39ページ。 第4章分野別施策の方向。個別の施策については、次の5つの分野に分けて、体系的に推進していきます。1 権利擁護の推進。(1)障がいに対する理解の促進。(2)権利擁護、虐待防止の推進。2 地域生活の支援。(1)地域生活移行の支援。(2)生活の安定に向けた取組。(3)相談支援体制の充実。(4)福祉人材の養成・確保。(5)地域生活支援拠点等の整備・充実。3、安全で暮らしやすい地域づくり。(1)安全な暮らしの確保。(2)誰もが暮らしやすいまちづくり。 4、社会参加の促進。(1)就労支援の充実。(2)移動、情報コミュニケーション支援の充実。(3)スポーツ、芸術文化、レクリエーション活動の振興。5、ライフステージに応じた切れ目のないサービス基盤の充実。(1)障がい者に対する適切な保健、医療サービスの充実。(2)多様な障がいに対する支援。(3)教育、療育体制の充実。 40ページ。 1、権利擁護の推進。(1)障がいに対する理解の促進。現状と課題。まる 我が国では、平成26年1月、障がい者の人権及び基本的自由の享有を確保し、障がい者固有の尊厳の尊重を促進することを目的として、障がい者の権利の実現のための措置等について定めた、障害者の権利に関する条約、かっこ、以下、障害者権利条約を批准しました。従来の障がいのとらえ方は、心身の機能の障害のみに起因する、とする、いわゆる、医学モデル、の考え方を反映したものでしたが、この障害者権利条約では、障害者が日常生活又は社会生活において受ける制限は、心身の機能の障がいのみに起因するものではなく、社会における様々な障壁と相対することによって生ずるものとする、いわゆる、社会モデル、の考え方が貫かれています。「命の重さは障がいの有無によって少しも変わることはない」という当たり前の価値観を社会全体で共有し、障がいの有無にかかわらず、誰もがお互いに人格と個性を尊重し、共に支え合う、共生社会、を実現するためには、社会モデルの考え方を前提として、様々な心身の障がいを正しく理解し、必要かつ合理的な配慮を考え、社会の仕組みを変えていくことが大切です。 41ページ。 施策の展開・方向性。啓発、広報の実践。障害者権利条約の理解・推進が図られるよう周知・啓発に努めます。障害者雇用支援月間や精神保健福祉普及運動などにおいて、障がいのある人等に対する理解を図るための啓発活動を行います。特に 7月の人権について考える強調月間や12月の障害者週間、及び人権週間においては、障がい者の、完全参加と平等、の実現に向けた啓発、広報活動を重点的に実施します。障がいのある人へのちょっとした配慮、手助けを実践する信州あいサポート運動にあわせて、障がいのある人などが必要な配慮を求める ヘルプマークの普及に取り組むことにより、より効果的な啓発と運動の一層の推進を図ります。障がいのある人への配慮や支援が適切に行われるよう、ヘルプマークやほじょけんマーク等の障がいや障がいのある人に配慮したマークの普及啓発を図ります。県人権啓発センターにおいて、企画展、人権啓発パネル巡回展や、DVDの貸出等による啓発活動を実施します。障がいに対する理解を深める研修会の実践。県民誰もが、多様な障がいの特性を理解し、障がいのある人に対してちょっとした手助けや配慮を実践する、あいサポーターとなるための研修や、手話や、ろう者に対する理解を促進するための講座を実施します。精神障がい当事者が講師となり自らの体験を語る、高校生を対象にした、心のバリアフリー事業や地域の精神保健福祉活動の中心となる方々を対象にした、地域ケアじぎょう等により、精神障害のある人への理解の促進を図ります。・発達障害のある人が、周囲から理解され、安心して日常生活を営むことができるよう、県民が発達障害に関する基礎知識を学ぶ 発達障害者サポーター養成講座の開催を引き続き推進します。障害のある児童生徒への理解、共生社会の実現についての理解を深めるため、児童生徒、幼稚園、保育園、小学校、中学校、高等学校の職員、PTA、地域公民館活動等を対象に各種研修による理解啓発を推進します。障がいのある人とない人との交流機会の拡大。 スポーツの実施や応援、文化芸術の鑑賞、フォーラムの開催など、様々な機会を通じて、障がいのある人とない人との交流機会の拡大を図り、障がいに対する理解の促進を図ります。・小学校、中学校及び高等学校における福祉関係施設への訪問等を通して、交流機会の拡大を図ります。 42ページ。 達成目標等。施策・事業名 信州あいサポート運動推進事業、施策・事業内容、あいサポーター研修受講者数、2016年度45,088人、目標、2023年度127,000人。(2)権利擁護、虐待防止の推進。@障がい者差別の解消、権利擁護の推進。現状・課題。まる 障害者権利条約が国連総会で採択された翌年、平成19年9月に我が国では障害者権利条約に署名しました。一方、条約の批准に先立ち国に法の整備を進めるべきとの関係者の意見を踏まえ、平成23年障害者基本法の改正、平成24年、障害者自立支援法の改正、平成25年、障害者差別解消法の制定及び障害者雇用促進法の改正、など様々な国内法の整備が進められてきました。障害者基本法の差別の禁止の基本原則を具体化し、全ての国民が、障がいの有無によって分け隔てられることなく、相互に人格と個性を尊重し合いながら共生する社会の実現に向け、障がい者差別解消の推進を目的として障害者差別の解消の推進に関する法律が平成28年4月に施行されました。県では、法の施行にあわせて、障がいのある人や事業者等から相談に応じる窓口を設置し対応するとともに、法の周知啓発に取り組んでいます。障がい者の尊厳を守り自立と社会参加を推進するため、虐待を禁止し、虐待を発見した人に通報義務を定めるとともに、行政機関や関係者に虐待の予防や早期発見等の取組を求める、障害者虐待の防止、障害者の養護者に対する支援等に関する法律が平成24年10月に施行されました。 県では、法の施行にあわせて「長野県障がい者権利擁護 虐待防止センターを開設、障がい者虐待防止推進員を配置し、関係機関、民間団体等と連携し、市町村とともに虐待の防止や早期発見、虐待発生後の適切な支援に取り組んでいます。 43ページ。 策の展開・方向性。障がいを理由とする差別解消の推進。障害のある人からの相談に対応する障がい者差別解消推進員を配置するとともに、合理的配慮、などの周知を図り、県民や民間事業の理解を得ながら、障害者差別の解消の取組を推進します。・障害者差別解消支援地域協議会、かっこ、長野県障害者虐待防止・差別解消連携会議や圏域及び市町村が設置する協議会を活用し、関係機関・団体との連携のもと、虐待防止・差別解消の推進に取り組みます。障害を理由とした差別の解消の推進に向けて、実行性のある研修等の取組や紛争解決の方法等についても検討・研究していきます。障がい者虐待防止対策の推進。県内全ての市町村において設置されている、障害者虐待に係る通報等の窓口となる、市村障害者虐待防止センター、と連携を図りながら虐待防止や早期発見、早期対応に努めます。市町村に対する助言や、障害者福祉施設従事者等に対する研修会及び出前講座を実施し、障害者虐待の防止等に努めます。虐待防止及び発生時に対応するためのスキルアップを目指して、国が実施する研修会へ職員を派遣するとともに、研修修了者が講師となって市町村等の職員や障害者福祉施設従事者等に対する伝達研修を実施します。福祉施設利用者の権利擁護の推進。各施設が設けている苦情解決の仕組みについて、施設利用者にとって公平・公正で透明性が確保されたものであり、解決に向け迅速な対応が行われるとともに、施設内での情報の共有化が図られるなど、適正に運用されるよう支援します。全ての施設において、利用者の身体拘束や虐待等を防止する仕組みを確立し、施設利用者の人権が保障されるよう、実地指導や集団指導等により、事業者に対する指導を実施します。用語解説があります。 実地指導とは、施設に出向き、障害福祉サービス等の取扱い、自立支援給付等に係る費用の請求内容等について、関係書類の閲覧や関係者との面談方式で行う指導です。 集団指導とは、障害福祉サービス等の取扱い、自立支援給付等に係る費用の請求内容、制度改正内容及び、過去の指導事例等について、講習方式で行う指導です。利用者等の生命、身体の安全に危害を及ぼすおそれがある場合には、監査による勧告や命令により、厳正に対処します。権利ようごのための相談・支援体制の充実。・福祉サービスに関する苦情解決体制の普及、啓発を進めるとともに、苦情の解決を適切に図るため、福祉サービス運営適正化委員会の機能充実に努めます。日常生活自立支援事業を実施する長野県社会福祉協議会に対して引き続き必要な支援を行い、事業が適切に実施されるよう努めます。障害等により福祉的支援を必要とし、かつ帰住予定地が確保できない刑務所等矯正施設出所予定者の社会復帰を支援し、再犯防止につながる体制づくりを図ります。 44ページ。 A権利行使の推進。 現状と課題。障害のある人の地域生活移行が進む中で、判断能力が十分でない知的障害のある人等には、福祉サービスの利用をはじめとする契約手続きの援助等、自立した生活を送るための支援が必要です。また、経済的虐待による金銭搾取や悪質商法による被害が後を絶たず、成年後見制度による支援の必要性が増しています。しかし、成年後見制度については、制度が複雑であることなどから理解が不十分であったり、市民後見人の不足等の理由から、制度が十分に利用されていない状況にあります。 権利行使の支援、選挙関係。重要な基本的人権である選挙権について、その行使に支障がないよう投票所のバリアフリー化等の改善に向けた支援を行っていますが、候補者の政見等を知る機会の確保等、対応策の充実が求められています。 施策の展開・方向性。成年後見制度の利用促進。判断能力が不十分な障害のある人が財産管理等の援助を受け、地域で自立した生活が営めるよう、家庭裁判所や関係団体等と連携し、成年後見制度の利用促進を図ります。市町村が講ずる、成年後見制度利用支援のための体制整備と中核機関等の設置や、成年後見制度市町村計画の策定を支援します。権利行使の支援、かっこ、選挙関係。障害のある人や高齢者が投票を行うために必要な支援を行います。障害のある人や高齢者の投票機会を幅広く確保するため、投票所までの巡回、送迎バスの運行などの移動支援や、投票所における車いす使用者等への介添え、スロープの設置、点字器の備え付けなどの措置を支援します。・聴覚障がいのある人が、候補者等の政見等を知る機会を確保するため、政見放送への字幕の導入や手話通訳を拡大するよう、国へ要望します。 45ページ。 達成目標等。施策・事業名、成年後見制度申立件数、施策・事業内容 成年後見制度の利用促進を支援し、成年後見制度申立件数の増加を目指す、2016年509件、目標、2023年600件。B地域における福祉活動・福祉教育の推進。現状と課題。障害のある人が地域において自立した生活をするためには、民生委員など身近で相談できる窓口が必要です。一方、公的なサービスだけでは対応できない制度の狭間にある生活課題や災害時における問題等の解決のため、ボランティアや市民活動への期待が高まってきており、多様な形態のボランティア活動への支援が必要となってきています。施策の展開・方向性。