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更新日:2017年12月11日
長野県知事 阿部守一
皆さまこんにちは。今から会見を開きます。よろしくお願いします。(手話で表現)
12月8日の会見ということで、11月定例会が本日をもって閉会いたしました。私どもから提案させていただいた予算案、あるいは条例案等について、ご議決いただくことができたので、しっかり着実に予算の執行、あるいは条例を踏まえた対応を進めていきたいと思っています。
特に森林づくり県民税を5年間継続する方向で条例をご議決いただきました。さまざまな県民の皆さまとも対話をし、県議会でもいろいろご意見等承ってきたわけですが、先にお示しした基本方針を踏まえて、来年度から新しい形で森林づくり県民税を有効に生かしていくことができるように、体制整備、準備を進めていきたいと思っています。県民の皆さま方にさらに5年間ご負担いただく形になるので、しっかりと県民の皆さま方のご理解を得られるように広報活動にも力を入れていきたいと思っていますし、今回は林務部的視点以外の活用にも使途を広げていくことになっていますので、林務部のみならず、関係部局が連携して、しっかり執行していきたいと思っています。
それから、予算の関係では、消防防災航空体制再構築ということで、債務負担行為をご議決、お認めいただいたわけですので、これから準備を進めていきたいと思いますし、また、県立武道館の整備についても、長野県の武道振興の拠点として、しっかりと役割を果たすことができる施設となるように、多くの皆さま方にもご協力いただき、整備を着実に進めていきたいと思っています。
長野県知事 阿部守一
それから、県議会以外の観点で1点、私から申し上げたいと思います。記者発表資料をお配りしているかと思いますが、消防防災航空体制の再構築に関連して、安全運航管理幹を設置、配置していきたいと思っています。先月の会見でさらなる安全対策、そして、来春の運航再開に向けた方針を公表させていただいたところですが、本日、先ほど申し上げたように、ヘリの借り上げ等の予算をご議決いただきました。今後、隊員の訓練、あるいは機材のリース等、準備を進めていくわけですが、全ての大前提が安全対策の充実だと思っています。その安全対策の具体的な第一歩として安全運航管理幹を来週から設置、配置していきたいと思っています。消防防災航空センターに安全運航管理幹というポストを新しく設け、そこに、先月まで陸上自衛隊の西部方面航空隊の副隊長を務めていらっしゃった成山誠(なりやま まこと)氏を充てたいと思っています。12月11日の月曜日に辞令交付を行わせていただいて、同日付けでセンターに着任してもらう予定です。
成山氏は防衛大学校を卒業された後、全国の自衛隊の航空隊に配属され、活躍してこられました。ヘリ操縦の豊富な経験があるということはもとより、航空学校の教育部長もお務めになられてきた方です。隊員の教育訓練、そして組織を統括していくという実績をお持ちの方ですので、まさに、安全運航管理幹として新しく消防防災航空体制を再構築していく上では、極めて重要な人材だと思っています。
この安全運航管理幹の配置を第一歩として、しっかりと安全対策を構築して、運航再開に向けた取り組みを着実に進めていきたい。市町村あるいは消防関係者の皆さま方のご理解とご協力をいただきながら進めていきたいと思っています。
私からは以上です。よろしくお願いします。
朝日新聞 辻隆徳 氏
森林税に関して、今回、条例改正案が可決されましたけれども、今定例会では一般質問や農政林務委員会の中でも、北安曇地方事務所職員の不適切な事務の件であったり、大北森林組合の関係であったり、厳しい指摘や説明を求める声もあり、今後さらに、県であったり林務部は信頼回復に努めていかないといけないと思うのですけれども、その点、知事の受け止めと、条例改正案が可決されたことに対する受け止めを、もう一度お願いしてよろしいでしょうか。
長野県知事 阿部守一
まず、大北森林組合の問題については、局面局面に応じて最善の対応を私はとってきたと考えています。その上で、例えば里山集約化事業の手続きの話等の議論が出たわけですけれども、答弁の中でも繰り返し申し上げてきていますように、そもそも本質的に問題がある、補助金の返還を求めなければいけないような事務の不適切さと、必ずしもそこまでに至らないものと両面あるわけですけれども、そこまで至らないようなもののみに議論が集中してしまうと、物事の本質を見失ってしまいかねないと思っています。
