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更新日:2023年5月11日
長野県知事 阿部守一
それでは、きょうは私の方からまず3点お話をしていきたいと思います。始めに、きょうから9月定例県議会が開催されます。先ほど提案説明でも述べましたが、私としては4期目を迎えての最初の県議会になります。改めて初心に立ち返って県民の皆さまのご期待に応えられるよう全力で取り組んでいきたいと思いますし、また、県議会の皆さまのご議論、あるいはご提言、こうしたものも真摯(しんし)に受け止めながら、県政を丁寧に進めていきたいと思っています。今回の県議会においても、コロナ対策であったり、あるいは物価高騰対策であったり、非常に重要な予算案をご提案しているところですので、しっかり対応をしていきたいと考えています。
長野県知事 阿部守一
それから2点目ですが、森林づくり県民税について基本方針案を取りまとめました。プレスリリース資料(会見資料2)をお配りしているかと思いますが、本日、基本方針を取りまとめて、県民の皆さまからご意見を頂戴したいと思っています。提案説明でも触れましたが、この森林づくり県民税について、令和5年度以降の対応については、これまでもアンケートを実施したり、あるいは県民会議の皆さまのご意見を伺ったりと慎重な検討をしてきています。そういう中で、長野県としては令和5年度以降も森林づくり県民税を延長したいということで、今回この基本方針案を取りまとめたところです。きょうからパブリックコメントを行い、また、県民の皆さまへの説明会も開催をしていきたいと思います。県の考え方をしっかりと県民の皆さまにお伝えをして、多くの皆さまのご理解を頂けるように取り組んでいきたいと思っていますし、頂いたご意見も踏まえて、県としての最終的な考え方を取りまとめた上で、できれば11月定例県議会に議案を出すように準備をしていきたいと思っています。ぜひ、多くの皆さまからご意見を賜れればありがたいと思っています。(長野県知事が)私になってからもこの森林づくり県民税を延長しましたが、この間も非常に環境が変わってきていると思っています。一つはゼロカーボン、脱炭素の社会をつくる上での森林の重要性が非常に大きくクローズアップされてきていますし、多くの森林を抱える長野県としては、何とかこの森林を活用してCO2の吸収源として維持していきたい、CO2の吸収量を少しでも増やしていきたいと思っていますし、また、心豊かな社会をつくっていく上でもこの森林資源を積極的に活用していく、県民の皆さまに親しんでいただくことができる森林を整備したい、また、市町村がいろいろ取り組まれている森林についてのさまざまな課題、病害虫による被害木であったり、あるいは支障木の伐採であったり、こうしたことにもしっかり対応していかなければいけないと思っています。そういう観点で、私どもの考え方、いろいろな方のご意見も伺う中で取りまとめていますので、ぜひ多くの皆さまにご理解を頂きたいと思っています。そういう意味でパブリックコメントを10月21日まで行いますので、多くの皆さまから率直なご意見をお寄せいただければありがたいと思っています。
長野県知事 阿部守一
それから、新型コロナの対応ですが、本日、本部会議を開催して、医療特別警報を解除し、医療警報に切り替える対応を取りました。資料の方(会見資料1/スライド5ページ)で、まず、新規陽性者数については2万人を超えたところをピークとして、1週間当たりの新規陽性者数は着実に減少してきています。また、(会見資料1/スライド6ページ)確保病床使用率についてもピークから比べますと、だいぶ下がってきています。(会見資料1/スライド7ページ)入院されている方、確保病床以外での入院患者の数もだいぶ減少してきていますし、また、(会見資料1/スライド8ページ)医療従事者の方自体が濃厚接触者、あるいは陽性者になられることで、医療のひっ迫の要因になっていましたが、医療従事者のお休みになられている状況も、ピーク時の2割程度まで下がってきています。(会見資料1/スライド9ページ)こうしたことから医療特別警報を解除したいと思っています。まずは確保病床使用率25%を下回るところまでしっかりもっていきたいと思います。少し下げ止まりになりつつある状況も見受けられるので、しっかり感染状況が安定するように引き続き多くの皆さまにはご協力を頂きたいと思っています。そういう中で、来週から全数届出が変わります。全数届出を行わない形に全国一斉に切り替わりますので、これを契機として、陽性になられた方への対応を変えていきますのでお伝えをしたいと思います。ご承知のように、これまでは新型コロナの陽性になられた方はすべて医療機関から発生届を出していただくことで対応してきています。