ホーム > 県政情報・統計 > 県概要 > 知事の部屋 > 知事会見(動画とテキストでご覧になれます) > 2020年度知事会見録一覧 > 知事会見2020年11月19日
ここから本文です。
更新日:2021年3月16日
長野県知事 阿部守一
私からは冒頭4点お話ししたいと思います。1点目ですけれども新型コロナウイルス感染症への対応についてです。今長野圏域レベル4、北信圏域レベル3、全県レベル2ということで、感染警戒レベルを定めて、保健所設置市である長野市をはじめ関係市町村とも連携して対策に取り組んでいます。また本日も今後に向けての対応を検討するための有識者懇談会、そして専門家懇談会を予定しているところです。そうした中で私から改めて、県民の皆さまにこれからの冬場に向けた対応についてお願いしたいと思います。今の状況ですけれども入院者の数は見込みも含めて94名ということです。病床使用率26.9パーセントということで、入院患者の数が非常に急増してきているという状況にあります。地域の医療機関に積極的な対応を行っていただいていますし、また当該感染者のお住まいの圏域以外の地域においても受け入れていただき、対応しています。また宿泊療養者の数も33名ということで、こちらについても医療機関の負荷を減らすという観点で積極的に活用している状況です。こうした状況の中で県民の皆さまの命と健康を守るためにも、また経済活動に大きな影響を出さないためにも、これ以上の感染者の急激な増加が起こることがないように対応していかなければいけないと思っています。
そういう観点で県民の皆さまへのお願いです。専門家懇談会の場でも繰り返し議論されていますけれども、新型コロナウイルスの感染経路は飛沫(ひまつ)によるものと接触によるもの、この二つだということを改めて皆さまにはご理解いただき、周知をしていきたいと思っています。そういう意味でマスクを着けずに近距離で会話をしたり、あるいは多くの方が触れる場所、例えばドアノブ等を触った手でご自分の目や鼻、口を触るといったことを避けてもらいたいと思っています。特に冬場は空気が乾燥します。対策として一つはこれまでもお願いしていますけれども、換気をしっかり行っていただくこと、もう一つは冬場に特にお願いしますけれども加湿をしっかり行っていただくことです。飛沫(ひまつ)感染を防ぐという観点で特に冬場は換気と加湿、この二つを多くの皆さまにお願いしたいと考えています。さまざまな事業所、店舗であったり、ご家庭でもこうした取り組みを心掛けていただきたいと考えています。
それからこういう場面で感染が拡大しているのではないかと考えられるケースを踏まえてのお願いです。一つは会食です。最初のスライド(会見資料スライド「冬季に向けて一層の感染防止対策を!」)でご覧いただいたように、飛沫(ひまつ)感染と接触感染が大きな感染経路です。平常時にほとんどの方は人と会話する時にはマスクを着用していると思っています。ただどうしても食べたり飲んだりする時はマスクを外さざるを得ないという状況になりますので、そういう観点で会食時という場面はぜひ注意していただきたいと思っています。特に密な室内での大人数での会食、あるいは換気が不十分な状況での懇親会、カラオケ、さらには換気していてもマスクをしないで長時間宴会を行うこと、また飛沫(ひまつ)感染対策、あるいは消毒が不十分な状況でのカラオケというような場面です。これまでもガイドラインを遵守していただきたいということを事業者の皆さまにはお願いしていますし、また県民の皆さまにはガイドラインを遵守しているお店の利用をお願いしてきているところですが、密な環境をつくらない、換気をしっかり行っていただく、あるいは長時間の宴会は避けるといったことで、会食を行っていただきながらもこうした対策を十分講じていただきたいと思いますし、事業者の皆さまにもご協力いただきたいと思っています。ちなみに昨日、私は町村会、町村議会議長会の皆さまと会食を行いました。全体の時間は1時間で、人と人との距離も十分取って、人と人との間にはアクリル板を設置して、なおかつ1時間の宴会ではありましたけれども途中で手指消毒も行いました。しかも接触感染を起こさないという観点でも、お酌をし合わないといったことで対応しています。これから会食の機会が増える時期になると思いますけれども、ぜひ十分な対策を行いながら会食をしていただきたいと思っています。それから職場です。職場の関係では県外に出張等で行かれた際に長時間の飲食、あるいは接待を伴う飲食をされて、そして社内に帰られて社内で感染が広がるという事例があります。これまでも県外との往来については慎重な行動をお願いしていますけれども、県外へ行かれた際の行動については引き続きご留意いただきたいと思っています。それから通常の勤務場所においてはほとんどの職場でマスクをされていると思っていますが、休憩時間、あるいは職場で皆で食事をする際、あるいは喫煙や仮眠、こうした場所ではどうしてもマスクを外して会話しがちです。そういう場所やそういう時間帯についてはマスクを着けている通常の状況とは違うということを意識していただいて、人との距離を意識して取っていただくといった対応をしていただきたいと考えています。それから家庭や寮などの共同生活の場ということで、家庭での人との接触をなくすというのはなかなか難しい部分がありますが、例えば会食、あるいは感染拡大地域に行かれた際には気を付けていただくということ、食器やタオルなどを共同利用しないでできるだけ個人ごとに分けてもらうこと、いつも一緒に暮らしている方に限らず帰省等で親族等が加わるときは、親しい人間関係ですのでどうしても密な環境をつくりがちです。そうした状況においてもぜひご注意いただきたいと思います。換気が不十分な自家用車でマスクなしで同乗することも感染につながりやすいという状況ですので、こうした家庭や寮といった人と人とが共同で生活する場における対応もできるだけ工夫をしていただきたいと考えています。感染拡大の原因と思われる事例ということでお伝えしましたけれども、基本は飛沫(ひまつ)感染、接触感染ですので、必要以上に過剰な対応をしていただくということではなくて、こうした基本をぜひ押さえていただいて、それぞれご自分の健康を守っていただく、あるいは周囲の人たちの健康を守っていただく、こうしたことをぜひお願いしたいと思っています。また今後の県としての対策、対応については、冒頭申し上げましたように、本日、有識者懇談会、専門家懇談会を開催しますので、現状を共有した上で対応を検討していきたいと考えています。