もとより大北森林組合の関係では、元役員が刑事裁判で有罪が確定しているわけですし、また、それに関連しての刑事裁判もまだ行われているという状況です。そうした動向は、われわれもしっかり見極めていかなければいけないと思っています。
また、県として反省すべき点はしっかり反省しなければいけないわけですけれども、何度も申し上げているように、今日はコンプライアンスの推進体制もしっかり構築させていただき、森林整備実施後の検査体制も、これまで以上にしっかりした体制を組んでいます。
そういう中で、今回、議決いただいた森林づくり県民税についても、県民の皆さま方のご理解を得られるような適切な執行に努めていきたいと思っています。今回、ご議決いただけたということは、私も多くの県民とかなり森林づくり県民税の関係で対話をさせてきていただいていますけれども、もちろん大北森林組合の問題は非常に大きな問題だと思っていますし、県側の反省事項ももちろんいろいろあるわけですけれども、それと同時に、長野県においての森林整備は極めて重要だ、大切だということを感じている、そういう意見を持っている方が多いわけでして、そうした県民の多くの期待に応えていく上では、この森林づくり県民税をしっかり有効に活用していくということが重要だと思っています。また、それぞれの議員の方は、いろいろな考えがあると思いますけれども、やはり県民の代表として判断いただけたものと受け止めているところです。
日本経済新聞 佐伯遼 氏
信州DCに関して伺いたいのですが、先般発表された宿泊旅行統計調査において、7月の延べ宿泊者数が前年とほぼ同じ水準にとどまったということで、目標の10%増には届かなかったという結果が出ましたが、改めて知事の受け止めを聞かせいただきたいと思います。
長野県知事 阿部守一
信州DC、これはJRグループ、あるいは観光関係者と一緒に取り組んだ大型の観光キャンペーンだったわけですけれども、目標をかなり下回るということで、率直に言うと結果だけ見ると残念な状況だと思っています。ただそのプロセスにおいては、かなりJRの皆さんにもいろいろな工夫をしていただきました。例えばJR東海とJR東日本が相互乗り入れする列車を走らせていただいたりとか、あるいは県としても地域の皆さんと一緒に手を振ろう運動を展開したりとか、そういう意味でこの信州DCでは、次に繋がることもいろいろ取り組めたのではないかなと思っています。
観光部にはよくこの3カ月間の結果を、例えば地域別にもう少し具体的に見るとか、要因分析をするように指示しているところですので、これからの長野県の観光に繋げられるように今回の信州DCの結果を生かしていきたいと思っています。
日本経済新聞 佐伯遼 氏
本日、喬木村で夜間村議会が始まるのですが、これに関して知事は、長野県は課題の最先端地域だというような発言もしていたと思うのですが、課題の解決方法として夜間議会という形についてどうお考えかお聞かせいただければと思います。
長野県知事 阿部守一
喬木村の夜間議会のやり方の詳細を承知していないので、一般的な話で申し上げれば、地方自治ですので法令の枠内という限界はあるけれども、それぞれの地域の実態にあった自治のあり方というものを模索していくということが大変重要だと思います。特に長野県の町村は全国的に見ると小規模な町村が多いという現状もありますので、そうするとどうしてもいろいろな工夫とか、いろいろな努力が求められてくると思っています。理事者側はもちろんですけれども、今、お話いただいたような議会側もいろいろな努力をする、いろいろな工夫をしていくということがこれからますます重要だろうと思っています。喬木村の取り組みも、私もちょっと注目して見ていきたいと思います。
信濃毎日新聞 千野雅樹 氏
今日、「安全運航管理幹」の配置ということで、安全対策の具体的な第一歩というお話がありました。任期が2年になっている理由はどういうことなのか教えていただいてもよろしいでしょうか。
消防課長 花岡徹