26日以降はそこ(会見資料1/スライド12ページ)に記載されてある方、65歳以上の方、入院が必要な方、重症化リスクがあり、かつコロナ治療薬や酸素投与を必要と医師が判断する方、そして妊婦さまということでこうした方に限定されますので、保健所では直接的にこうした方以外の情報は把握できない形になります。ただ、医療機関からは陽性者の数と年代についてはご報告いただくことになっていますので、そこの部分だけは把握ができる形になります。そうしたことから対応を切り替えていきます。(会見資料1/スライド13ページ)徐々に一般的な対策に切り替えていく形になるわけでありますけれども、変更していく主な対応ですけれども、まず発生届対象外の方に対しては、保健所等から連絡は行わない形になります。注意事項等は、受診されたとき、あるいは軽症者登録センターに登録されたら登録されたときにお渡しするチラシで対応いただきたいと思っています。また、症状悪化時等、受診希望の際は、診断されたお医者さま、それからかかりつけ医に直接相談・受診をしていただくようにご案内をしていきたいと思っています。そういう意味でこれまでは保健所、あるいは県行政がかなり関わってきましたが、通常の他の病気の対応と同じように基本的には医療機関と患者の方との対応が中心になっていきます。もとより入院される方や先ほど申し上げた発生届の対象となります重症化リスクがある一定の方であったり高齢の方、こうした方については、これまでと同じように対応していきますけれども、そうでない方に対する対応は大幅に変わります。そういう観点で、療養証明書発行も発生届対象外の方については終了としますし、一方で軽症者登録センターについてはこれまで20代、30代、(40代)の方を対象にしてきていますけれども、中学生から65歳未満の方にまで対象を広げて登録を受け付けていきたいと思っています。こういう大きな変更になりますので、県からも市町村、あるいは関係の皆さまに周知をしていきますし、関係機関と連携して円滑な移行を心掛けていきたいと思いますけれども、ぜひメディアの皆さまからもこうしたことをお伝えいただいて、県民の皆さまがコロナへの行政としての対応、医療機関の対応が変わってくるということをご理解いただけるようにぜひご協力いただければありがたいと思っています。(会見資料1/スライド14ページ)それから、保健所、あるいは健康観察センターからの連絡がなくなりますが、必要な物資の支援等については継続して行いますので、必要があればご連絡を頂きたいと思っています。また、困りごと等があれば健康観察センター、また、受診先がどこにいけばいいか分からないといったような方も健康観察センターにご相談をいただければと思います。そういう意味でこれまではどちらかというとすべての方たちにプッシュ型でこちらから情報提供していますが、今後は発生届の対象にならない方については、陽性になられた方の側からアプローチをしていただくことが必要になってくる部分がありますので、ぜひご理解を頂ければと思っています。それから次のページ(会見資料1/スライド15ページ)、宿泊療養施設への入所であったり、生活支援物資等の配布については継続します。また、療養証明書の発行は行いません。また、軽症者登録センターの積極的な活用をお願いしますというのは先ほどから申し上げている通りです。以上のような変更になっていきますが、今後、私どもとしては次なる波の発生に備えていかなければいけないと思っています。これから冬にかけては、季節性インフルエンザと新型コロナの同時流行も想定しながら対応していかなければいけないと考えています。そうするとできるだけ多くの医療機関に新型コロナの対応を行っていただくことが必要になってきますし、また、感染された方、陽性になられた方、患者の方についてもこれまで新型コロナの対応は他の病気と全く違うような対応になっていましたけれども、できるだけ軽症の方、重症化リスクが低いような方については、一般的な対応に切り替わっていく、切り替えていかなければいけないので、まず26日以降は今申し上げたような対応を取ります。今後、国においても新型コロナの対応をどうするか検討をされているところだと思いますし、また、県としても次の大きな波に備えてどういう対応を取っていくかについては継続的に検討していきたいと思っています。最後、きょうの本部会議における知事指示事項と書きましたけれども(会見資料1/スライド16ページ)、今申し上げたように一つは9月26日から対応が大きく変わることについてしっかり周知をしていかなければいけないということ、それから陽性者数は減少基調ですが、まだ医療警報発出中ですので、特にレベル4の圏域については、重症化リスクが高い方を守るために呼びかけの徹底をしていくということ、そして、観光面を中心にWithコロナの対応をしていかなければいけないと思っていますので、事業者の皆さまと連携してWithコロナに向けた対応を進めていくこと、そして4点目としては、次の波に備えての対応を講じていくこと、こうしたことを指示したところです。何度も申し上げていますけれども、また次の波が来ることに備えつつも毎回毎回違う状況に新型コロナは変異したりして変わってきていますので、しっかり状況を見極めながら適切な対応が取れるように取り組んでいきたいと思っています。私からは以上です。よろしくお願いします。