長野県知事 阿部守一
二つ目がひとり親のご家庭の皆さまの支援についてです。新型コロナウイルス感染症拡大の状況の中で産業や経済、あるいは生活にさまざまな影響が出ています。そうした中で大きな影響を受けている方の中にひとり親のご家庭があります。平素から家事、育児と仕事の両立を果たさなければいけないということで、さまざまな困難を抱えて生活されているわけですけれども、コロナ禍にあっては職場における休業や勤務時間の短縮、あるいは学校の臨時休業といったことで大きな影響を受けています。そういう意味で生活費の確保、それから精神的なストレスに課題を感じていらっしゃる方が大勢いらっしゃいます。そういう中でメディアの皆さまにお願いですけれども、ひとり親世帯臨時特別給付金の給付を受けられる可能性のある方が、まだ申請されていないのではないかと受け止めていますので、可能性のある方はぜひご相談いただきたいということを周知いただければと思っています。通常、児童扶養手当を受給されていらっしゃる方については臨時特別給付金の対象になっていますが、これまで児童扶養手当を受給されていない方であっても、公的年金等の受給者であったり、あるいは家計急変者の中には受給対象となる方がいらっしゃいます。これまでも市町村の皆さまにもご協力いただいて広報に取り組んでいるわけですけれども、特に家計急変、要は新型コロナの影響で収入が減ってしまったという方については、市町村においても把握することがなかなか難しいということで、対象者に十分ご案内ができていない可能性があると考えています。現時点で郡部における家計急変者と想定される方の申請率は10パーセントに満たないということで、われわれの推計と比べるとまだ多くの方が申請されていないのではないかと考えています。SNSでの広報や民生委員を通じた広報、市町村が持つ情報を利用しての周知、こうしたことを行っていきたいと考えていますが、ぜひこの点を多くの皆さまにお伝えしていただきたいと思っています。
ひとり親世帯臨時特別給付金というものですけれども、1世帯当たり5万円ということで、児童扶養手当を受給されていないひとり親の世帯も対象になる可能性があります。家計急変、それから公的年金の給付をされている方です。お子さまが1人のところのひとり親家庭の場合は、児童扶養手当を受給できる基準が収入ベースで365万円です。すなわち大体月30万円程度です。その収入以上だと通常は児童扶養手当の対象にならないという形になっていますけれども、例えば今年の場合はどこかの月の給料が10万円といったことになれば、10掛ける12が先ほどの基準の365万円を下回っていれば対象となるという形になりますので、今までもらったことがないという方の中にも対象となり得る方が大勢いらっしゃると思っています。ひとり親家庭の方については、ご自分が該当するかどうかよく分からない場合が多いと思いますので、まずはお住まいの市町村の窓口にご相談いただきたいと思っています。市町村に電話して児童扶養手当の担当課と言えば分かりますので、そういうことをお伝えいただいて、受給できる可能性があるのに申請できないという状況は避けたいと思いますので、ぜひご協力をお願いしたいと思います。
それからもう1点ですけれども、先ほど申し上げたようにストレスを抱えていらっしゃるひとり親家庭の皆さまが多くいらっしゃる中でなかなか相談できないという方、でも課題はいっぱいあるという方もいらっしゃると思います。市町村と連携して悩み事への対応を丁寧にしていきたいと思っていますので、市にお住まいの方は市の福祉事務所のひとり親家庭の支援担当窓口、そして郡部、町村にお住まいの方は町村の担当窓口、あるいは県の保健福祉事務所の福祉課まで、さまざまなご相談をお寄せいただければできる限りの対応をしていきたいと考えていますのでよろしくお願いします。
長野県知事 阿部守一
3点目ですけれども、本日の部局長会議で決定した補正予算案、それから条例案です。11月補正予算についても、引き続き新型コロナウイルス感染症対応を進めていきますし、併せて「信州回帰」の促進といった課題にも対応していきたいと思っています。また安全・安心の確保のための災害拠点施設の耐震化であったり、債務負担行為を通じて来年の観光シーズンに向けた道路の維持補修経費、こうしたことも対応していきたいと考えています。一般会計で総額97億198万円余という形になっています。まず新型コロナウイルス感染症対応ということで、3月以降、度重なる補正を行ってきました。7回目の補正予算という形になりますが、今回は医療提供体制の確保と事業者支援、「信州回帰」の促進に対応していきます。医療提供体制の確保として感染症患者受け入れ医療機関への病床確保費用に対する支援を拡充していきます。医療機関に対してすでに予算化している支援策についても、できるだけ早く交付するように努めていきたいと考えています。また事業者支援についてですが、これまでもさまざまな事業者に対する支援を行ってきましたが、今回は高速乗合バス事業者に対する支援ということでポイント還元等を通じた利用回復、あるいは貨客混載等の取り組みでの収益力強化、こうしたことに取り組む高速乗合バス事業者を支援していきます。