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更新日:2025年5月30日
長野県(環境部)プレスリリース令和7年(2025年)5月30日
富山大学、野尻湖ナウマンゾウ博物館、筑波大学、諏訪湖環境研究センターからなる研究グループは、水草が復元しつつある野尻湖の沿岸帯で、水草量と魚類個体数との関係や、捕食者を避けるため水草を有効に利用する小魚の生態を明らかにし、成果を学術専門誌Freshwater Biologyに発表しました。
● 一般に湖の水草帯は小魚の生息空間として重要だと考えられていますが、魚類による利用や行動の実態は未解明でした。
● そこで、近年水草が復元しつつある野尻湖の沿岸帯において、水草量と魚類個体数との関係や魚の行動(採餌・捕食回避)を調べました。
● 調査の結果、水草が多い環境ほど在来魚(主にヨシノボリ稚魚)、外来魚(主にブルーギル稚魚)ともに密度が高い傾向がありました。
● 行動解析により、水草の中で小魚は、大型の捕食者(主にコクチバス)を効果的に避け、採餌行動を変化させることがわかりました。
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野尻湖の水草帯 写真提供:富山大学 |
水草帯(エゾヒルムシロ、セキショウモ、エビモ)を利用する魚類 (コクチバス:左上、ヨシノボリ稚魚:左中、ブルーギル:右下) 写真提供:富山大学 |
現在、国内の多くの湖沼で、ブラックバスなど肉食性外来魚の増加により、在来魚が捕食の脅威にさらされています。今回得られた水草の重要性に関する知見を活用し、諏訪湖環境研究センター等では県内湖沼における生物多様性保全に関する研究を今後も進めてまいります。
※掲載誌リンクURL
https://doi.org/10.1111/fwb.70045(別ウィンドウで外部サイトが開きます)
※詳細は共同プレスリリースをご覧ください
https://www.u-toyama.ac.jp/news-press/113720/(別ウィンドウで外部サイトが開きます)