任期が2年ということですけれども、当然5年は最大お勤めいただきたいところですけれども、制度的にといいますか、人事の運用上、これからまたいろいろ実績等の成果もあろうかと思います。そういうものを確認しながら、われわれとしては最高のパフォーマンスを出していただくことを念頭に最初の2年で見極め、さらには5年間勤めていただきたいと考えています。
信濃毎日新聞 千野雅樹 氏
成山さんは、教育ですとか訓練、かなりの実績を持っているというお話がありましたけれど、松本の消防防災航空センターの隊員の皆さんたちに知事としてはこういう成山さんのどういった部分を伝えてほしいとか、特に期待するところはありますか。成山さんのこういう経験の中の、こういった部分を特にセンターの隊員の皆さんに伝えていただきたいというのがあれば教えいただきたいのですが。
長野県知事 阿部守一
隊員に伝えていただくということのみならず、繰り返し申し上げてきているように、今回大変痛ましい事故を受けての運航再開を目指しての取り組みの出発点になっていますので、何よりも安全第一の運航を心掛けていきたいと思っています。そうした取り組みを進める上では、やはりヘリコプターに対して精通しているということだけではなくて、実際に運用も行ってきて、さらには教育をする立場、指導する立場でいらっしゃったという経験を持ちの方というのは、率直に言ってなかなか得がたい人材だと思っています。ぜひ成山さんのこれまでの経験を長野県の航空消防、空から安全対策のために十二分に発揮していただきたいと思っています。
信濃毎日新聞 千野雅樹 氏
今日、森林税が可決して、知事の方からも冒頭お話がありましたけれど、委員会の中で、検証や評価に関する仕組みのお話が出て、県の方では「みんなで支える森林づくり県民会議」の方を想定しているというお話だったのですけれど、知事が冒頭におっしゃったように、今回林務部以外の視点にも活用するというのが一つあるかと思うので、委員会の方でも公平性とか中立性としてはどうなのかというお話もあったのですが、知事としては県民会議が検証するということについて、そういうことなのか、もう少し第三者的な機関というのも必要だというようなご認識でいるのか、その辺りはいかがですか。
長野県知事 阿部守一
県民会議と地域会議があって、今回そういう皆さんのお考えを反映させながら検討してきました。しかしながら、条例上は全くそういう規定がないわけです。条例上の規定がないと逆に知事はどんな意見を聞いてもいいという話になる訳でありまして、知事は検証評価を行うに当たっては県民学識経験者、市町村等により構成される会議の意見を聞くものとするというのは極めて常識的な条文だと私は理解しています。
信濃毎日新聞 千野雅樹 氏
むしろこの条例等でしっかりと位置づけて、そういったものを担保していくというイメージで。
長野県知事 阿部守一
そうですね。検証評価を知事だけの目線でやらないということです。
産経新聞 太田浩信 氏
本日、天皇陛下の退位日が正式に閣議決定されたのですが、それに対する受け止めと、皇太子に対して新しい時代への期待を教えていただければと思います。
長野県知事 阿部守一
今の天皇皇后両陛下は私も公式の行事でお目にかかったり、あるいは、ご静養にお越しいただいた時にお目にかからせていただいた中で感じているのは、常に国民の幸せを願っていると、国の安寧を願っていらっしゃるなと思っています。天皇陛下のご退位の日取りが決まった訳ですので、そのこと自体、私としては厳粛な思いで受け止めさせていただいていますし、このご退位が円滑に行われることを期待しているところです。新しく陛下になられる皇太子殿下への期待というのは、私が申し上げるような関係性ではないと思っていますけれども、これまでの陛下が取り組まれてきたことも引き継がれていかれる部分が多いのではないかと思います。ぜひ、これから私ども長野県としては、天皇陛下あるいは皇后陛下にお越しいただいて、栄村の地震の後も多くの被災した皆さんが励まされた、あるいは希望をいただけたということがあります。ぜひ新しく陛下になれる皇太子殿下におかれても、そうした存在であり続けていただけるということを願っていますし、そのようになられるだろうと思っています。
読売新聞 丸山修 氏