また製造業に対する支援ということで、コロナ禍で国内外の販路開拓が難しいという状況になっていますので、情報発信から商談までを一体で行うことができるオンラインの発信サイトを構築し、県内製造業を応援していきます。また県の施設の指定管理者も新型コロナで影響を受けていますので、業務継続を支援するという観点での支援策を講じていきます。それから「信州回帰」の促進ということで、銀座NAGANOはこれまでも大変多くの皆さまにご利用いただいているわけですけれども、コロナ後を見据えて今からスペースの拡充に取り組んでいきたいと考えています。地方回帰の動きをしっかりつかんでいくために移住相談、あるいはイベント開催用のスペースを拡充していきたいと考えています。それから「新しい生活様式」の定着ということで、公共工事のICT化を進めていきます。3次元データを活用した設計、あるいは現場の立ち会いを遠隔で行っていくための機器、ネットワーク環境を整備していきます。そしてもう一つ、先日全日本ろうあ連盟からご要請いただきました、聴覚障がい者の方がオンラインでいろいろな会議や教育が行われる中で、なかなか意思疎通がしづらい場面があるというお話があります。そういう意味で、聴覚障がいのある生徒の学びをサポートする観点で、遠隔パソコン文字通訳システムというものを県立高校に導入していきたいと考えています。音声だけではなくて文字表示をリアルタイムで行っていこうと、パソコン上に文字を表示していこうというものです。こうしたことで、聴覚に障がいのある子どもたちを応援していきたいと考えています。それから安全・安心の確保ということで災害拠点施設の耐震対策、あるいは長寿命化工事を前倒しで実施しますし、先ほど申し上げたように春夏の観光シーズンに向けた道路環境の確保ということを、債務負担行為を設定して年度の切れ目を意識することなく対応していきたいと考えています。
長野県知事 阿部守一
最後4点目ですが、11月県議会に提出する条例案についてです。大きく7本あります。松本市が中核市に移行することに伴い、県として権限を移譲していきます。基本的に現在中核市になっている長野市と同じ権限を、来年の4月1日に松本市に対して移譲していくものです。それから産業立地の推進ということで、産業投資応援条例により、新しい視点で産業の投資を応援していきます。中身は不動産取得税の課税免除の特例ということですが、生産性の高い企業の立地を促進するとともに、ゼロカーボンに取り組む先進的な企業の集積を図っていきたいと考えています。特に県としてはITバレー構想を進めていますので、投資金額については情報サービス業、あるいはインターネット付随サービス業などのIT関係の企業については投資金額を他の企業よりも下げ、対象となるケースを広めるという形にしています。それから併せて、ものづくり産業応援助成金を産業投資応援助成金に名称変更して、「地域経済牽引(けんいん)事業計画」の承認事業等、付加価値の高い企業の立地を進めていきたいと考えています。こちらについても全体の基本助成率をこれまでより引き上げた上で、企業の皆さまに対しては県の地球温暖化対策条例に基づく事業活動温暖化対策計画書を提出していただき、ZEB(ゼブ/快適な室内環境を実現しながら建物のエネルギー収支をゼロにすることを目指す建物)、あるいはRE100(アールイーひゃく/事業運営に必要な電力のすべてを再生可能エネルギーで賄うことを目標に掲げる企業が参加する国際的な取り組み)、再生可能エネルギー100パーセント等の認証の取得を求めていきたいと考えています。また本社移転、地方回帰の動きをしっかり生かしていくという観点で、これまでの助成上限額820万円を3億円に引き上げて、本社機能、研究所、研修所、さらにはサテライトオフィスの誘致に努めていきたいと考えています。私からは以上です。
読売新聞 松本将統 氏
先ほどのコロナの会食時での感染防止対策ですけれども、例えば会食時に5人以下ですとか、人数の制限を呼び掛けるという考えはあるのでしょうか。
長野県知事 阿部守一
先ほど申し上げたように、きょう有識者懇談会や専門家懇談会がありますので、そうした中で今後の方針を考えていきたいと思います。会食については、他の県では人数制限を行っている県もありましたけれども、長野県としてはこれまでそうした呼び掛けは行っていません。なぜならば、換気がちゃんとできる環境かとか、あるいはどれぐらいの広さの環境か、例えばこの会見場の中で5人で会食をして、それがリスクが高いかというと、人と人との距離を取ればそのようなことはないだろうと思っています。そういう意味で「密な室内での大人数の会食」と書いていますけれども、これまで長野県としては人数だけで一律に判断しないという方針ですので、基本的にそうした考え方でこれまで来ています。今後の対応についてはまた検討していきますけれども、現時点では人数だけで切るということではなくて、全体としての環境で判断していくということが必要だと思っています。
読売新聞 松本将統 氏
政府が「Go To イート事業」で、原則4人以下ということで知事に検討を求めていますけれども、それも同じ考えでよろしいですか。
長野県知事 阿部守一
専門家のご意見を伺って必要があれば対応しますけれども、現時点では今申し上げた考え方です。
日本放送協会(NHK) 牧野慎太郎 氏
補正予算案のことについてお伺いします。今回、多くの予算が新型コロナ対策、特に医療機関の医療提供体制の確保というところに充てられているかと思いますけれども、今回の予算の狙いや期待される効果をお伺いしてもよろしいでしょうか。
長野県知事 阿部守一
