24ページ。 第3章重点的に取り組む施策。計画の基本理念及び基本的視点に沿って施策を展開していくなかで、第1章で述べた障がいのある人の現状や障がい者施策の状況、前計画の成果や課題を踏まえ、特に重点的に取り組む施策について、次の柱を立てて推進していきます。重点施策1。障がいへの理解と権利擁護の推進。共生社会の実現を目指して、全ての県民が障がいに対する理解を深め障がい者の権利を擁護する取組を推進します。重点施策2。地域生活の充実。自ら選択し、安心して暮らせるための地域生活の充実を図るため、必要なサービス基盤の整備等の取組を推進します。重点施策3。社会参加の促進。生きがいのある充実した生活を送るため、障がいのある人の就労、スポーツ、文化芸術活動等、社会参加の促進を図ります。重点施策4。多様な障がいに対する支援の充実。重症心身障がい、難病、発達障がい、高次脳機能障害、強度行動障がい等の障がい特性に応じた支援の充実を図ります。 また、発達障がい等、配慮を必要とする児童・生徒に対して、多様な教育的ニーズに応じた支援の充実を図ります。ここから内容に入ります。 25ページ。 重点施策1。障がいへの理解と権利擁護の推進。共生社会の実現を目指して、全ての県民が障がいに対する理解を深め障がい者の権利を擁護する取組を推進します。現状と課題。平成28年7月、神奈川県相模原市の障害者支援施設に施設の元職員である男が侵入し入所者等を刃物で刺し、多数のかたが死傷する事件が発生しました。この事件について平成29年ばん障害者では、障害者への一方的かつ身勝手な偏見や差別意識が背景になって引き起こされたものと考えられる。こうした偏見や意識を社会から払拭し、一人一人の命の重さは障害のあるなしによって変わることはない、という当たり前の価値観を社会全体で共有することが何よりも重要である(相模原市の障害者支援施設における事件の検証及び再発防止対策チーム報告書より引用)。また、今回の事件発生を受け、共生社会の実現とそのための国民の理解促進の重要性が改めて認識されたものと考えられる。」として、共生社会の実現に向けた様々な啓発等の取組を粘り強く着実に展開していくことが求められています。我が国は、障がい者の人権及び基本的自由の享有を確保し、障がい者固有の尊厳の尊重を促進することを目的として、障がい者の権利の実現のための措置等について定めた、障害者の権利に関する条約 を平成26年1月に批准しました。この障害者権利条約の批准向けた国内法の整備の一環として、障害者基本法が改正され、障害者権利条約が採用する 社会モデル の考え方や 合理的配慮 の概念が新たに取り入れられ、また、障害者差別解消法等も制定されました。その一方で、障がいのある方に対する差別じあんや、虐待じあんの発生も後を絶たないことから、障害者差別の解消の推進や障害者虐待防止等、障がい者の権利擁擁護の取組を推進する必要があります。施策の展開・方向性。啓発・広報の実践。障がいのある人へちょっとした配慮、手助けを実践する 信州あいサポート運動にあわせて、障害のある人などが必要な配慮を求める ヘルプマークの普及に取り組むことにより、より効果的な啓発と運動の推進を図ります。用語解説があります。信州あいサポート運動とは、誰もが、多様な障がいの特性、障がいのある人への必要な配慮、障がいの有無にかかわらず共に生きる社会のあり方などを理解して、障がいのある人に対してちょっとした手助けや配慮を実践することにより、障がいのある人が暮らしやすい地域社会 共生社会 をつくる取組。鳥取県が平成21年11月に開始し、本県は平成25年9月からスタート。平成29年11月現在、本県を含む8県4市5町で実施。ヘルプマークとは、義足や人工関節を使用している人、内部障がいや難病の人、妊娠初期の人など、援助や配慮を必要としている人が、周囲に知らせる事ができるマークとして、平成24年に東京都が作成し配布を開始したものです。障がいに対する理解を深める研修会の実践。県民誰もが、多様な障がいの特性を理解し、障がいのある人に対してちょっとした手助けや配慮を実践する あいサポーターとなるための研修や、手話やろう者に対する理解を促進するための講座を開催します。 26ページ。 ・精神障害当事者が講師となり自らの体験を語る、高校生を対象にした 心のバリアフリー事業や地域の精神保健福祉活動の中心となる方々を対象にした 地域ケア事業等により、精神障がいのある人への理解の促進を図ります。