第3回長野県社会福祉審議会 障がい者権利養護専門分科会 日 時 令和元年8月30日(水) 10:00〜12:00 場 所 県庁本館棟 特別会議室 1 開  会 ○和田企画幹 定刻となりましたので、ただいまから「第3回長野県社会福祉審議会 障がい者権利擁護専門分科会」を開会いたします。  本日の司会進行を務めさせていただきます、健康福祉部障がい者支援課の和田でございます。よろしくお願いいたします。  開会に当たりまして、本来であれば大月健康福祉部長より、御挨拶を申し上げるところでありますが、所用があり欠席のため、障がい者支援課 池課長より御挨拶をさせていただきます。 2 あいさつ  (池課長あいさつ) 3 会議事項  本日の出席者は出席者名簿のとおりでございますが、ご都合により、伊藤委員、福岡委員が欠席となっておりますので、委員10名中、8名の出席となりましたのでご報告させていただきます。  続きまして会議事項に入る前に資料の確認をお願いします。 あらかじめお送りさせていただきました資料は、資料1と資料3でございます。なお、資料2の障がい者団体等との意見交換につきましては、団体の皆様の聞き取り内容について確認済みとなりましたので、本日、資料としてお付けしてあります。 また、9月1日に開催予定の政策対話に関するプレスリリースをお手元に配布させていただきました。 足りない資料がございましたら、恐れ入りますが、お知らせください。 次に、この会議は公開で行います。併せて後日県のホームページ上で、議事録及び会議資料の公表をしてまいりますので、よろしくお願いいたします。 なお、本日の会議は3時間を予定しており、終了時間は概ね午後4時30分までを目途にさせていただきますので、ご協力をお願い申し上げます。 それでは、これより会議事項に入ります。 会議の議事進行につきまして、大塚晃会長に議長をお願いしたいと存じます。大塚様よろしくお願いいたします。 (1)第2回専門分科会で議論された論点について ○大塚会長 それでは、会議事項に入ります。  最初に、会議事項(1)「第2回専門分科会で議論された論点について」、事務局からご説明をお願いします。 ○事務局説明 ○大塚会長 ありがとうございます。ただいまの事務局の説明に関しまして、ご質問やご意見等がありましたらお願いいたします。なお、ご発言に際してのお願いがございます。まず発言される方は挙手をしていただいて、指名を受けてからご発言をしていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。いかがでしょうか、前回の議論なんですけれども。 特に、もう一度になりますけれども、前回議論された内容につきましては、障がい者差別の対象範囲について決めることで、例えば事業者の定義、不当な差別的取り扱い、合理的配慮の不提供、障がい者差別の付帯条件について、あるいは事業者の役割、あるいは責務についての検討はなされました。 特にこういう検討がなされましたけれども、中村さん、綿貫さんについて、もし前回のこのような議論についてご意見等がございましたら、どうぞ遠慮なく、いかがでしょうか、中村委員さん。 ○中村委員 知的障がいの保護者、関係者でつくる、長野県手をつなぐ育成会、会長を務めております中村でございます。前回は欠席をしてしまい、まことに申し訳なく、また個人としても残念だったと思います。 事前にこの部分についてはお送りいただきましたので、拝見をさせていただき、今、改めて概況をご説明いただいた中で、本当に皆さん様々な、闊達な意見交換をしていただいてありがたかったなと。 大体、私どもは特に保護者関係者の方とか、合理的配慮、そういう部分は、どこまでどういうふうに捉えていいのかとか、大変、難しいなというのが正直なところであります。 いろいろな勉強会をしたり、講師の方から様々な講習をいただきますけれども、ともすると、これは人は誰でもハードルを下げるとか上げるとか、その基準というのは本当に難しいので、合理的配慮や過重な負担は分かりにくいという、こういうような文言を使わずに、とにかくうまくできればいいなと、どういうふうに表現すればいいんだろうというようなものは、本当に悩ましい部分であります。 またもう1点、本日、教育について集中的にというお話がございました。最初のときから私は教育、それも人権という観点から、小さなときから障がいがあっても共にというような、できるだけその地域も含めて一緒にというような部分を、できるだけそういう方向に、どうせこういうものをつくるのであれば、教育委員会も含めていいものができればいいなと、このような思いでいっぱいであります。以上です。 ○大塚会長 はい、ありがとうございました。綿貫委員さんはいかがでしょうか。 ○綿貫委員 はい、綿貫です。よろしくお願いいたします。