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更新日:2019年3月29日

平成31年3月9日に開催した県政タウンミーティングについて
専門学校生とともに『魅力ある職業教育』と『学びの県づくり』について考える

開催概要

開催日時:平成31年3月9日(土曜日)13時30分~15時30分

場所:学校法人秋桜会丸の内ビジネス専門学校(松本市)

意見交換テーマ:専門学校生とともに『魅力ある職業教育』と『学びの県づくり』について考える

参加者:40人

進行役:内川小百合 氏(丸の内ビジネス専門学校 学校長)

会議次第(PDF:346KB)

会場の様子

今回は、中信地区の専門学校生とともに、地域で学び地域で働く魅力などについて意見交換しました。

【知事あいさつ概要】

今日、皆さんとお話ししたいと思っているテーマは大きく2つ。

一つは、『学びの県づくり』。

長野県は教育県と言われてきたが、最近は教育県ではないのではないかと言われている。

例えば大学への進学率であったり、全国学力テストの成績が47都道府県の中で長野県はトップの方ではないということが伝わってそう感じていると思うが、昔、なぜ教育県と言われていたのかというと、一つは、幕末の頃に寺子屋が多かったことや、明治維新後の小学校の就学率が日本で最も高かったということ。昔から学力テストや大学進学率を比べていた訳ではなく、長野県の人たちが教育に対しての強い思いを持っていたから。子どもも労働力という時代に学校に行かせようとしたことや、皆でお金を出し合って学校を作るというような、教育とか人づくりに対して強い思いがあったのが長野県。

もう一つは、いろんな教育者を輩出しているということ。ある意味、日本の教育は長野県から作っていったと言っても過言ではないと思っている。

私は、教育に対する熱意や思いを持っている人が多いという意味では、まだ長野県は教育県であると思っている。

なぜ、教育県再生ではなく『学びの県づくり』と言っているかというと、これからは一人ひとりが主体的に学ぶ時代でなければいけないと思っている。人生100年時代であり、また、世の中が急速に変化しているなか皆さんが常に学び続けていく、そのような県にしたいという思いから、教育県の再生ではなく『学びの県づくり』とさせていただいている。

これからの『学び』は学校での学びだけでなく、社会人になってからも学び続ける県にならなければいけないと思っているので、多様な学びのあり方について皆さんからお話しをお聞きしたい。

もうひとつお聞きしたいテーマは、『郷学郷就県づくり』。

これは、信州で学ぼう、信州で働こうということ。

長野県の人たちは、高校を出ると結構県外に行ってしまう。私は県外とか海外に行く人の足を引っ張るつもりは全くないが、もっともっと若い人たちが長野県に定着してもらえるようにしたい。あるいは、もっともっと県外や海外からも来てもらって長野県で学んで長野県で働いてもらえるような県にしていきたいと思っている。

ただ、そのためにはもっと県の魅力を上げていかなければいけないと思うので、長野県で多くの若者たちが学びたくなるような、そして働きたくなるような、そうした県になるにはどうしていけばいいのかということも皆さんと一緒に考えたい。

 

【内川校長あいさつ】

今日は、阿部知事にこの場にお出でいただいたことに心から感謝申し上げる。学生にとっても、こんなに間近に知事とお会いしながら自分たちの考えを聞いていただけるということはめったにないチャンスだと思っている。若い人が、今、何を考えて行動しようとしているのか、そして将来どんな仕事をして長野県を支えてくれるのか期待している。

今日は中信地区の専門学校の学生と卒業生、そして先生方もお集まりなので、思っていることを率直にお話しして楽しい素敵な時間になればと思っている。

 

以降は、内川校長先生の進行により皆さんのお話しをお聞きしました。

 

【県内の専門学校を選んだ理由】

最初に、なぜ、今の専門学校を選んだのかお聞きしたところ、「先輩から様子を聞いて決めた。」、「都会にも同じ分野の専門学校はあるが、県外だと一人暮らしになってしまい生活が大変だが、家にいれば家族がいて心が休まる。」、「地元に就職して地域に貢献したいから。」などの発言がありました。

 

【外国人留学生が抱える課題】

参加者には外国からの留学生も多かったため、留学生の方にお話を伺いました。

なぜ信州・松本を選んだのかお聞きしたところ、「先輩から良いところと聞いたから。」、「住みやすく母国の街に似ているから。」などの発言がありました。

また、知事から何か困っていることは?との質問には、「学費や生活費がすべて自費なので奨学金があると助かる。」との発言がありました。

皆さんの発言に対し知事は、「長野県は、今、インバウンド(訪日外国人旅行)に力を入れていて、長野県に来た外国観光客は、速報値で昨年146万人泊と多くの方に来ていただいている。これから外国の方に対する就労ビザも緩和されていく。日本全体の人口が減っていて、有効求人倍率もずっと1.6~1.7倍と求人している企業の方が多い。これからは外国人の方にももっと活躍していただけるような県にしていかなければいけないと思っている。私は、長野県で働いていただけるなら奨学金制度があってもいいのではないかと思う。」と答えました。

 

【自分に合った働き方・暮らし方を】

参加者の皆さんは、ほとんど県内就職を希望されていましたが、中には、「ICTなどの情報技術は都会の方がいち早く情報が入ると思うので県外も考えている。ただ、県内の専門学校には先輩の就職実績とか県内企業とのつながりもあるので迷っている。」、「都会には大きな企業がある。そこで経験を積みたい」などの発言がありました。