発達障害いのある人が、周囲から理解され、安心して日常生活を営むことができるよう、県民が発達障害に関する基礎知識を学ぶ 発達障がい者サポーター養成講座の開催を引き続き推進します。障がいのある人とない人との交流機会の拡大。スポーツの実施や応援、文化芸術の鑑賞、フォーラムの開催など、様々な機会を通じて、障害のある人とない人との交流機会の拡大を図り、障害に対する理解の促進を図ります。小学校・中学校及び高等学校における福祉関係施設への訪問等を通して、交流機会の拡大を図ります。障がいを理由とする差別解消の推進。障害を理由とした差別の解消の推進に向けて、実行性のある研修等の取組や紛争解決の方法等についても検討・研究していきます。障がい者虐待防止対策の推進。虐待防止及び発生時に対応するためのスキルアップを目指して、国が実施する研修会へ県職員を派遣するとともに、研修修了者が講師となって市町村等の職員に対する伝達研修を実施します。成年後見制度の利用促進。判断能力の不十分な障がいのある人が財産管理等の援助を受け、地域で自立した生活が営めるよう、家庭裁判所や関係団体等と連携し、成年後見制度の利用促進を図ります。達成目標等。目標項目、あいサポーター研修受講者数。2016年度45,088人。2023年度目標127,000人。目標項目、成年後見制度申立件数。2016年、509件。2023年目標600件。 27ページ。 重点施策2。地域生活の充実。自ら選択し、安心して暮らせるための地域生活の充実を図るため、必要なサービス基盤の整備等の取組を推進します。 現状と課題。まる。医療機関や入所施設からの地域生活への移行が進むにつれ、居宅介護や短期入所など、居宅サービスの利用が増加傾向にありますが、必要な時に利用者やその家族等のニーズに沿った形で提供されるよう体制づくりを進める必要があります。地域生活移行の受け皿となるグループホームの利用者数の推移を見ると、地域生活への移行が着実に進んでいることが見受けられます。 障がいのある人のニーズの多様化などにより、障がい者総合支援センターにおける相談支援件数は年々増加し内容も複雑化しています。 今後は、多様な障がいや高齢の障がいのある人に対応できる専門性の高い従事者の育成を図るとともに、相談支援の質の向上を図る必要があります。施策の展開・方向性。短期入所事業所の整備促進・障がいのある人を在宅で支える家族にとって、レスパイトケア等を行う短期入所サービスは重要であり、身近な地域で利用できるよう、事業所の拡充を図ります。用語解説があります。レスパイトケアとは、障がいのある人等を在宅でケアしている家族等を癒すため、一時的にケアを代替し、リフレッシュを図ってもらう家族支援サービスです。サービス提供体制の整備、圏域で不足しているサービスについて、十分なサービス量が確保できるよう事業所の指定を行うとともに、サービス提供基盤の整備について計画的に支援します。自立生活援助サービスなどにより、地域で自立した生活を送ることができるよう支援体制の整備を図ります。サービスの質の向上。・障害福祉サービスの内容等を公表する情報公表制度により、利用者がサービスを選択する際の参考とするとともに、事業者のサービスの質の向上を図ります。 28ページ。 精神障害にも対応した地域包括ケアシステムの構築。精神障害のある人が地域の一員として安心して自分らしい暮らしをすることができるよう、障害保健福祉圏域ごとに設置する保健・医療・福祉関係者等による協議の場を通じて、精神科医療機関、その他の医療機関、地域援助事業者、市町村などとの重層的な連携による支援体制を強化します。計画相談・障がい児相談の質の向上。 障害者、障害児本人や家族が希望する生活を実現させるために、状況の変化等に応じたニーズを把握し、サービス利用に関する再調整等を行うモニタリングを、障害福祉サービスを利用するすべての人に対し、定期的・継続的に実施します。  相談支援専門員の養成と資質向上。国の相談支援従事者研修の受講者を中心に、実践力の高い人材を養成するための研修を実施し、相談支援専門員の資質向上と人材の確保を図ります。地域移行・地域定着支援の強化。・市町村及び相談支援事業所等地域の支援関係者と連携して、体験の機会・場の利用等により、施設や病院に長期入所、入院している障害のある人の地域生活移行を進めます。地域定着支援や定期的な巡回訪問等を行う自立生活援助を活用し、緊急時支援が必要な障害のある人の情報を事前に把握して地域の支援関係者が共有することにより、地域生活の継続のための支援を強化します。