前回は本当に欠席してしまって申しわけございませんでした。 私も、中村委員さんがおっしゃられたように、大変、皆さん、時間をかけてご議論をいただいた内容、拝見させていただいて、そのとおりだとうなずくことばかりでございます。 その障がい者差別の対象範囲についてという部分で、やはり様々な、事業者のみでもなく、行政のみでもなく、本当に様々な場面で、非常に生きづらさを感じていらっしゃる方々が多いというふうに思っております。 私自身もやはり地域の中で、自治会の中で、非常につらい思いをした場面もございましたし、PTAの中でもございましたし、そういうことを考えるならば、ひょっとしたら本当に、そうした特別なところではなくて、広く、地域の中というくくりというのは非常に難しいかとは思うんですけれども、ちょっと拡大した考え方で進めていただきたいなというふうに思います。以上です。 ○大塚会長 はい、どうもありがとうございました。その他の委員さんの方で、この第2回の検討事項について、もしご意見等がありましら、特につけ加えたいことがありましたら、いかがでしょうか、どうでしょうか。 ○草間委員 草間と申しますが、お世話になります。 青木委員に、精神病院は事業者に入るのかどうなのかということをお聞きできるかと思って、今、質問をさせていただきましたが。 ○大塚会長 どうですか、事務局でいいですか。 ○事務局 事務局、障がい者支援課の和田と申します。 当然において、病院も継続・反復して事業を行っているわけですので、事業者の範疇の中に入るべきというふうに考えております。 ○草間委員 私も、要は聞きたかったのは、その合理的配慮をその病院に求められるのかどうかという点、医師は医師法でしっかりと守られているわけでありまして、その辺の兼ね合いがどうなのかという、そのご質問で、わかりづらくて申しわけありません。 ○大塚会長 もしもご意見があれば。 ○青木委員 その、例えば精神科医療の処遇とか、そういう観点でしょうか、そういう話になるんですか。 ○草間委員 精神病院の医師と当事者の間でトラブルが発生をした時に、どの程度、合理的配慮というのを求めることができるのか、疑問でございますが。 ○大塚会長 多分、一般論の中でということだと思うんですけれども。 ○草間委員 一般論で言いますと、先ほどの・・・ ○大塚会長 そうです、そういう話も、まだそれまで・・・。 ○草間委員 ご説明の・・・現時点ではそれでよろしいですので。 ○大塚会長 よろしいと思いますけれども。ただ、今の事務局の確認なんですけれども、そもそも障害者差別解消法というのは、行政であるとか、あるいは事業所ということで、個々人の何かについてするということを問うてるわけではないので、そこのところは、ちょっとまた、もちろん出発は個々人のことなんですけれども、事業所に対してどうなのかということの枠組みだと思うんですけれども、どう・・・ ○事務局 もちろん、その障害者差別解消法の合理的配慮の提供者とすると、行政または事業者という形になります。ですから個々人、事業体である病院に対して、合理的配慮を求めるということは、当然においてできると、現行法の中でもできるというふうに思っております。 ○草間委員 ありがとうございました。 ○大塚会長 ただ、そうですね、おっしゃるとおり、それをこれからどういうふうに、結局、事業者といっても、そうした行為を行うのは個人ではない。では個人はどうかといったら、そこまではまだ、いろいろなところの法律の枠組みの中では個々人の責任だとか、合理的配慮の不提供の行為について問うていくとこまでは行っていないというふうに私は理解しています。まずは事業者の話だと思います。 いかがでしょうか、ほかには。よろしいですか。 それでは続きまして、次のところに行きたいというふうに思います。 (2)障がい当事者からの意見聴取について ○大塚会長 今日のメインのところでございます。皆さんのお手元の次第の(2)でございます。 障がい当事者の皆さんからの意見聴取ということで、今日は3名の障がい当事者の方にお越しいただいております。3名の方から、障がいのある方の今の意識であるとか、あるいはさまざまな意見だけでなく、いろいろな環境の現状について、あるいは共生社会づくり条例に望むことなどについて、ご意見をお聞かせいただきたいと思います。 時間の関係もありますので、自己紹介を含めて、大体、お一人15分ぐらいで、すみません時間の制限があって、よろしくお願いいたします。 それでは、まず井出今日我様よりご意見をちょうだいしたいと思います。お願いいたします。 ○井出今日我さん 皆さん、雨の中、お疲れさまです。お忙しい中、お集まりいただいてありがとうございます。 上田でCIL、自立生活センターという障がい当事者の団体が全国にあるんですけれども、その代表を務めさせてもらっています井出今日我と申します。