障がいのある人もない人も共に生きる長野県づくり条例 令和4年3月24日 長野県条例第14号 目次 前文 第1章 総則(第1条-第12 条) 第2章 障がいのある人の自立及び社会参加に向けた取組等に関する基本的施策 (第13 条-第23 条) 第3章 障がいを理由とする差別を解消するための体制の整備 第1節 相談体制(第24 条・第25 条) 第2節 紛争の解決を図るための体制(第26 条-第30 条) 第3節 調整委員会(第31 条) 第4章 雑則(第32 条) 附則 全ての県民が、障がいの有無によって分け隔てられることなく、誰もが互いに人格 と個性を尊重し合い、あらゆる社会活動に参加する機会が確保され、共に支え合い、 活いかし合う社会を実現することは、私たち全ての願いである。 本県では、長野1998 パラリンピック冬季競技大会や2005 年スペシャルオリンピッ クス冬季世界大会・長野が開催され、多くの県民がボランティアや観客として参加す る中で、障がいのある人もない人も共に生きる社会への理解が深められた歴史がある。 また、全国に先駆けて、障害者支援施設に入所していた知的障がいのある人が地域 において生活を営むことができるよう様々な取組を進めてきたほか、障がいのある人 が自ら選んだ地域で自分らしく暮らすことを支援するため、地域における総合的な相 談体制の整備に取り組んできた。 しかしながら、今なお、障がいに対する誤解、偏見、理解の不足等により、障がい のある人が不当な差別的取扱いを受け、暮らしにくさを感じている現実がある。 そこで、全ての県民が、「障がい」は、個人の心身機能の障がいと社会的障壁の相互 作用によって創り出されているものであり、その社会的障壁を取り除くのは社会の責 務であることを理解し、それを自らの意識に反映させ、具体的な行動を変えていくこ とが必要である。 ここに、私たちは、障がいのある人もない人も、一人ひとりの違いを認め合いなが ら、共に生きる長野県をつくるため、この条例を制定する。 第1章 総則 (目的) 第1条 この条例は、障がいのある人の自立及び社会参加に向けた取組並びに障がい を理由とする差別の解消(以下「障がいのある人の自立及び社会参加に向けた取組 等」という。)の推進に関し、基本理念を定め、及び県の責務等を明らかにするとと もに、障がいのある人の自立及び社会参加に向けた取組等に関する施策の基本とな る事項を定めることにより、障害者基本法(昭和45 年法律第84 号)、障害を理由 とする差別の解消の推進に関する法律(平成25 年法律第65 号)その他の関係法令 (長野県福祉のまちづくり条例(平成7年長野県条例第13 号)その他の障がいの ある人の自立及び社会参加に向けた取組等に関する条例を含む。)と相まって、障 がいのある人の自立及び社会参加に向けた取組等に関する施策を総合的かつ計画 的に推進し、もって全ての県民が、障がいの有無によって分け隔てられることなく、 相互に人格と個性を尊重し合いながら、支え合い、活かし合う社会の実現に寄与す ることを目的とする。 (定義) 第2条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるとこ ろによる。 (1) 障がいのある人 身体障がい、知的障がい、精神障がい(発達障がいを含む。) その他の心身の機能の障がい(以下「障がい」という。)がある者であって、障が い及び社会的障壁により継続的に日常生活又は社会生活に相当な制限を受ける 状態にあるものをいう。 (2) 社会的障壁 障がいのある人にとって日常生活又は社会生活を営む上で障壁 となるような社会における事物、制度、慣行、観念その他一切のものをいう。 (3) 不当な差別的取扱い 障がいのある人に対して、正当な理由がなく、障がいを 理由として、財、サービス若しくは機会の提供を拒否し、又は当該提供に当たっ て場所、時間等を制限し、若しくは障がいのない人に対しては付さない条件を付 すること等により、障がいのある人の権利利益を侵害することをいう。 (基本理念) 第3条 障がいのある人の自立及び社会参加に向けた取組等は、次に掲げる事項を基 本として行われなければならない。 (1) 全ての県民は、障がいの有無にかかわらず、基本的人権を享有する個人として その尊厳が重んぜられること。 (2) 全ての県民は、障がいの有無にかかわらず、社会を構成する一員として、自ら の意思によって社会、経済、スポーツ、文化その他あらゆる分野の活動に参加す る機会が確保されること。 (3) 全ての県民は、可能な限り、障がいの有無にかかわらず、どこで誰とどのよう に生活するかについて選択する機会が確保されること。 (4) 全ての障がいのある人は、可能な限り、言語(手話を含む。)その他の意思疎 通のための手段について選択の機会が確保されるとともに、情報の取得、利用又 は発信のための手段について選択の機会の拡大が図られること。 (5) 全ての障がいのある人は、障がいのあることに加えて、女性であること、子ど も(おおむね18 歳未満の者をいう。第15 条第2項において同じ。)であること その他の要因が複合することにより特に困難な状況に置かれる場合においては、 その状況に応じた配慮がなされること。 (6) 県内に暮らす障がいのある人のみならず、県外から訪れる障がいのある人に 対しても、その状況に応じた配慮がなされること。 (7) 全ての県民は、幼児期から、家庭、地域、学校、職域その他の様々な場におい て、障がいのある人及び障がいのない人による共同活動その他の障がい及び障が いのある人(以下「障がい等」という。)に対する理解を深める機会の拡大が図ら れること。 (県の責務) 第4条 県は、前条に定める基本理念にのっとり、障がいのある人の自立及び社会参 加に向けた取組等に関する施策を総合的かつ計画的に策定し、及び実施するものと する。 2 県は、障がいのある人の自立及び社会参加に向けた取組等に関する施策の策定に 当たっては、障がいのある人その他の関係者の意見を反映させるために必要な措置 を講ずるよう努めるものとする。 3 県は、県民及び事業者(障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律第2条 第7号の事業者であって、県内に事務所又は事業所を有するものをいう。以下同じ。) に対し、障がいのある人の自立及び社会参加に向けた取組等の実施に関し必要な情 報の提供、助言その他の支援を行うものとする。 4 県は、第10 条第1項に規定する合理的配慮を的確に実施するため、その設置す る施設の構造の改善及び設備の整備、職員に対する研修その他の必要な環境の整備 に努めるものとする。 (市町村等との連携等) 第5条 県は、障がいのある人の自立及び社会参加に向けた取組等に関する施策の策 定及び実施に当たっては、市町村、県民、事業者、障がいのある人の福祉を目的と している団体等と連携するものとする。 2 県は、市町村が障がいのある人の自立及び社会参加に向けた取組等に関する施策 を策定し、及び実施しようとするときは、必要な情報の提供、助言その他の支援を 行うものとする。 (県民等の役割) 第6条 県民は、第3条に定める基本理念にのっとり、障がいのある人及び障がいの ない人による共同活動への参加等、多様な機会を通じて、障がい等に対する理解を 深めるよう努めるものとする。 2 県民は、県又は市町村が実施する障がいのある人の自立及び社会参加に向けた取 組等に関する施策に協力するよう努めるものとする。 3 障がいのある人は、自らの障がいの特性及び社会的障壁の除去に必要な支援につ いて、可能な範囲で周囲に伝えることにより、障がい等に対する理解の促進が図ら れるよう努めるものとする。 (事業者の役割) 第7条 事業者は、第3条に定める基本理念にのっとり、障がい等に対する理解を深 めるとともに、県又は市町村が実施する障がいのある人の自立及び社会参加に向け た取組等に関する施策に協力するよう努めるものとする。 (障がいを理由とする差別の禁止) 第8条 何人も、障がいのある人に対して、障がいを理由として、差別することその 他の権利利益を侵害する行為をしてはならない。 (不当な差別的取扱いの禁止) 第9条 県及び事業者は、その事務又は事業を実施するに当たり、不当な差別的取扱 いをしてはならない。 2 県及び事業者は、その事務又は事業を実施するに当たり、やむを得ず、障がいの ある人が求める財、サービス若しくは機会の提供を拒否し、又は当該提供に当たっ て場所、時間等を制限し、若しくは障がいのない人に対しては付さない条件を付す る場合には、当該障がいのある人にその理由を説明し、理解を得るよう努めなけれ ばならない。 (合理的配慮の実施) 第10 条 県及び事業者は、その事務又は事業を実施するに当たり、障がいのある人 から現に社会的障壁の除去を必要としている旨の意思の表明(障がいのある人がそ の意思を表明することが困難である場合には、当該障がいのある人の家族等が当該 障がいのある人に代わって行う意思の表明を含む。)があった場合において、その 実施に伴う負担が過重でないときは、当該障がいのある人の性別、年齢及び障がい の状態に応じた、社会的障壁を除去するための必要かつ合理的な配慮(次項及び次 条において「合理的配慮」という。)を行わなければならない。 2 県及び事業者は、前項に規定する意思の表明があった場合において、合理的配慮 が、その実施に伴う負担が過重であることにより実施できないときは、当該意思の 表明を行った者にその理由を説明し、理解を得るよう努めなければならない。 (不当な差別的取扱い等の事例の分析及び公表) 第11 条 県は、不当な差別的取扱いの防止及び合理的配慮の的確な実施に資するた め、県が収集した不当な差別的取扱いの事例及び合理的配慮が実施されなかった事 例を分析し、その結果を公表するものとする。 (財政上の措置) 第12 条 県は、障がいのある人の自立及び社会参加に向けた取組等に関する施策を 推進するため、必要な財政上の措置を講ずるよう努めるものとする。 第2章 障がいのある人の自立及び社会参加に向けた取組等に関する基本的施策 (意思疎通等の手段の利用促進等) 第13 条 県は、手話、要約筆記、点字その他の障がいの特性に応じた意思疎通並び に情報の取得、利用及び発信のための手段が広く利用されるよう必要な施策を講ず るものとする。 2 県は、障がいのある人の意思疎通並びに情報の取得、利用及び発信を支援する者 の養成及び資質の向上のために必要な施策を講ずるものとする。 3 県は、障がいのある人が容易に県政に関する情報を取得することができるように するため、手話、要約筆記、点字その他の障がいの特性に応じた意思疎通並びに情 報の取得、利用及び発信のための手段を利用して情報を発信するよう努めるものと する。 (医療、介護等の支援) 第14 条 県は、障がいのある人が自ら選択した地域において自立した生活を営むこ とができるようにするため、障がいのある人に対する医療、介護、保健、生活支援 その他の必要な支援が包括的かつ継続的に提供されるよう必要な施策を講ずるも のとする。 (学校教育における学びの場の選択等) 第15 条 県は、学校教育において、障がいのある児童及び生徒が、その発達段階及 び特性並びに本人の意思に応じて、学びの場及び進路の選択等を適切に行うことが でき、及びそれぞれの学びの場において十分な教育を受けられるよう必要な施策を 講ずるものとする。 2 県は、障がいのある子どもと障がいのない子どもとの交流及び共同学習を通じて、 その相互理解を促進するよう必要な施策を講ずるものとする。 (就業の機会の確保等) 第16 条 県は、障がいのある人の職業選択の自由を尊重しつつ、障がいのある人が その能力に応じて適切な職業に従事することができるようにするため、障がいのあ る人の多様な就業の機会を確保し、及び職場への定着を促進するよう努めるととも に、個々の障がいのある人の特性に配慮した職業相談、職業指導、職業訓練及び職 業紹介の実施その他必要な施策を講ずるものとする。 (住宅の確保等) 第17 条 県は、障がいのある人が地域社会において安定した生活を営むことができ るようにするため、障がいのある人のための住宅を確保し、及び障がいのある人の 日常生活に適するような住宅の整備を促進するよう必要な施策を講ずるものとす る。 (権利擁護の推進) 第18 条 県は、成年後見制度その他の障がいのある人の権利利益の保護等のための 施策又は制度が障がいのある人及びその家族等に十分に利用されるよう必要な施 策を講ずるものとする。 (スポーツの振興) 第19 条 県は、障がいのある人がスポーツに参加できる機会の提供に努めるととも に、スポーツを通じて障がいのある人と障がいのない人との相互理解を促進するよ う必要な施策を講ずるものとする。 2 県は、障がいのある人が障がいの特性に応じて参加することができるスポーツの 振興を図るとともに、当該スポーツの指導者の養成及び資質の向上のために必要な 施策を講ずるものとする。 (文化芸術活動の振興) 第20 条 県は、県民が、障がいの有無にかかわらず、文化芸術を鑑賞し、これに参 加し、又はこれを創造することができるようにするため、障がいのある人が創造す る文化芸術の作品等の発表、障がいのある人による文化芸術活動を通じた交流等を 促進するよう必要な施策を講ずるものとする。 (災害への対応) 第21 条 県は、市町村その他関係機関と連携して、災害その他非常の事態の場合に おいて、障がいのある人に対し、必要となる情報が迅速かつ的確に提供され、及び 避難に当たり適切な配慮が行われるよう必要な施策を講ずるものとする。 2 県は、防災及び減災に関して必要な施策を講ずるに当たっては、障がいの特性に 配慮するものとする。 (選挙等における配慮) 第22 条 県は、法令等の定めるところにより行われる選挙、国民審査又は投票にお いて、障がいのある人が円滑に投票できるようにするための取組を促進するため、 市町村に対し、情報の提供、助言その他必要な支援を行うものとする。 (人材育成) 第23 条 県は、障がいのある人に対する虐待の防止その他障がいを理由とする差別 の解消を図るため、障がい等に関する専門的な知識及び技能を有する者の育成その 他必要な施策を講ずるものとする。 第3章 障がいを理由とする差別を解消するための体制の整備 第1節 相談体制 (相談) 第24 条 何人も、県に対し、障がいを理由とする差別に関する相談(以下「相談」と いう。)をすることができる。 2 県は、相談の申出があったときは、次に掲げる措置を講ずるものとする。 (1) 相談に応じ、必要な助言及び情報の提供を行うこと。 (2) 相談に係る関係者間の調整を行うこと。 (3) 関係行政機関への通告、通報その他の通知を行うこと。 (相談員) 第25 条 知事は、前条第2項各号に掲げる措置に係る業務並びに障がい等に対する 県民及び事業者の理解を深めるための業務を行わせるため、相談員を置くことがで きる。 2 相談員は、障がいを理由とする差別の解消に関し識見を有する者のうちから知事 が任命する。 3 相談員は、職務上知り得た秘密を漏らしてはならない。その職を退いた後も同様 とする。 第2節 紛争の解決を図るための体制 (あっせんの申立て) 第26 条 障がいのある人並びにその家族及び後見人その他障がいのある人を現に保 護する者は、第9条第1項又は第10 条第1項の規定に違反する取扱いを受けたと 認める場合で、第24 条第1項の規定により相談をし、県が同条第2項各号に掲げ る措置を講じてもなおその解決が見込めないときは、規則で定めるところにより、 知事に対し、紛争の解決のために必要なあっせんを申し立てることができる。 2 前項の規定にかかわらず、次の各号のいずれかに該当する場合は、前項の規定に よる申立てをすることができない。 (1) 行政庁の処分又は職員の職務の執行に関する場合であって、他の法令等に基 づく不服申立て又は苦情申立て等をすることができるとき。 (2) 障害者の雇用の促進等に関する法律(昭和35 年法律第123 号)に規定する障 害者に対する差別の禁止に該当するとき。 (3) 同一の事案について、過去に前項の規定による申立てを行ったことがあると き。 (4) 障がいのある人の家族及び後見人その他障がいのある人を現に保護する者が 前項の規定による申立てを行う場合において、当該申立てが当該障がいのある人 の意に反するとき。 (事実の調査) 第27 条 知事は、前条第1項の規定による申立てがあったときは、その職員(相談 員を含む。第3項において同じ。)に、当該申立てがあった事案(以下「紛争事案」 という。)に係る事実を調査させるものとする。 2 紛争事案の当事者(前条第1項の規定による申立てを行った者及び当該申立てに おいて第9条第1項又は第10 条第1項の規定に違反する取扱いを行ったとされた 事業者をいう。以下「当事者」という。)及び当該紛争事案の関係者(次項及び次条 第3項において「関係者」という。)は、正当な理由がある場合を除き、前項の調査 に協力しなければならない。 3 第1項の規定により調査をする職員は、その身分を示す証明書を携帯し、当事者 又は関係者の請求があったときは、これを提示しなければならない。 (あっせん) 第28 条 知事は、前条第1項の調査の結果に基づき、紛争事案の解決のために必要 があると認めるときは、次項各号に該当する場合を除き、長野県共生社会づくり調 整委員会(以下「調整委員会」という。)にあっせんを付託するものとする。 