水産試験場

しあわせ信州

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更新日:2014年4月7日

コ イ の 話  (佐久支場)

 ayuko1masuo1  こんにちは。今日はコイについて教えてください。
hakase1   はい、こんにちは。
 コイは、コイ科の魚を代表する魚で、養殖(ようしょく)されているのはヤマトゴイという背が高い種類なんだよ。琵琶湖(びわこ)などにはノゴイと呼ばれる背の低い野生型のコイがいるんだ。 コイの体は、大きなウロコでおおわれていて、背びれが長く、口ヒゲがあるのが特徴(とくちょう)といえるね。
 卵を産む時期は5~6月で水草などに産みつけるんだ。体重4kgくらいだと一匹から10~15万粒の卵が採れるんだよ。
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 ayuko1  一匹のコイがそんなにたくさんの卵を産むんですね。すごいなぁ。
 その口ヒゲは、何のためにあるのですか? 
 hakase2  コイ以外にも口ヒゲのある魚は多いんだけど、コイは泥の中にいる動物(ユスリカの幼虫やイトミミズなど)や泥の上の藻(も)などを主に食べているので、口先にあるヒゲはこれらを探し出すときにアンテナとして役立つんだ。
 大きなヒゲは2本だけど、実はその上にも小さなヒゲが2本ついているんだよ。
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 masuo1  ヒゲは4本もあるんだ。
 ところで、コイは長生きって聞いたけど、どのくらい生きるのですか? 
 hakase3  そうなんだ。オスは2年、メスは3年でそれぞれ成熟するんだけれど、そのあとも生き続けてだいたい50年ぐらいは生きるといわれているよ。
 ニシキゴイでは210歳以上のものがいるというから驚きだね。
 ちなみに、大きさでは昭和18年(1943年)に諏訪湖(すわこ)でとれた33kgのコイが最高記録といわれているよ。
 ayuko2  ええっ、210歳ですか!? ほんとかなぁ、どうやって数えたのかなぁ。33kgって私より大きいかも!
 ところで、コイはどうやって食べるとおいしいの?
 hakase2  コイの輪切りを味噌汁にした「鯉こく」が一番だと思うけど、「あらい(お刺身のこと)」や「うま煮」もおいしいんだよ。食べるのは1~1.5kg(全長30~35cm)に育った立派なコイなんだ。
 このほか、丸揚げしたコイに甘酢あんをかけたコイの「丸揚げ」も中華料理のメニューにはあるんだ。それから、年末にはお歳暮用としてサケと同じように新巻きにして売られているよ。
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 masuo1  おいしそうだなぁ。
 佐久のコイは、「佐久鯉(さくごい)」っていって全国的に有名だって聞いたけど、いつから、どうして有名になったの?
 hakase1  佐久地方では江戸時代の1840年代から田んぼでイネを育てながらコイを飼う習慣があったんだよ。でも、このころは、まだ育てる技術が十分発展していなくて、生産量は少なかったんだ。
 ところが、明治10年(1878年)くらいから養蚕業(蚕(かいこ)を飼ってその繭(まゆ)から絹(きぬ)を作る産業)が盛んになると、コイのエサになるサナギがたくさん出回るようになって、コイの養殖は急速に発展したんだ。
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   その後、他の地域との競争が激しくなって、佐久のコイは減っていく一方だったけれど、数年前から「佐久鯉」を復活(ふっかつ)させようとする取組みが始まって、その結果、平成20年には、佐久地域独自のブランドとして特許庁から認定(地域団体商標登録)を受けることができたんだよ。 
 ayuko1  まえに、コイを飼って田んぼの雑草を減らすっていう記事を新聞で読んだことがあるんだけど・・・。
 hakase2  田んぼで行うコイ養殖は、それを売ってお金をもうけることを目的としていたんだけど、雑草を減らすことにも大いに役立っていることは早くから知られていたんだよ。だから、特に目新しいものではないんだ。
 昭和40年(1965年)ころには農薬(のうやく)が使われるようになったことやお米を作る技術が改良されたことなどにより、田んぼでイネをつくりながらコイを飼うというのは、なくなってしまったんだ。
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   でも、10年くらい前から、みんなが環境や健康ということに関心を持つようになって、農薬に頼らない「環境にやさしい農業」の一つとして少しずつ復活してきたんだよ。
 masuo1  ふ~ん、そうなんだ。環境にやさしいって大切だよね。その除草の仕組みについて教えてください。
 hakase2  田んぼへ放したコイは、エサを求めて田んぼの土の表面を盛んに吸い込むんだ。この行動が数日続くと、雑草は根から掘り起こされ、やがて枯れていくんだよ。
それに、こういう状況が続くと水が濁って、植物が生きるのに必要な日光がとどかなくなり、雑草がはえなくなるんだ。
 それから、コイを飼うためには田んぼの水を少し多くしないといけないので、さらに雑草が減ることになるんだよ。
 ayuko1  田んぼで飼うこと以外にも、養殖のやりかたがあるのですか。
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    そうだね、ニジマスなどと同じように池に水を流して飼う「流水養魚(りゅうすいようぎょ)」っていうのが一般的なんだけど、諏訪湖のように湖の一部を網(あみ)で仕切って飼う「網いけす養殖」もあるよ。
 それから、以前は上田市の塩田地区などでは農業用のため池を使った「ため池養殖」も盛んに行われていたんだよ。
 masuo1  前に、新聞やテレビで「コイヘルペスウイルス病」っていうのを見たことがあるんですが、どういう病気ですか。
 hakase1  うん、日本では平成15年(2003年)に初めて確認された新しいウイルス病で、コイだけに感染するんだ。「ヘルペス」というのは、ウイルスの種類の名前なんだ。コイヘルペスウイルス病の頭文字をとって「KHV病」って呼ばれているね。
 KHV病にかかった魚や水をからウイルスが広がるので、この病気にかかったたコイは、それ以上病気が広がらないように、処分しなければならないんだ。これは法律で決まっているんだよ。
たくさんのコイを飼っていた茨城県(いばらきけん)の霞ヶ浦(かすみがうら)というところでは、ほとんどのコイがKHV病にかかってしまい、非常に大きな被害を受けたんだ。
 長野県内でもKHV病が発生して、残念ながらコイの生産は減少傾向にあるんだ。
ayuko2  コイ養殖も大変なんですね。これから、どうなるんですか・・・。
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 コイという字は魚の里と書き、もっとも古くから養殖され、日本人の暮らしの中に溶け込んできた魚なんだ。だから昔話やことわざにもよく出てくるし、また「鯉のぼり」にも代表されるように祝い事や出世のシンボルとしても有名な魚でもあったんだよ。
 コイを飼ったり、食べたりすることが減っている中で、これではいけないと、生産業者の人たちは、人工採卵(じんこうさいらん)や病気の予防対策などで生産量を増やすことに全力をあげて取り組んでいるんだよ。

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   コイは確かに小さい骨があって食べづらいけれど、タンパク質やビタミンB1など栄養(えいよう)もたっぷりで、病気の人に栄養をつけさせる食べ物としても知られていたんだ。古くからのコイの食文化を守り育てるためにももっとコイを食べる必要があると思うよ。
masuo1ayuko4  これまでに何回かおばあちゃんが鯉こくを作ってくれたことがあるんだけど、すごくおいしかったよ。
 今日はためになるお話を聞けたので、これを機会にもっとコイを食べるようにしたいです。

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