よろしくお願いします。 私は24時間のサービス、介助サービスを経て、今、地域で自立生活をしています。この筋ジストロフィーという疾患なんですけれども、5年前にそういう行政保障をさせていただいて、県内ではそんなに、初めての24時間、ふつうの訪問介護の支給を受けて地域生活をしています。 自分だけではなくて、本当に自立生活をしたいと、そういった限られた環境ではなくて、やっぱり障がいがあると、特にいろいろ環境が整っている、ちょっと当事者の方がいるので、委員さんですが、養護学校だったりとか施設だったりとか、病院とかって、それ勝手に語られているイメージだったりとか、限られた環境のほうへ結び付けられてしまうところというのが結構、多いと思うんですけれども、その選択肢として単身、親元に頼らない単身の自立生活があるという選択肢を、みんなに伝えていく活動もしています。 自分だけがそういう24時間を得てやるというのは、非常にもったいないことだと思いますし、ほかの、やっぱりやりたいという人もいるとは思うんですけれども、そういった限られた環境にしてしまうと、なかなかそういう選択肢というのが狭まってしまうのではないかなと感じていまして、そういった方のニーズを引き出すというのも大事だし、こうやって障がい者が地域で生活することで、共生社会といってもなかなか、いろいろやらなければいけないことが多くて、本当に一気に、一気に変えることはできないとは思うんですけれども、やっぱりお互いの、両者の歩み寄りが非常に重要なんじゃないかなと思っています。 で、障がい当事者にとっても、身障者の方が対面をしてくださいではなくて、自分たちも歩み寄るという姿勢がとても大事なんじゃないかなと。その歩み寄るという課程においてもちょっと、なかなか障がいによって外出出来なかったりとか、いろいろな制約があります。通勤、通学は対象外であったりとか、経済的活動というのは対象外だったりとか、やっぱりいろいろな制約があるから、なかなか歩み寄りというのができない部分もあるかと思います。 そういった足りないところは、今、障がい者の国会議員さんが生まれ、これから変えていくという課程だとは思うんですけれども、そういうのも大事なんですけれども、あとはやっぱり、本当の教育に非常に問題があるとかと思います。自分も、普通学校でずっとやってきたんですけれども、やっぱり後輩の話を聞くと、なかなか障がいがあるから、いろいろその環境が整っているところ、養護学校に行く必要があるよねとかと、やっぱり勝手な偏見によってこう、本人がそういうのは決める、その家族が決めることなんだけれども、第三者がそういうことを言ってしまうというところというのは、ちょっと非常に問題があるかなと思っています。 それで義務教育だったとか、高等教育、生活先、あらゆることにおいて、やっぱり運に左右されない、誰もがこう選択したならば、必要な保障を与えた上で環境を整備するということが非常に大事なんじゃないかなと。 今日、自分もここへ来るまでに、馬場さんにちょっと運転してもらったりとかして、そういった保障があるからこそ、この場に立っています。そういう保障があるからこそちゃんと地域生活をやっています。これが、あなたには24時間必要ないと言われてしまえば、本当にそういう活動というのができませんし、可能性を発揮するということがなかなかできないと思います。 そのかわりに、こういう保障をいただいたので、健常者の方と、今、同じ土俵に立っていると思います。なので、障がいだからと言い訳は今はできません、私は。その中で、同じ土俵の中で当事者としては何ができるかと思ったときに、やっぱり障がい者の存在を伝えていくとか、障がい者の生活を伝えていく、少しでも当事者、他人のものでなくて自分を、そしてこう、捉えてもらえる場を設けていただけたらなと思っています。 やはり障がい者って、ある意味、某テレビとかでは、障がい者で頑張れという存在なんだと勝手にこう、決められてしまうんですけれども、当然、その限りではないです。いろいろな人がいます。障がい者だからっていって、性格の悪い人もいるし、性格のいい人もいるし、頑張ってない人もいるし、さぼっている人もいます。そこはもう本当に健常者の方と一緒です。ただ、自分の場合は、ただ、身体的にこう、歩けなかったりするので、ただ車いすに乗っているだけの話です。それだけの違いだと、本当にシンプルだと思います。 だけど、やっぱり障がい者って何か特別の存在とか、自分たちは関係ないというふうに僕たちが思ってしまえば、なかなか共生社会につながっていかないんじゃないかと、ただ、そういった本当に、皆様も高齢者になる、そのときに身体的に問題が出てくるとか、それは本当にあるかと思います。