地域における相談支援の拠点となる、基幹相談支援センターの設置促進を図ります。地域生活支援拠点の体制の充実・強化。地域生活支援拠点の効果的かつ持続可能な運営のため、県自立支援協議会等を活用した、地域の現状や課題等の把握・共有・好事例の紹介などにより、市町村や圏域の取組を支援します。達成目標等。目標項目、施設入所者の2017〜2020年度までの地域生活移行者数の累計。2016年度169人、目標2020年度276人。短期入所サービスを行う事業所。2016年度、134箇所。目標2020年度、191箇所。計画相談支援・障害児相談支援、モニタリングの実施。2016年度。実績なし。目標2023年度。年4回。グループホームの定員数。2016年度、2,841人。目標2020年度3,321人。地域生活支援拠点等の整備。2016年度、2圏域。目標2020年度、10圏域以上。29ページ。 重点施策3。社会参加の促進。生きがいのある充実した生活を送るため、障がいのある人の就労、スポーツ、文化芸術活動等、社会参加の促進を図ります。 現状と課題。障がいのある人の就労意欲が高まっている中で、障がいのある人の就労を通じた社会参加を実現し、地域社会で自立していきいきと暮らせるよう、障がい者雇用対策の充実を図る必要があります。 障がいのある人が自立して生活し、積極的に社会参加するためには、障がいのある人に対して必要な外出支援を行うとともに、まち全体を障がいのある人にとって利用しやすいものとへ変えていくことが重要です。 情報通信の活用によるメリットを十分に享受するためには、障がいのある人を含め誰もが自由に情報の発信やアクセスができる社会をつくる必要があります。 障がいのある人、成人の週1回以上のスポーツ・レクリエ―ション実施率は、平成27年度のスポーツ庁委託調査によると19.2%にとどまっており、地域における障がい者スポーツの一層の普及促進に取り組む必要があります。成人全般の実施率は、平成27年度内閣府調査によると40.4%。 30ページ。 まる。障がいのある人による芸術活動の紹介や作品展が開催されるなど、障がいのある人の活動の場や機会が広がってきています。障がいのある人が活躍できる場の拡大を図ると同時に、企画展の実施や展示の方法の工夫などにより、障がいのある人も文化芸術に触れる機会を拡大する必要があります。 施策の展開・方向性。(1)就労支援体制の充実。まる。相談支援体制の充実。10圏域に各1か所ずつ設置する 障害者就業・生活支援センターに配置した就業支援ワーカーをはじめ、求人開拓員、障がい者職業訓練コーディネーターや市町村の相談窓口、特別支援学校、ハローワーク、長野障害者職業センターなど関係機関との連携強化を図り、就労を希望するすべての障がいのある人に対する、就労に関する相談支援体制の充実を図ります。まる。一般企業への就労拡大。より多くの企業が法定雇用率を達成できるように、ハローワークや就労支援機関などと連携し、雇用促進の啓発などを行います。 県の障害者民間活用委託訓練事業や国の援助制度(トライアル雇用制度・ジョブコーチによる支援等)の周知・普及を行い、雇用拡大につなげます。 31ページ。 障がいのある人の就業・生活面の一体的な相談支援を行う障害者就業・生活支援センターによる個別支援を強化し、就労促進及び就労後の職場定着を図ります。企業等での職場実習の場を拡大し、適切な助言指導のもとで実習を行うことにより、障がいのある人の就労を促進するとともに、企業側の雇用促進を図ります。特別支援学校において、一般企業への就労を希望する生徒の進路実現と、企業側の障がいのある人の理解や受け入れに向けた取組を促進するために、就労コーディネーターによる企業への働きかけとマッチング支援、特別支援学校技能検定の実施、協力企業登録制度の実施等を総合的に推進します。 まる。工賃アップに向けた事業所間・企業等との連携の推進。・就労継続支援B型事業所等単独では受注が難しい大量の作業等の複数の事業所による共同受注や、共同販売会の開催など、事業所間の連携の促進と協力体制づくりを支援します。工賃アップのためのアドバイス、企業等からの受注、販路の開拓などにより事業所等の取組を支援します。まる。農福連携・りんぷく連携による障害者就労の推進。引き続き、農業就労チャレンジ事業を実施し、自ら農業を行う事業所等への支援を強化します。