民生委員・児童委員による相談支援の推進。 民生委員、児童委員活動における必要な知識について研修を行い、資質の向上を図ります。ボランティア・NPO活動の推進。県や市町村の社会福祉協議会を中心としたボランティアセンターの活動を支援するとともに、ボランティアの資質向上及びボランティア・市民活動団体のネットワーク化等を図り、障がいのある人を支えるボランティア活動を支援します。 地域福祉の課題解決につながる、NPO、企業、行政等の多様な主体による協働を支援します。福祉教育の推進。・次世代のボランティア活動の担い手を育てるため、地域福祉推進の基盤となる福祉教育の普及、啓発を支援します。達成目標等。施策・事業名 ボランティア活動リーダーの養成、施策・事業内容、障害のある人を支えるボランティア活動を支援するボランティアリーダーの養成、2016年度287人、2023年度 目標2016年度〜2023年度の累計で2,300人。 46ページ。 2、地域生活の支援。(1)地域生活移行の支援。@居宅サービスの充実。現状と課題。医療機関や入所施設からの地域生活への移行が進むにつれ、居宅介護や短期入所など、居宅サービスの利用が増加傾向にあります。今後の居宅サービスが利用者やその家族等のニーズに沿った形で提供されるよう、必要な時に必要なサービスが受けられる体制づくりを進める必要があります。障がいのある人の高齢化が進み、高齢の障害のある人のための支援として、地域共生社会の理念に沿った取組が求められています。施策の展開・方向性。短期入所事業所の整備促進。障がいのある人を在宅で支える家族にとって、レスパイトケア等を行う短期入所サービスは重要であり、身近な地域で利用できるよう、事業所の拡充を図ります。市町村が支援する事業への支援。必要なサービスが実施できるよう国に十分な予算の確保を要望するとともに、市町村がより充実した事業を行えるよう、他自治体の取組状況などの情報提供を行います。              47ページ。 高齢の障がいのある人のための支援の充実。高齢の障害のある人に対する支援は、介護保険制度によるサービス提供が基本となりますが、介護保険と障がい福祉両制度に位置付けられる共生型サービスの実施など、高齢の障がいのある人のニーズに応じたサービスが提供できる包括的な支援体制づくりに向けて、市町村等関係機関と連携して取り組みます。高齢者の総合相談、虐待の早期発見、防止などの権利擁護、包括的、継続的ケアマネジメント支援などの機能を担う地域包括支援センターの人材育成を支援します。障がい者用福祉機器への支援。県、工業技術総合センターにおいて、障がい者用福祉機器の開発を支援します。県立、総合リハビリテーションセンターにおいて、義肢装具の製作、修理及び相談を行い、日常生活動作の向上を支援します。タイムケア事業、かっこ、レスパイトケアの実施。日中一時支援事業の利用状況及び障害者総合支援法の見直し状況などを踏まえ、現場のニーズを検証した上で、適切に実施します。達成目標等。施策・事業名 地域生活移行、施策・事業内容 障害者支援施設から地域生活への移行、2016年度169人、目標、2020年度276人。施策・事業名 短期入所サービス、施策・事業内容、短期入所サービスを行う事業所、2016年度134箇所、目標、2020年度191箇所。 A住まい、日中活動の場の充実。現状と課題。 地域で自立した生活を送るためには、生活の場となるグループホーム、日中活動の場となる生活介護サービスや就労支援サービスなどの生活基盤の充実が必要です。地域で生活する障がいのある人が、安心して生活できるよう、地域生活支援体制を整備する必要があります。障害福祉サービス事業所は着実に増加していますが、一人一人の障がい特性に応じた適切なサービスが提供されるよう、指導監査等により、事業者に適正な運営を求めていく必要があります。 48ページ。 施策の展開・方向性。サービス提供体制の整備。・圏域で不足しているサービスについて、十分なサービス量が確保できるよう事業所の指定を行うとともに、サービス提供基盤の整備について計画的に支援します。・自立生活援助サービスなどにより、地域で自立した生活を送ることができる体制の整備を図ります。サービスの質の向上。障がい者が希望する生活の実現や、生活の質を向上させるための課題等を的確に把握し、一人ひとりに合った個別支援計画が作成されるよう支援します。・障害福祉サービス等を提供する事業者に対して、施設等の運営管理や利用者へのサービスの提供が適切に行われるよう、集団指導及び実地指導を行います。・各施設が、利用者に対する満足度調査や第三者による評価等を通じ、日常業務の再点検やサービスの質の向上を図ることができるよう支援します。・不正、不当な行為や著しい基準違反の疑いのある施設等に対しては、迅速かつ重点的に監査を実施し、特に悪質な案件については、指定の取消や効力停止等により厳正に対処します。市町村が行う指導監査が効果的、効率的に実施できるよう、実施方法の助言や合同での実地指導の実施などの支援を行います。障害福祉サービスの内容等を公表する、情報公表制度により、利用者がサービスを選択する際の参考とするとともに、事業者のサービスの質の向上を図ります。  県営住宅のグループホームへの活用。・地域の実情を踏まえながら、県営住宅のグループホームへの活用を図ります。 49ページ。 達成目標等。施策・事業名、グループホーム、施策・事業内容、グループホームの定員数、2016年度2,841人、目標、2020年度3,310人。施策・事業名、自立生活援助サービス、施策・事業内容 自立生活援助サービスを行う事業所、2018年度開始事業のため実績なし、2020年度 目標14箇所。 B精神障がい者の地域移行の支援。現状と課題。県内の精神科病院に入院している精神障がい者数は、減少傾向にありますが、そのうちの約6割にあたる人が、1年を超えて入院しています。精神障害のある人が地域で生活するために、市町村や精神科病院、関係機関等が連携して、地域生活支援体制を充実させることが必要です。施策の展開・方向性。精神障害にも対応した地域包括ケアシステムの構築。・精神障害のある人が地域の一員として安心して自分らしい暮らしをすることができるよう、障害保健福祉圏域ごとに設置する保健、医療、福祉関係者等による協議の場を通じて、精神科医療機関、その他の医療機関、地域援助事業者、市町村などとの重層的な連携による支援体制を強化します。精神障害者の地域移行・地域定着の支援。・障害保健福祉圏域の精神障害者地域移行関係職員や保健、医療、福祉、介護などの関係機関と連携し、精神障害のある人の地域移行・地域定着の支援を推進します。支援関係者に対する研修を、精神保健福祉センター及び各圏域で開催します。障害者支え合い活動の支援。地域で暮らす当事者支援員が、地域移行に自信や意欲の持てない精神障害のある人の相談支援、普及啓発活動を支援します。達成目標等。施策・事業名、精神障害者の地域移行支援、施策・事業内容、精神病床への1年以上入院患者数65歳以上、2014年度1,504人、目標、2020年度1,282人。 施策・事業内容、精神病床への1年以上入院患者数65歳未満、2014年度1,119人、目標、2020年度818人。施策・事業内容 退院率入院後3か月時点、2014年度67%、目標、2020年度69%以上。施策・事業内容、退院率入院後6か月時点、2014年度83%、目標、2020年度84%以上。施策・事業内容、退院率入院後1年時点、2014年度90%、目標、2020年度91%以上。     50ページ。 障がいのある人にとって利用しやすい施設、県立施設の役割。現状と課題。障害のある人を支援する県立施設として、信濃学園、総合リハビリテーションセンター、にしこまごう、障がい者福祉センター、聴覚障がい者情報センターを設置しています。障害のある人を取り巻く課題や環境の変化に対応して、県立施設に求められるニーズに応えるとともに、障害のある人にとって利用しやすい県立施設を目指す必要があります。施策の展開・方向性。障害のある人の視点に沿った整備、運営。信濃学園。県内唯一の知的障害児の福祉型入所施設としてセーフティネットの機能を果たすとともに、利用者個々の障がい特性に即した専門的支援の充実に努めます。用語説明があります。信濃学園は、障害児入所施設 かっこ旧知的障害児施設として、昭和26年波田町、現在の松本市に設置されました。総合リハビリテーションセンター。平成28年3月に提出された、総合リハビリテ―ションセンターの今後のあり方に関する報告書をふまえ、諸課題の解決を図り、県民の医療・福祉・保健に資するための総合的リハビリテーションサービスの提供に努めます。用語説明、総合リハビリテーションセンターは、障害者支援施設、病院、補装具製作施設及び身体障害者更生相談所が一体となったリハビリテーションサービス提供施設で、昭和49年長野市に設置されましたものです。 51ページ。 にしこまごう。平成29年3月に提出された「にしこまごうあり方検討会報告書」をふまえ、県内の実情やニーズに則した事業内容や施設整備等を検討するとともに、引き続き利用者の個別支援の向上に努めます。用語解説、にしこまごうは、障害者支援施設、かっこ、旧知的障害者援護施設として昭和43年、こあまがねしに設置されました。障がい者福祉センター。障がいのある人が身近な場所でスポーツ・文化芸術活動に親しめるよう、スポーツ指導員による、個々の障がい特性に合った指導や文化芸術イベントの開催をする等、支援の充実に努めます。用語解説、障がい者福祉センターは、通称サンアップルと言い、障がい者のスポーツ及び文化芸術活動等を支援する中核施設として平成10年長野市に設置されました。聴覚障がい者情報センター。聴覚に障がいのある人であっても、取得できる情報量の差をより少なくするため、聴覚障がい者のニーズに合った情報の提供や伝わりやすい手段の充実に努めます。用語解説、聴覚障がい者情報センターは、聴覚障がい者用の録画物の製作及び提供等を行う施設として、平成10年長野市に設置されました。(2)生活の安定に向けた取組。経済的支援制度。現状と課題。まる 障がいのある人の生活安定のため、特別児童扶養手当などの各種手当制度や、自動車税の減免制度など周知を図り、経済的な自立と社会参加を支援します。 施策の展開・方向性。各種手当制度等の周知。・特別児童扶養手当、特別障害者手当、障害児福祉手当等の各種手当及び心身障害者扶養共済制度について、県のホームページ等において、受給要件や手続きなど制度の概要について周知を行います。重度障害児、重度障害者への医療費の助成。障がい児、障がい者の経済的負担を軽減し、必要な医療が受けられるよう、医療費の自己負担分への助成を行います。 52ページ。 通所通園等推進事業の実施。心身障がい児通園施設等への通所通園は、継続的な交通費の支出を伴うものであることから、児童及び付添人の通園に要する交通費を補助することにより、障がい児、障がい者の家庭の経済的負担を軽減します。自動車税等の減免制度の周知。身体障がい者等が所有する自動車の自動車取得税及び自動車税の減免制度、申請期限等について、県のホームページや納税通知書に案内を同封するなど、幅広く周知を行います。県営住宅入居での支援。