今回のコロナ関連予算は88億9000万円ということですが、ご覧(会見資料スライド「新型コロナウイルス感染症対応予算(3月以降)」)いただいていますように今年度に入る前から累次の補正で新型コロナ対策を進めてきています。今回は医療提供体制は「受入病床確保支援事業」の約85億円、それから高速乗合バス事業者に対する7600万円等々となっていますので、これまで講じてきている対策と併せてまだ必要なところを対応を追加したり強化して、新型コロナウイルス対策に万全を期していきたいと考えています。加えてこれまで予算化している事業もありますので、こうした事業がしっかり効果を出せるように対応していきたいと思っています。先ほどひとり親世帯臨時特別給付金の呼び掛けもしましたけれども、これもすでに対応しているものですけれども、必要とされる方にまだ十分行き届いていないのではないかと思っているので、呼び掛けをしています。これまで講じている対策もしっかりご利用いただけるように、引き続き対応していきたいと考えています。
日本放送協会(NHK) 牧野慎太郎 氏
医療体制の確保が一番大きなところかと思うのですけれども、インフルエンザとの同時流行ということも言われていますけれども、今後のさらなる患者の増加とかを見据えた形での対応になったりするのでしょうか。
長野県知事 阿部守一
今回の補正予算は、これからどんどん感染者が増えていくという前提で組んでいるわけでは必ずしもなくて、現在、病床数については350床、関係の医療機関の皆さまに確保いただく形になっていますけれども、それに対応しての予算ということです。季節性インフルエンザとの同時流行を見据えた検査体制の強化ということで進めていますので、引き続き医師会や医療機関の皆さまのご協力を頂きながら進めていきたい、できるだけ検査件数を拡大していきたいと思っています。また、先ほどから申し上げているように、県民の皆さまや事業者の皆さまへの働き掛けを通じて、これまで以上に多くの感染者が出てしまうことを防ぐための対応をしっかり行っていきたいと思っています。
テレビ信州(TSB) 鈴木恵理香 氏
先ほどの「Go To イート」の関連の質問ですけれども。政府は3連休が始まる土曜日までに対象の変更などの検討を各都道府県知事にお願いしていたかと思うのですが、きょうの有識者懇談会などの見解を踏まえて、明日とかに何か見解を示される予定はありますか。飲食店の方などはかなり気をもんでいらっしゃるかと思うのですが。
長野県知事 阿部守一
長野県としてはこれまで人数制限ということは行っていません。先ほど申し上げたように、現時点でもここ(会見場)のスペースで5人、6人で会食するのがリスクが高いかと言えば、必ずしもそうではないと思いますので、そこだけに着目する対策、対応ということは考えていません。ただこの後、有識者懇談会や専門家懇談会がありますので、そこでご意見が出れば、今後の対応として検討していかなければいけないと思いますけれども、現時点では一律に人数で切るという対応を行っているわけではありませんし、今の時点ではそうした考え方ではありません。
テレビ信州(TSB) 鈴木恵理香 氏
商品券の利用やポイント還元というものは、現時点では引き続き制限を設けずにやっていかれるお考えということですね。
長野県知事 阿部守一
現時点ではということで申し上げているのは、全国の感染状況や長野県の感染状況もこれからどういうふうに推移するか分かりませんので、当然のことながらそうしたものも見極めながら総合的に対応を考えていくという形になります。
読売新聞 田ノ上達也 氏
21日から3連休に入るということで人の動きが活発になるのかと思います。冒頭、知事もこれ以上の感染者の急増が起こらないようにしたいというお話がありましたけれども、県内外の移動に関して、このタイミングで改めて県民に呼び掛けたいことがありましたらお願いします。
長野県知事 阿部守一
例えば「Go To トラベル」で長野県も多くの観光地に人がお越しいただけるという状況になってきています。そうした中でこれまでの状況を見ますと、観光でいらした方から感染が拡大するといったケースは見られていませんので、経済活動と感染防止対策を両立させていくという局面では観光でお越しになる方、あるいは観光で県からどこかへ行かれる方、そうした方については「新たな旅のすゝめ」ということで「旅マエ」からの対策をお願いしていますけれども、引き続きそこはしっかり対応していただきたいと思っています。それから県民の皆さまには先ほど申し上げたお願いが基本ですけれども、旅行された方から感染が拡大するケースは、全国的に見てもそんなにケースが多いわけではないと思っています。それは旅行者とそこに住んでいる方が濃厚な接触、マスクを外して身近なところで会話する場面というのは、そんなにないということが要因だと思います。ただ親しい方、親族同士ですと、どうしてもマスクを外して身近なところで会話しがちになりますので、県民の皆さまには、そういう親しい人たち同士、いつも暮らしているご家族というよりは、連休で人が移動して、いつも会っていないような親族と会われるときは気を付けていただくということは必要だと思います。基本的には、先ほど申し上げたように、飛沫(ひまつ)感染、接触感染で新型コロナが感染することを念頭に置いた上で、引き続き基本的な感染対策はしっかり行っていただきたいと思っています。
読売新聞 田ノ上達也 氏
確認ですけれども、3連休に特化してこれまで以上に呼び掛けを強めたりだとか、人の行動を制限するようなお願いをする考えは現状ではないという理解でよろしいでしょうか。
長野県知事 阿部守一
現時点では。先ほど申し上げたように、この後有識者懇談会と専門家懇談会を開きますので、そこで現状の状況は共有します。そこでどういうご意見が出るかということも踏まえて、対応は考えたいと思います。
信濃毎日新聞 立松敏也 氏
