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更新日:2022年2月18日
長野県知事 阿部守一
それでは、松本平広域公園陸上競技場の基本設計の公表について私から概要を説明します。2028年に本県で第82回国民スポーツ大会、そして第27回全国障害者スポーツ大会が開催される予定になっています。その際の開閉会式、そして陸上競技の会場となる予定の松本平広域公園陸上競技場について建て替えをしていこうということで、このたび、基本設計がまとまりましたのでお伝えします。現在の松本平広域公園陸上競技場は、昭和53年のやまびこ国体に合わせて整備された県内唯一の第1種公認競技場です。しかしながら、40年以上の時が経過し、施設の老朽化も進み、バリアフリー対応も不十分といったような課題がありました。こうした中で、建て替えを進めていこうということを決定し、令和2年度に基本設計を行う設計者をプロポーザルで決定しました。AS・昭和設計共同体です。その後、陸上競技団体、あるいは障がい者団体、アスリート、そして広く県民の皆さまのご意見をお伺いしながら、具体的な検討を進めてきたところです。この基本設計に当たっては、陸上競技場ですから当然ですけれども、アスリートの皆さまのパフォーマンスを最大限引き出せるような競技場にしていくこと、そして誰もが使いやすく競技大会の運営がしやすいということで、機能性、安全性、快適性、こうしたことに留意をいただくということを重視すると同時に、周辺が松本平広域公園ですので、松本平広域公園との調和、そして県としては2050ゼロカーボンを目指していますので、ゼロカーボン実現に向けた自然エネルギーの活用等、環境への配慮を求めたところです。今後、8月から実施設計に着手して、令和4年度には現在の陸上競技場を解体し、令和5年度から新しい陸上競技場の整備を進めて、令和7年度、2025年度に完成を目指して取り組んでいきたいと考えています。現在の陸上競技場はやまびこ国体の象徴であったように、新しい陸上競技場も2028年の国民スポーツ大会、そして全国障害者スポーツ大会のレガシーとして後世にしっかりと受け継がれ、多くの県民の皆さまに利用され、愛される施設となるように取り組んでいきたいと考えています。そういう中で、きょうはAS・昭和設計共同体の担当であります品川雅俊さんとオンラインでつながっていますので、基本設計の内容については品川さんからご説明をいただきたいと思っています。
AS・昭和設計共同体 品川雅俊 氏
ここからは私が基本設計の内容を簡単に説明させていただきます。まず初めに、私たちが昨年7月、設計プロポーザルにおいてご提案したのは、「敷地いっぱい使いたおせる活動の広場」というコンセプトです。それは従来の陸上競技場のように週末の大会のときにだけ使われる閉ざされたスタジアムではありません。普段から小さな子どもからご高齢の皆さんまで、自身の健康づくりやレクリエーションのため、日常的に広場のように使える、これからの陸上競技場の姿だと考えています。この陸上競技場は、「公園とまちに開かれた陸上競技場」です。周囲に対して背の高い壁がありません。フィールドは地面から掘り込まれて、コンコースが公園と連続する緑豊かな空間です。メインスタンドとバックスタンドは、南北に延びる松本空港の滑走路と並行に配置されています。メインストレートへは北側の道路からそのままアプローチすることができます。マラソン大会ではロードコースから陸上競技場内のフィニッシュ地点まで一直線に引き込まれる、「まちと連続する競技場」となっています。大会が行われていない平常時はコンコースまで公園利用者に開放し、県民の皆さん、公園利用者の皆さんが陸上競技場を公園の一部として利用できることができる計画です。もちろん日本陸上連盟の定める第1種公認陸上競技場に必要な仕様を満たすと同時に、2028年に予定されている第82回国民スポーツ大会、第27回全国障害者スポーツ大会の開会式、閉会式、そして陸上競技会場としての機能を確保し、真の意味で、陸上競技を楽しむための陸上競技場を目指しています。例えば、陸上競技場にとって風のコントロールは必要不可欠です。