本日、「安全運航管理幹」の方に元陸上自衛隊の成山さんが就任されるということで知事からご発表がありましたけれども、この方が担当する職務についてもう少し具体的に教えていただきたいのですが、先ほど知事からこの方のご紹介として、豊富なヘリの操縦経験があるということでしたが、実際、長野県内でパイロットとして操縦に携わるような可能性があるのか、あるいは今後民間の委託先に対して指導するような立場になってくるのか、あるいは今後自前でのパイロットの確保育成に向けて、その上での役割も果たしていかれる予定であるのか、そのあたりを教えてください。
長野県知事 阿部守一
はい。花岡消防課長からご説明します。
消防課長 花岡徹
はい。まず一番目は何でしたか。すみません。
読売新聞 丸山修 氏
操縦経験抱負ということで、実際この方が操縦される可能性というのはあるのでしょうか。
消防課長 花岡徹
まず一つ目、成山さんが、主に緊急出動ですけれども、そちらの方のパイロットをやっていただくという計画は全くありません。ただし、訓練さらに実働の際は、技術の見極め、安全確認の見極め等を同乗していただいて行っていただくということは当然これから必要になろうかと考えています。それから二つ目は。
読売新聞 丸山修 氏
あとは、民間の方に対しても、この方が指導監督していくようなことは。
消防課長 花岡徹
指導監督といいますか、一緒に安全対策について、民間の事業者のルールもありますし、当然そこよりも強い長野県のルールというのを作っていきたいと思っています。それを融和させるためのルールづくりとか、あとは訓練、コミュニケーション、そういったことを成山さんに担っていただきたいと考えています。最後の1点は。
読売新聞 丸山修 氏
最後は、パイロットの確保育成、自衛隊の方なのでパイロット操縦できるような方のネットワークもいろいろあるかと思うのですが、そういうリクルートの関係での役割の期待というのはありますか。
消防課長 花岡徹
はい。当面、これでダブルパイロットの体制を整えられるという入り口まで来たわけですけれども、この先、急いでやっていった場合に、やはり安全対策がおろそかになる、そういったことがないように、とりあえず一回腰を落ち着けて、きちんと体制を作った上で、あとその先をどうするのかということに関しては成山さんをはじめ、関係の皆さまのお力を借りながら検討していきたいと考えています。
読売新聞 丸山修 氏
ではもう1点、観光の件についてお伺いしたいのですが、先日の観光戦略推進本部会議の方で、観光部の方からは世界レベルのホテルの誘致が必要という考えが示されましたけれども、知事のイメージといたしましては、例えば、今、シーズンに入っている野沢や白馬のような小規模な宿泊施設が多いスノーリゾートで、北海道のような大規模リゾートを持ち込むようなことを念頭に置いておられるのか、あるいは例えば軽井沢のような、既に国際チェーンが進出しているようなところを充実させていくとか、また、あるいはこれまで注目されてこなかったような県内の地域を一から開発していくイメージなのか、そのあたり、県としての詳しい方向性というのはまだないかもしれませんけれども、現時点で知事として長野県内の宿泊施設の在り方の今後について持っておられるイメージ、大規模リゾートから民泊までいろいろあるかと思いますが、そのあたりの展望を教えていただけますでしょうか。
長野県知事 阿部守一
はい。まず、ホテルあるいは大規模な宿泊施設等の立地というのは、これはやはり地域の皆さんの理解と協力が不可欠な話だと思っています。そういう意味で、県が何か一方的に、ここに何かを誘致しようというような形ではなくて、地域の皆さんの考え方とか、観光における方向性とかですね、そういうものを共有する中で、必要な対応をしていくという形になろうかと思います。やはり、長野県は世界水準の山岳高原観光地づくりという形で今、取組を進めてきていますけれども、どうしても、例えば富裕層の皆さまが長期間滞在できるような宿泊施設がそんなに多くあるわけではないという現状にあります。もとより、富裕層だけが来ればいいという話ではないので、地域によってそのターゲットとする層も違っていると思いますし、いろいろな富裕層向けの施設もあれば、逆にバックパッカーのような人たちが泊まるような宿があれば、多様な宿泊施設があるということが長野県の観光の受皿としては望ましい地域もあると思いますので、そのあたりについては、地域と丁寧に対話をする中で考えていくべき課題だと思っています。