知事から今の質問に対して、基本的に現時点では人の往来や飲食店の営業とかについて規制を強化するつもりはないとおっしゃったのですが、冒頭の知事からの説明でも、病床が350床のうち94床ということで26.9パーセントの使用になっている、これはこの間見直した感染警戒レベルの基準でも、全県のレベル5への引き上げを検討するといった基準に達しています。あと直近1週間の新規感染者で言うと手元の集計だと130人になって、全県で人口10万人当たり6.38人で、レベル4への引き上げを検討する基準になると思います。長野広域圏に限りますとこの数値が、これも手元の集計ですけれど20.26人で、こちらはレベル5への引き上げ、県独自の非常事態宣言の発出や外出自粛要請も含めた要請だったり、条例に基づく独自の協力の求めというものができる、検討する段階になっていると思うのですけれども。現時点でそうしたレベルの引き上げも含めて、要するに県民の行動の制限につながることを考えていらっしゃらないというのはどうしてなのでしょうか。
長野県知事 阿部守一
今いろいろな状況認識をご説明いただきましたけれども、当然われわれも毎日県内の感染状況であったり、病床の状況であったり、そうしたものをモニタリングしています。これまでもメディアの皆さまにも夜お集まりいただいたりして、警戒レベルの引き上げ等、できるだけ機動的に行っているところですので、必要なときには必要な対策をしっかり講じていくということが基本です。曖昧な状況の発言を私がすると、社会的な影響が非常に大きいので、方針が確定していないような状況をお伝えするのは控えたいと思います。
信濃毎日新聞 立松敏也 氏
曖昧というのはレベルの引き上げについてでしょうか。
長野県知事 阿部守一
県としては常にいろいろな選択肢を持ちながらさまざまな検討をしています。ですから医療提供体制の状況であったり、あるいは感染拡大の状況であったり、そうしたことを踏まえて必要な対策をしっかり講じていくということが、県民の皆さまの健康や命、産業、経済を守っていく上で重要だと思っていますので、新たな方針や新たな取り組み、そうしたものが必要な段階になればしっかり発表、公表してお伝えし、またお願いしていきたいと思っています。ただ今の時点で、そうしたレベルの引き上げを行うということを考えているという状況ではありません。そうした選択肢は常に考えていますけれども、具体的に何かをする状況では現時点ではないと思っています。
信濃毎日新聞 立松敏也 氏
今の時点で引き上げを考える状況ではないということはなぜなのか。知事は、県の対策は県民からもある程度予想がつくということが大事だということを条例の制定の時もおっしゃっていましたし、感染警戒レベルもまさにそういった目的から設定しているものだと理解しています。そう考えると、どうして引き上げないのか。引き上げないのであれば現時点で引き上げない理由ということはどういうことなのかお聞きしたいと思います。
長野県知事 阿部守一
感染警戒レベルの引き上げ基準については、今お話しいただいたように人口10万人当たり何人という数値の基準と併せて、モニタリング指標の状況であったり、あるいは総合的な判断をどうするかということが加味されているわけですので、感染警戒レベルを説明した時に申し上げたと思いますけれども、単に人口10万人当たり何人を超えたから、直ちにレベルを上げる、下げるということではありません。これまでもさらに悪化するような状況かどうかを見極めて判断すると申し上げたケースもあったと思います。もちろん人口10万人当たりの人数が要件をクリアしてくれば、そうした検討を行っていく必要性というのは出てきていると思いますが、ただそれだけで判断、決定するものではないということです。そういう意味で常にいろいろな選択肢を持ちながら考えていますし、必要なときにはしっかりアナウンスしていきたいと思っています。
信濃毎日新聞 立松敏也 氏
引き上げを検討する必要が出てくると思うがとおっしゃったのですが、検討はしたけれども現時点では引き上げないという判断になっているという理解でよろしいでしょうか。
長野県知事 阿部守一
先ほどから申し上げているように、まさにきょう専門家懇談会があるわけですので、状況の共有は専門家の皆さまとしっかりします。その上で感染警戒レベルの在り方というのも毎回ご議論いただいていますし、今の現状認識を共有した上で、専門家の皆さまと今後の対応は考えていきます。ただ今の状況で直ちにレベルをさらに上げていくかということについて、私としては上げていくという考え方を持っている状況ではありません。
信濃毎日新聞 立松敏也 氏
端的に言いますと上げる必要がない、もしくは上げるべきではないという、理由としては何ですか。
長野県知事 阿部守一
総合的に考えなければいけませんので、あまり一つの点だけ取り上げ過ぎてもいけないかもしれませんけれども、例えば本県の今の状況というのは、重症者はいらっしゃいません。命と健康を守るという上での最も重要なことは重症者を出さない。特に重症者が医療提供体制が追い付かないことによってお亡くなりになってしまうことを避けることが一番の基本です。そうした観点からは現時点で重症者がいらっしゃらないということは、危機的な状況であるということでは必ずしもないと判断しています。
信濃毎日新聞 立松敏也 氏
政府でも「Go To イート」、「Go To トラベル」について、地方側からさまざまな意見はありますけれども基本的には継続するとなっています。経済の回復を止めるわけにはいかないということだとは思うのですけれども、知事としては同じように考えているということでしょうか。あるいは国の方針があるから県としてもいろいろな行動制限を呼び掛けづらいという点はあるのでしょうか。逆の方向の話ですけれど。
長野県知事 阿部守一