ここでは松本平特有の南北の卓越風を抑え、生かせるよう、フィールドレベルを掘り下げるとともに、南北の風を減衰させる防風林を整備します。そしてまた、観客が選手の躍動を身近に感じ、観客の声援が選手に直接届き、その声援によって選手のパフォーマンスが最大限に引き出せるよう、客席をできる限りトラックとフィールドに近づけます。選手と同じ目線で陸上競技が楽しめる、選手と観客が一体になれる今までにない陸上競技場です。また、新しい陸上競技場は「一年を通じ誰もが使える活動の拠点」ということも目指しています。大会があるオンシーズンの週末だけでなく、季節や天気に左右されずに一年中トレーニングや合宿場として利用できるよう、充実した雨天走路やトレーニングルームを整備します。こちらが雨天走路です。雨天走路は130メートルの直線コースが5レーンあります。こちらはトレーニングルームです。トレーニングルームはトラックを見晴らす明るく眺めの良い空間です。滑走路側にはアウトフィールドという新しい広場を整備します。アウトフィールドは、さまざまなスポーツやイベントの場として使える多目的なフィールドです。陸上競技場アウトフィールドに加え、周辺に位置する補助競技場、テニスコート、マレットゴルフコース、そして、一般の公園利用者にも開放され、よりどころとなるのが南北に延びる大屋根です。大屋根は、夏の日差しや雨をしのぐ人のよりどころになります。そしてまた、大屋根の上は陸上競技場と滑走路を同時に見ることができる展望デッキとなっています。メインスタンドの後ろには北アルプスが、滑走路の後ろには美ヶ原まで見渡すことができます。日本陸上連盟では2020年東京オリンピックのその先、2040年に向けた日本陸上界のコンセプトを定めた「JAAF VISION2017」の中で、障害者スポーツに対する取り組みの重要性、すべての人にそのライフステージに応じたスポーツ機会の創造の重要性に触れ、従来の競技陸上に加えて、これからはさまざまな世代の人がアクティブなライフスタイルを送ることを目的とした「ウェルネス陸上」の実現が求められていると言及しています。私たちはこのビジョンに共感し、「敷地いっぱい使いたおせる活動の広場」というコンセプトの下、今までにない、広く県民に開かれた陸上競技場を目指しています。説明は以上になります。
中日新聞 我那覇圭 氏
今、品川さんからご説明いただいた部分と重複してしまって恐縮なのですけれども、知事が最初におっしゃっていた、機能性、安全性、快適性に留意いただくとおっしゃっていたのですが、機能性、安全性、快適性で、それぞれ一番特徴的な部分を挙げるとすればどういったところになりますでしょうか。
AS・昭和設計共同体 品川雅俊 氏
機能性という意味では、われわれ、陸上競技場を開くということをかなり強く打ち出してプロポーザルを取らせていただいたわけですが、と同時に、あくまでも第1種公認陸上競技場、あるいは国民スポーツ大会の会場として十分に機能するように細かなところは検討しています。そのためにも、今回われわれはJV(ジョイントベンチャー/共同企業体)という形で、長居陸上競技場などをご担当された昭和設計と共同して設計を進めています。安全性に関しては、当然のことというか、バリアフリー等には十分に配慮して、特に敷地の中にかなり高低差がある場所ではあるのですけれども、スロープの設定とかというのを十分に車椅子でも安全に通行できるような配慮等を行っています。また、快適性に関しては、先ほどもご説明した通りですが、バックスタンド側の大屋根ですとか、あるいは防風林と呼んでいるのは、同時に緑陰空間として、公園の中に木陰をつくるような機能も果たしていますので、その辺りで真夏でも過ごしやすい、あくまでも涼し気な公園の中にいるような陸上競技場を目指しています。
中日新聞 我那覇圭 氏
知事、冒頭に発言されていましたが、これをご覧になった率直なご感想を伺ってもよろしいでしょうか。
長野県知事 阿部守一