信濃毎日新聞 野口健太郎 氏
26日以降、対応が大きく変わるということなのですが、把握の仕方も少し変わってくるとのことで、医療機関の方で把握はできる、ということなのですが、県が今、県民に向けて出している感染警戒レベルというのが、根本的な部分で変わるかと思うのですが、そういう部分については県民にとって一番身近な指標だと思うのですが、どういうふうな運用になるのかお伺いいたします。
長野県知事 阿部守一
まず、感染警戒レベルについては、今、内部的に見直しの検討を行っています。第6波までと第7波と比べると、ご存じのとおり陽性者の数に比べて入院される方の数がだいぶ少ない状況になっていますので、こうしたことも勘案しながら適切なレベル感を考えていきたいと思います。また、これまでレベル1からレベル6まできめ細かく感染警戒レベルを定めていますけれども、今年に入ってからの対応としては、かなり社会経済活動に対する強い要請を行わない、これは長野県もそうですし、全国的にもそういう方向になっています。ワクチン接種も進んだり、一定程度重症化リスクが抑えられていることもあって、そうした対応になっているわけですけれども、こうしたことも念頭に置きながら、このレベルの在り方については考えていきたいと思っています。
信濃毎日新聞 野口健太郎 氏
今、考えていくということだったのですが、めどのようなものがあるか、というのが1点と、あと知事のお話の中でもあったのですが、基本的に今、医療機関へのひっ迫度合いというのが、レベルの方は重視されているような印象もありますが、基本的にはそちらの方をより重視する、というようなことになるのでしょうか。全数把握ができなくなってくる、ということで。
長野県知事 阿部守一
まず、めどとしては、先ほど申し上げたように、きょう医療特別警報を医療警報に切り替えましたが、依然、医療警報が出ている状況ですので、医療警報発出中は見直さない、見直すと混乱する可能性がありますので、医療警報の解除後に向けて検討している状況です。それから、どこに着目するかについては、当初は新規陽性者数重視でしたが、ご指摘のとおり今はどちらかというと確保病床使用率重視の医療アラートで感染警戒レベルも頭打ちにする形の仕組みにしています。基本的には医療側を重視するという観点は、今後も継続していく必要があると思っていますが、ただ、今回の第7波は入院だけではなくて、外来(診療)のひっ迫という状況も発生しました。そうすると、どうしても新規陽性者の数が増えると、入院には至らないまでも外来には影響を及ぼす形になります。先ほどの軽症者登録センターは、外来の負担を減らそうということで、対象年齢も拡大していくわけですけれども、この外来のひっ迫についても、何らかの形で今後視野に入れながら考えていくことが必要ではないかと思っていますので、そうしたことを総合的に今検討しているところです。
日本放送協会(NHK) 峯田知幸 氏
きょう発表のあった内容と少しそれてしまうのですけれども、G7サミットを前に行われる外相会合が本日、来年の4月16日から18日に開催されるということで政府が明らかにしました。国際会議の開催というと経済効果も大きいですしメリットも大きい一方で、警備体制の万全であったり、そういった課題もあるかと思います。改めてこの会合に向けた知事のご所見を伺えたらと思っております。
長野県知事 阿部守一
来年、軽井沢町で開催されることが正式に決定して、日にちも明らかになってきましたので、県としては気を引き締めて、準備に万全を期していきたいと思います。昨日も外務省の北川G7サミット事務局長ともお話をしましたけれども、しっかり外務省とも連携しながら、地元の軽井沢町や、特に警備の面では県警本部にだいぶ負担をお掛けする形になりますので、県警とも連携・協力を図りながら、いい形で海外から各国の外務大臣、そして関係の皆さまをお迎えできるように取り組んでいきたいと思います。
長野放送(NBS) 宮入想 氏
全数把握の関係なのですが、発生届の対象でない方が保健所からの連絡の対象でもないということで、自宅療養中に体調が悪化した場合の対応とかも一つ課題にはなってくるかと思うのですが、そのあたり対応の方針というか、お考えをお聞かせいただいてもよろしいですか。