でも、それっていうのは40年後とか、本当に未来の話になってしまうので、この後、皆さんが変えられたときに、本当に事故になる可能性だって幾らでもあるかなと、生きていればそういう可能性があるので、そういったことを、やっぱり本当に、皆さんがやっぱり感じる。本当に今、いろいろな疾患があるので、ちょっと当事者の方がいたら、身内にいたら申しわけないんですけれども、ALSとか、いろいろな疾患によって、やっぱり障がい者になるということが幾らでも考えられますので、本当に定期的に障がい当事者の声や話を聞いて、少しでも障がいのこととか、自分も捉えるような場を、こういった場もそうですし、設けていただけたらうれしいなと。何かの決定段階、過程においても、障がい当事者の環境をちょっと基本としていただけたらと思うんです。 僕は、さっきも言ったんですけれども、障がいがあるからといって、例えば養護学校だったり、施設、病院に、勝手に囲われたイメージや、限られた関係としない。でも、あくまでも本人、または家族だと思います。 こういう、さっきも言ったんですけれども、あらゆる決定機関だったりとか、決定ごとにおいて、本当に運に左右されてはいけないと思います。自分は本当に運がよく、普通学校でやってきた、運よくです、本当に。そこを本当に運よく、運に恵まれずにあなたは養護学校と分けられてしまった人も知っています。分けられてしまった後輩というのが非常に多いので、やっぱり本当に、小さいときに何を学んだかというのは非常に重要だなと思いますし、そこの決定において、こう勝手なイメージで変えられてしますと、当然、養護学校を否定しているわけではなくて、もし親の方針だったりとか、きっとその場の考えで、自分の個性に合うというならば、しっかり選択していく中から選んでいるならばいいんですけれども、勝手に決められてしまうというのが、どうしても残念に感じます。 あとは、可能な限り健常者の方と同等にチャンスをつかめるように、企業などと連携し、障がい者への必要な投資だったりとか、あとは、ちょっとこれは、ちょっとだけかけ離れている話ではありますけれども、メディアなどと、活躍の場を増やしていくということ。本当に普段そうやって発信する場があれば、やっぱり慣れていっていただけると思いますし、やっぱり健常社会のほうが大変だし、障がい者も大変だと。でも、その中でも、障がいがあることによって、これは絶対譲れない、保障が必要なんだというところを伝えていくということは必要だと思います。 あとはちょっと、その普段から障がい者に慣れるということは非常に大事だと思うので、ダイバーシティな、共生社会の実現に向けた、県の公式CMというのを是非つくっていただきたいです。これはもう、全国に先駆けてアピールするためだったりとか、それは当然、CMに障がい者、LGBTの方だったりとか、本当に多様な方が出演しているようなCM、これって全国に、ちょっと調べてはいないんですけれども、ないと思います。まずそれを毎回、県のテレビ局でCMで流す。それで見慣れるということをまずしてもらって、町でこう見かけたときに、それは、では、今度、声かけてみようかなとかと、多分、勇気になると思います。その、そういう差別というのが、多分、関わり不足だったりとか、そういったところから起きていると思うので、やっぱりそういう接点を持つためのきっかけとして、そういうCMというのはちょっと、これはぜひ、本当にお願いしたいなと思っています。 ちょっと長くなりましたが、そうやって共生社会をつくっていくためには、お互いの関わりだったりとか、障がい者のことを知ってもらうというのが、まず、とっても重要だと思いますので、ぜひ、そういった点をお願いできたらと思います。 ちょっと長くなりましたが、以上になります。ご静聴、ありがとうございました。 ○大塚会長 どうもありがとうございました。ただいま井出様よりさまざまなご意見をお聞きさせていただきました。 皆様の中で、何か井出様にご質問などがございましたらどうぞ、遠慮なくいただきたいと。はい、どうぞ、つけ加えると。 ○井出今日我さん すみません、それで1点、お手元にイラストがあるかと思うんですけれども、これは、説明しますと、この写真の中には多様な方々がいます。中には車いすで気管切開されている人、高齢者、盲導犬を連れている方、外国人というイラストがあるんですけれども、こういうイラストを使って、小・中、高生にこう、より共生社会というものをイラストからこう感じ取ってほしいということで、これはプロに書いてもらいました。 これは県の事業で講師を派遣する、小中校に、という事業を、自分が依頼されているんですけれども、そこで活用させてもらっています。やっぱり、このイラストで説明すると、多分、小さいときというのは、本当にいい意味でとても純粋なので、本当に、最初は何で車いすに乗っているのとかと思うかもしれないんですけれども、あと、自分たちとかかわっている中で自然になってくると思うんですよね。