先ほどの説明の中にも触れられていたかと思いますけれど、これは掘り込み式というか、周囲から非常に低い形になっているので、空港周辺地域ということもありますが、公園の中で突出した建物にならず一体感が出るという意味では、松本平広域公園全体に溶け込む形の設計になっているというのが私の印象です。加えて、スタンドとグラウンドが近いのです。客席からご覧になる方にとっては臨場感あふれる競技場になりますし、逆にアスリートの皆さまからすると、身近なところで応援をしてもらえる。そういうアスリートと観客とが一体感を持ちやすい形の設計になっていると思っています。
市民タイムス 田子元気 氏
品川さんにお尋ねします。県民の意見を広く反映されるということで設計されたと思うのですが、県民の意見が一番反映されているところ、どのようなところに反映されたのでしょうか。
AS・昭和設計共同体 品川雅俊 氏
まず一番大きいのは、ここを最も利用される長野陸協(長野陸上競技協会)の皆さんのご意見だと思います。プロポーザル段階というのは、そういった皆さんと対話することはできなかったのですけれども、基本設計が始まってからというのは、すぐ初めに長野陸協の皆さんとお会いして、かなり細かくご要望を頂いた次第です。実際には、従来の陸上競技場をイメージされていた皆さんにとっては、一体どうなってしまうのだろうというような不安を感じさせる部分もあったかと思うのですけれども、陸上競技場とはかくあるべきというのをご説明いただいた上で、われわれのコンセプトと合体させながら、相乗効果を図って今の案が出来上がっています。具体的なことを申し上げるとかなりの量になってしまうのですが、例えば、近年は陸上競技場は盗撮の問題が話題になったりとかというのをしばしばご覧になることがあるかと思うのですが、そういった問題も生々しいご意見として頂いたので、そういうのは、例えば競技場の区画をどうやって形成していくのだというのを、具体的な壁の造り方、パース(建物などを立体的な絵にしたもの)だと壁が全くないように見えるのですけれども、実際には目立たないようにというか、普段は開放する形で、しかし大会のときはきちんと競技場を区画できるような設計にもなっていますので、そういったところは長野陸協の皆さんの意見を聞きながら、取り入れながら設計を進めています。
市民タイムス 田子元気 氏
ご説明にありました一年を通じて使える合宿所であるだとか、トレーニングルーム、アウトフィールドというのも長野陸協さんからの意見で設計に取り入れたということでよろしいのでしょうか。
AS・昭和設計共同体 品川雅俊 氏
アウトフィールドに関しては、われわれがプロポーザルでご提案させていただいた内容になります。トレーニングルームに関しては、もともとプロポーザルの要項にもあった内容です。雨天走路ももともとあった内容ですが、具体的な仕様に関してはプロポーザル段階ではそこまで細かい規定はなかったので、例えばわれわれプロポーザル段階では、雨天走路は3レーンで提案していたのですが、やはり5レーンぐらい必要だということで、その辺は拡充して計画を進めています。
長野県知事 阿部守一
それでは定例会見を始めます。まず最初、新型コロナウイルス感染症関連です。今、長野県の感染状況と全国、東京都の感染状況(会見資料1/スライド4ページ)、グラフでご覧いただいていますけれども、連日報道されているように、東京都を中心に新規陽性者数、また増加傾向になっています。東京の伸び方が突出している感はありますが、全国的にも新規陽性者数が徐々に増加してきています。長野県においては多くの皆さまのご協力のおかげで、全国の中でも今、新規陽性者数が最低レベル、最も望ましい状況だと思いますけれども、新規陽性者の数自体は抑えられている状況です。何とかこの傾向を維持していくことが重要だと考えています。そうした中で、本県の新規陽性者数(会見資料1/スライド5ページ)、非常に少ない水準ですが、ご覧いただいているグラフは、感染経路として県外で感染されたと思われる方の割合が半分を越えてきているという状況です。これは直近1週間の移動平均ですので、やはり7月に入って県外由来の陽性者の方が明らかに割合としては増えてきていると考えています。