県営住宅への入居について、入居収入基準の緩和、優先入居、単身入居の措置等により、安心して暮らせる居住の場の確保を図ります。収入の状況に応じて家賃の減免を行います。 (3)相談支援体制の充実。現状と課題。障がいのある人が地域で安心して暮らすため、身体、知的、精神の障がいのほか、発達障がいなどにも対応する、障がい者総合支援センター、を各圏域に設置し、市町村と県とが連携して総合的な支援体制を整備するとともに、地域で様々な支援を切れ目なく提供できる仕組み、地域生活支援拠点の構築が圏域単位で進められてきました。                        障がいのある人のニーズの多様化などにより、障がい者総合支援センターにおける相談支援件数は年々増加し内容も複雑化しています。 なお、サービス等利用計画の作成状況、進捗率は、平成28年度末で99.5%とほぼすべての対象者への計画作成が達成されたことなどから、今後は、相談支援の質の向上が課題となっています。 自立支援協議会の活動等を通じて市町村や福祉分野にとどまらない様々な機関と連携し、障がいのある人を地域全体で支える仕組みづくりを進め、相談支援体制の充実、強化を図る必要があります。 53ページ。 施策の展開・方向性。計画相談・障がい児相談の質の向上。・障害者、障害児本人や家族が希望する生活を実現させるために、状況の変化等に応じたニーズを把握し、サービス利用に関する再調整等を行うモニタリングを、障害福祉サービスを利用するすべての人に対し、定期的・継続的に実施します。地域移行・地域定着支援の強化。市町村及び相談支援事業所等地域の支援関係者と連携して、体験の機会・場の利用等により、施設や病院に長期入所、長期入院している障がいのある人の地域生活移行を進めます。地域定着支援や定期的な巡回訪問等を行う自立生活援助を活用し、緊急時支援が必要な障がいのある人の情報を事前に把握して地域の支援関係者が共有することにより、地域生活の継続のための支援を強化します。地域における相談支援の拠点となる、基幹相談支援センターの設置促進を図ります。相談支援専門員の養成と資質向上。国の相談支援従事者研修の受講者を中心に、実践力の高い人材を養成するための研修を実施し、相談支援専門員の資質向上と人材の確保を図ります。相談支援について指導的役割を果たす、主任相談支援専門員の基幹相談支援センター等への計画的な配置を目指します。県自立支援協議会人材育成部会を中心に、各圏域における研修・人材育成のリーダーの養成を支援します。 県自立支援協議会の体制充実。各地域自立支援協議会の代表者、連携機関、当事者団体等を構成員として、療育、人材育成などの専門部会や相談支援体制機能強化会議を設置し、地域自立支援協議会と連携しながら、地域の課題解決のための協議を行い、地域バックアップ体制を強化します。 54ページ。 達成目標等。施策・事業名 計画相談支援・障がい児相談支援の質の向上、施策・事業内容、きめ細やかなモニタリングの実施、2018年度2.78回、2023年度目標 年4回。施策・事業内容 相談支援専門員1人・1月当たり担当件数が35件以上の者の割合、2018年度実績なし、目標、2023年度0%。 施策・事業名 地域移行支援、施策・事業内容 地域移行支援利用者数、2018年度35人、目標、2020年度116人以上。施策・事業名、地域定着支援、施策・事業内容 地域定着支援利用者数、2016年度82人、目標、2020年度404人以上。施策・事業名 自立生活援助、施策・事業内容 自立生活援助利用者数、2016年度、実績なし、目標、2020年度年111人以上。施策・事業名 相談支援事業、施策・事業内容 基幹相談支援センター設置数、2018年度、4箇所、目標、2020年度、圏域に1箇所以上。 (4)福祉人材の養成・確保。現状と課題。まる 質の高いサービスを提供するためには、人材の確保や従事者の意欲・能力を高めるための人材育成が重要なことから、福祉分野への就業を支援するとともに、事業者や従事者に対する体系的な研修機会を確保することが必要です。多様な障がいに対応できる専門性の高い従事者の育成を図るとともに、障がいのある人の高齢化への対応も含めた人材の育成等が求められています。個別支援計画の作成を通じた、サービス提供の要の位置にあるサービス管理責任者について、サービス供給量の増加に伴い、人材の養成を図っていく必要があります。質の高い施設職員を確保し、その定着を図るため、職場環境の整備や処遇の改善等を行う必要があります。施策の展開、方向性。有資格者の養成、従事者の確保。 福祉大学校において質の高い介護福祉士等の養成を実施します。 福祉の職場を対象とした職場説明会や求職者と、求人事業所との就職面接会の開催、求職者と求人事業所との橋渡しをするキャリア支援専門員の配置などにより、求職と求人のマッチングを推進します。従事者に対する研修の充実、推進。・サービス提供プロセスの管理を行うとともに、サービスを提供する職員の指導等の役割を担うサービス管理責任者の養成研修等を実施し、必要な人材の養成を行います。 55ページ。 福祉サービスを支える人材の確保と質の向上を目指し、施設、事業所職員の段階と職務階層に合わせて受講できるよう、長野県版、キャリアパス、モデルに対応した研修を実施します。用語解説があります。長野県版キャリアパス、モデルとは、新任職員から上級管理者まで5段階の職層ごとに、求められる能力や、必要な資格・研修などを示したものです。職場体験等。中学生、高校生や福祉に関心のある一般求職者等に対し、福祉の職場体験の機会を提供します。また、中学校、高等学校に福祉、介護の従事者等を派遣し、福祉の仕事のやりがいや、仕事の内容を説明することにより、福祉の仕事に対する理解を深めます。施設職員の処遇向上等。施設職員が安心して働き続けることができるよう、福祉、介護職員等処遇改善加算等により給与等の処遇改善を図るとともに、勤務条件や福利厚生の向上など働きやすい職場環境の整備について助言等を行います。達成目標等。施策・事業名、福祉大学校運営事業、施策・事業内容、介護福祉士の養成、2016年度14人、目標、2023年度20人。施策・事業内容、保育士の養成、2016年度51人、目標、2023年度50人。施策・事業名、社会福祉研修事業、施策・事業内容、福祉・介護従業者に対する研修の実施、2016年度8,847人、目標、2023年度9,200人。 (5)地域生活支援拠点等の整備、充実。用語解説があります。地域生活支援拠点とは、障がいのある人の重度化、高齢化や親亡き後に備え、障がい児、障がい者が、住み慣れた地域で安心して暮らしていけるよう、様々な支援を切れ目なく提供し地域全体で支える仕組み。必要な機能として、@、相談。A緊急時の受入れ、対応。B体験の機会、場。C専門的人材の確保、養成。D地域の体制づくり。の5つをすべて備えることとされていますが、地域の実情により、どの機能をどの程度整備するかは、市町村や圏域が判断するものです。現状と課題。 地域生活支援拠点等の整備については、国が、平成27年から平成29年を期間とした、第4期障害福祉計画基本指針において、地域生活支援拠点を市町村または圏域に少なくとも一つ整備すると示したことを受け、県及び市町村の第4期障害福祉計画においても、平成29年度末までに、10の保健福祉圏域ごとに整備することを目標として体制整備が進められ、概ね目標どおり整備される見込みとなっています。今後、障害のある人の地域生活移行を進めるとともに、移行後の生活を継続させるためには、体験の場、機会の充実や緊急時に対応する体制の維持、運営が求められ、そのために、福祉、医療、行政等関係機関の連携の更なる強化、財源の安定的な確保、より高度、専門的な支援を要する人、かっこ、医療的ケア児等にも対応できる体制の機能強化などが課題となっています。 56ページ。 施策の展開・方向性。体制の機能の充実、強化。・地域生活支援拠点の効果的かつ持続可能な運営のため、県自立支援協議会等を活用した、地域の現状や課題等の把握・共有、好事例の紹介などにより、市町村や圏域の取組を支援します。 市町村や圏域においては、必要な機能が適切に実施されているか、定期的に評価を行い、その取組情報の公表を通じて、地域の課題を把握することにより体制の充実、強化を図る必要があります。達成目標等。施策・事業名、地域生活支援拠点等の整備、施策・事業内容、各圏域に整備し、機能の充実を図る、2016年度2圏域(地域)、目標、2020年度10圏域・地域、以上。 57ページ。 3、安全で暮らしやすい地域づくり。(1)安全な暮らしの確保。@防犯・交通安全対策の推進。現状と課題。障がいのある人を犯罪から守り、安全、安心なまちづくりを推進するため、広報啓発活動を充実するなど、保護対策を推進するとともに、障がいのある人を交通事故から守るため、障がいのある人に配意した交通安全知識の普及、発信活動を推進する必要があります。施策の展開・方向性。障がいのある人の保護対策の推進。・自治体を始めとする関係機関、関係団体と連携を密にし、防犯に関する情報を迅速に共有できる体制づくりを構築します。・社会福祉施設職員等に対する防犯講習・訓練等を実施し、危機管理意識の向上を図ります。社会福祉施設等における施設設備面の防犯対策について助言、指導を行います。障がい者虐待を認知した際、市町村への速やかな通報や被害者の保護対策など、被害者の立場に立った的確な措置を講じます。交通安全対策の推進。関係機関、関係団体と協力しながら、障がいのある人を始めとして、幼児から高齢者に至る全ての県民に対し、交通安全意識を高めるための交通安全教育を推進します。 関係機関や地域ボランティアとの協力により、障がいのある人に配慮した交通安全に関する広報啓発活動を積極的に推進します。・障がいのある人を始めとした交通弱者を交通事故から守るため、運転免許取得者及び運転免許更新者に対して、それぞれの機会に、適時適切な運転者教育を推進します。 A防災対策、災害発生時の支援の推進。現状と課題。長野県は多くの活断層、急峻な地形、脆弱な地質を有し、災害が多発しています。災害時には、支援を必要とする障がいのある人に対して適切な対応を行い、安全・安心な暮らしを支援する必要があります。障がいのある人に対する避難支援等の強化は急務であり、避難支援体制の構築が望まれます。自ら避難することが困難で、避難の確保を図るために特に支援を要する者、かっこ、以下、避難行動要支援者という。の中には、障害のある人も多く、要配慮者保護のための防災対策の一層の充実が必要です。 58ページ。 市町村が実施する災害時の情報伝達、避難誘導、避難所運営等においては、障害のある人、個々の具体的な状況を踏まえ、多様な関係機関とも協力しながら行われることが求められています。災害時においては、災害ボランティアの力が不可欠であり、迅速、かつ的確に災害ボランティア活動が行われるような支援が必要となります。施策の展開・方向性。避難行動要支援者名簿の策定支援。市町村が行う災害時における、障害のある人等の避難支援の計画について、平成25年の災害対策基本法改正に伴い、避難行動要支援者の避難支援を実施するための基礎となる名簿、避難行動要支援者名簿の作成が義務化されました。