国がもっとしっかり方針を出すべきだと私は思っています。知事会を通じて何度も申し上げてきているのは、特に広域的な人の移動みたいなことは、各県の対応ではなくて国が方向性を示すべきだと思っています。ただ新型インフルエンザ等対策特別措置法で都道府県知事の権限とされていることについては、国の政策いかんにかかわらず、県として必要な場合にはしっかり決断して対応していかなければいけないと考えています。
信濃毎日新聞 立松敏也 氏
レベルの引き上げについて話してきたのですけれども、引き上げというのは全県単位でのレベル2からのさらに上のレベルへの引き上げと、あとは長野広域圏のレベル4から5への引き上げということを私は念頭に話していましたけれども、知事も同じ理解で話してくださっていたということでよろしいでしょうか。
長野県知事 阿部守一
私の場合は先ほど申し上げたように、もっといろいろな、上げたり、下げたりも含めて全体的に考えていかなければいけないと常に考えています。
信濃毎日新聞 立松敏也 氏
私が申し上げた、想定したものも含まれてはいるということでしょうか。
長野県知事 阿部守一
ありとあらゆる対策、方策、そうしたものを考えて、当初からずっと申し上げているように、重要なことは新型コロナウイルス感染症で医療提供体制が追い付かない形でお亡くなりになる方を出さないということが医療側では最も重要だと思っています。もう一つは社会経済活動が過度にブレーキがかかる状況の中で生活に困られる方、あるいは経営が難しくなる企業、こうしたことが必要以上に起きてしまうことがないように対策をしていくということが重要だと思っていますので、常に両面を考えながら対応していきたいと思っています。
市民タイムス 田子元気 氏
松本市の中核市指定に伴う業務の移譲についてお尋ねします。この中で保健所の設置が4月と予定されているのですが、中核市への移行で保健所ができるということは、当初コロナを想定せずに中核市移行というものが始まっていました。県から松本市に派遣した中核市推進室長はコロナが大変になったときにまた県に戻すということもありまして、保健所を4月に開設できるのかどうかというスケジュール、施行期日のところで「予定」となっていましたので、予定通りに4月に松本市で保健所が開設できるかどうかという見通しをお尋ねしたいです。
長野県知事 阿部守一
もうすでに長い時間をかけて松本市と一緒に準備作業を行ってきていますので、「予定」と書いていますけれど、難しいから「予定」と書いているということではなくて、基本的にこういう予定ですという趣旨です。
市民タイムス 田子元気 氏
4月に松本市に保健所が開設された場合、長野市と同様に発表も松本市で行うということでよろしいのでしょうか。
長野県知事 阿部守一
保健所設置市になりますので、基本的に感染症法等に基づく保健所設置市としての権限は松本市が行使するという形になります。もちろん長野市とも常に意思疎通していますが、松本市との間でも、当面いろいろな形で協力したいと思いますし、しっかり連携しながら対応していきたいと思っています。
中日新聞 安永陽祐 氏
先ほどから出ている質問に重複するところがあるかもしれないのですけれども。感染者が急増している中で、これから冬になってスキー場のオープンも出てくると思うのですけれども、県としても県外からのスキー客の誘客に取り組んでこられたと思うのですが、今後も県外からスキー客を呼び込むというスタンスに変わりはないということでしょうか。
長野県知事 阿部守一
先ほどから申し上げているように県内の感染状況と県外の感染状況に応じて、最善の対策を常に考えていきたいと思っていますけれども。これまでの予算措置の中でも新型コロナについてのスキー場の安全対策であったり、あるいは各観光地におけるコロナ防止のための取り組みであったり、こうしたものを応援していますので、そうした対策をしっかり講じていただくということを前提に、今の時点では誘客を促進していくというスタンスで対応していきたいと考えています。
中日新聞 安永陽祐 氏
その場合、例えば感染対策の支援など、さらに強化する可能性、検討はありますでしょうか。
長野県知事 阿部守一
もうすでにこれまでの予算の中で、相当いろいろな側面で財政的な支援もしていますし、例えば万一感染者が出た、あるいは感染疑いの方が出たときの搬送の仕組みも、かなりいろいろな観光地で講じていただくというような対応ができてきています。そういう意味でそれぞれの観光地が冬場に向けて一生懸命受け入れ体制を構築していますので、そうした取り組みを引き続き応援していきたいと思います。
信越放送(SBC) 小林正知 氏
これまでの質問と毛色が異なってしまうのですが、県のコロナ感染者の発表に関することですけれども、知事は過去の会見で、レクでテレビカメラを入れていませんけれども、これについてどう対応すべきかについては検討したいというご趣旨の発言があったように記憶していますが。その後状況がどうなったのか、これについてお伺いできればと思います。
長野県知事 阿部守一
会見ですか。
信越放送(SBC) 小林正知 氏
そうです。レクで止まっていて、会見をされないということについて。
長野県知事 阿部守一
それは記者クラブの皆さまとお話をさせていただくことにしていると思います。今どんな感じですか。
広報県民課長 池上安雄
県のスタンスというのは、知事が以前にこちらで説明した通りでして、記者クラブの方から、もしそこを何とかというお話があれば、機会を設けたいと思っていますけれども、今のところ特に機会を設けるということについてはありませんが、もし記者クラブの方からそういう要請があればお受けしたいと思います。
信越放送(SBC) 小林正知 氏
もう1点だけ関係してお伺いしたいのですけれど、現状で、県の方に個人が特定されたとか、あるいはこういう誹謗(ひぼう)中傷があったというような、そういう具体的な要望というものは、どの程度寄せられているのか、もしお分かりならばお伺いしておきたいと思いますけれども。
長野県知事 阿部守一