長野県知事 阿部守一
先ほど申し上げたように、受診をされたときには医療機関からこういうときはこういう対応をしてください、というチラシをお配りしますので、それに基づいて行動していただければと思います。健康観察センターであったり、あるいは保健所でも県の方で今まですべての方を事前に把握していましたけれども、事前に把握はしないことにはなりますけれども、そうした方に対して全くケアしないということではありませんので、必要な支援、生活物資等の支援も行いますし、必要な相談にも対応していきたいと思っていますので、ぜひ陽性の診断を受けられた際に医療機関から渡されるチラシをよく見て、対応いただければありがたいと思います。
長野放送(NBS) 宮入想 氏
もう1点、きょう議会で、火山防災の日の制定のお考えもありましたけれど、改めてこの狙いと具体的な取り組みであったり、あるいは制定に向けたスケジュール感というか、今決まっているところでいいので、お願いしてもよろしいですか。
長野県知事 阿部守一
きょうの提案説明でもお話ししたように、9月27日は長野県としては、これから将来に向けてもしっかり胸に刻まなければいけない日だと思っています。本当に多くの方が犠牲になられた、この御嶽山噴火災害の教訓をしっかりと後世に生かしていくことが重要だと思います。火山防災対策、これまでも御嶽山、あるいは他の火山も含めて取り組んできていますけれども、やはりどうしても歳月が経つとだんだんその当時の状況が直接に分かる人たちも、例えば行政の中でも異動等があるので少なくなってしまう。そういう意味では、毎年毎年、しっかりこの火山防災について思いを新たにする日が必要だと思っています。これは御嶽山噴火災害の犠牲になられたご遺族の方からもそうしたことが必要ではないか、ということもご指摘を頂いてきていますし、私としてもこれから将来に向けて、多くの火山を抱える長野県としてはしっかりと対応していく、そして防災意識を高めていく、そういう意味では火山防災の日を制定していくことが必要だと思っています。
信濃毎日新聞 立松敏也 氏
26日からの対応のところで、発生届の対象にならない人の療養なのですけれども、一つはチラシによるいろいろなお願いという形になるので、行動についての気をつけなくてはいけない面とか、そこらへんをきちんと読んで、律儀に守ってくれるか、というところに少し不安があるのかと思います。あと、もう一つは、身近な医療機関の方で体調が悪化したときに相談できる、ということなのですけれども、休日は医療機関はお休みになりますし、土日とかですね、夜間は健康観察センターも閉まる、ということで、つまり土日に関していうと健康観察センターに連絡が集中してしまうのではないか、あるいは夜間でいうと保健所に連絡が集中してしまうのではないか、いずれも手薄なときに、しかも一から感染した方の個人情報とかも聞き取らなければいけないということになるので、そこらへんのひっ迫というのはどうなるのかという懸念がないのか、というところ、この2点について伺いたいと思います。
長野県知事 阿部守一
まず、先ほどから申し上げているように、一定の重症化リスクが高い方については、そもそも発生届の対象でずっと継続します。これまでの状況を見ていると、やはり重症化リスクが高い人は入院されたりする必要性が高いわけですけれども、その他の方については、ほとんど軽症のまま状況が推移しているということですので、先行県の事例を見ると、確かに発生届の対象外の方の数が非常に多くなることが見込まれますけれども、ただ、そうした人たちがすべて途中で症状が悪化して対応が必要になるか、というと必ずしもそうではない状況ですので、一定程度、保健所、健康観察センター、そうしたところで対応ができるのではないかと思っています。もとより、長野県もこれまでもコロナ対策をどんどん切り替える中で、その都度必要な対策を講じてきましたので、26日以降の状況を見ながら必要なことがあれば、さらに追加して対策を講じていきたいと思っていますが、当面こうした対応で十分移行できるのではないかと考えています。
信濃毎日新聞 立松敏也 氏
さらに追加した対策というのは、人員の配置という面でポイントを絞って増強するとか、そういったことですか。
長野県知事 阿部守一
これまでも例えば相談件数が増えればそれに対応して必要な人員の増強をしたりしてきていますので、今どちらかというと新規陽性者数の減少局面で、増加局面だとどんどん大変になる局面になりますけれども、今どちらかというと減少局面に入っていますので、今の切り替えた段階からさらに困難になっていくことはないだろうと思っています。
信濃毎日新聞 立松敏也 氏