信濃毎日新聞 竹内啓太 氏
森林税についてなのですが、総務企画委員会で中立公正な検証を求める声が上がっていまして、検証の念頭にある県民会議に私は、4月から全部出席させていただいているのですが、一県民の目線でメンバーを見てみると、森林組合とか行政とか財産区とか、ほとんどがやはり林業寄りの方が多いのかなという印象があって、一部消費者団体の代表の方なんかもいらっしゃるのですけれど、どうしても林業サイドに近いというような受け止めがあります。総務企画委員会の方でも指摘があった、今後、県民会議などを検証していく中で、中立公正をいかに担保していくか教えていただければと思います。
長野県知事 阿部守一
中立公平という趣旨が今ひとつ、先ほど申し上げたように、例えば知事が勝手にやることが中立とか公平という話ではないだろうと思っています。チェックというものも、創設時は、これまで税制研究会でのご議論があり、片方で県民会議でのご議論があり、両面でご議論いただいていた訳です。税制研究会はそもそも税を延長するべきかどうか、税として馴染むのかどうかということを考えてきていただいている訳で、県民会議の方はどちらかというと使途としてこういう使い方になっていていいのかとかですね、有効に使われているのかということを検証してきた訳です。今回、毎年度終了後、実施状況を検証評価していくという訳ですので、現場の実態とか森林整備の実情がわからない人たちが毎年検証するという形は多分想定できないのではないかと私は思っています。そういう意味で、県民、学識経験者、市町村で構成される会議の意見を聞いて、われわれとしてその検証結果を踏まえてどういう運用をしていくのかということに反映をさせていただくという話ですので、極めて一般的かつオーソドックスな取組の内容だろうと思っています。
信濃毎日新聞 竹内啓太 氏
市民オンブズマンのような採用というか、そういったものは考えられますでしょうか。
長野県知事 阿部守一
例えば県政全般をチェックするとか、これは問題だというふうにご指摘いただくという観点ではそういうやり方があり得るのかもしれないですけれども、税の使い道が不適切かどうかというのは監査委員の監査もある訳ですし、県民税の超過課税をやって、そういう形のチェックをやるという自治体は、私は無いのではないかなと思っています。
信濃毎日新聞 竹内啓太 氏
あともう1点教えていただきたいです。次期森林税の使途の認知度の目標として30パーセントという数字を掲げられていらっしゃると思うのですが、今回の県民アンケートだと26.5パーセントが使途について認知されていると。前回は3割を超していたと思うのですけれど、使途を広げる中で前回とほぼ同率の目標というのは知事としてはどのように受け止めてらっしゃいますでしょうか。
長野県知事 阿部守一
それは林務部から答えてもらいます。
森林政策課長 福田雄一
基本方針の中の活用事業の中で、認知度の目標3割ということで掲げさせていただいた点についてのお尋ねですが、実際問題として今お話もありましたように、本来3割ぐらいはあったものが、第2期にでは2割台に落ちているという状況を踏まえまして、やはりそれを回復させていくということがまず必要であろうということから、現実的な数字として設定をしたものです。とりわけ今回のアンケートの中で、高年齢層の方はそれなりの数字が出ているのですけれども、特に若年層が低いということで、そういう方々の認知度を上げていく、少なくとも同レベルに上げていくということで、その数字を目標として、とりあえず掲げさせていただいたところです。
ただ、当然これは毎年度、検討していくという形に条例の条文もいたしましたので、当然さらに高い数字を目指していくということも今後の展開としてはあり得るかなと思っています。以上です。
長野県知事 阿部守一
森林づくり県民税自体を知っているかどうかという数字は68.4パーセントの半面、使い道がよく分からないというお答えをされた方が極めて多いということで、森林づくり県民税は知っていても、使い道が分からないということは、われわれも課題だと思いますので、今福田がお答えしたように、より上げる努力をしていかなければいけないと思います。
市民タイムス 赤羽啓司 氏