・農業関係者に対し、障がいのある人を農業の担い手として位置付けることについての意識啓発を図るとともに、ハローワーク等の関係機関や求人開拓員などと連携し、就農への取組を進めます。・全国的組織の 農福連携全国都道府県ネットワークや 全国農福連携推進協議会の活動に参加し、他の自治体や関係団体等と施策の調査・研究に取り組み、就労の場の拡大や農産物の販路拡大等を一層進めます。 農業分野での障がいのある人の就労には様々な形態があることや、農家の労働力不足の解消に繋がることなどを農業者や市町村、じぇいえい等へ広く周知し、地域全体で障がいのある人の就農を支援していく取組を進めます。 農業及び林業分野での就労は、障がいのある人にとって就労機会の拡大や障がいの状態の改善に有効であり、農林業にとっても担い手の確保や荒廃農地・山林の再生等のメリットがあることから、関係部局・諸団体との連携をより一層強化します。(2)情報コミュニケーション支援の充実。障がい特性に応じた情報の提供。・障がい特性に応じた情報提供のため、情報通信機器の活用などの環境整備、意思疎通支援を行うための支援者等の養成や資質向上の取組を行います。 32ページ。意思疎通支援者の養成。・情報保障の確保のため、引き続き手話通訳者、要約筆記者、盲ろう者通訳・介助員などの養成・研修を行うとともに、資質の向に努めます。点訳・朗読奉仕者の養成。・点訳、朗読に必要な技術等の習得支援を行い、これらに従事する奉仕員を養成します。失語症者向け意思疎通支援の推進。失語症者の意思疎通を支援するため、意思疎通支援者の養成を行います。まる。情報提供体制の整備。・県のホームページについて、アクセシビリティの向上も含め、障がい者や高齢者にもより使いやすくするため、改訂を進めます。・外出時などにおいて必要なバリアフリー情報が得られるよう、 バリアフリーマップ、かっこ、仮称の作成について関係団体と連携を図りながら取り組みます。(3)スポーツ、文化芸術、レクリエーション活動の振興。スポーツに親しむ機会の確保と地域における障がい者スポーツの定着。 2020年東京オリンピック・パラリンピック、2027年に本県で開催される第82回国民体育大会及び第27回全国障害者スポーツ大会のムーブメントを活用し、地域で行う障がい者スポーツ体験会等により、障がい者スポーツに親しむことができる環境づくりを推進します。障がいのある人がその程度に応じて楽しめるスポーツが普及し、それぞれに応じたスポーツを楽しめるよう、障がい者スポーツ指導員の養成や総合型地域スポーツクラブ等への障がい者スポーツの知識と理解の普及を進めます。まる。文化芸術活動の振興。信濃美術館の整備に障がいのある人の視点を取り入れる等、障がいのある人もない人も、誰もが日常的に文化芸術に親しめる環境づくりを目指します。・ザワメキアート展、障害者文化芸術祭及び障がい者文化芸能発表会を開催するなど、文化芸術活動の発表の場及び鑑賞機会を提供します。障がいのある人等が芸術に親しみ、自らも楽しむことができるよう、指導者を派遣する等の事業展開を目指します。レクリエーション活動の振興等。モデルコースや観光地、宿泊施設等のバリアフリー情報の提供を図ります。 33ページ。 達成目標等。法定雇用率適用企業で雇用される障がい者数、2016年度6,075人、 目標2023年度7,599人。福祉就労強化、かっこ、月額平均工賃の向上、2016年度15,246円、目標2023年度21,000円。就労継続支援事業所等に対する農業分野における就労支援、2016年度農業に取り組む事業所、2016年度109事業所、目標2023年度140事業所。手話の理解、初級程度の習得、2016年度7.4%、目標2023年度10.0%。障がいのある人のスポーツ参加促進、障がいのある人が参加するプログラムを行っている総合型地域スポーツクラブの割合、2016年度13.2%、目標2023年度50.0%。 34ページ。 重点施策、4多様な障がいに対する支援の充実。重症心身障がい、難病、発達障がい、高次脳機能障害、強度行動障がい等の障がい特性に応じた支援の充実を図ります。また、発達障がい等、配慮を必要とする児童・生徒に対して、多様な教育的ニーズに応じた支援の充実を図ります。現状と課題。障がい者支援については、障がい特性、障がいの状態、生活実態等に応じた、障がいのある人の個別的な状況を考慮して行う必要があります。(1)医療的ケア児。