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更新日:2024年8月27日
松本建設事務所
一般国道158号は、福井県福井市を起点として岐阜県高山市を経由し、長野県松本市へ至る主要な幹線道路です。全国的に人気の高い観光地である上高地や乗鞍高原へのアクセス道路としても利用されています。
しかし、山間道路のため代替路線がなく、ひとたび災害が発生すると、集落の孤立や観光・物流面に大きな影響を与えることとなります。
国道158号は、一級河川梓川と切り立った崖に挟まれた線形不良区間が連続しており、交通事故が多い上、法面からの落石や雪崩等の災害が度々発生するなど、安全で円滑な走行に支障が生じている状況です。
これらの課題を解消し、主要幹線道路としての安全の確保と交通の円滑化を目的とし、トンネルと橋梁を含めたバイパス事業を実施しています。
【諸元】
地籍:長野県 松本市 安曇
延長:1,540m(トンネルL=1,060m 橋梁L=110m)
幅員:車道幅員6.5m 全幅9.0m(2車線)
事業着手:平成29年度~
【トンネル諸元】
トンネル全長:1,060m(掘削全長1,058.5m)
道路幅員:(路肩1.25+車道3.25×2+路肩1.25=9.0m)
掘削断面積:標準部(D1)74㎡ 非常駐車帯(D1-L)91㎡
縦断勾配:1.59%(下り)
平面線形:R=700m~∞~R=330m
最大土被:163m(TD.360m)
最小土被:41m(TD.760m、両坑口部を除く)
地質年代(基盤岩):中生代三畳紀~ジュラ紀
地質:砂岩~泥岩~含礫泥岩
両坑口地質:新生代第四紀河岸丘堆積物層
【トンネル掘削工法】
掘削方式:NATM 発破掘削方式
掘削工法:D:上半先進ベンチカット工法
ずり搬出方法:タイヤ方式
トンネル工事は、「鹿島・守谷・北信特定建設工事共同企業体」が受注し、令和3年7月から準備を進め、令和4年6月7日の安全祈願祭を経て、令和6年8月23日に貫通式を行いました。
実施工にあたっては、当初の掘削から、想定よりも地質が悪く、切羽に肌落ちが生じる状況で、途中においても、地質は安定せず、湧水も発生する状況でした。
そんな中で、施工時の安全確保及び地山の安定を優先に考え、補助工法を追加するなどし、工事を安全に進めてまいりました。
起点(岐阜県)側坑口から片押しにより掘削を進め、実掘削から約2年かけての貫通となりました。
実貫通の瞬間は、以下の動画からご覧いただけます。
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