そういう意味で、これから「感染対策強化期間」も設定し、改めての呼び掛け等も行っていきますけれども、今の時点でも感染拡大地域との往来については控えてもらいたいということをお願いしていますので、県外にお出掛けになる機会がどうしても増える時期、あるいはどうしても夏場ですので、そういうご予定を立てる方も多くなる時期ではありますけれども、改めて今、長野県の状況、全国の状況、全国的には新規陽性者数が増加基調にあり、長野県においては県外に行かれた方の陽性者が増えているということをご理解いただいた上で、「感染対策強化期間」に向けてのお願いをしていますけれども、往来については慎重に考えていただき、感染拡大地域との往来については控えていただくようお願いしたいと思います。帰省の呼び掛け、あるいは旅行の呼び掛けもしているところですけれども、ここ(会見資料1/スライド6ページ)に書いたのは、「もし県外滞在中に新型コロナウイルス感染症の陽性が判明した場合には、滞在先の保健所の指示に従ってください」ということで、県外に行かれた方、あるいは長野県に来られた場合も同じですけれども、体調が悪くて、そこの医療機関を受診されて、検査をして、当然、検査した場合には検査結果が出るまでは外出は控えてもらいたいと思いますし、仮に陽性になった場合には、当該滞在先の保健所の指示に従うという形に基本的にはなりますので、そうすると場合によっては滞在先のところで入院してくださいとかという話になる可能性もあります。そういうことも念頭に置いた上で、この夏の移動については慎重にご検討いただきたいと思っています。なお、県として今、県民の皆さまには「家族宿泊割」ということで、同居のご家族に限って県が割引措置を講じるという仕組みを講じていますけれども、これからできる限り県内の旅行をしていただきたいと。今申し上げたように、県外との往来については慎重に考えていただきたいと思っていますし、また県内の観光地は東京都等の緊急事態宣言発出等によって、非常にマイナスの影響を受けているという状況もありますので、そういう意味で、この「(家族)宿泊割」については、対象を家族からもう少し拡大する方向で検討しています。検討が整い次第お知らせをしていきたいと思いますが、できればきょう中に皆さまにお伝えするようにしていきたいと思っていますので、県民の皆さまには、この機会に身近な県内でご旅行をしていただくようにお願いしたいと思います。
次はワクチンの関係ですけれども、まず基礎疾患をお持ちの方へのお願いです。市長会、町村会の皆さまと定期的に打ち合わせをし、ワクチン接種の方向性について確認をしながら進めているわけですけれども、おかげさまで7月中には希望される高齢者の接種がほぼ終了するという見通しになっています。次の段階として、県としてはご高齢の方と同様に、重症化リスクが高い基礎疾患をお持ちの方の接種を進めていく必要があると考えています。そういうことで、基礎疾患をお持ちの皆さまでワクチン接種を希望される方については、今、県も市町村も8月中に接種を行っていただくことを目指して取り組んでいますので、接種を希望される方は、かかりつけ医にご相談いただいた上で、お住いの市町村からご案内が届いているかと思いますので、できるだけ8月中に、要は早めに接種を行うことについてご検討いただきたいと考えています。ご高齢の方、それから基礎疾患がおありになる方の接種が進むと、これまで重症化リスクが高いということで、常に申し上げてきた方たちの発症リスクもだいぶ下がるという形になってきます。そういう意味で、ご自身の健康を守るという観点からも、そして県全体でこうした方向性で取り組んでいるということについてもご理解をいただいた上で、ご検討いただきたいと思っています。もう1点ですけれども、ワクチン接種をされている方がだいぶ増えてきています。私のところに届いている直近の数字では、ご高齢の方で2回目接種まで終わられた方が約55パーセント、全体では24パーセント。医療従事者の方も含めて、県民の12歳以上人口に対して約4分の1の方が2回目のワクチン接種を受けられているという状況になってきています。そうした中で、ワクチン接種を受けられた方への呼び掛け(会見資料1/スライド9ページ)ということですけれども、ここに記載しているように、ワクチン接種をされた方も引き続き基本的な感染予防対策を実施いただきたいということを改めてお願いしておきたいと思います。