それをイラストから感じてほしいという思いで書いてもらいました。 下のそのイラストは自分のイラストなんですけれども、やっぱりこういうイラストというのが親しみやすいということもあると思うので、中高生にとってはかなりこう、親しみやすいというか、そういう思いでやっていますので、こういったやっぱり障がい者のことを、まじめなことだけでなくて、こういうおもしろいイラストを使ったりとか、意欲もなしに、こう障がいはどうなのかなということも非常に重要だと思うんですよね。説明がちょっと長くなりましたが、以上となります。 ○大塚会長 はい、ありがとうございます。いかがでしょうか。さまざまなご意見をいただきまして、障がいのある方も、今の現状というものを広く伝えていくということ、情報を提供していく、そんなような仕組みもご意見をいただきましたけれども。 また、もう一度になりますけれども、今回のこの条例づくり、共生社会のための条例づくり、この条例に望むことですね。何か、特にもう一度になるかもしれませんけれども、ここはどうしても強調しておきたいとか、ここは外せないという、この条例づくりに望むことがもしございましたら、どうぞ。 ○井出今日我さん 私ですか。いや、やっぱり本当に小さいときから何を学ぶか、何を見るか、誰とかかわるかによって、幾らでも強い人間になれると思うので、これは健常者の方だけに、悩みがあるのではなくて、障がい者自身もそういう自覚を持って歩み寄るとか、両者、そうやって歩み寄る視点というのが、やっぱり小さくてなかなか回れないと思うんですね。いきなり大人になって障がい者とかかわって、健常者とかかわってといったって無理なんです。 本当に小さいときに分けない教育というか、その、自分も普通学校に行ったんですけれども、分けない環境においてもちょっと分けられたという経験もあるので、それを、子どもたちにも限界があるので、大人の正しい導き方というのも、大人が多分、学ぶ必要があるし、そういった正しい道に行ったか、しっかり保障されてないのがいけないと思いますので、仮に自分が個性的に特別支援学校が合っているという場合は、その選択肢をみんなバックアップして、そういう環境においても多様性を感じられる、かかわりあえる環境は必ず保障してほしいです。副学籍というのも今あるようなんですけれども、そういったことはしっかり保障してあげるとか、定期的に中学校と特別支援学校の方がこう、交流というかコミュニケーションがとれる場というのを必ず用意していただきたい。そこかから、いろいろ言いたいことはあるんですけれども、教育において、かなり伝えたいです。 ○大塚会長 ありがとうございます。よろしいですか。先生、はい、どうぞ。 ○永松委員 信大の永松と申します。ありがとうございました。 私の仕事、教員の養成にかかわっていますので、非常に今のお話ですね、またじっくり咀嚼して理解したいと思います。 一つ、これ、井出さんのご経験の中でもしあればということなんですが、実際に通常の学校、通常の学級で学校教育を受けられた中で、ここはやっぱり、今の学校、変わってくれと、就学の場合の選択の問題はもうおっしゃるとおりだと思いますので、むしろ通常の学校に通ったとき、何かこう感じられたことを、もしありましたら教えていただきたいと思います。 ○井出今日我さん わかりました。一つ、真っ先に思い浮かべるのが、さっき分けられない、分けない環境もおいても分けられたという話なんですけれども。 体育の授業のとき、みんなクラスメートはバスケをやっていました。ちょっと担任のいろいろな方針だったりとか、思いがあったからこそだったと思うんですけれども、「お前はとにかく筋トレをしていて、バスケ、みんなやっているけれども、向こうでやってろ」という、分けられてしまったんですね。そこで、では、こいつができるようにみんな考えてくれとか、やっぱり、自分、当事者は本当に、言い方は悪いですけれども、生きた教科書として活用することによって、同級生というのは本当に頭を使うので、どうしたらこいつが参加できるのかと、みんなが考えてくれると思うんですよね。そういったところってとても大事だし、でも自分の中でもそういう、みんなで考えてほしかったし、自分自身もやりたいことを伝える。バスケのプレーできるわけじゃないので、そこで、では自分が考えるのは主審とか、審判とか、こうやれる方法があったと思います。 そうすれば、自分自身もバスケットということのルールを覚えられますし、みんなにとっても、ああ頑張っているなというところを伝えられると思うので、そういった、できないからこそ、できるようにみんなが考えるというのを、まず一つ、必要だったかなと思います。 あとは、何だろうな、ハード面が全てこう、十分満たされていても、バリアフリー、心のバリアフリーは育たないと思いますよね。