長く話した最初の方に申し上げたのですけれども、保健所からのファーストタッチがなくなって、チラシによる周知になると。チラシ1枚ということで内容を律儀に守ってくれるのかどうか、少し不安な気もするのですが、そこは知事、どうお考えでしょうか。
長野県知事 阿部守一
チラシとはいえ、基本的には医療機関でお渡しいただく形になるので、軽症でもう診察がいらない方は別ですけれども、医療機関に行かれた方は、ただ単に医療機関に行ってチラシだけ渡されるのではなくて、お医者さんが当然お話しされることとセットでチラシを渡されることになりますので、もし心配なこととかあれば、その際、その医療機関でお問い合わせいただきたいと思いますし、それは普通の病気であれば一般的な対応だと思いますので、それを申し上げれば、一般的な医療に徐々に切り替えていく、過渡的な状況だとご理解いただければと思います。
信濃毎日新聞 立松敏也 氏
障がいのある人もない人も共に生きる長野県づくり条例のところで、調整委員会というのがこのたび10月に発足することになります。この調整委員会は学識経験者の方と障がいのある当事者の方と、あとは事業者とかの、合理的な配慮が求められる側の主体が、三者がだいたいバランスよく配置して15人くらいで構成する、と聞いているのですけれども、役割として、紛争が相談段階で解決しなかったときに対応するということなのですけれども、そういったいろいろ見識のある方々が集まるのであれば、他にもいろいろな活躍のしようというのもあるのかという気もするのですけども、知事としてはどんな役割を期待していらっしゃいますでしょうか。
長野県知事 阿部守一
紛争が起きたときへの対応はまず基本的な役割だと思います。紛争処理機関に対応を委ねるような状況ができるだけ少なくなるようにすることが県の役割だと思いますので、そういう意味では事業者の皆さまに事前に今回の条例の趣旨等をよくお伝えしていくことが必要だと思います。これは健康福祉部だけの対応ではなくて、産業労働部等も含めて、関係の皆さまにしっかりどういう配慮が必要なのか、どういうことが差別的な取り扱いになってしまうのか、ということについて分かりやすくお伝えする工夫をしていきたいと思います。
信濃毎日新聞 立松敏也 氏
関連なのですけれども、国連の障害者権利委員会の方から日本政府が勧告を受けるというのがこのたび初めてありまして、障害者権利条約をどれだけ守っているか、ということに関して、その中で教育というところで分離された特別支援教育をやめるように、原則としては、ということだと思うのですけれども、それとその上ですべての障がい児が普通の学校に通うことを拒否されないようにしなければならない、ということもおっしゃっていて、現状でいいますと、特別支援学校に通う子どもたちは長野県も増えているという状況なのですけれども、なおかつ今回の県条例も障害者権利条約の思想というか精神にのっとって定めたものだと思うのですけれども、その観点からいって、現状の長野県の特別支援教育の在り方とか、これから目指すべき方向というのはどのようにあるべきだと考えますか。
長野県知事 阿部守一
今、県民文化部で人権指針の改定に取り組んでいますが、まさに今ご質問があった国連での日本に対する報告になっていますかね、私がコピーを県民文化部に渡して、こういう観点も含めて人権指針を検討してほしいとお願いしています。こういう観点で、というのは、今回私の公約の中にも人権系の話をいくつか書かせていただいていますけれども、世界的な水準から見るとまだまだ日本社会は課題が多いと思っています。そういう意味でこの人権対応についても、世界水準を意識した取り組みをしっかり行っていきたいと思っています。
市民タイムス 萩原真一 氏
火山防災の関係とインバウンドと定年延長と、それぞれ1点ずつ伺いますが、まず火山防災、先ほども質問が出ていましたが、知事さんとして目標としては、いつ頃をめどに制定したいとか、そういった目標みたいなものがあるのか、というのと、あとビジターセンターの活用ですね。火山防災の日との絡みで何かお考えがあるかという、まずそれを。
長野県知事 阿部守一
提案説明で申し上げたように、県が自分だけで決めて、火山防災の日ですよと言ってもなかなか実効性が上がりませんので、できるだけ多くの皆さまの理解と協力を得ながら制定したいと思いますので、そういう意味で市町村をはじめ関係の皆さまと相談をしながら進めたいと思っています。ただ、今年の9月27日はまだ間に合いませんけれども、来年また9月27日の御嶽山噴火災害の当日が来るわけですので、そこまでには明確な形で制定できるようにしていきたいと思っていますので、この1年を待たずに、できるだけ早く制定をしていきたいというのが今の私の考えです。
市民タイムス 萩原真一 氏