医療技術の進歩等を背景として、NICU、新生児集中治療室、等に長期間入院した後、人工呼吸器等を使用し、たんの吸引などの医療的ケアが必要な障がい児 かっこ、重症心身障がい児のうち医療的ケアが必要な障がい児を含むが増加していると言われており、県内においてもその実態把握に努める必要があります。(2)重症心身障がい児、障がい者。医療的ケアが必要な重症心身障がい児、障がい者等が利用できる、医療機関等が設置する医療型短期入所事業所は、平成29年12月1日現在で県内に14箇所と限られているほか、そのほとんどが本体施設の、くうしょうを利用する形態であるため、緊急時の対応が困難な場合があります。 また、医療的ケアを必要とする在宅の障がい児、障がい者が、地域で安心して暮らしていくためには、医療的ケアに対応できる障害児通所支援事業所や生活介護事業所などの日中活動の場の充実が必要です。 35ページ。 (3)難病患者等。障害者総合支援法が施行された平成25年度より、障害福祉サービス等の給付対象となる障がいのある人等について、従来の身体障害者、知的障害者及び精神障害者に加え、難病患者等も含まれることとされました。H29.4.1現在、障害者総合支援法の対象となる疾病358です。本県では、指定難病の患者に対する助成のほか、特定疾患治療研究事業、先天性血液凝固因子障害等治療研究事業、長野県特定疾病医療費助成事業、遷延性意識障害者医療費給付事業等を実施しています。(4)発達障害。厚生労働科学研究によると、未診断例を含めた発達障がいの支援ニーズは小学1年生で少なくとも10%程度は存在するとされています。かっこ 発達障害児とその家族に対する地域特性に応じた継続的な支援の実践と評価。研究代表者 本田秀夫より引用。また、発達障害の特性があり障害福祉サービスを必要とする人は人口の0.9%から1.6%と推計されています。 かっこ、1歳からの広汎性発達障害の出現とその発達的変化:地域ベースの横断的および縦断的研究。研究代表者 神尾陽子より引用。本県では、発達障害者支援のあり方検討会報告書 かっこ平成24年1月に示された中長期的な対応の方向性を踏まえ、発達障がいの早期発見・早期支援、ライフステージを通じた切れ目のない一貫した支援体制の整備、発達障害者支援センターによる療育相談、人材育成、普及啓発などに取り組んでいます。 (5)高次脳機能障害。高次脳機能障害の症状は個人によって多様な現れ方をするため、家庭や社会における障がいへの理解が難しい場合もあることから、高次脳機能障害者及びその支援者に対する支援体制を整備していく必要があります。意思疎通が困難な者に対する支援方法としては、手話通訳や要約筆記等がある一方、失語症者に対する意思疎通については、未だに家族以外の第三者による支援が広がっていない状況にあります。(6)強度行動障害。強度行動障害は、自らの身体を傷つけたり、食べられないものを口に入れるなどの自傷行為や他人への噛みつき、ずつき、器物損壊などの他害行為などが非常に多い頻度で出現するため、家族だけでは対応することが困難な場合があり、医療、保健、福祉、教育などによる連携や協力が必要になります。本県では、福祉施設において、強度行動障害のある人に適切な支援を行うことができるよう、平成26年度から、施設職員を対象とした人材育成研修を実施していますが、強度行動障害のある人を受け入れ、適切に支援するために必要な人員配置を行うには、施設に支払われる報酬の額が十分ではないという課題があります。 36ページ。 (7)教育・療育体制の充実。市町村において早期アセスメントの導入が進んでおり、早期アセスメントを保育や教育に活かし、集団の中での育ちにつなげる取組が求められています。また、早期からの支援を個別の教育支援計画等に反映し、ライフステージごとに一貫した支援が受けられるよう、医療・福祉・教育・労働等の関係機関が連携していく必要があります。小学校、中学校、高等学校においても、発達障害等があり支援が必要な児童生徒が増加しており、通常の学級における発達障害に対する支援力の向上や、多様性を認め合える集団づくりの力量を高めることが求められています。 施策の展開・方向性。(1)医療的ケア児に対する支援体制の整備。医療的ケア児が適切な支援を受けられるよう、保健・医療・障害福祉・保育・教育等の関係機関の連携体制の構築に向けて取り組みます。医療的ケア児のライフステージに応じ、専門的な知識により支援ができる人材を養成していきます。(2)重症心身障害児、障害者に対する療育・生活支援。