「安全運航管理幹」の関係で、読売さんの質問ともかぶるのですが、今の県の職員としてのパイロットが一人30代の方がいらっしゃいます。で、その方の育成というのも、長期的には安全運航にかなり重要な側面だということになってくると思います。そういう後進の育成というところもこの方は関わってくると思うのですが、そこで知事としてどのような役割を果たしてほしいということが具体的にあればお願いします。
長野県知事 阿部守一
もちろん成山さん自体は、指導の立場も含めて経験が長い方でありますから、当然これから、現在いるパイロット、あるいは、これから採用養成していかなければいけないパイロットに対する指導をしっかり行っていただくということが重要だと思います。ただ一方で、「安全運航管理幹」という立場ですので、個々の職員、個々の隊員だけじゃなくて、やはり全体をしっかり見渡して、安全管理に万全を期してもらいたいと思っています。
市民タイムス 赤羽啓司 氏
最後に1点。ちょっと細かいのですが、この方の任期が最長5年間ということであって、この「安全運航管理幹」が、期限付きで置くというものではなくて、これからずっと継続的に置いておくものという捉え方でよろしいですね。
長野県知事 阿部守一
基本的にはそうです。任期付職員制度の法律をつくる時に私が携わっていたので、制度設計がそういう設計になっているので、最長5年という形になっていますが、もちろんこれから新しく置く職ですので、その職の意義とか、必要性については、しっかりこれからもウォッチしていかければいけないと思いますけれども、われわれはやはり安全運航ということが、これから最も重要なテーマですので、基本的にはこの職をしっかり置きながらですね、対応していきたいと思っています。
信濃毎日新聞 井出拓朗 氏
千曲市の新幹線誘致の問題で伺いたいのですけれども、先日、岡田市長が、区切りという発言をされて誘致活動を事実上断念ということになったのですけれども、これに対する知事の受け止めと、今後千曲市への県からの支援の在り方など、考えていることがあれば、教えていただきたいと思います。
長野県知事 阿部守一
新幹線の新駅の設置は、千曲市においては非常に長い間取り組まれてこられたわけです。市民の中にもおそらくはさまざまなご意見があるのだろうと思いますけれども、市長として大変重い決断をされたものと受け止めています。われわれ県の立場としては、これから千曲市がどういう街づくりをされていかれるのかなというところはありますが、もちろん一緒に協力してこういうことを取り組んでくれとか考えてくれということがあれば、千曲市の発展のために出来ることは協力をしていきたいと思っています。
信濃毎日新聞 井出拓朗 氏
あとですね、昨日、千曲市の岡田市長が知事室の方にいらっしゃって、会談されましたけれども、そこでどんなやりとりがあったかというのを教えていただければと思います。
長野県知事 阿部守一
基本的に、これまで取り組んでこられたこと。それから、市長としてそういう決断をしましたというご報告でした。そういう意味で、私の方からは今申し上げたように、市長の立場として、大変重い決断をされたものと受け止めますということと、それから、これからいろいろ街づくりをまたされていかれると思いますので、そうしたものについては、県としても出来る応援はさせていただきます、という話をさせていただいています。
時事通信 金澤俊子 氏
全国知事会の関係でお伺いしたいのですけれども、先般、京都府の山田知事が次の選挙に出馬されないということを表明されまして、それに伴って全国知事会長も、おやめになると思うのですけれども、阿部知事と山田知事はご経歴的にも重なるところが多いと思うのですけれども、山田知事のこれまでの知事会長としての手腕をどのようにご覧になっていましたでしょうか。
長野県知事 阿部守一
私、山田知事が知事会長として果たされてきたご功績は大変大きなものがあると思っています。国と地方の協議の場を初めとして、国に対しても、かなり地方の立場から、しっかりとした意見を出してもらっていたと受け止めていますし、またわれわれ47人、都道府県知事がいるので、なかなか取りまとめていくのも、難しい課題もさまざまあるわけですけれども、しかしながら、同じ方向を向いて進んでいけるように、リーダーシップを発揮していただけたと思っています。