続いて、インバウンドの関係、きょうの提案理由説明の中でもオーストラリア訪問、トップセールス等々ありましたけれども、具体的にもうオーストラリア訪問の日程等は決まっているのか、というのと、あと冬、向こうは夏冬逆になりますから冬のトップシーズンの前に、というようなお考えなのか、そのへんを。
長野県知事 阿部守一
まず、冬のシーズン前に、というのはその通りですし、日程については今調整中です。こちらだけの都合でただ行っても効果が上がりませんので、訪問先とも調整しなければいけないので、また固まりましたらお伝えをしたいと思います。
市民タイムス 萩原真一 氏
最後に、条例を出された定年延長の関係ですけれども、今、民間企業でも65歳はだいたいベーシックになりつつあると思うのですけれども、そういった経験ある職員に期待する部分とか、そこらへんの思いをお聞かせください。
長野県知事 阿部守一
65歳に定年が順次引き上がるにあたって、私が考えなければいけないと思っていることは、一つは高齢職員の60歳を超えて65歳まで働かれるようになる方のやる気の維持、モチベーションの維持、やはりしっかりとやる気をもって働いていただけるような職を作っていかなければいけないと思っていますし、その一方で、これまで以上に、比較的若い職員にすると自分より目上の人たちが多くなるので、若い人たちが早い段階で責任ある仕事をできるようにしていくと、こちらも若い職員の能力開発とモチベーションの向上だと思いますけれども、両面からしっかり工夫をしていきたいと思います。私としては、単に定年年齢が延長しました、ということだけではなくて、これを契機に県の組織が本当に良い方向で変化できるようにしていく大きなチャンスだと思っていますので、そうした観点で生かしていきたいと思っています。
信濃毎日新聞 古志野拓史 氏
2点お願いしたいと思います。森林づくり県民税の延長の表明が先ほどありましたけれども、提案説明の中でもゼロカーボンですとか、そういった必要性の部分というのはかなり手厚く言及されているのかという印象を受けました。今回これまでの延長のときと違う点は、次の県民税の徴収期間に国税の森林環境譲与税が始まるということだと思うのですけれども、その整理も含めて精査した結果、引き続きお願いしたいという言及があったのですが、整理については担当部局からもご説明いただいたりしているところなのですけれども、知事とすれば森林税はこういう部分でぜひ必要で、森林環境譲与税はこのためにこちらも欠かせないという、そういう意味でいうとどんな部分、どんなように整理できたというか、そんな受け止めがありますか。
長野県知事 阿部守一
皆さまのところに資料お配りしていないのかもしれないですけど、基本方針本体の8ページのところに他財源との整理を書いています。森林環境譲与税は、基本的には市町村が中心になって、今までなかなか管理が及ばなかったようなところをしっかり対応していくということが中心に組み立てられていますので、今回長野県が取り組んでいこうとしているようなものとの整理については行っていけると思っています。例えば、治山事業で取り組む分野、あるいは造林事業で取り組む分野、そして森林づくり県民税についてはこれまでも防災・減災のための里山整備であったり、観光地の景観整備であったり、こうしたことに活用させてきていただいています。今回、主伐・再造林に大きく転換していくための補助金にも充てていきたいと思っていますが、そういう意味でこの森林環境譲与税と森林づくり県民税については、すみ分けをすることは可能だと思っていますし、そういう観点で今回の方針の中にもお示しをしているところです。
信濃毎日新聞 古志野拓史 氏
整理はつけられているというご認識というか、で承知しました。一方で具体的な金額の負担のことに関しては、これも部局の説明ですと再来年度から森林環境譲与税が一人当たり1000円ですかね、徴収が始まって、森林税の500円とあわせて1500円というような形になるわけだと思うのですが、継続した場合にどのくらい負担が妥当か、というような県民アンケートで、現在の金額と同じ500円、という、これは森林税についてお聞きになっていると思うのですけれども、森林環境譲与税を含めると1500円という森林に対する税負担ができてしまうかと思いまして、物価高騰といいますか、なかなか県民生活も余裕がない中では、このへんについてはどんな受け止めがありますでしょうか。現状からは3倍になるのかな、森林環境譲与税を含めてですけれども。
長野県知事 阿部守一