一つは、発症予防効果等あるわけですけれども、ワクチンだけで100パーセント発症しないということではありません。また、効果がいつまで持続するかということについては、現時点では必ずしも十分に分かっていません。また、先ほど数値を申し上げましたけれども、まだ県内でワクチン接種を受けていらっしゃらない方、受けたいけれども受けていらっしゃらない方も大勢いらっしゃいます。また、さまざまな理由で受けられない方もいらっしゃいますので、そうしたことをご賢察いただいて、今後も基本的な感染予防対策を継続して実施していただきたいと思っています。そういう意味で、「マスクの着用」、「県外との往来は慎重に」ということはこれまで通りですが、「例えば」ということで書いています(会見資料1/スライド10ページ)けれども、どうしてもワクチンを接種すると気が緩みがちですが、帰省される方も出てくると思います。そうした場合、ワクチン接種を受けていても、マスクを着用して会話をしていただくことをお願いしたいと思いますし、できればオンラインで帰省する、オンライン帰省についても検討いただきたいと思います。また、人と人との距離を確保していただいたり、手洗い、手指消毒を心掛けていただくということもこれまで通りお願いしたいと思います。私も最近感じているのは、私に寄ってくる人たちが結構多いので、他の人間関係、人と人との関係でもそうなりつつあるのではないかと思っています。レジに並ぶ際は人と人との距離を開けていただいたり、これも継続してもらいたいと思いますし、ご自宅に帰った場合には必ず手洗いをするといったようなことも引き続きお願いしたいと思います。また、飲食はできるだけ少人数、短時間にしていただき、健康チェックを行っていただきたいと思います。地区の集まりとかもあると思いますけれども、こういう場でもこれまで通りの対応をしてもらいたいと思いますし、出掛ける前については体調が悪ければお出掛けを控えていただき、日々の健康管理、健康チェックもお願いしたいと思います。以上がワクチン接種を受けられた方へのお願いですが、ワクチン接種が進んでも何も変わらないのかという点は、必ずしもそうではないだろうと思っています。ただ先ほど申し上げたように、まだ多くの方がワクチン接種を希望されても打てていない状況でもありますし、ワクチンの効果がまだ明確でない部分もありますので、県としても専門家の皆さまのご意見を伺いながら、ワクチン接種が進んだ後、どういう対応ができるかということについてはしっかり検討していきたいと思っています。ただ、先ほどから申し上げているような理由から、当面の間はワクチン接種を2回受けられた方であっても、引き続きこれまでと同様の感染対策をお願いしたいと思います。
もう1点ですけれども、これもコロナに関連する話題ですけれども。長野県看護大学に感染管理認定看護師養成課程を開設しようというものです。令和4年度から県の看護大学に感染管理認定看護師養成課程を開設し、感染管理分野の専門的知識と技術を持った認定看護師の養成を行っていきたいと考えています。今、県内に感染管理認定看護師の方は73名いらっしゃるということですけれども、いわゆる新型コロナウイルス感染症をはじめ、さまざまな感染症に今後しっかり対応していく上では、この認定看護師の皆さまが非常に重要だと考えています。大規模医療機関のみならず、中小規模の病院であったり、あるいは学校や福祉施設における感染予防、さらには感染拡大時の対応といったようなところで認定看護師の皆さまには活躍していただきたいと思っています。そういう観点で今般、今後の感染症に備えるとともに、医療関係者からのご要望も踏まえて養成課程を開設するということにしました。開設期間は来年度、再来年度、当面、今のところ2カ年を予定しています。開講期間は毎年6月から3月の10カ月間ということを予定しています。現在、養成課程の開設に向けては日本看護協会に認定申請中ですので、募集の詳細については9月下旬に改めて公表したいと考えています。ただ、今の時点でこうやってお伝えしているのは、受講を希望される看護師の方、あるいは看護師を送り出す医療機関の皆さまにとって、検討する期間、準備する期間が必要だということでお伝えするものです。ぜひ多くの皆さまに受講していただき、この専門性を身に付けて、長野県における感染症の対策にご協力を頂ければありがたいと思っています。