本当に、本当に必要最小限のハード面があった上で、その中で人々の優しい気持ちがあったりとか、ちょっとこう、2階に連れていくかとか、そういった心のバリアフリーというのがやっぱり、全てがハード面のところにすればいいわけじゃないので、そういうバランスというのはとても大事だと思うので、そこでエレベーターはないんです、高校のときですね、高校のときは同級生だったり、先生方に車いすごと持ち上げていただいて、そういった、何だろうな、コミュニケーションの場、交流の場というのはとても大事だったし、本当にそこで生まれる会話というのも多分、結構あったと思うんですね。そういった経験が両者にとってはとても大事だし、社会に出たときにとてもいい力になると思っていますので、そういった、関わる中で生まれるということはとても大事だと感じました。 ○永松委員 ありがとうございました。 ○大塚会長 本当にありがとうございました。よろしいですか。井出さんも、どうもありがとうございました。 続きまして、穂苅ゆかり様よりご意見をいただきたいと思います。よろしくお願いいたします。 ○穂苅ゆかりさん ただいまご紹介にあずかりました、NPO法人ポプラの会の穂苅ゆかりと申します。 NPO法人ポプラの会というのは、長野市に本拠を持つ、精神障がいの当事者会です。私は、今日、そこからやってまいりました。 まず、女性障がい者の現状についてということになっているかと思います。それと、新しく検討されている障がいのことで、それについても思うことを、それぞれお話させていただきたいと思います。 まず障がい者権利条約の第6条ですが、締約国は障がいのある女性や女の子が複合的な差別を受けていることに適当な立法的、優先的に措置をとることになっています。また障がい者差別解消法の第1条に、特に女性である障がい者は、障がいに加えて女性であることにより、さらに複合的に困難な状況に置かれている場合があるというふうにあります。 女子であるがゆえに差別を受け、その上、さらに障がい者であるがゆえに重ねて差別を受ける、いわゆる複合差別の話、問題になります。 皆様ご存じのように、長野県では、平成23年7月から平成24年7月にかけて障がいのある人もない人も共に生きる社会を目指す検討会、それが設けられてきました。たまたま、私も一委員として参加しておりました。会として、いろいろな活動をいたしましたが、特に全県からファックスなどで、身近な障がい差別の事例を送っていただいたことが非常に画期的なことでした。そのときの事例の総数は、726事例に及びまして、大変、多岐に渡ったアンケートとなりました。 委員の中で全ての事例を共有したんですが、その726事例の中で、今でも私がはっきり記憶している事例が2つあります。いずれも結婚に関する差別のことで、自分の障がいのためにお姉さんの結婚が破談になった、あるいは親戚に破談をご自身が迫られているという女性の嘆きでした。原文のまま読み上げます。 まず、私の姉の婚約が、私が精神障がい者であることを理由に「きちがいの家族がいる人と結婚させることはできない」と言われて破断になりましたというのが1つ目の事例。 それから2つ目の事例は「彼と付き合っているのですけれども、彼の親戚の人に、私が障がい者なので、障がいというだけでばかにされているし、結婚も反対されています。私は障がいで生まれたくて生まれてきたわけではありません。彼の親戚の人のことが許せません。彼と別れてくれとも言われています。何で、私だけが障がいでばかにされなくてはいけないんですか、本当は出るところへ出て訴えてやりたい気持ちです」この2つの事例を読んだときに、私も同じ女性の障がい者ですので、胸が締めつけられるような思いをいたしました。 さらに、もっと明らかな複合差別の例があります。この件は大きく報道もされましたのでご存じの方も多いかなと思うんですけれども、病院の男性の医師がわいせつ行為を行ったという事件でした。2017年、長野市内の精神科病院で、男性医師によるわいせる事件がありました。被害に遭ったのは女性患者で、知的障がいも持っている方でした。 医師が夜間病室に入ってきて体を触ったりしていましたが、患者さんは声を上げることもできず、家族がやっと気づいて病院に相談し、わいせつ行為が発覚しました。女性の通報できない、言えないことをいいことに、医師がわいせつを繰り返していた事件で、卑劣で弱いものを虐待する行為だと思いました。 その後、医師の処分等は情報公開されず、その患者に対する保障などわかりませんでしたが、このような虐待は複合差別ですし、弱い立場の人間が苦痛を訴えにくいという事件でした。弱い立場の患者、障がい者ほど、複合差別に遭うのです。このような虐待や差別をなくしてほしいと、強く願います。 また、表明される方が増えてらしたLGBTの方、あるいは男性の方の中にも事情によっては複合差別はあると思いますので、新しい条例の中には、そういった視点も加えていただけるとありがたいと思います。 