受け止めというか、そういう見方もあるんだな、と思って今伺ったのですけれども、県が聞いて県民からご意見をお出しいただいているのは、あくまでも県としての森林づくり県民税の話ですので、森林環境譲与税は復興税、今も課税している部分が振り替える形になるのですよね。だから、今の段階から純増に全部なる形ではないと思いますので、より厳密に聞くとすれば、そういうことも含めて聞くことも確かにあり得るのかもしれないですけれども、今回県としての森林づくり県民税についてどうですかと聞かせていただいている、ということでいいのですよね。
森林政策課長 柳原健
今回県民アンケートを求めた際には、令和6年から、復興財源としての既に徴収されている1000円が終わって、翌年から森林環境税ということで徴収が始まります、ということはアンケートの冒頭にお示しをした上で、是非についてお伺いしたということで、今回出した方針の中にもアンケートの表紙を付けていますので、そういう観点で集計したものです。
信濃毎日新聞 古志野拓史 氏
マイナンバーカードの関係で、先日知事からも取得の呼びかけがあったかと思うのですが、これもマイナポイントというポイント制度の活用を呼びかけられた趣旨があると思うのですが、今後のマイナンバーカードの取得率に応じて国の交付金の取得について差がつけられる、というか、そういった競争的な視点からこのマイナンバーカードのことが進められている、というのは一部報道もあったりしまして、この件について知事のご所見を伺えればと思うのですけれども。弊紙でも報道しているところなのですけど、デジタル田園都市国家構想交付金の一部について、住民のカード取得率が全国平均以上でなければ受給を申請できない仕組みを構想しているというような報道がありまして、政府とすれば普及に向けた努力を促す効果を期待しているのだけれども、自治体側とすれば低迷していればデジタル田園都市国家構想交付金について手が挙げられないというような、そういうことも構想段階ではあると思うのですが、ある、ということで、以前にも取得率について競争的に運用するというような報道がありましたけれども、こういうスタンスについてご所見があればと思ったのですが。
長野県知事 阿部守一
その交付金の考え方についての詳細はよく分かりませんけれども、私としては、社会のデジタル化を進めていく上では、マイナンバーカードの普及を促進していくのは必要だと思っています。ただ、これは行政同士でどうだこうだ言っていても始まらないというか、住民の皆さまがやはり持っていた方が便利だよね、とか、積極的に取得したいな、と思える環境を作っていくことが重要だと思いますので、前回は若干、誘導的な発言で申し訳なかったですけれども、今ポイントがもらえるので、価格高騰で皆さま大変な状況の中でできるだけそうした仕組みも有効に使ってもらいたいという呼びかけもしましたし、来年度からは保険証としても活用できる形になってきます。これは医師会の皆さまともお話をしていますが、医師会の皆さまも前向きにお取り組みいただだいているようですので、そうした社会が変わっていく状況を県としてもしっかり県民の皆さまに伝えていくことがまずは重要だと思います。
共同通信 滝野瀬雅史 氏
火山防災の日の関連なのですけれども、先ほど知事の発言の中で、実効性を担保するために市町村と協議する、というお話がありましたが、現段階で想定されている実効性というのは、具体的にどういった内容になるのか、例えば学校が休みになるとか、予算措置の裏付けが必要なのか、とか、そのあたりを具体的にお聞かせください。
長野県知事 阿部守一
担当部局と全然相談していない、私が勝手に申し上げますけれども、信州山の日を制定した後も、例えば県だけの行事ではなくて、いろいろな地域で、やはり信州山の日に関連した取り組みをしてもらったりしています。県として火山防災の日を制定するからには、御嶽山の周辺だけではなくて、例えば浅間山地域だったり、他の地域の皆さまの理解と協力、そして取り組みであったりも必要になってきますので、そういう意味では関係の皆さまと丁寧にお話をしながら、単に、例えば私がこの何とかの日ですよ、と勝手に宣言して、県として要綱を作ってしまえば、やろうと思えばきょうにもできてしまいますけれども、それだと作る意味はほとんど失われてしまいますので、火山防災の考え方であったり、火山防災の日を定めるからにはその日にどういう取り組みをしていくかについても、関係する皆さまと意識の共有を図りながら取り組んでいきたいと思っています。
共同通信 滝野瀬雅史 氏
関係する皆さま、というのは、例えば他の県の火山があるような、長野県に限らず他県の火山のある地域、についても呼びかけるという。
長野県知事 阿部守一
いえいえ、長野県として定めようと思っています。国にもそういう日を定めてもらえばそれに越したことはないと思いますが、長野県としては、まずは火山防災の日を定めようと思っていますので、そういう意味では県内の関係者の皆さまですね。
共同通信 滝野瀬雅史 氏