長野県知事 阿部守一
それから、日本創生のための将来世代応援知事同盟の緊急共同メッセージについてです。プレスリリース(会見資料6)でお配りしていると思いますけれども、夏休みを迎えるに当たり、将来世代応援知事同盟として共同メッセージを発出しました。「夏休み期間中の子どもの居場所を守ろう」というものです。昨年から引き続くコロナ禍で、どうしても子どもたちの孤立、孤独ということが問題化しています。特に学校が休みになる時期ですので、子どもたちが孤独、孤立してしまいがちな状況です。そうした中で、例えばこども食堂、こどもカフェ等行っている皆さまをはじめ、子どもの支援を行っている皆さま、地域で大勢ご活躍をいただいていますので、感染対策はしっかり行っていただいた上で、子どもたちが安心して過ごせる居場所を守る取り組みに引き続きご協力、ご尽力をいただきたいというものです。また、子どもたちへのメッセージとして、友達に会いたいな、話がしたいなと思うことがあると思います。そうした子どもたちには、こどもカフェをはじめ、いろいろな居場所があります。そうしたところにぜひ足を運んでもらいたいと思っています。県としても信州こどもカフェの運営に対して助成、支援を行うと同時に、地域振興局ごとにプラットフォームをつくっていますので、関係者と連携しながら、子どもたちの居場所の確保に努めていきたいと考えています。なお、来週19日にNPO法人全国こども食堂支援センター「むすびえ」のオンラインセミナーに私も参加します。先日、湯浅誠さんが長野市にお越しになった時に、こうした問題意識を共有させていただいたわけですけれども、以前から存じ上げている関係で私もお招きいただいたところですので、全国こども食堂支援センター「むすびえ」のオンラインセミナーに参加し、この将来世代応援知事同盟としてのメッセージの紹介等をしたいと考えています。行政も引き続き、子どもたちの支援に努めていきますので、地域の皆さまにも引き続きのご尽力をお願いしたいと思います。
長野県知事 阿部守一
これは先ほどの部局長会議で報告された事項ですので簡単に申し上げますけれども、県職員の採用にデジタル区分というものを設けて、職員採用を行うというものです。本県ではDX戦略を策定してDX(デジタルトランスフォーメーション/ITの浸透が人々の暮らしをあらゆる面でより良い方向に変化させること)を推進しているわけですが、デジタル人材の確保が課題であると考えています。そういう中で、県全体のレベルを上げていく、またしっかりと行政のことも分かった上でデジタル化を進めていくことができる、そうした人材を確保するために、このたび県として、任期付き職員等ではなく、正規職員としてもデジタル人材の採用を行うということにしました。社会人経験者と、22歳から29歳までの若手の方の二つの採用を行っていきます。即戦力人材と若手人材の確保を併せて行っていきます。加えて、県庁の中でのキャリアパスモデルもお示しし、デジタル人材の皆さまに組織内、特に行政組織の中で活躍していただくイメージを持っていただくようにしています。応募方法等の詳細については県のホームページをご覧いただき、多くの皆さま、ぜひ長野県でDXを進めたいという皆さまに応募をいただきたいと思っています。
長野県知事 阿部守一
次は、屋根ソーラー普及に向けた新たな補助金がスタートします。ゼロカーボンの実現に向けて、これは待ったなしでいろいろな施策に取り組んでいきます。そうした中で、再生可能エネルギーについては、県としては太陽光、それから小水力の普及拡大を中心に取り組んでいるわけですけれども、6月定例県議会で補正予算を議決いただいた、県民の皆さま向けの補助金、既存住宅エネルギー自立化補助金の申請受け付けをきょうから開始します。既存の住宅に対して太陽光発電設備、あるいは蓄電池を設置する場合に補助をするというものです。今、この太陽光パネルの設置を一緒になって進めていただく認定事業者も、県内で90を超える事業者の皆さまがいらっしゃいますので、そうした皆さまにもご相談をいただければありがたいと思っています。