この名簿の充実化と、個々の状況を鑑みた、個別計画の早期策定を要請し、必要に応じて助言を行います。災害時住民支え合いマップ策定の推進。市町村が、長野県地域防災計画に基づき作成する要配慮者の様態に配慮した避難支援計画を具体化する手法として、災害時住民支え合いマップの策定を支援し、それを通じて、災害時だけでなく平常時における地域住民相互のつながりを深め、住民同士の支え合い活動、地域福祉活動を推進します。要配慮者利用施設における防災対策の充実。福祉施設が、火災や地震など様々な災害に対応した非常災害対策マニュアルを整備するとともに、必要な訓練等を実施するよう指導します。 市町村の地域防災計画に定められた福祉施設において、浸水想定区域や土砂災害警戒区域など地域の実情に応じた利用者の避難確保計画を作成し、この計画に基づく避難訓練が実施されるよう支援します。用語解説があります。浸水想定区域とは、河川管理者である国または県が指定した、河川が氾濫した場合に浸水が想定される区域のことです。土砂災害警戒区域とは、県が指定した、土砂災害が発生した場合に住民等の生命または身体に危害が生じるおそれがあると認められる区域のことです。福祉避難所の運営体制の充実。災害が発生した際に、障がい者等の要配慮者のかたを対象として市町村が開設する福祉避難所の運営体制の充実を図るため、実際の災害を想定した福祉避難所設置、運営訓練の実施を市町村へ要請し、必要に応じて助言を行います。災害拠点となる施設等の充実。・病院、社会福祉施設、学校等、多数の者が利用する建築物の耐震化を推進し、安全性の向上を図ることで、県民の生命及び財産を守ります。災害ボランティア活動の推進。災害時において迅速かつ効果的にボランティア活動が展開されるように、災害ボランティアセンターの設置・運営訓練等、センター運営全般のサポートを行う人材の養成を図ります。また、社会福祉法人、福祉職能団体等が参画する災害福祉広域支援ネットワークを構築し、災害時要配慮者を広域で支援する体制整備を支援します。 59ページ。 達成目標等。施策・事業名 市町村の避難行動要支援者名簿策定への支援、施策・事業内容 市町村による災害時における障害者、高齢者等避難支援計画の策定に対し、必要に応じて指導、助言を実施、2016年度64市町村、目標、2023年度77市町村。施策・事業名、災害時住民支え合いマップの策定、施策・事業内容、災害時住民支え合いマップ等の策定に取り組む市町村を支援、2016年度2,491地区、目標、2025年度、配慮者がいる全ての地区。 施策・事業名、要配慮者利用施設を守る砂防事業、施策・事業内容、ハード対策の推進、かっこ土砂災害特別警戒区域内の要配慮者利用施設対策事業の事業完了施設数、2016年度24施設、目標、2023年度55施設。施策・事業名、福祉避難所の設置、運営訓練の実施、施策・事業内容、市町村による福祉避難所の設置、運営訓練の実施要請及び助言、2016年度9市町村、目標、2023年度77市町村。施策・事業名、多数の者が利用する施設、施策・事業内容 耐震化割合、2015年度89.7%、目標、2023年度95%。これは、だいにき、長野県耐震改修促進計画の目標です。 60ページ。 (2) 誰もが暮らしやすいまちづくり。@福祉のまちづくりの推進。現状と課題。高齢者や障害のある人等が身近な地域で買い物をしたり、食事に出かけることができるよう、駅舎や歩道など県民生活に密着した公共建築物や交通安全施設などに対するバリアフリー対策を積極的に推進する必要があります。 高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律、バリアフリー法、の規定に基づき、公共交通事業者に対して旅客施設、車両等のバリアフリー化への対応がより推進されており、それらの事業者が行う施設等の整備への支援を一層充実していく必要があります。平成28年度末までに、全ての都市計画区域について、誰もが安心して暮らせるまちづくりの視点に立った、都市計画区域マスタープランの第1回見直しを行いました。現在、都市計画の基となる都市計画基礎調査を進めており、この調査結果等を踏まえて第2回見直しにおいても、誰もが安心して暮らせるまちづくりの推進となる、都市計画区域マスタープランとする必要があります。障がいのある人などの意見を反映し、誰もが利用しやすい施設の整備が進むように、長野県福祉のまちづくり条例を平成27年度に改正しました。 施策の展開・方向性。誰もが安心して暮らせるまちづくりの推進。・建築物のバリアフリー化を始めとする福祉のまちづくりを推進します。 61ページ。 信州パーキング パーミット制度については、制度協力区画を増やすため企業等への協力依頼活動等、普及、啓発を推進します。用語解説があります。パーキング・パーミット制度とは、公共施設や店舗など様々な施設に設置されている障害者等用、駐車区画を適正に利用するため、障害のある人や高齢者、妊産婦の人など歩行が困難なかたに、県内共通の、利用証、を県が交付する制度です。地域共生社会の実現を目指し、長野県地域福祉支援計画の策定を検討します。誰もが安心して暮らせるまちづくりの視点に立った、都市計画区域マスタープランの見直しを行います。障害のある人が地域で安心して暮らせるよう、障害のある人へのちょっとした配慮、手助けを実践する信州あいサポート運動を、あいサポート企業・団体と連携して推進します。また、外出時などにおいて必要なバリアフリー情報が得られるよう、バリアフリーマップ、かっこ、仮称、の作成について関係団体と連携を図りながら取り組みます。交通バリアフリー化の推進。・ユニバーサルデザインの考え方を基本に、鉄道駅のバリアフリー化の施設整備、低床バスの普及促進、安全で利用しやすい交通アクセスの確保などの交通、移動対策の総合的な整備の促進を図ります。音響により信号表示の状況を知らせる視覚障がい者用付加装置信号機や、音響式歩行者誘導装置信号機の整備を推進します。青信号を通常より長くする高齢者等感応化信号機の整備を推進します。障がいのある人が携帯する白杖反射シートや端末に反応し、信号の状態を音声で知らせたり、青信号を通常より長くするPICS、歩行者等支援情報通信システム、の整備を推進します。 右左折車両と歩行者の交錯の防止等を目的とした歩車分離式信号機の整備を推進します。歩道の設置や無電柱化、歩道の段差切下げ、視覚障がい者誘導用ブロックを敷設し、障がいのある人の活動範囲を広げることができる歩道のバリアフリー整備を行います。達成目標等。施策・事業名 都市計画区域マスタープラン策定、施策・事業内容 誰もが安心して暮らせるまちづくりの視点に立った都市計画区域マスタープランの第2回見直し、2016年度、0区域、目標、2023年度20区域。施策・事業名、ていしょうバスの普及、施策・事業内容、ていしょうバスの導入に対して助成し、障がい者等の移動手段を確保、2016年度、46.6%、目標、2023年度 100%、この目標は、長野県新総合交通ビジョンの目標値を準用しています。施策・事業名、駅舎のバリアフリー化、施策・事業内容、駅舎のバリアフリー設備の整備に対して助成、2016年度、20駅、目標、2023年度26駅。 62ページ。  施策・事業名 交通安全施設等整備、施策・事業内容 視覚障がい者用付加装置信号機、2016年度、441基、目標、2023年度、455基。施策・事業内容、 音響式歩行誘導装置信号機、2016年度、328基、目標、2023年度350基、施策・事業内容、高齢者等、感応化信号機、2016年度、115箇所、目標、2023年度121箇所。施策・事業内容、PICS、歩行者等支援情報通信システム、2016年度、10箇所、目標、2023年度、13箇所。施策・事業内容、歩者分離式信号機、2016年度、407箇所、目標、2023年度、447箇所。施策・事業内容、歩道設置、2016年度、668q、目標、2023年度717q。施策・事業名、無電柱化推進、施策・事業内容、電線共同こう設置、2016年度、39q、目標、2023年度43.2q。施策・事業名、歩道リメイク、施策・事業内容、歩道段差切下げ、2016年度、1,861箇所、目標、2023年度、2,106箇所。施策・事業名、交通安全対策、施策・事業内容、視覚障がい者誘導用ブロックの敷設、2016年度、24.6q、目標、2023年度、目標33.7q。 63ページ。 A住宅の整備に対する支援。現状・課題。障がいのある人の居住環境を改善し、住み慣れた地域社会で自立して生活できるよう支援することにより、障がい者福祉の向上並びに家庭介護者の負担軽減を図ることが必要です。施策の展開・方向性。障がい者にやさしい住宅改良促進事業の推進。 ・日常生活をできる限り自力で行なえるように、障がいのある人の居住環境を改善し、住み慣れた家や地域で暮らし続けていけるように支援していきます。バリアフリー化の推進。・県営住宅の建替や改修において、床の段差解消や手すりの設置などのバリアフリー化を行い 障がいのある人等に配慮した住宅の整備を進めます。・県営住宅の建替において、地域の実情に応じて車いす使用者向け住宅の整備を行います。達成目標等。施策事業名 県営住宅の建替・改修、施策事業 内容 バリアフリー化の推進、2016年度、2,524戸、目標、2023年度2,790戸。 64ページ。 4、社会参加の促進。(1)就労支援の充実。@一般就労の促進。現状と課題。県内の民間企業における障がいのある人の雇用については、平成29年6月1日現在、実雇用率2.06%で、全国平均1.97%を上回っていますが、法定雇用率2.0%)に達していない企業が未だ約4割の39.1%あり、更なる雇用促進に向けて取り組む必要があります。平成30、2018年4月から、新たに精神障がい者が雇用義務の対象となり、法定雇用率が2.2%へ引き上げられ、また、2021年4月までには、さらなる引き上げが見込まれることからも、雇用促進に努める必要があります。施策の展開・方向性。相談支援体制の充実。 10圏域に各1か所ずつ設置する、障害者就業、生活支援センターに配置した就業支援ワーカーをはじめ、求人開拓員、障がい者職業訓練コーディネーターや市町村の相談窓口、特別支援学校、ハローワーク、長野障害者職業センターなど関係機関との連携強化を図り、就労を希望するすべての障がいのある人に対する、就労に関する相談支援体制の充実を図ります。 求人開拓員による職業相談を通じた相談者の個別状況の把握、それに応じた求人開拓、求人企業への同行訪問や職業紹介状の発行等を行う無料職業紹介事業の実施により、障がいのある人の、一般就労を促進します。一般企業への就労拡大。関係機関が連携して、企業における障がい特性に応じた対応方法や障がいに配慮した職場づくりのノウハウ等を共有する仕組みをつくり、障がいのある人の、就労定着の支援に取り組みます。より多くの企業が法定雇用率を達成できるように、ハローワークや就労支援機関などと連携し、雇用促進の啓発などを行います。県の障がい者民間活用委託訓練事業や国の援助制度、かっこ、トライアル雇用制やジョブコーチによる支援等の周知、普及を行い、雇用拡大につなげます。障がいのある人の就業、生活面の一体的な相談支援を行う障害者就業、生活支援センターによる個別支援を強化し、就労促進及び就労後の職場定着を図ります。