その際、制定にあたっては県が発表する、という形になるのですか。それとも自治体と一緒に制定する、という形になるのでしょうか。
長野県知事 阿部守一
制定するときには県が制定する形になりますけれども、ただ、その趣旨とか考え方に多くの方たちが理解して賛同していただかないと、作っても意味がなくなってしまう可能性があるので、そうした対応はしっかり行っていきたいと思っています。
共同通信 滝野瀬雅史 氏
制定するときは、例えば議会に提案して、とかそういう立てつけになるのですか。
長野県知事 阿部守一
いや、例えば議会で条例で定めるような形ではないですね。
共同通信 滝野瀬雅史 氏
では、あくまでも宣言をされる、という。
長野県知事 阿部守一
宣言というか、山の日は要綱、県として要綱を定めて制定していますので、基本的に同じような想定を今のところはしています。
中日新聞 大久保謙司 氏
先ほどの質問と関連しまして、ご遺族からもかなり要望があった話がありました。昨年度もご遺族の方から防災週間というような形で1週間程度幅広に取った中で安全対策を呼びかけるような週間を作ってほしいというご要望があったかと思いますが、そうした意見もご参考にされた上でご検討ということでよろしいでしょうか。
長野県知事 阿部守一
9月27日が御嶽山噴火災害の日ですので、その日が日としては望ましいのではないかと思っていますが、ただ、標高の高い山にとって9月27日は、かなり登山シーズンの後半になりますので、例えば前後というか前の1カ月間を何とか月間にするとか、いろいろなやり方があると思いますので、先ほどお話あったように、実効性あるものにしていく上では、いろいろなことも含めて考えていきたいと思っています。
信濃毎日新聞 井口賢太 氏
コロナの関係で2点お願いしたいのですが、きょう対策本部会議を傍聴できていないので、そこでご発言あったのかもしれませんけれども、季節性インフルエンザとの同時流行を視野に入れて検討、とありますが、これは同時流行すると、どういう状況になってしまうので何を検討するかというところをもう少し具体的に教えていただければと思います。
長野県知事 阿部守一
まさに行政がこれから考えなければいけないところですけれども、一つは例えばコロナの陽性者数の全数届がなくなりますので、市町村ごとの把握はできなくなってきますけれども、しかしながら医療機関からは人数と年代だけは報告いただくので、一定程度把握はできますが、ただ、いわゆる発熱外来と称するところにお越しいただく方が、新型コロナの陽性者と、それから季節性インフルエンザの陽性者と両方お越しになられる、受診される形になると、コロナの陽性者の数だけ把握していても、なかなか実態が分からなくなってしまう可能性があります。また、今、コロナは2類の扱いになっていますけれども、費用負担等はインフルエンザとコロナでは違う扱いになっていますので、例えばどちらか分からずに医療機関を受診されたときには、結果として、例えば公費負担になる、ならないとか、今の制度のままいくとそういうことも別々になってしまう形になります。あと検査の仕方も、今、コロナの検査キットについてはオンラインでも購入していただけるような形にはなっていますけれども、今後インフルエンザも同じような対応をしていけるのかとか、いった方がいいのか、とか、いろいろな課題が出てきますので、もし同時流行になれば、今の制度のままいくとかなり複雑な対応になってしまう可能性があります。そういうことを考えると、県として、私が今指示しているのは、そうした事態になったときどういう状況、どういう対応が必要なのかを考えて、必要なものについては、おそらく国も検討していると思いますけれども、早めに対応してもらうように求めないと、急に直前になってからこう対応しますと言われても、なかなか医療機関も行政も対応しきれない場合もあるので、そういう意味で早めの検討をしておく必要があると思っています。
信濃毎日新聞 井口賢太 氏
もう1点、発生届対象外となる方へのお願いのところの、生活支援物資の配布等を継続するということになっていますが、これ先行している自治体では対応が分かれていて、生活物資を配布しなくなったところもあるやに聞いています。あと、自宅療養中の買い物も可能になったような状況だと思いますけれども、そこの上で配布を継続するというのは、やはりより手厚くという、そんな思いがあるからでしょうか。
長野県知事 阿部守一
やはり必要な方、今後も発生届が出ない方も含めて、感染拡大しないようにご自宅にいていただくのが基本ではありますので、できるだけいろいろな支援を行っていくことが必要だと思っています。
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