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更新日:2023年9月25日

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長野県内の山岳遭難発生状況(週報)

1.先週の発生

日付 場所

性別

年齢

死傷別

態様 概要
9月19日 京ヶ倉 54 行方不明 不明 単独で登山に行ったまま行方不明
9月20日

北アルプス

爺ヶ岳

81 死亡 発病 2人パーティで山頂から柏原新道を下山中、発病
9月21日

中央アルプス

空木岳

74 無事救出 疲労

2人パーティで山頂から池山尾根を下山中、

疲労により行動不能

9月23日

北アルプス

乗鞍岳

59 負傷 転倒

8人パーティで剣ヶ峯から畳平に向けて

下山中、転倒、負傷

9月24日

北アルプス

白馬岳

65 負傷 転倒

単独で白馬大池から白馬岳に向けて縦走中、

バランスを崩し、転倒、負傷

9月24日

北アルプス

前穂高岳

24 負傷 その他

単独で明神岳から前穂高岳に向けてバリエーションルート

を縦走中、膝をひねり、負傷

  • 9月24日北アルプス白馬岳遭難現場

(JPG:857KB)

2.山岳安全対策課からのアドバイス

先週県内では、1件の死亡遭難を含む6件の遭難が発生しました。9月に入ってから、毎週死亡遭難が発生しています。

京ヶ倉は人気のある里山ですが、「馬の背」と呼ばれる場所は登山道の両側が絶壁で切れ落ち、険しくなっています。里山は標高が低いため、危険箇所が少ないイメージを持たれがちですが、急斜面での滑落や道迷い等多くのリスクが潜んでいますので、行動中は慎重な行動を心掛けましょう。

空木岳の遭難は、長時間行動していたことにより日没となり、さらに疲労も蓄積して行動不能となってしまった事案です。遭難者は、雨で体がぬれて低体温症の危険もある状況でしたが、救助隊が夜間出動したことにより無事救助されました。

登山中における夜間行動は、視界が利かないだけでなく、気温が下がり体が冷える等多くのリスクをもたらします。

万一、予定していた行動よりも大幅に遅れてしまったり、悪天候に見舞われてしまったときには、安定した場所や風雨をしのげる場所でビバークする判断も必要です。

県内では、徐々に気温が下がり、標高の高い山域では、最低気温が2度となり氷が張った場所もありました。

日中は日が当たれば暖かく感じることもありますが、稜線上で風に吹かれると体が冷えて、手がかじかんだり寒さで足が震えてしまうなど行動にも影響が出てしまうこともあります。

登山を計画されている方は、普段携行している装備にプラスして、「寒さ」や「防風」対策にダウン、フリース、手袋等の装備を携行しましょう。

3.山岳遭難発生状況(令和5年1月1日~9月24日)

※令和4年数値は1月1日からの同期間数値

区分

発生

件数

死者

行方

不明

負傷

無事

救出

遭難者

令和5年

235

28 4 130 97 259

令和4年

214 25 2 103 106 236
前年同期比 21 3 2 27 -9 23

4.山域別発生状況(令和5年1月1日~9月24日)

区分 件数

件数

比率

死者

行方

不明

負傷

無事

救出

遭難者

北アルプス

槍穂高

52

22.1%

11

0 26 19 56

後立山

53

22.6%

6 2 35 15 58

その他

27

11.5% 2 0 12 15 29

132

56.2%

19 2 73 49 143

中央アルプス

14 6.0% 0 0 10 7 17

南アルプス

4

1.7%

1 0 1 3 5

八ヶ岳連峰

37 15.7% 3 0 18 20 41

その他の山岳

48 20.4% 5 2 28 18 53

235   28 4 130 97 259

5.態様別発生状況(令和5年1月1日~9月24日)

区分 件数

件数

比率

死者

行方

不明

負傷

無事
救出

遭難

者計

転・滑落

69

29.4%

17 0 54 0 71

転倒

59

25.1%

0 0 59 0 59
病気

16

6.8% 3 0 0 13 16
道迷い 20 8.5% 0 0 0 26 26
落石

8

3.4% 1 0 7 0 8
雪崩 3

1.3%

3 0 2 1 6
落雷 0 0.0% 0 0 0 0 0
疲労凍死傷 32 13.6% 1 0 0 37 38
不明・他 28

11.9%

3 4 8 20 35
235   28 4 130 97 259

6.男女別・年齢別比率(令和5年1月1日~9月24日)

区分 男性 (人) 女性 (人) 男女計
死者 不明 負傷 無事 比率 死者 不明 負傷 無事 比率 人数 比率

19歳

以下

0 0 1 6 7

44

24.7%

0 0 0 3 3

13

16.0%

10

57

22.0%

20代 0 0 8 9 17 0 0 3 2 5 22
30代 3 2

10

5 20 1 0 0 4 5 25
40代 4 0 12 9 25

59

33.1%

1 0 9 6 16

38

46.9%

41

97

37.5%

50代 5 1 20 8 34 3 0

12

7 22 56
60代 4 0 24 15 43

75

42.1%

1 0 10 7 18

30

37.0%

61

105

40.5%

70以上

6

1 13 12 32 0 0 8 4 12

44

22 4 88 64 178   6 0 42 33 81   259  

比率

68.7% 31.3%  

お問い合わせ

長野県警察本部地域部山岳安全対策課
電話:026-233-0110(代表)