企業等での職場実習の場を拡大し、適切な助言指導のもとで実習を行うことにより、障がいのある人の就労を促進するとともに企業側の雇用促進を図ります。あんま、はり、きゅうなどの資格を有する視覚障がいのある人への支援については、盲人ホームにおいて専門的な技術指導を行います。用語解説があります。盲人ホームとは、あんまマッサージ指圧師、はり師、きゅう師の免許を有し、自営や雇用されることの困難な視覚障がいのある人に必要な技術指導を行うことにより、その自立を図ることを目的とする施設です。 65ページ。 特別支援学校において、一般企業への就労を希望する生徒の進路実現と、企業側の障がいのある人の理解や受け入れに向けた取組を促進するために、就労コーディネーターによる企業への働きかけとマッチング支援、特別支援学校技能検定の実施、協力企業登録制度の実施等を総合的に推進します。・障がいのある人を雇用する中小法人や個人事業主に対して、法人事業税と個人事業税の減税を行い、障がいのある人の雇用を促進します。 自立した生活を送ることができる地域社会の実現に向けた仕組みづくり。企業向けに障がい者雇用の普及啓発を図るセミナーを開催するほか、求職者と、企業の出会いの場となる合同企業説明会を開催し、障がいのある人の就労と企業の、障がいのある人の雇用を双方から支援します。発達障がいのある人への就労支援、長野県発達障がい者支援対策協議会の体制を充実し、企業における働きやすい環境づくりなど、就労に関する課題を検討します。達成目標等。施策・事業名 法定雇用率適用企業で雇用される障がい者数、2016年度6,075人、目標、2023年度7,599人。施策・事業名、福祉施設から一般就労への移行者数、2016年度262人、目標、2020年度399人。施策・事業名、無料職業紹介事業による就職者数、施策・事業内容、求人開拓員による職業相談、個々の状況に応じた求人開拓、求人企業への同行訪問、職業紹介状の発行を行い就職に結びつける、2016年度、261人、目標、2023年度480人。 66ページ。 A福祉的就労の推進。現状・課題。県内の就労継続支援B型事業所等、以下事業所等という。で就労している障がいのある人の平成28年度月額平均工賃は15,246円となっており、障害年金と合わせても8万円程度にとどまり、地域で自立した生活を送るには、2万円から3万円不足している状況です。 平成18年度から事業所等の工賃アップに向けた取組を行ってきましたが、事業運営にあたっての販路の確保、事業所等が供給する物品・サービスの質の向上や職員の支援力の向上等が課題となっています。施策の展開・方向性。工賃アップに向けた事業所間、企業等との連携の推進。事業所単独では受注が難しい大量の作業等の複数の事業所による共同受注や、共同販売会の開催など、事業所間の連携の促進と協力体制づくりを支援します。工賃アップのためのアドバイス、企業等からの受注、販路の開拓などにより事業所等の取組を支援します。 質の高い技術導入の支援。・より質の高い作業や製品開発等に必要な知識・技術の習得のために、民間の専門的技能の導入を積極的に支援します。 67ページ。 障がい者就労施設等からの物品等の調達の推進、国等による障害者就労施設等からの物品等の調達推進等に関する法律に基づき、市町村等と連携しながら、障がい者就労施設等が供給する物品及び役務に対する需要の増進を図るとともに、民間企業等においても調達が促進されるよう必要な取組を行うことにより、事業所の収益力向上を目指します。達成目標等。施策・事業名 福祉就労強化事業、施策・事業内容、地域連携促進コーディネーターの配置、共同受注等強化支援、民間技能活用支援、農業就労チャレンジ事業、かっこ、月額平均工賃の向上、2016年度、15,246円、目標、2023年度21,000円。Bのうりんぎょう分野における就労支援。現状と課題。障がいのある人の新たな就労の場の開拓が必要となっている中で、人口減少や高齢化等により担い手が不足している農業分野の課題と、障がいのある人の就労の場の創出という福祉分野の課題に対応するための、のうふく連携や、りんぷく連携の取組が広がってきています。県では、平成26年度から、農業就労チャレンジ事業を実施し、農業就労チャレンジコーディネーターによる農家等と事業所等とのマッチングや農作業現場で技術指導等を行う農業就労チャレンジサポーターの派遣を行い、障がいのある人の就労機会の拡大や工賃向上に一定の成果が上がっています。県内の市町村では、農産物の販路先となる企業等と地域の農業関係者等を連携させた上で就労継続支援A型事業所を開設し、障害のある人の就労の場の創出と自立を促進する取組が行われており、さらなる拡大が望まれます。今後は、障害のある人が地域で自立して生活するために、農業法人等への雇用や農業に携わる障がいのある人に対する支援が必要です。 施策の展開・方向性。のうふく連携・りんぷく連携による障がい者就労の推進。引き続き、農業就労チャレンジ事業を実施し、自ら農業を行う事業所等への支援を強化します。農業関係者に対し、障がいのある人を農業の担い手として位置付けることについての意識啓発を図るとともに、ハローワーク等の関係機関や求人開拓員などと連携し、就農への取組を進めます。 68ページ。 全国的組織の、のうふく連携全国都道府県ネットワークや全国のうふく連携推進協議会の活動に参加し、他の自治体や関係団体等と施策の調査、研究に取り組み、就労の場の拡大や農産物の販路拡大等を一層進めます。農業分野での障がいのある人の就労には様々な形態があることや 農家の労働力不足の解消に繋がることなどを農業者や市町村、ジェイエイ等へ広く周知し、地域全体で障害のある人の就農を支援していく取組を進めます。農業および林業分野での就労は、障がいのある人にとって就労機会の拡大や障がいの状態の改善に有効であり、農林業にとっても担い手の確保や荒廃農地・山林の再生等のメリットがあることから、関係部局・諸団体との連携をより一層強化します。 達成目標等。施策・事業名、のうふく連携による支援、施策・事業内容、就労継続支援事業所等に対する農業分野における就労支援、2016年度、109事業所、目標、2023年度140事業所。 69ページ。 (2)移動、情報コミュニケーション支援の充実。  まる1。移動支援の充実。現状と課題。移動支援事業は、野外での活動が困難な障がいのある人等に対して、外出の支援を行う事業であり、重度視覚障がい者に対する移動支援については、平成23年10月から同行援護サービスが創設されました。地域生活支援事業の中で大きな割合を占める移動支援事業は、障がいのある人の社会生活に必要なサービスであることから、今後もニーズの高い事業であり、必要なサービスが提供されることが重要となっています。まる。福祉有償運送は、NPO法人、社会福祉法人等が会員登録を行った要介護者・要支援認定者、身体障がい者等の移動困難者に対して、実費の範囲内で、営利とは認められない範囲の対価によって、乗車定員11人未満の自動車を使用して、原則としてドア・ツー・ドアの個別輸送を行うもので、市町村運営協議会に協議し合意のうえで、県が登録しています。まる。県では、重度の視覚障がい、聴覚障がい、肢体不自由障がいのある人に身体障がい者補助犬、かっこ、盲導犬聴導犬や、介助犬の給付を行っています。身体障がい者補助犬利用者が社会参加できる機会が増える中、食堂や旅館などの不特定多数の人が利用する施設で身体障がい者補助犬の同伴を拒否される、じあんも発生しています。引き続き事業者のみならず広く県民に対しての広報、啓発を行い、補助犬利用者が安心して安全に生活できるよう、理解の促進を図る必要があります。 70ページ。 施策の展開・方向性。 移動支援事業の充実。・各市町村の移動支援の取組を調査し、市町村に対し他の自治体の取組例を紹介するなど、より積極的な事業の実施を促します。また、市町村が十分なサービスを行えるように、国へ予算の確保を要望していきます。まる。福祉有償運送の推進。・福祉有償運送を行う運転者の要件として、第一種運転免許を受けており、その効力が過去2年以内において停止されていない者であって、かつ国土交通大臣認定講習を受講している者となっており、認定講習を実施する団体の会場確保等に協力し、福祉有償運送の担い手の確保に取り組みます。まる。自動車運転訓練の実施。・総合リハビリテーションセンターにおいて、障がい者用教習車を使用した運転免許取得訓練や運転免許は所持しているが、高次脳機能障害等により運転が困難になった人に対し運転習熟訓練を行います。まる。身体障がい者補助犬の給付及び理解の促進。必要とされる人に身体障がい者補助犬の給付を行います。・ポスター、リーフレット等を活用して身体障がい者補助犬に関する広報、啓発を積極的に行い、県民及び補助犬が利用する事業者に対して理解を促進します。 71ページ。 A情報・コミュニケーション支援の充実。現状と課題。聴覚障がいのある人の日常生活におけるコミュニケーションを確保するため、情報通信機器の活用をはじめ、担い手となる手話通訳者や要約筆記者の養成研修を実施しています。また、視覚障がいのある人のコミュニケーションを確保するため、点訳・朗読奉仕員の養成研修を実施するとともに、上田点字図書館等による点字図書、デイジー図書、CD等の貸出のほか、音声コードの普及、活字読み上げ装置の整備を進めています。まる。情報提供体制の充実を図るため、字幕入りビデオカセットの製作・貸出しのほか、県政テレビ番組へのテロップの挿入などを行うとともに、社会生活訓練の充実のため、聴覚障がいのある人に対して指導員が日常生活に必要な訓練を行っています。また、中途視覚障がいのある人に対する生活訓練については、点字、ワープロ等のコミュニケーション方法や福祉機器の活用方法等の講習会を開催しています。市町村地域生活支援事業におけるコミュニケーション支援事業の普及とともに、今後増大する需要に対応するため、引き続き、手話通訳者、要約筆記者及び点訳・朗読奉仕員の養成と資質の向上に努めていく必要があります。意思疎通が困難な者に対する支援方法としては、手話通訳や要約筆記等がある一方、失語症者に対する意思疎通については、未だに家族以外の第三者による支援が広がっていない状況にあります。コンピュータやインターネットの技術の進歩と普及は、家にいながらにして、情報の取得・発信、就労などが可能となり、障がいのあるなしに関わらず、ITを活用して社会参加や仕事ができる環境が整ってきています。このため、とりわけ障がいのある人のITに関する知識・能力の向上、パソコン等関連機器の利用環境の整備等、IT活用を総合的にバックアップする体制整備が必要です。 72ページ。 施策の展開・方向性。障がい特性に応じた情報の提供。障がい特性に応じた情報提供のため情報通信機器の活用などの環境整備、意思疎通支援を行うための支援者等の養成や資質向上の取組を行います。意思疎通支援者の養成。情報保障の確保のため、引き続き手話通訳者、要約筆記者、盲ろう者通訳・介助員などの養成・研修を行うともに資質の向上に努めます。点訳・朗読奉仕者の養成。点訳、朗読に必要な技術等の習得支援を行い、これらに従事する奉仕員を養成します。まる。失語症者向け意思疎通支援者の養成。