次に、私自身も経験したことです。私はこれまで同じ精神科単科病院に4回入院しているのですが、そこで経験し、同じ病棟で療養した患者仲間が病院の配慮不足を異口同音に言っていた、そういったことなんです。これは女性であることによる差別と、障がいであることによる差別を重ねて受けたというよりも、女性患者、障がい者であるから当然に配慮してほしかったプライバシー、その配慮を受けられなかったという問題でした。 私が入院した病院は、同じ病棟の中にベッドの洋室とたたみの大部屋がありました。通常の病院であれば、各ベッド回りにはカーテンがあって、着替えるときにはカーテンを閉めて他人から見えないようにするものだと思うのですが、この病院ではベッドの部屋、病室でもカーテンは取り付けられておりませんでした。畳の大部屋などはもちろんカーテンレールなどはなく、10数人の患者さんが雑魚寝という状態でした。 看護師さんの中には男性の方もいて、毎日、下着を着替えるときなど、どこを向いて着替えれば、人の目、ことに男性看護師さんの目に触れないで済むか、大変困りました。病院側は、自殺予防のためカーテンは取り付けないと説明したことを覚えていますが、この病院の中には、ポータブルトイレの仕切りがなく、丸見えのまま用を足さなければいけなかったことを考えると、カーテンの仕切りについては、当たり前のように行われている女性に対する配慮のなさから来るものだというふうに、私は考えています。 ここまで申し上げた医師によるわいせつの事例、院内での女性患者に対する配慮の欠如など、いずれもサービスや支援、援助を受けていることによって、立場が弱い人がその立場につけ込まれて、強く言い出すことができない中で起きていることであり、大変卑怯な話であると考えます。なお、私の周辺の、特に女性当事者に複合差別の経験についてお聞きしているんですが、特段の事例はありませんでした。それは複合差別を経験しても言いづらかったり、あるいは、昔の嫌な記憶がフラッシュバックするということがあるのかもしれません。 複合差別があったとしても、それを言いづらい現状があります。意識していなかったり、複合差別があるのですが言いづらいという現状です。 二次被害的に差別されるのではないかと話すことができなかったり、嫌な記憶なので思い出したくも、話したくないという場合もあります。そういった、差別を言いづらいこと自体が、複合差別を減らせないと、そういった面があると思います。 次に、共生づくりの新しい条例に望むことです。新たな共生社会づくり条例について望むことを申し述べたいと思います。 去る8月24日土曜日、NPO法人ポプラの会の運営委員会、これは精神障がい者施設、長野市内の施設等の利用者の代表の会なんですけれども、この際に、委員の方々にさまざまなご意見をお聞きしてみました。最も大きな話題となったのは、災害時の支援についてでした。さらに災害時支援に関連して、民生児童委員さんから障がい者に対する支援の現状についてもお話が出ました。 ふだんは特段、意識して生活していなくても、3月11日が近づいてくると否応なしに災害時のことを考えます。災害時のことで、精神障がい者にとって不安になるのは圧倒的にお薬のことです。お薬というのは常時服薬している精神科のお薬のことで、精神障がい者はこのお薬がないと安定した生活ができないことが多いのです。 先の大震災のときも、中には医療機関自体が津波被害に遭ったりなどして、医療機関と薬局から、いつもと同じお薬を出してもらうことが困難になって、お薬がないことでさらに不安が増したというケースがあったことを聞いています。 運営委員の中には万が一のことが怖いからと、1カ月分の薬をリュックサックに入れて、常時、このリュックサックを持ち歩いているという方もいました。そもそも災害時の町の中では、薬をもらいに医療機関、薬局に行くこと自体がおそらく難しいでしょう。そんな中で受診は本人が医師に見てもらった処方箋を出していただき、薬局に行って薬を出してもらうのは本人でなくて家族などでもよいとのこと、順調に医者に診てもらうことができるように願っています。また、当事者自身も災害時などは、必ずお薬手帳を持参するよう務めたいと思います。 災害時の心配事の話から、民生児童委員さんによる支援について話が及びました。民生児童委員さんに望むこととして、民生児童委員さんとのかかわりをどんなふうに持ってほしいかを話し合いました。 民生児童委員さんは、厚生労働大臣から委嘱された地域の援助者であるので、県レベルの条例には乗ってこない問題かなと思いましたが、当事者自身が生活していく中で、民生児童委員さんは身近で、身近な地域で援助をしてくれる人と、そういう受けとめ方になっています。