担当課で分かりますか。
健康福祉政策課長 永原龍一
ご指摘いただきました数としてどうなのかということについては、取りまとめて整理ができていません。申し訳ありません。
長野県知事 阿部守一
ただ、そういう声があるということですか。
健康福祉政策課長 永原龍一
そういった声はありますので、数の問題というよりはそういった人たちに対して、そういった懸念や心配などについて適切に対応することが必要だと考えています。
信濃毎日新聞 野口健太郎 氏
今回の補正予算についてお伺いするのですが、コロナ対策が1項目になっています。9月の補正段階ではたくさんの対策を実施していて、今までの知事のお話ですと、そういったものを順次執行していくということで、今回はこれに焦点を絞ったのかと思うのですが、その辺のコロナ対策への考えというものをお伺いしてもよろしいですか。
長野県知事 阿部守一
今お話ししていただいたようにこれまで度重なる補正予算において、新型コロナ対策、医療・検査体制の充実、支援も、それから生活、産業、雇用支援も共に行ってきています。予算化した段階で成果が出ているわけではなくて、予算を議決いただいて、それから執行して成果が上がってくるわけですので、そこの対応を引き続きしっかり行っていきたいと思っています。加えてまだ新型コロナへの対応というのは、「現時点では」ということでたびたび申し上げてきていますけれども、今後の対応、対策というのはまだ流動的なところがあります。そういう意味で今後さらに補正予算を編成することもあり得なくはないと思っていますし、また必要であれば、県議会の皆さまにもご理解いただいて、専決処分で対応するということも含めてさまざまな可能性を持ちながらしっかりコロナ対応を行っていきたいと思っています。
信濃毎日新聞 野口健太郎 氏
過去の補正額と比較してですが、金額が約90億円、9月の段階ですと500億円、6月は600億円とあって、国の補正との関係もあるのかもしれないですけれども、県民とするとかなり減ったというところで、やや心配する部分ももしかしたらあるかもしれないです。今のご回答の中でも言っていただきましたが、それまで取り組んでいるものもあるので、これは執行していく段階にあるのでということで、必ずしもこの額の少なさが対応の薄さになっているとは思わないですけれども、もしかしたらそういう声があるかもしれないということに対して、今後国としての補正などもあるかもしれないのですが、額の規模についてお伺いしてもよろしいですか。
長野県知事 阿部守一
コロナ対策に限らずですけれども、予算の金額が大きければ効果があるかというと必ずしも一対一対応ではなくて、同じ予算額でもできるだけ効果が高い施策をしっかり講じていくということが県としての責任だと思っています。感染者数がまた11月に入って増えている状況がありますので、そうした状況はちゃんとウォッチしながら対策を考えていかなければいけないと思っています。例えば医療提供体制であったり、検査体制であったり、そうしたものについての予算というのは、これまでの予算の中でかなり盛り込んでいます。そうしたものをしっかり執行する中で一定程度対応していくことができると思っていますし、先ほど申し上げたようにさらに必要があるということであれば、ちゅうちょすることなく補正予算の編成を行っていきたいと思います。
信濃毎日新聞 野口健太郎 氏
以前の補正段階、来年度の編成方針の際に、非常に厳しい財政運営が想定されるということを繰り返しおっしゃっているのですが、今回11月補正を決定したということに際して、改めて来年度予算の編成も含めまして、県の財政状況の認識と今後についてご意見をお願いします。
長野県知事 阿部守一
今回、新型コロナウイルス感染症対応予算は88億8500万円余という金額を計上していますけれども、財源は新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金と新型コロナウイルス感染症緊急包括支援交付金を充てています。県のいわゆる一般財源は充当していないという形になっていますので、通常われわれが執行しなければいけない対策に影響を与えないように工夫をしながら予算編成しています。そういう意味で今後の国の補正予算、あるいは次年度以降の予算においても、新型コロナ対応の地方創生臨時交付金だったり、包括支援交付金であったり、こうしたものについては、引き続きしっかり確保、充実してもらいたいと考えています。
長野朝日放送(abn) 川見能人 氏
改めてですけれども、(入院者数)94人、(病床使用率)26.9パーセント等々のこの状況について、そもそも知事はどう評価されていらっしゃいますでしょうか。
長野県知事 阿部守一
専門家の皆さまのご意見も承っていかなければいけないと思いますけれども、私としてはこれ以上の感染拡大を防いでいくということ、そのことが重要な局面だと考えています。先ほど申し上げたように重症者がいらっしゃらないという状況ですので、直ちに今の状況が県民の皆さまの命を守ることに直結していく危機であるという状況ではないと思っています。ただ感染者の数がどんどん増え続けていくということになると医療面でも負担がかかってきますし、また感染者数が増えるということが世の中に伝わるということだけでも社会経済活動に影響が出てきますので、そういう意味で命を守る上でも、産業、経済を守る上でも、何とかこの時点で感染拡大を防いでいくということが重要な局面だと考えています。そういう意味で、県民、事業者の皆さまには、ぜひご協力いただきたいと思っています。
長野朝日放送(abn) 川見能人 氏
確かにレベルを上げたりすると相当な影響が出るので、そこは慎重にということはその通りだと思うのですが、上げない理由の一つとして先ほど来、重症者のことをおっしゃっておられます。逆にそれ以外で、こういう要素があるからそこは大丈夫なのだと考えられるに当たって、何か指標とされていることとか状況とかはございますか。