これから国と地方の関係、ますます重要な局面が多くなってくる中で、山田知事がいつの段階でご退任させるのか分からないですけれども、ご退任されるのは、大変残念ですけれども、これまでお取組みいただいてきたことに対しては、本当に心から感謝しているところです。
時事通信 金澤俊子 氏
あと、後継の会長にこういうことを求めたいとか、お考えがありましたら、教えていただけますでしょうか。
長野県知事 阿部守一
そうですね、今申し上げたように、やはり国もわれわれ都道府県あるいは市町村も、最終的には国民のため、県民のため、市町村民のため、住民のための政治行政を行うということは、究極の目的ですけれども、しかしながら立場によって、究極の目的は同じでも、そのプロセスとか、視点が違うということが間々あるわけですので、ぜひ新しい会長には、地方の考え方というものをぜひ、率直に国にぶつけてもらって、国と協力協調するところは協力協調しながらも、場合によっては、国の考え方を地方側に引き寄せてもらう。そういう強力なリーダーシップを求めていきたいなと思います。
信濃毎日新聞 牧野容光 氏
弊社の竹内記者の関連なのですが、森林税の検証の意見を聞く県民会議なのですけれど、今年の9月に地方税制研究会の専門部会がまとめた報告書の19ページの5番によりますと、森林税を継続する場合についてはこういった点に注意してくれという中で、県民会議のメンバーについても改善が必要だと、具体的には、森林行政や林業に直接的に利害を有さない県民の参加とか、そういった参加を求めていて、このような改善が根本的に行われない場合には、ブラックボックスがさらに強固になり、納税者たる県民への説明責任が果たされないばかりか望ましくないとか、そんな指摘があって、多分、総務企画委員会での宮澤委員の指摘も、それと準じたような話だと思うのです。これから継続していくわけですが、そういった税制研究会の指摘だったり、県議会からの指摘も踏まえて、県民会議のメンバーは、森林政策課を中心に決めると思うのですけれども、知事としてメンバーをどういうふうに考えていくかということについて、コメントいただけませんでしょうか。
長野県知事 阿部守一
これは今までと全く同じメンバーでやっていくという形にはならないと思っています。税制研究会からのご意見は基本的に、今回の制度設計は全面的に取り入れてきていますので、林務部でこれから具体的な検討を行っていく形になると思いますけれども。先ほど私が申し上げたように、今回、税を継続するかしないかみたいな話ではなくて、どちらかというと、使われ方の実態が分かる人が入らないといけないだろうと思っています。今回の見直しの大きな点の一つは、今までは林務部所管の行政の部分だけで使っていたものを、もう少し教育の分野であったり、広げていくという形になっています。県民の皆さんにとって、これまでの森林税の使途が、なかなか分かりづらいということもありましたので、有効な使い方についてのご意見等をいただけるという方というものも念頭において、人選をしていくことが重要だと思っています。
中日新聞 今井智文 氏
今日の県議会の方で、県議選の定数見直しの条例が可決されまして、特に下伊那郡からは反発というか、県政が遠くなるのではないか、というような不安の声も上がっているのですけれど、これについては県政の問題、課題だと思うのですが、どう受け止めておられるでしょうか。
長野県知事 阿部守一
これは県議会の定数、あるいは選挙区は、県議会において、自立的に検討されてきたわけです。全く私は関わってない、というのが現状ですし、また私が中途半端に関わるべきものでもないと思っています。そういう意味では、さまざまなご意見、ご議論があるわけですけれども、私としては、県議会議員の決定は決定ということで受け止めていくということだと思います。他方で、飯田下伊那地域は、リニア中央新幹線の開業等に向けて、これからさまざまな課題もあります。私の立場としては、当然県内各地域がしっかり発展できるように取り組んでいきますし、飯田下伊那の皆さんとも、これまでも相当いろいろな機会で対応させてきていただいていますので、しっかりと地域が発展していくことができるように、知事として取り組んでいきたいと思っています。
長野県知事 阿部守一
どうもありがとうございました。
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