失語症者の意思疎通を支援するため、意思疎通支援者の養成を行います。情報提供体制の整備・字幕入りビデオカセットの製作・貸出しや点字図書、デイジー図書、CD図書、カセットテープ等の貸出しを行います。・県のホームページについて、アクセシビリティの向上も含め、障がい者や高齢者にもより使いやすくするため、改訂を進めてまいります。 用語解説があります。デイジー図書とは、デイジーという規格を用いたデジタル録音図書。長時間の録音が可能で、章や見出し、ページから読みたい部分を検索できる。専用のプレイヤーや専用の再生ソフトウエアをインストールしたパソコンが必要です。音声コードとは、紙に印刷される約2p四方の画像データです。活字読み上げ装置とは音声コードの画像データを読み取り、音声に変換して出力する装置です。まる。ITコミュニケーションの支援。・障がい者のIT機器の利用を促進し、情報収集やコミュニケーションを支援するための拠点となる、障がい者ITサポートセンターを設置し、IT利用の普及、IT活用能力の向上及びテレワーク、かっこ 在宅就労 を推進する取組を行います。 73ページ。 軽度・中等度難聴児の補聴器購入に対する助成。・引き続き、軽度・中等度難聴児の補聴器購入に対して助成することにより、補聴器の早期装用を促し、聴力の向上、言語発達の支援、周囲とのコミュニケーション障がい及びそれに伴う情緒障がいの予防、改善を図ります。また、国に対しては、補装具費支給制度の対象を拡大するよう要望します。バリアフリーマップ仮称の作成。・外出時などにおいて必要なバリアフリー情報が得られるよう、バリアフリーマップ、かっこ、仮称の作成について関係団体と連携を図りながら取り組みます。達成目標等。施策・事業名。手話通訳者の登録、手話通訳者養成講座の実施。2016年度、167人。目標2023年度180人。施策・事業名、要約筆記者の登録、要約筆記者養成講座の実施。2016年度、132人。目標、2023年度170人。施策・事業名。手話の理解、初級程度の手話を使うことのできる人の割合。2016年度、7.4%。目標、2023年度10%。 74ページ。 (3)スポーツ、文化芸術、レクリエーション活動の振興。@。スポーツ活動の振興。現状と課題。長野県障がい者スポーツ大会、地区障がい者スポーツ大会、長野車いすマラソン大会及び県障がい者スキー大会を開催し、障がいのある人がスポーツを行う機会を提供するとともに、障がい者スポーツ指導員を養成しています。用語解説があります。障がい者スポーツ大会とは、翌年の全国障害者スポーツ大会の予選を兼ねて開催する県内最大規模の障がい者スポーツ大会。例年、選手、審判員、ボランティア等あわせて約2,000名が参加。長野車いすマラソン大会とは、毎年4月に長野マラソン大会と同時開催し、コースの基本部分は共通利用する、東日本最大級の車いすのハーフマラソン大会。県障がい者スポーツ協会と連携し、障がい者スポーツの振興を図るとともに、各種スポーツの競技力向上の取組を支援しています。県障がい者福祉センター、かっこ、サンアップルにおいて、スポーツ教室やレクリエーションを行い、障がいのある人がスポーツに親しむ支援をしています。障がい者スポーツの普及振興とスポーツを通じた共生社会づくりの推進を目指し、長野県障がい者スポーツ推進会議 を設置し、情報の共有や連携方策等について検討しています。 平成29年度よりスポーツを行いたい障がいのある人と指導者や場所をつなぐ、障がい者スポーツ地域コーディネーターを設置し、障がい者スポーツの普及・振興を図っています。2027年に全国障害者スポーツ大会が本県で開催されることになり、選手の育成・強化、県民の応援の機運醸成が必要となっています。 75ページ。 施策の展開・方向性。スポーツに親しむ機会の確保。2020年東京オリンピック・パラリンピック、2027年に本県で開催される、第82回国民体育大会及び第27回全国障害者スポーツ大会のムーブメントを活用し、地域で行う障がい者スポーツ体験会等により、障がい者スポーツに親しむことができる環境づくりを推進します。まる。地域における障がい者スポーツの定着。障がいのある人がその程度に応じて楽しめるスポーツが普及し、それぞれに応じたスポーツを楽しめるよう、障がい者スポーツ指導員の養成や総合型地域スポーツクラブ等への障がい者スポーツの知識と理解の普及を進めます。 達成目標等。施策・事業名。障がい者スポーツ体験会等の実施、市町村で行う体験会や交流会の開催支援。2016年度8市町村。目標2023年度63市町村。施策・事業名。障がいのある人のスポーツ参加促進、障がいのある人が参加するプログラムを行っている総合型地域スポーツクラブの割合、2016年度13.2%。目標2023年度50.0%。 76ページ。 A文化芸術活動の振興。現状と課題。県では、県内在住の障がいのある人等から応募のあった作品を展示、鑑賞する、長野県障がい者文化芸術祭、を開催しています。優秀作品は、県内各地で巡回展示会を行っています。また、東京2020参画プログラムに登録した、障がいのある人の美術作品展かっこ、ザワメキアート展〜信州の障がいのある人の表現とアール・ブリュット〜を開催しています。県内の生活介護または就労継続支援B型の障害福祉サービスを提供している事業所を対象に、造形・表現活動調査を実施しています。活動している事業所は増えていますが、活動を指導・支援できる者の派遣・育成等の必要があります。障がいのある人の創作活動の発信の場と、その作品を県民が広く鑑賞する機会を増やす等の取組を通して、障がい者文化芸術活動に対する理解と関心を高めていく必要があります。施策の展開・方向性。文化芸術活動の振興。県では、信濃美術館の整備に障がいのある人の視点を取り入れる等、障がいのある人もない人も、誰もが日常的に文化芸術に親しめる環境づくりを目指します。ザワメキアート展、障がい者文化芸術祭及び障がい者文化芸能発表会を開催するなど、文化芸術活動の発表の場及び鑑賞機会を提供します。 障がいのある人等が文化芸術に親しみ、自らも楽しむことができるよう、指導者を派遣する等の事業展開を目指します。・障がいのある人の才能を見出し支援する方法や、指導者の人材確保に向けた方策等を研究します。 77ページ。 Bレクリエーション活動の振興。現状と課題。外出を楽しんだり旅行に出かけるなど、それぞれのニーズに応じた社会参加の機会が選択できるよう、必要な情報が提供される環境整備が必要です。 丘陵地や砂地などで利用できるアウトドア用車椅子を使用することで、車椅子利用者も山での散策が可能になるなど、今後も新しい機器の開発・普及に伴い、社会参加の機会の拡大が期待されます。 施策の展開・方向性。バリアフリーマップ、かっこ、仮称の作成。 外出時などにおいて必要なバリアフリー情報が得られるよう、バリアフリーマップ、かっこ、仮称の作成について、関係団体と連携を図りながら取り組みます。 まる。ユニバーサルツーリズムの取組支援や情報発信。誰もが楽しめる観光地域づくりを進めます。信州あいサポート運動も活用して、観光人材の育成や観光機運の醸成を図ります。ネットワークづくりによる県内推進団体の連携強化と先進事例を相互に学ぶ機会を作ります。モデルコースや観光地、宿泊施設等のバリアフリー情報の提供を図ります。 78ページ。 5ライフステージに応じた切れ目のないサービス基盤の充実。 (1)障がい者に対する適切な保健・医療サービスの充実。まる1。医療体制の充実。現状と課題。病院等、医療基盤の整備は図られてきていますが、障がいの多様化に伴う医療ニーズに応えられるよう、医療を担う人材の養成・確保を行うとともに、高度専門医療及び在宅医療の充実を図る必要があります。 施策の展開・方向性。地域医療・救急医療の充実。第7次保健医療計画に基づき、医療提供体制の確保を図ります。用語解説があります。保健医療計画とは、医療法に基づく計画で、長野県の保健医療政策の基本となる総合的な計画をいうものです。第7次は、平成30(2018)年度から35(2023)年度の6年間を定めるものです。県民一人ひとりのライフステージに即した身近な医療サービスを提供するため、かかりつけ医、としての医師の役割の定着化を支援します。 救急医療情報システムの効果的な運用により、救急患者の迅速な搬送と適切な治療の確保を図ります。小児救急医療体制の運営を支援するとともに、救命救急センターなどの救急医療施設の充実を図ります。 用語解説です。救命救急センターとは、重篤救急患者の救命医療を行うことを目的に指定された施設で、高度な救急医療を24時間体制で提供できる機能を有しています。 79ページ。 医療従事者の養成・確保等。障がいのある人の医療ニーズに的確に対応するため、医療従事者の養成、確保を図ります。医師のキャリア形成過程に対応した医師確保対策を推進するとともに、医療勤務環境改善支援センターと連携して医師の勤務環境改善の推進に努めるなど、医師の確保・定着を図ります。看護大学、看護師養成所等を拠点として、医療の高度化・専門化に対応できる質の高い看護職員の養成、確保を図るとともに、講習会、研修会を開催し、看護職員の資質の向上を図ります。リハビリテーション医療の重要な担い手である理学療法士、作業療法士、言語聴覚士等の資質向上のため、各職種の関係団体が実施する業務に関する知識・技能の向上を目指した学術研究会・研修会の支援に努めます。 用語解説です。理学療法士とは、身体に障がいのある人に対し、治療体操その他の運動を行わせるとともに、電気刺激、マッサージ、温熱その他の物理的手段を加えることにより、基本動作能力を回復させることを業務とする者です。作業療法士とは、身体又は精神に障がいのある人等に対し、種々の作業活動を用いて治療や訓練指導、援助を行い、応用的動作能力や社会的適応能力を回復させることを業務とする者です。言語聴覚士とは、音声機能、言語機能または聴覚に障がいのある人に対して、その機能の維持・向上を図るため、言語訓練その他の訓練、これに必要な検査および助言、指導その他の援助を行うことを業務とするものです。 80ページ。 A障がい児 障がい者の歯科口腔保健医療。現状と課題。40歳以上の身体・知的障がい者で、自分の歯を24本以上有する人の割合は、平均年齢63.3歳、52.8%であり、同年齢域で、40歳以上、平均年齢65.6歳の、58.4%と比較しても少ない状況です。 県は、在宅療養中の重度心身障がい児者訪問歯科健診事業を、平成16年度から実施しており、近年の実施者数は、平成24年度45人。平成25年度44人。平成26年度37人。平成27年度45人。平成28年度52人です。 県は、重度心身障がい児童、障害者の歯科口腔医療について、県下4つの重度心身障害児、障害者の歯科診療施設に、専門診療を要請しています。 平成29年5月末現在で、東信圏域、佐久市立国保浅間総合病院。中信圏域、松本歯科大学病院。北信圏域、長野赤十字病院。南信圏域、伊南行政組合 昭和伊南総合病院です。 県立こども病院「口唇口蓋裂センター」では、唇顎口蓋裂等の疾患について医科と歯科の専門スタッフが連携して治療にあたっています。精神障がい者、発達障がい児 発達障がい者を含め、障がい児 障がい者への口腔保健指導の取組や、地域での歯科口腔医療提供体制の整備が課題となっています。 