これに対し知事は、「信州ITバレーを作ろうと考えているところ。長野県はまだIT系企業が少ないと思うが、IT関係の人たちはむしろ大都市でなくてもいいと思っている。IT系の人たちは長野を拠点にして仕事をしている人も多い。都会には有名な企業が多いが、自分はどんな働き方や暮らし方が合っているのかということをよく考えた方がいいと思う。大組織はなかなか自分が思うようにできないことが多い。小さい組織はリスクもあるかもしれないが、自分がやりたいことができる。これはどっちがいいとかではなくて自分はどんな働き方をしたいのかということによると思う。東京の暮らしと松本の暮らしはだいぶ違うと思うがこれも同じこと。悩むことも大事なので良く考えてほしい。」と答えました。

 

【専門学校卒業生から】

専門学校の卒業生も参加していただいたので、専門学校で学んだことや思い出などをお聞きしたところ、「基礎的なことも専門的なことも学ぶことができた。」、「実践的な実習が多く現在に役立っている。」、「在学中に多くの資格を取得できた。」などの発言があり、思い出としては、「外国人留学生と得意なダンスなどでコミュニケーションを取りながら仲良くなった」、「学校の行事で仲間と協力してやり遂げたこと。」、「学校行事で異なる学科の人との横のつながりもできた。」、「テスト前に皆で勉強会をしたことが印象に残っている。」などの発言がありました。

これに対し知事は、「専門学校で学ぶ良さは、友達と体験を共有したり、切磋琢磨したり、そこで知り合った仲間たちと同じ業界でこれからも繋がっていけるということがあると感じた。人間は一人では生きていけないので、人と人とのコミュニケーションや人の気持ちを思うことはすごく大事。専門学校の仲間とのつながりとともに、横の広いつながりも大切にしてもらいたい。」

「県の組織は縦割りと言われているが、県民の皆さんも縦割りがあるのではないかと感じている。地元の同じ仲間といつも付き合っているとか、保護者は保護者同士とか。社会を良くしていくのは皆さん。自分たちでできることは自分たちの力で良くしていってもらいたい。そのためにも横のつながりは大切にしていただきたい。」

「人生100年時代でいろいろな働き方や生き方が出てきているなか、二十歳未満は学ぶ期間であとは働く期間という昔のような単線型ではなく、常に学び続けなければいけない社会になってきている。働きながら学んだり、学びながら働いたり、そういう繰り返しの生き方もどんどん増えてくると思うので、ぜひ皆さんには社会人になったあとも学び続けてもらいたい。」と答えました。

 

【先生方の思い】

先生方にもお話しをお聞きしました。学生に対して何を学んでもらいたいか。日頃どんなことに重きを置いているかお聞きしたところ、「自ら学んで考えて行動すること。」、「留学生は日本語コースで勉強してからビジネスコースでさらに勉強して地域に就職しているので大変苦労している。いろいろな面で応援していただきたい。」、「必要な資格を取得すること。実習を通じて働くための下地を身に付けること。」、「2年間という短い期間で充実した教育を提供すること。専門学校卒業という学歴を身に付けるのも重要な資格だと考えてフォローしている。」、「地域で貢献できるよう地元での就職を意識している。」、「仕事してからも勉強していかないと質の高い仕事はできない。その学習習慣を身に付けるのが資格試験や実習。」、「専門学校は社会と学校の橋渡しができるところ。仕事をするということはどういうことかを少しずつ身に付けられる。また、学校生活の中で問題を自分で解決する力を身に付けられる。」、「4年制大学で学ぶより早く社会に出られる。地域で学んで地域で活躍する学生を育てたいと考えている。」との発言がありました。

これに対し知事は、「外国人留学生のお話しを伺ったが、これから長野県は外国籍の方たちとも共生できる社会にしていかなければいけないと思っている。働く側面と暮らしの側面と両面で県としての方針を立てていきたいと思っているので、その中に留学生の皆さんや専門学校のことも念頭に置きながら考えていきたい。」

「地域貢献や学校と社会をつなぐというお話しがあったが、県立の高校と地域社会をもっとつながるようにしていかないといけないと思っていて、県内の高校は信州学をやってもらうようにしている。場合によっては専門学校でも地域とどうつながるかとか、地域のことを教えてもらいたいと思っている。我々行政はこれから地域のコーディネーター役をやらないといけないと思っているので、今度は専門学校を経営する方ともお話しをしたいと思っている。」と答えました。

その他、「高校も学ぶことが多すぎて、何となく学んでいることが多いように感じる。もし、この職業でやると早く決められる人は、もっと早くその道に行けるようにしてあげた方がいいのかなと感じた。」

「若い人の引きこもりや自殺などの社会的問題がある中で、義務教育段階だけでなく、高校や専門学校あたりまで含めてもうちょっと社会がフォローすることを考えていく必要があると思っている。」とのコメントがありました。

 

【知事総括コメント】
知事の総括コメントは以下のとおりです。

今日は、皆さんとお話しさせていただいて、専門学校はとても地域密着であると感じるとともに、皆さんが職業のことを意識して頑張って勉強しているということが良く分かった。

長野県を発展させるためにも、そして日本を発展させていく上でも、若い皆さんが本当にやりたいと思っていることを後押ししてあげられるような教育システムや社会でなければならないと思うので、そういう方向で長野県の運営の仕方を考えていきたい。

長野県を変えるのは皆さん。社会を一緒に変えていくパートナーとして、今日、この場で一緒にお話しをさせていただいて大変うれしく思っている。

ぜひ、私も頑張るので、皆さんもそれぞれの分野で地域や社会がより良く、そして元気になるように頑張っていただきたい。

(以上)

 

 

 

会議録(PDF:842KB)

 

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