今、ソーラーポテンシャルマップでご自宅の屋根の可能性もホームページでご覧いただけるようになっていますので、そうしたものも参考にしていただきながら、太陽光発電設備、あるいは蓄電池の設置について、県民の皆さまにはご検討いただきたいと思います。併せて、グループパワーチョイスという共同購入の仕組みも設けています。これも太陽光パネルであったり、蓄電池を設置したいという方のもう一つの選択肢になるわけです。今、参加申し込みを行っていただいているところですが、8月末まで受け付け中です。価格について、こちらの共同購入については一定程度割引価格になることが見込まれますので、こちらについても併せてご検討いただければありがたいと思っています。県民の皆さまの力で、長野県における太陽光、自然エネルギーのさらなる拡大を後押しいただければありがたいと思っています。
長野県知事 阿部守一
次ですが、「テレワーク・デイズ2021」への参加です。2017年から、これは国が音頭を取って取り組んでいますけれども、今年は7月19日から9月5日まで実施されます。長野県としては、応援団体、そして実施団体として登録したところです。本県は、もちろんコロナ禍ですので、テレワークを広く推進する立場であると同時に、信州リゾートテレワークという形で新しい働き方の提案もしているので、テレワーク・デイズを契機に、長野県としての取り組みも発信して、リゾートテレワークを行う先としての長野県の認知度を高めていきたいと考えています。併せて、県職員、県の組織としても、新しい働き方が進むように継続的に取り組んでいきたいと考えています。
長野県知事 阿部守一
大北森林組合の元専務に対する損害賠償請求事案に係る和解の成立についてです。プレスリリース(会見資料10)をお配りしていますように、昨日、大北森林組合元専務に対する損害賠償請求事案に関しての和解が正式に成立しました。今回、元専務からは損害賠償金等の支払い義務を認めた上で、被告、元専務が本件の不正受給行為によって、原告、県ですが、県に莫大な損害を与えたことを深く反省し、原告に対して心から謝罪するという旨の意思表示があったことから、県として和解に応じることとしたものです。債権が確定することになりますので、速やかに財産調査を行うなどして、債権回収に最大限の努力を行っていきたいと考えています。また、今回の和解によって、これまでさまざまな事業主体等に対しての請求を行ってきましたが、県としての債権が全て確定して、「損害賠償請求についての対応方針」ということで、平成29年に定めましたけれども、その方針にのっとった対応が一通りこれで終わる形になります。県としては、大北森林組合の一連の課題を教訓としながら、コンプライアンスの推進等をしっかり進めていきたいと思っています。また、大北森林組合については、組合再生に向けた取り組みを加速化していきたいと考えています。地元の市町村長の皆さまからも、組合は中核的な役割を果たすものだということで期待されていますので、森林整備、これから長野県にとって非常に重要ですので、そうした取り組みを組合がしっかり担うことができるように、県としても応援、支援を行っていきたいと考えています。私からは以上です。
日本放送協会(NHK) 西澤文香 氏
大北森林組合の件なのですけれども、この専務理事は県の賠償の他に森林組合にも2億(円)ほど支払い義務がある中で、支払いができると県としては考えていらっしゃいますでしょうか。
長野県知事 阿部守一
支払いができるかできないかで請求するのではなくて、基本的に責任を持っていただく方に対しての請求ということで行っています。先ほど申し上げたように、当然のことですけれども、県としては債権の回収に全力を挙げていきたいと考えています。
日本放送協会(NHK) 西澤文香 氏
もし回収できなかった場合、結果的に県民負担という形になると思うのですけれども、その点はどうお考えでしょうか。
長野県知事 阿部守一