81ページ。 施策の展開・方向性。障がい児 者に対する歯科口腔保健支援。・障がい児、障害者等の特別に支援を要する人の歯科健診を推進します。歯科口腔保健対策の実態把握や施策の検証、新たな課題の把握を行います。関係機関、団体と幅広く連携し、精神障害や重度心身障害、発達障がい等の障がい児、障害者への歯科口腔保健医療について、提供体制の整備を図ります。 達成目標等。歯科保健医療の施策、歯科保健医療サービス提供困難者への歯科保健医療推進事業、在宅重度心身障がい児、障害者の訪問歯科健診。2016年度52人。目標2023年度。60人。施策・事業名。重度心身障がい者歯科診療施設の要請、重度心身障がい者歯科診療。現状。2016年度4病院。目標。2023年度4病院。 82ページ。 B医療的ケア児支援に向けた体制整備。 現状と課題。 医療技術の進歩等を背景として、NICU、新生児集中治療室等に長期間入院した後、人工呼吸器等を使用し、たんの吸引などの、医療的ケアが必要な障がい児。かっこ、重症心身障がい児のうち医療的ケアが必要な障がい児を含むが増加していると言われており、その実態把握に努める必要があります。 まる。医療的ケア児がそれぞれの地域で適切な支援を受けられるよう、平成28年度の改正児童福祉法において、「地方公共団体は、人工呼吸器を装着している障害児その他の日常生活を営むために医療を要する状態にある障害児が、その心身の状況に応じた適切な保健、医療、福祉、その他の各関連分野の支援を受けられるよう、保健、医療、福祉その他の各関連分野の支援を行う機関との連携調整を行うための体制の整備に関し、必要な措置を講ずるように努めなければならない。」と規定されました。 施策の展開・方向性。支援体制の整備・支援の充実。 ・医療的ケア児が適切な支援を受けられるよう、保健・医療・障がい福祉・保育・教育等の関係機関の連携体制の構築に向けて取り組みます。 ・医療的ケア児のライフステージに応じ、専門的な知識により支援ができる人材を養成していきます。  ・医療的ケア児を在宅で介護する家族の負担軽減を図るため、医療的ケア児が利用できる短期入所事業所の設置を促進するとともに、医療的ケアに対応できる障害児通所支援事業所の整備を進めるなど、医療的ケア児の支援の充実を図ります。 83ページ。 (2)多様な障がいに対する支援。 @。重症心身障がい児 者への支援。現状と課題。 まる。医療的ケアが必要な重症心身障がい児、障害者等が利用できる、医療機関等が設置する医療型短期入所事業所は、平成29年12月1日現在で県内に14箇所と限られているほか、そのほとんどが本体施設の、くうしょうを利用する形態であるため、緊急時の対応が困難な場合があります。  医療的ケアを必要とする在宅の障がい児、障害者が、地域で安心して暮らしていくためには、医療的ケアに対応できる障害児通所支援事業所や生活介護事業所などの日中活動の場の充実が必要です。  施策の展開・方向性。在宅で介護する家族の負担を軽減するため、自立支援協議会や医療的ケア児支援のための協議の場などと連携し、医療的ケアが必要な重症心身障がい児、障害者が利用できる医療型短期入所事業所の拡充を図ります。 まる。重症心身障がい児、障害者、が利用できる日中活動の場の拡充を図るため、必要な制度改正や予算措置を国に対し要望していくとともに、医療的ケアに対応できる障害児通所支援事業所や生活介護事業所などの整備を計画的に行います。 達成目標等。施策・事業名。医療型短期入所事業所。2016年度12箇所。目標。2020年度15箇所。 84ページ。 A難病対策の推進。 現状と課題。平成27年1月1日に難病の患者に対する医療等に関する法律、以下、難病法という。が施行されたことに伴い、現在は難病法に基づき、基本方針の策定、指定難病に対する医療費助成、特定医療費助成事業の実施、難病に関する調査及び研究、療養生活環境の整備を行っています。指定難病に対する助成のほか、特定疾患治療研究事業、先天性血液凝固因子障害等治療研究事業、長野県特定疾病医療費助成事業、遷延性意識障害者医療費給付事業等を実施しています。まる。医療費助成の認定患者数は年々増加しています。また、難病相談支援センターへの相談件数も増加傾向にあります。難病患者・家族の不安軽減を図るため、引き続き相談窓口を設置し、難病患者・家族が地域の中で安定した在宅療養を送れるよう、障害者総合支援法に基づくサービス利用の促進や医療・福祉・介護が連携した支援体制の整備が必要です。 85ページ。 施策の展開・方向性。難病患者やその家族に対する支援。特定医療費助成事業等により、引き続き医療費の自己負担の軽減を図ります。難病相談支援センターでは、引き続き相談窓口を設置し、療養上の悩みや患者会支援、就労相談等、機能の充実化を図ります。保健福祉事務所においては、医療・福祉関係者や患者・家族等を含めた、難病対策地域協議会、を設置するとともに、家庭訪問、難病相談会を実施します。・市町村と連携し、障害者総合支援法に基づき、必要な障害福祉サービスについて利用推進を図ります。 用語解説があります。難病対策地域協議会とは、難病法第32条 都道府県は、難病の患者への支援の体制の整備を図るため、関係機関、関係団体並びに難病の患者及びその家族並びに難病の患者に対する医療又は難病の患者の福祉、教育若しくは雇用に関連する職務に従事する者、その他の関係者により構成される難病対策地域協議会を置くよう努めるものとするとされているものです。 地域支援者に対する支援・難病患者その家族に関わる支援者に対し、保健福祉事務所において研修会や交流会の開催、保健・疾病対策課にて難病患者等ホームヘルパー養成研修会を開催し、支援者の技術向上を図ります。 達成目標等。施策・事業名。難病相談支援センター事業。施策・事業内容。難病患者。家族への相談支援。2016年度、3,337件。目標、2023年度、現在の水準を維持。施策・事業名。保健福祉事務所での難病相談会等の開催。施策・事業内容。難病患者・家族の交流会等の実施。2016年度、80回。目標、2023年度、現在の水準を維持。 86ページ。 B発達障がい者への支援。 現状と課題。平成24年1月の、発達障害者支援のあり方検討会報告書、に示された中長期的な対応の方向性を踏まえ、発達障がいの早期発見・早期支援、ライフステージを通じた切れ目のない一貫した支援体制の整備、発達障がい者支援センターによる療育相談、人材育成、普及啓発などに取り組んでいます。 これまでの取組の結果、思春期以降の発達障がい者に対するフォロー体制、支援関係者間の情報共有・引継、発達障がいに対する理解の促進などが課題となっています。発達障がいのある人の、身近な理解者である発達障がい者サポーターの更なる養成、普及啓発による理解促進、支援関係者の情報共有ツールの活用促進等を一層推進する必要があります。発達障がいの専門医等の不足から、初診待ちが長期化されていることが指摘されています。発達障がいは、ライフステージの各段階において発見されるため、保護者や本人に対するスクリーニング後のフォローや専門医等を受診する動機づけが必要です。 施策の展開・方向性。まる。発達障がいのある人への切れ目のない一貫した支援の充実。・発達障がい者サポーターの更なる増加を図り、発達障がいのある人の身近に理解者が寄り添う社会を目指すとともに、市町村へ個別支援ノートの活用を呼びかけることにより、支援関係者間の情報共有・引継体制を強化し、発達障がいのある人が個々の特性に合った支援を受けられるよう取り組みます。 ・発達障がい者支援対策協議会の体制を充実させ、各ライフステージで発達障がいの発見と支援が切れ目なく行われるよう、保健、医療、福祉、教育、労働その他の関連分野の連携強化を図ります。 87ページ。 ○発達障がい診療・支援体制の強化 ・地域における発達障がい診療・支援体制を強化するため、専門医等の人材育成に取り組みます。 ・発達障がいへの対応力向上や関係機関の連携強化を推進するための診療医研修や地域連絡会を開催し、発達障がい診療ネットワークの強化に取り組みます。 達成目標等。施策・事業名。発達障がい者支援事業、発達障がいのある人に関する理解の普及啓発、サポーター養成講座の受講者数、2016年度8,160人。目標2023年度22,000人。施策・事業名。発達障がい者支援事業、個別支援ノート等の情報共有手段を活用する市町村。2016年度38市町村。目標2023年度77市町村。 88ページ。 C高次脳機能障害者への支援。現状と課題。高次脳機能障害の症状は、個人によって多様な現れ方をするため、家庭や社会における障がいへの理解が難しい場合もあることから、高次脳機能障害者及びその支援者に対する支援体制を整備していく必要があります。これまで、県では、県内4か所にある高次脳機能障害支援拠点病院において、専門的な相談支援の実施や研修会の開催により高次脳機能障害の普及啓発や理解促進を図るとともに、県立総合リハビリテーションセンターにおいて日常生活及び就労に関する訓練を実施してきました。まる。意思疎通が困難な者に対する支援方法としては、手話通訳や要約筆記等がある一方、失語症者に対する意思疎通については、未だに家族以外の第三者による支援が広がっていない状況にあります。施策の展開・方向性。高次脳機能障害支援体制の強化。・県内4か所にある高次脳機能障害支援拠点病院において、障がい者総合支援センターや障害福祉サービス事業所等と連携し、当事者やその家族への相談支援を行います。また、支援拠点病院を中心に、県民や医療従事者に対し研修会を開催し、高次脳機能障害への理解を促進します。失語症者向け意思疎通支援者の養成。・失語症者の意思疎通を支援するため、意思疎通支援者の養成を行います。 達成目標等。施策・事業名。高次脳機能障害及びその関連障害に対する支援普及事業相談支援事業、支援拠点病院に相談窓口を設置し、診断・評価、リハビリ、家族支援等を実施。2016年度、3,231人。目標、2023年度3,500人。 89ページ。 D強度行動障がいへの支援。現状と課題。強度行動障がいは、自らの身体を傷つけたり、食べられないものを口に入れるなどの自傷行為や、他人への噛みつき、ずつき、器物損壊などの他害行為などが非常に多い頻度で出現するため、家族だけでは対応することが困難な場合があり、医療、保健、福祉、教育などによる、連携や協力が必要になります。強度行動障がいに対する正しい知識や理解がないと、不適切な身体拘束など虐待に発展しやすい傾向にあります。福祉施設において、強度行動障がいのある人に適切な支援を行うことができるよう、平成26年度から、施設職員を対象とした人材育成研修を実施していますが、強度行動障がいのある人を受け入れ、適切に支援するために必要な人員配置を行うには、施設に支払われる報酬の額が十分ではないという課題があります。 90ページ。 施策の展開・方向性。強度行動障がいに適切に対応できる人材の育成・強度行動障がいのある人に適切なサービスが提供されるよう、福祉施設職員を対象とした研修等により、強度行動障がいに関する専門的な知識や支援技術等を有する人材の育成を行います。 強度行動障がいのある人の受け入れ先の拡充。