2 調整委員会は、前項の規定によるあっせんの付託があったときは、次に掲げる場 合を除き、あっせんを行うものとする。 (1) 紛争事案について、第26 条第1項の規定による申立てを行った者が、自ら当 該申立てを取り下げる意思を示した場合等、あっせんの必要がないと認めるとき。 (2) 紛争事案について、障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律第14 条 の規定による国又は他の地方公共団体が現に紛争の防止又は解決を図っている 場合等、あっせんを行うことが適当でないと認めるとき。 3 調整委員会は、紛争事案の解決のために必要があると認めるときは、当事者又は 関係者に対して、資料の提出又は説明若しくは意見を求めることができる。 4 調整委員会は、規則で定めるところにより、紛争事案の解決のため必要なあっせ ん案を作成し、これを当事者に提示するものとする。 5 あっせんは、次の各号のいずれかに該当したときは、終了する。 (1) あっせんにより紛争事案が解決したとき。 (2) あっせんによっては紛争事案の解決の見込みがないと認めるとき。 6 調整委員会は、第2項各号に該当する場合としてあっせんを行わないこととした とき又は前項の規定によりあっせんを終了したときは、その旨を知事に報告するも のとする。 (勧告) 第29 条 調整委員会は、知事に対し、次の各号のいずれかに該当する場合は、事業 者に対して、障がいを理由とする差別の解消に必要な措置を講ずるよう勧告を求め ることができる。 (1) 前条第2項の規定によりあっせんを行った場合において、当該事業者が、正当 な理由なく、あっせん案を受諾せず、又は受諾したあっせん案に従わないとき。 (2) 前条第3項の規定により資料の提出又は説明を求めた場合において、当該事 業者が虚偽の資料を提出し、又は虚偽の説明を行ったとき。 2 知事は、前項の規定による勧告の求めがあった場合において、必要があると認め るときは、当該事業者に対して、障がいを理由とする差別の解消に必要な措置を講 ずるよう勧告することができる。 (公表) 第30 条 知事は、前条第2項の規定による勧告を受けた事業者が、正当な理由なく 当該勧告に従わないときは、その旨及び当該勧告の内容を公表することができる。 この場合において、知事は、あらかじめ、当該勧告を受けた事業者に意見を述べる 機会を与えなければならない。 2 知事は、前項の規定による公表に当たっては、あらかじめ、第26 条第1項の規 定による申立てを行った者及び調整委員会の意見を聴くことができる。 第3節 調整委員会 (調整委員会) 第31 条 紛争事案について、知事の付託に応じてあっせんを行うため、調整委員会 を設置する。 2 調整委員会は、委員15 名以内で組織する。 3 委員は、次に掲げる者のうちから知事が任命する。 (1) 障がいを理由とする差別の解消に関し学識経験を有する者 (2) 障がいのある人の福祉に関する事業に従事する者 (3) 障がいのある人 (4) 事業者又は事業者により構成される団体の役職員 (5) 関係行政機関の職員 (6) 前各号に掲げる者のほか、知事が適当と認める者 4 委員の任期は、2年とする。ただし、補欠の委員の任期は、前任者の残任期間と する。 5 委員は、職務上知り得た秘密を漏らしてはならない。その職を退いた後も同様と する。 6 この条に定めるもののほか、調整委員会の組織及び運営に関し必要な事項は、知 事が規則で定める。 第4章 雑則 (補則) 第32 条 この条例の施行に関し必要な事項は、知事が定める。 附 則 (施行期日) 1 この条例は、令和4年4月1日から施行する。ただし、第9条及び第10 条(こ れらの規定中事業者に係る部分に限る。)並びに第3章第2節及び第3節並びに附 則第3項の規定は、同年10 月1日から施行する。 (検討) 2 県は、障がいのある人を取り巻く社会環境の変化、この条例の施行の状況等を勘 案し、必要があると認めるときは、この条例の規定について検討を加え、その結果 に基づいて所要の措置を講ずるものとする。 3 特別職の職員の給与に関する条例(昭和27 年長野県条例第10 号)の一部を次の ように改正する。 別表第3の3中「|精神医療審査会の委員|」 を 「|精神医療審査会の委員     |  |共生社会づくり調整委員会の委員|」に改める。