今までの過去の経過を知らない記者の方も大変大勢いらっしゃるようですけれども、これまで県としては検証委員会を設けて、大北森林組合の事件についてしっかりと検証を行い、さらに法的課題検討委員会を設けて、その中で今回の事案に対して法的に、金銭的な責任を負っていただくべき方はどなたなのかということを整理した上で、県としての「損害賠償請求についての対応方針」を定めて、これまで取り組んできています。そうした経過を十分ご理解いただきたいと思います。そういう意味で、責任を負っていただくべき方に対する必要十分な請求を県としてこれまで行ってきていますし、先ほど申し上げたように、今回の和解を通じて、これまで県として請求をするべきだと考えていた債権が全部確定するという形になります。
日本放送協会(NHK) 西澤文香 氏
返される計画というか、見込みは詰まるところ立っているのか、立っていないのかというと、立っていないという…
長野県知事 阿部守一
昨日の段階で和解が成立したわけですので、先ほどもご説明したと思いますけれども、まず財産調査を行っていきます。そうした中で、債権回収ができるように県として最大限取り組んでいくということです。
日本放送協会(NHK) 西澤文香 氏
先ほども、検証しながら進めてきた中で、今回和解に至って、今後その財産の調査とかをしながら…
長野県知事 阿部守一
相当程度検証してきたということは、この経緯をご存じの方は全て承知されていると思います。一部の報道で、県としての検証ができていないのではないかという報道があるので、全く驚いているところですけれども、過去の経過も含めて一つ一つ積み上げながら、県としては県民の皆さまの負担を最小化するように、最大限の取り組みを行ってきたところです。そもそも大北森林組合事件は、平成26年12月に県としてこの状況を把握したわけですけれども、私に報告があった同日付けで、調査チームを設けて調査をしろということを指示しています。その後、外部有識者も入れた検証委員会を設置して、事案の徹底した検証を行っていただきました。その上で、この検証委員会の報告を踏まえた対応をこれまで着実に進めてきたところです。
日本放送協会(NHK) 西澤文香 氏
徹底的な検証を行われた上で、今後財産調査を行うにしても、県民の負担は最小限になるように取り組んできているので、県としては回収できる見込みというか、県民への負担に関する部分に心配はないと考えていますか。
長野県知事 阿部守一
質問のご趣旨がよく分からないのですが、先ほど申し上げているように、負担できる人に負担してもらうということではなくて、法的に責任を持っている方に対して請求をするというのが当然のことだと思います。その上で財産調査等をして、債権回収に全力を尽くすということです。
信濃毎日新聞 春日基弘 氏
大北森林組合のことに関連して、債権の回収の状況については、今後監督をされていかれるかと思うのですが、その支払いの状況については、県の方でもきちんと説明をしていただけるようなお考えでありますでしょうか。
長野県知事 阿部守一
先ほど来申し上げているように、県としては、これまでの取り組みについてもその都度ご説明してきています。今回もこういう形で、和解が成立しましたということをお伝えしています。これは個人との話になりますので、個人の生活状態みたいなことをつまびらかにお伝えするということは、やや問題がある可能性もありますので、県が知り得たものをすべてをお知らせするという形には個人との関係もあるのでならないと思いますけれども。ただ、県としては、全体的な状況についてはこれからも引き続きお知らせしていきたいと思います。
中日新聞 我那覇圭 氏
1点だけ大北の関係なのですけれど、債権回収の相手先が固まったということで、今、知事にご説明いただきましたが、いつ頃までに債権を回収したいとかというめどみたいな、日程感は何かあるのでしょうか。
長野県知事 阿部守一
県としてはできるだけ早くとは思っていますが、ただ今回、金額が非常に多額です。また、個人に対しての請求債権という形になりますので、まずは相手方の状況を十分把握するところから始めていかなければならないと思います。
ありがとうございました。
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