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更新日:2022年12月8日

水産試験場

諏訪湖のヨシノボリ

信州の魚たち

○ヨシノボリ
「よな」あるいは「よなかじか」とも呼ばれます。以前は「よな」は「とんこ(=ジュズカケハゼ)」とは違う種類として区別されていましたが、今では共に「とんこ」と総称されています。
諏訪湖のヨシノボリ
ヨシノボリは体の模様の違いによって9種類以上に分けられます。尾びれの付け根が橙色になることから名付けられた、トウ(橙)ヨシノボリが諏訪湖の在来種だと考えられています。本州の淡水域ではごく普通の種類と言えますが、生息場所による変異が大きく、いくつかの型に分けられる場合もあります。
天竜川など河川にすむカワヨシノボリは胸ビレのスジ(条)の数がヨシノボリに比べて少なく、別種として明確に区別されます。
諏訪湖での産卵期
諏訪湖では5月から8月ころが産卵期で、礫の下側に雄が巣をつくって雌を呼び込み、礫の下面に卵を産みつけさせます。その後、雄は卵がふ化するまで巣を守っています。湖の沿岸部や流入河川河口付近が産卵場所と考えられます。
浮遊生活から着底、そして川へ
ふ化後しばらくの間はまだ泳ぐ力が小さく、仔魚(しぎょ)は浮遊して生活しています。5月から9月ころ、特殊な採集ネットを用いると湖の全域で採集することができます。2cm弱の大きさで、ミジンコなどの動物プランクトンを主に食べています。ふ化後40日くらいすると沿岸に移動し、湖の底の方で生活するようになります。湖から遡って川で暮らすものも多く、夏の時期には川で群れているのがよく見られます。
ブラックバスの食害
胃内容物としてエビについで多く見られます。ブラックバスが増えた湖ではエビ類とともにハゼ類が姿を消すと言われます。ブラックバスに追われたのか、湖よりも川で見かけることが多くなったようにも思えます。
仔魚(しぎょ)と稚魚(ちぎょ)
仔魚とは、ヒレの形がまだはっきりとは形作られていない時期のものを言います。稚魚とは、種類を分類する上で重要な指標であるヒレのスジ(条)の数が親と同じになった段階のものを示します。稚魚では、まだ親(成魚)とは色や模様が違っていることが多いです。
仔魚⇒稚魚⇒未成魚(成熟していないもの)⇒成魚(一人前の魚)

 
同じ個体のヨシノボリの写真ですが、顔つきが違って見えます。(8cm)

水槽に張り付くヨシノボリ
腹びれを吸盤のように使っています。(3~4cm)

お問い合わせ

所属課室:長野県水産試験場 

長野県安曇野市明科中川手2871

電話番号:0263-62-2281

ファックス番号:0263-81-2020

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