在宅で介護する家族の負担を軽減するため、自立支援協議会や医療的ケア児支援のための協議の場などと連携し、医療的ケアが必要な重症心身障害児、障害者が利用できる医療型短期入所事業所の拡充を図ります。医療的ケアに対応できる障害児通所支援事業所や生活介護事業所などの整備を計画的に行います。(3)難病対策の推進。・難病相談支援センターでは、引き続き相談窓口を設置し、療養上の悩みや患者会支援、就労相談等、機能の充実化を図ります。保健福祉事務所においては、医療・福祉関係者や患者・家族等を含めた 難病対策地域協議会を設置するとともに、家庭訪問、難病相談会、地域の支援者の交流、研修会を実施します。市町村と連携し、障害者総合支援法に基づき、必要な障害福祉サービスについて利用推進を図ります。(4)発達障害者への切れ目のない一貫した支援の充実。・発達障害者サポーターの更なる増加を図り、発達障害のある人の身近に理解者が寄り添う社会を目指すとともに、市町村へ個別支援ノートの活用を呼びかけることにより、支援関係者間の情報共有・引継体制を強化し、発達障義のある人が個々の特性に合った支援を受けられるよう取り組みます。発達障害者支援対策協議会の体制を充実させ、各ライフステージで発達障がいの発見と支援が切れ目なく行われるよう、保健、医療、福祉、教育、労働その他の関連分野の連携強化を図ります。 37ページ。 (5)高次脳機能障害者への支援。・県内4か所にある高次脳機能障害支援拠点病院において、障害者総合支援センターや障害福祉サービス事業所等と連携し、当事者やその家族への相談支援を行います。また、支援拠点病院を中心に、県民や医療従事者に対し研修会を開催し、高次脳機能障害への理解を促進します。・失語症者の意思疎通を支援するため、意思疎通支援者の養成を行います。(6)強度行動障害への支援。強度行動障害に適切に対応できる人材の育成。・強度行動障害のある人に適切なサービスが提供されるよう、福祉施設職員を対象とした研修等により、強度行動障害に関する専門的な知識や支援技術等を有する人材の育成を行います。強度行動障害のある人の受け入れ先の拡充。・強度行動障害のある人を福祉施設において受け入れるためには、研修等により専門的な知識を持った職員を育成し、配置するとともに、障がい特性に対応した、強化ガラスや壊れにくい材料を使用した施設整備などが必要となることから、国へ財政支援の拡充や制度改正の提案を行うなど、受け入れに必要な体制整備を行っていきます。まる。医療的側面からの支援。・強度行動障がいのある人が、緊急時等に適切な医療が受けることができるよう精神医療体制を充実していきます。(7)特別支援教育の充実。まる。小・中学校、高等学校における特別支援教育の充実。・発達障害等配慮を要する児童生徒が安心して学べる授業づくりの促進や、必要に応じて適切な支援が受けられる、連続性のある多様な学びの場、の整備を進めます。発達障がい等配慮を要する児童生徒の教育的ニーズに応じて、関係職員が連携し学校全体がチームで支援していける体制づくりを推進し、学校解決力、の向上を図ります。特別支援学校における障がいの重度・重複化、多様化への対応。特別支援学校に在籍するすべての児童生徒の自立活動の充実を図り、地域の小学校、中学校、高等学校への支援にも活かすため、自立活動担当教員等の拡充を進めます。多様な教育的ニーズに応えていくために、療法士や心理士等の外部専門家を活用したより高い専門性の確保に努めます。 38ページ。 地域における連携支援体制の充実。圏域ごとの自立支援協議会や特別支援教育コーディネーター連絡会等における連携を強化し、医療・保健・福祉・労働・教育等関係機関の協働によるライフステージに応じた支援体制の充実を図ります。乳幼児から進路先まで一貫した支援の充実に向け、個別の教育支援計画、個別の教育指導計画等、(実践研修修了者、の支援情報を、ライフステージ間で確実に接続できる体制づくりを進めます。達成目標等。医療型短期入所事業数、2016年度12、目標2020年度15。難病患者・家族への相談支援、2016年度3,337件、目標2023年度、現在の水準を維持。発達障害者に関する理解の普及啓発、サポーター養成講座の受講者数。2016年度8,160、目標2023年度22,000。個別支援ノート等の情報共有手段を活用する市町村数、2016年度38、目標2023年度77。高次脳機能障害支援普及事業相談件数、現状2016年度3,231、目標2023年度3,500。強度行動障がい支援者養成研修、2016年度367人、目標2023年度1,417人。