・強度行動障がいのある人を福祉施設において受け入れるためには、研修等により専門的な知識を持った職員を育成し、配置するとともに、障がい特性に対応した、強化ガラスや壊れにくい材料を使用した施設整備などが必要となることから、国へ財政支援の拡充や制度改正の提案を行うなど、受け入れに必要な体制整備を行っていきます。 まる。医療的側面からの支援。・強度行動障がいのある人が、緊急時等に適切な医療が受けることができるよう精神医療体制を充実していきます。 達成目標等。施策・事業名。強度行動障がい支援者養成研修、適切な支援を行うことができる実践研修修了者。2016年度367人。目標2023年度1,417人。 91ページ。 (3)教育・療育体制の充実。@障がいの早期発見に向けた支援。 現状と課題。市町村では、妊婦に対し妊娠届時の相談、妊婦健康診査の公費負担(14回分)により母体の健康維持を支援しています。妊娠届の未届けや健診を受けていない妊婦への支援が課題です。 市町村では、妊婦及び乳幼児健診等で発育・発達に異常の疑いがあると診断された際に、早期受診や保護者の不安等の軽減に向けた支援を行っています。乳幼児健診における身体及び精神発達の遅れ等の有所見率については地域格差が生じており、乳幼児健診を含めた母子保健水準の向上・きんてんか、が求められています。 用語解説があります。きんてんか、とは、県内の市町村で、同じ水準で支援を受けられるよう、母子保健分野の格差の是正を図るものです。 県では、先天性難聴を早期発見し、早期治療、早期療育を行うため、新生児聴覚検査及び難聴児支援センター事業を実施しています。県では、先天性代謝異常を早期に発見し、早期治療を行うため、新生児の先天性代謝異常等検査事業を実施しています。診断された児及びその保護者等への継続的な支援体制の充実が課題となっています。 92ページ。 施策の展開・方向性。障害等の早期発見に向けた支援。・信州母子保健推進センター事業により、市町村との協働及び専門機関等との連携を通して、市町村における母子保健水準の向上・きんてんかを図ります。・先天性代謝異常等検査事業において診断された児への早期及び継続的な支援体制の整備を推進します。 難聴児支援センター事業において、先天性難聴等の早期発見、早期治療、早期療育のため、医療・保健・福祉・教育等の連携体制の整備を推進します。達成目標。施策・事業名、乳幼児健診の未受診者の全数の状況を把握する体制がある市町村数。2016年度、72市町村。目標、2023年度77市町村。施策・事業名。分娩を扱う産科医療機関、(助産所を除く、における新生児聴覚検査の実施率。2016年度、97.8%。目標、2023年度97.8%。A地域療育機能の強化。現状と課題。在宅障害児、障害者の地域における生活を支え、福祉向上を図るため、療育指導、相談支援及び福祉サービスの利用調整等を行う療育コーディネーターを各圏域に配置し、チームによる巡回相談や、保育士等の支援者に対する技術指導等を行っています。療育コーディネーターの相談対応件数は、平成28年度は平成23年度に比較して約1.6倍に増え、その内容も、精神障害のある人の場合は家族支援にまで及ぶケースもあるなど、量・質とも負担が増しています。また、近年、増加している発達障がいのある人と発達障がいが疑われるケースについても、支援が必要となっています。まる。今後は、在宅障がい児、障害者の地域生活を支える関係者の連携を強化する中で、それぞれの役割を果たすことにより、身近な地域でライフステージに応じた切れ目のない支援が受けられる体制づくりが求められます。 発達障がいのある人及びその家族が地域で必要な支援を受け、将来の見通しを持って安定した社会生活が送れるよう、支援機関同士の橋渡し、支援者への支援を行う発達障がいサポート・マネージャーを県内10圏域に配置しています。 93ページ。 発達障がいサポート・マネージャーに対する支援機関からの支援依頼件数は、増加傾向にあります。発達障がい等の障がいにより、支援を必要としている生徒・児童数は、増加しています。施策の展開・方向性。関係機関との連携とネットワークの機能強化。障がい児、障害者に対し、ライフステージに応じた、一貫した切れ目のない支援が行われるよう、療育コーディネーターが中心となり、地域自立支援協議会等を活用し、医療・福祉・教育・行政等関係機関の連携体制の強化を図ります。県自立支援協議会療育部会において、地域連携に係る課題解決に向けた検討を行います。発達障害サポート・マネージャーの養成研修やフォローアップ研修の充実等を通して、支援技術の更なるスキルアップを図ります。また、発達障害サポート・マネージャーによる連絡会議を開催し、課題等の情報共有、活動支援を行います。市町村の取組に対するバッククアップ機能の強化・市町村において、在宅障害児、障害者が、身近な地域で療育指導等が受けられる療育機能の充実が図られるよう、県では、専門性の高い相談支援や広域的な支援体制を整備し、市町村の取組を重層的にバックアップします。まる。サービス提供体制の充実・身近な地域で支援が受けられるよう、障害児通所支援事業所の指定を促進するとともに、適切なサービスが提供されるよう事業所を支援します。・地域の療育支援の中核的な施設である児童発達支援センターの設置を促進するため、必要な基盤整備について計画的に支援します。 ・障がい児の心身機能の発達を図るため、早期から理学療法士、作業療法士や言語聴覚士などによる専門的な機能訓練を受けられるよう支援します。 94ページ。 B特別支援教育の充実。現状と課題。市町村において早期アセスメントの導入が進んでおり、早期アセスメントを保育や教育に活かし、集団の中での育ちにつなげる取組が求められています。 また、早期からの支援を、個別の教育支援計画 等に反映し、ライフステージごとに一貫した支援が受けられるよう、医療・福祉・教育・労働等の関係機関が連携していく必要があります。身近な地域で共に学ぶことができる体制として、副次的な学籍、平成29年度で33市町村と副学籍の取組が進んでおり、それぞれの市町村の特色を活かした取組を更に推進していく必要があります。小学校、中学校、高等学校においても、発達障がい等があり支援が必要な児童・生徒が増加しており、通常の学級における発達障がいに対する支援力の向上や、多様性を認め合える集団づくりの力量を高めることが求められています。幼稚園、保育園、小学校、中学校、高等学校から特別支援学校への相談件数は増加し続けており、個別の課題解決への支援に終始するだけでなく、学校全体としての、学校解決力を高める支援へと転換していく必要があります。特別支援学校に在籍する児童生徒の障がいの状態は多様化しており、障がいの程度の幅も広く、重複障がいのある児童生徒、医療的ケアや心理的な支援の必要な児童生徒も増加しています。こうした児童生徒の自立を支援するために、自立活動に係るより高い専門性が求められています。特別支援学校高等部、かっこ、専攻科を含む、における平成28年度卒業生の一般就労率は、26.2%、就労継続支援事業所等への福祉就労率は69.9%です。生徒一人一人の自立に向けた多様な教育的ニーズに応じるため、進路支援の充実を図る必要がります。すべての特別支援学校の耐震化は完了していますが、特別教室等の教室不足解消や学習環境の更なる整備、老朽化への対応について計画的に進めていく必要があります。卒業後も地域とつながりながら生き甲斐をもって生活できるために、在学中から地域における活動に参加し、卒業後につながる学びや交流の場をつくっていく必要があります。 施策の展開・方向性。地域における連携支援体制の充実。・圏域ごとの自立支援協議会や特別支援教育コーディネーター等連絡会等における連携を強化し、医療・保健・福祉・労働・教育等関係機関の協働によるライフステージに応じた支援体制の充実を図ります。 95ページ。 ・乳幼児から進路先まで一貫した支援の充実に向け、個別の教育支援計画、個別の指導計画、等の支援情報を、ライフステージ間で確実に接続できる体制づくりを進めます。。身近な地域で共に学ぶことができる体制の充実・副次的な学籍、副学籍という、の取組や、居住地の小・中学校における交流及び共同学習等の取組を推進し、身近な地域の同世代の友と将来にわたっての関わりが育まれる体制づくりを進めます。特別支援学校のセンター的機能の充実。・個別の課題解決支援にとどまらず、学校全体としての支援力や予防的な実践力を高めるため、より効果的なセンター的機能を発揮するためのあり方について研究し、関係機関とも連携した支援を推進します。小学校、中学校、高等学校における特別支援教育の充実・どの学校・学級でも多様な児童生徒が互いに認め合える学級づくりやすべての児童生徒が力を発揮できる授業づくりを実践できるようにするため、信州型ユニバーサルデザイン、かっこ、学級経営や授業づくりを進める上での共通基盤となる内容、を進めます。発達障がい等があり、支援が必要な児童生徒が、必要に応じて適切な支援が受けられるよう、通級指導教室や特別支援学級等の、連続性のある多様な学びの場、の整備を進めます。・発達障がい等配慮を要する児童生徒の教育的ニーズに応じて、関係職員が連携し学校全体がチームで支援していける体制づくりを推進し、「学校解決力」の向上を図ります。特別支援学校における障がいの重度・重複化、多様化への対応・特別支援学校に在籍するすべての児童生徒の自立活動の充実を図り、地域の小学校、中学校、高等学校への支援にも活かすため、自立活動担当教員等の拡充を進めます。 多様な教育的ニーズに応えていくために、療法士や心理士等の外部専門家を活用したより高い専門性の確保に努めます。特別支援学校における就労支援の充実・多様な高等部生徒の教育的ニーズに応じる教育活動を実施するために、高等部における教育活動や学習集団のあり方について検討し、地域資源を活用しながら教育活動の充実を図ります。一般企業への就労を希望する生徒の進路実現と、企業側の障がい者の理解や受け入れに向けた取組を促進するために、就労コーディネーターによる企業への働きかけとマッチング支援、特別支援学校技能検定の実施、協力企業登録制度の実施等を総合的に推進します。 96ページ。 卒業後も関係機関、労働・福祉・医療・地域等による支援を継続するため、在学中からの移行支援会議の実施や、個別の教育支援計画、を活用した関係機関との支援ネットワークづくりを推進します。特別支援学校の教育環境の充実。・これからの特別支援学校のあり方検討を踏まえ、県のファシリティマネジメント基本計画、公共施設等総合管理計画、に基づき、2020年度までにすべての特別支援学校の中長期修繕・改修計画の策定をし、教育環境の整備を計画的に進めます。生涯にわたる学びや社会とのつながりをつくる学習活動の充実。特別支援学校での学習活動に卒業後も続けられるような活動をさらに取り入れることができるよう、地域のスポーツや文化活動生涯学習等の関係機関との間で情報交換やネットワークづくりを行い、スポーツや文化芸術等に親しむ学習活動を推進します。達成目標等。施策・事業名。特別支援学校高等部卒業生の就労率。2016年度26.2%。目標2022年度33.6%。施策・事業名。副次的な学籍を導入している市町村。2016年度、52%。目標、2022年度70%。