週間程度は体調の変化に注意し、発熱等の症状が現れた場合は、速やかに医療機関を受診しましょう。受診の際はマダニに刺されたことを伝えてください。
第30週は令和7年7月30日(水曜日)発行予定です。
「長野県感染症情報」も併せてご覧ください。
関連資料
長野県感染症情報2025年(令和7年)第29週(PDF:203KB)
長野県感染症情報(別紙)「重症熱性血小板減少症候群(SFTS)について」(PDF:464KB)