長野県知事 阿部守一
先ほど申し上げたように、パーツ、パーツだけではなくて、総合的に考えなければいけないと思っています。病床についても350人分ということで記載していますけれども、医療機関によってはあらかじめ受け入れ想定病床数を上回って対応いただけているところもありますので、そうしたことも全体的に踏まえながら対応を考えていきたいと思っています。今、最も注目しているのは重症者、例えばご高齢の方が多数感染するということがないようにしていかなければいけないと思いますので、そういう意味では、介護施設や医療機関の皆さまには引き続き注意喚起をしっかりお願いしていきたいと思っています。
長野朝日放送(abn) 川見能人 氏
そうすると26.9パーセントという数字だけ見れば、確かに指標等を読んでぎょっとする部分がありますが、数字以上に実態としてはもう少し余裕があるというか、そういうふうに捉えてもいいという理解でよろしいでしょうか。
長野県知事 阿部守一
もちろん感染者を受け入れていただいている医療機関には大変負担になっていると思います。ご自分の、医療従事者の防護措置も取りながらの対応という形になりますので、感染症以外の患者を受け入れる場合と比べると負荷がかかっているという状況であると思っていますので、なるべく宿泊療養できる方はそちらに行っていただいて、医療機関の負荷を下げたいと思っています。ただ人工呼吸器を使ったり、ECMO(エクモ/体外式膜型人工肺)を使ったりという状況の方は、今いらっしゃいませんので、診療面の本来の意味での非常に重要な重い対応が取られなければいけない状況にはなっていないということですので、そこは重症者であったり、あるいはどうしても重症化リスクが高い感染者が増えないようにしていくことが重要だと思っています。
朝日新聞 田中奏子 氏
きょうの午後、静岡と山梨と新潟の知事か副知事が、長沼の方を訪問されますけれども、それに関して、静岡では、その4県で新しい経済圏をつくって東京を脱却していこうという発言をされているようですけれども、阿部知事としてはそのことについてどのように考えていらっしゃいますでしょうか。
長野県知事 阿部守一
新潟、山梨、静岡、長野の4県で中央日本四県サミットということで、これまでもいろいろな取り組みを連携して進めようということで対応しています。今回静岡県からの呼び掛けで、物産面での交流をしていこうということで長野県の被災地にもきょうお越しいただく予定になっているわけですけれども。そうした取り組みの方向性は、私としてもぜひ進めていきたいと思っています。私がコロナ対応の有識者懇談会があるので出席できませんけれども、引き続き4県でいろいろな分野で連携して、さまざまな対応をしていきたいと思っています。
朝日新聞 田中奏子 氏
きょうの訪問をきっかけに、また今後も4県で何かしていくという考えでしょうか。
長野県知事 阿部守一
きょう本県へお越しいただく中で、またこういう取り組みができるのではないかという話し合いもできると思いますので、そうしたものをまた具体化して、知事同士で集まる機会もありますので、そうした場面でさらに具体化していければありがたいと思っています。
信濃毎日新聞 熊谷直彦 氏
県内で予定されていた市長選が、先週の中野市長選で八つ終了しました。今回新人の当選が八つのうち五つ、直近では3回連続で現職を新人が破って当選しています。こうした現状は新型コロナなどの社会的な情勢が閉塞感を生んでいて、住民の行政に向ける目が厳しくなっているといった指摘も専門家からは上がっていますが、知事はこうした県内の首長選の直近の現状についてどうご覧になっているのか、受け止めがあれば教えてください。
長野県知事 阿部守一
基本的にはそれぞれの市町村の状況にもよるのだろうと思いますので、一律にこうだと申し上げにくいと思いますけれども、ただ自分の活動、行動を振り返って感じているのは、新型コロナウイルスの感染者が出始めてから、私自身もそうですし、恐らく多くの市町村長の皆さまだったり、あるいは候補者の皆さまが住民と接する機会が通常時に比べると相当減っているのではないかと、私は相当減っていますので。そうすると例えば現職であれば今こういうことをやっているとか、こういうことを支援するとかというのを、常日頃から理解いただく機会が多いと思いますけれど、そういう機会はかなり減っているのではないかと思います。そういうことも影響する部分も中にはあるのではないかと思います。ただ最終的には住民の皆さまが選択されるわけですし、市町村の状況がありますので、そうしたことがどれぐらい投票行動に影響しているかということまでは申し上げられませんけれども、ただ自分自身を振り返ると、なかなか県民の皆さまと接する機会が少なくなっているということは、何らかの形では選挙の結果にも影響している部分があるのではないかと思います。
信濃毎日新聞 熊谷直彦 氏
あした政府主催の全国知事会議があります。首相をはじめとした政府の方と直接懇談する機会になると思うのですが、知事として政府に求めたいこと、発言したいことがあれば教えてください。
長野県知事 阿部守一
どちらかというと私は知事会の文教環境常任委員長を引き受けていますので、長野県のというよりは文教環境常任委員長の立場で発言をしていきたいと思っています。特に教育について総理に発言していきたいと思っています。
信濃毎日新聞 熊谷直彦 氏
例えばどんなことになるのでしょうか。
長野県知事 阿部守一
いろいろ考えていますけれども、時間も制約されていますので、あれもこれも申し上げるわけにはいかないので、重点を絞り込んで発言したいと思います。
ありがとうございました。
お問い合わせ
より良いウェブサイトにするためにみなさまのご意見をお聞かせください