そして民生児童委員さんに災害時の援助をお願いしたいと、そういった声が大きく聞かれました。ただ委員の中では、これまでも既に民生児童委員さんと面識があって、災害福祉台帳に何を記入するのか話し合ったこともある当事者もいれば、精神疾患になってから民生児童委員さんと一度もお会いしていないという、私もそうなんですが、そういう当事者もいました。 精神障がい者保健福祉手帳の等級に基づく違いなのでしょうか、それとも長野市の支援のやり方の特有の問題であるとすれば、ここで申し上げることはピントはずれになるので申しわけありません。民生児童委員さんの災害時の支援の仕組みについて、もう一度、どこかで教えていただければありがたいというふうに思っています。 そして、個人情報保護法と援助の関係については、以前から言われているところですが、この会議に出席した当事者から、どうして民生委員さんが私の住所、病気を知っているのか不審に思ったという発言がありました。これ、以前から個人情報保護法ができたころから問題になっていた話なんですが、地域の現場では、そこがまだ整理されていなくて問題が続いているのだなと思い、残念に思いました。 最後に、グループホームの建設反対運動についてに述べます。これまでに全国各地で精神障がい、知的障がい者のグループホーム建設反対運動が繰り広げられてきました。令和の今の時代になっても、また反対運動が引き起こされていると聞いています。 障害者差別解消法の附帯決議のほうに、国、及び地方公共団体において、グループホームやケアホーム等を含む障がい者関連施設の認可等に際して、周辺住民の同意を求めないことを徹底すること及び、住民の理解を得るために、積極的な啓発活動を行うことというふうに書かれています。この附帯決議をどう評価したらよいのでしょうか。私には、国及び地方公共団体が、手を引くと読み取ってしまいます。私人同士の対決にも差別に当たるような行為に対しては、行政にも主導的に対立の緩和や周辺住民との対話の促進を図り、障がいがあっても地域で暮らしていかれるよう普及啓発と合わせ、引き続き、障がい者施設やグループホームの建設にも支援をお願いしたいと思います。 差別解消法施行以降、あっせん者もいない中で、グループホーム建築側と地域住民側とが直接対決になってしまっているケースが見受けられるようです。周辺住民の同意を求めないということを徹底するということは、一見、グループホーム建設者側にとって有利になったように聞こえるかもしれませんが、そこにあるのは埋まる、進められることのない対立の構図です。長野県の新しい条例の中にもグループホーム建設の問題も取り込んでいただきたいと思うのですが、竣工、入居後に、障がい児者自身が安心して暮らせることを最優先にして条文をつくっていただきたいというふうに思います。 何よりも私たち障がい当事者の日々の暮らしを支えてくれる、そういった条例がつくられること、そして多様性に支えられた条例がつくられること、それを心から願っています。どうかよろしくお願いいたします。ご静聴、どうもありがとうございました。 ○大塚会長 はい、どうもありがとうございました。 ただいまの穂苅様よりさまざまなご意見をいただきました。皆さん方でご質問等ございましたらどうぞ。よろしいでしょうか、いかがでしょうか。 さまざまなご意見をいただいて、まず複合差別の観点は、女性の方の観点であるとか、あるいは性的マイノリティの方たち、そういう方たちへの合理的配慮というのをきちんとしていただきたいというご意見だったと思います。 これ、条例の精神かもしれませんけれども、そういうこと、それから具体的には条例には望むということにおいて、特に私にとっては災害時のことでしょうね、精神障がいの方たちにとっては薬のことが一番気にかかることで、きちんとした、薬が飲めるかどういかという体制、あるいは身体障がいの方にとっては、人工呼吸器の電源が切れるとかということも含めて非常に大きな話になりますので、これからは災害時のことについてもテーマとして取り扱うということではありますのですけれども、そういう大切なご意見をいただいたというふうに思っております。ありがとうございます。 いかがでしょうか、ほかには。 ○綿貫委員 綿貫です。穂苅さんから、大変、お話し辛いお話もいろいろしていただいて、本当にありがとうございました。 私も、知的の障がいのある方々を主体として、事業で支援をさせていただいているんですけれども、中でも、かつてやはり知的の障がいがあって、女性などというところで性的な被害を受けて、それから精神的に病まれてしまって、なかなか生活しづらくなってしまった方ですとか、それから帰る、そうですね、かつてやはりそうした性的な被害に遭われたことによって、今度はご本人から男性を求めてしまうような状況になってしまって、24時間型の施設にいらしたんですけれども、飛び出しをして、通りかかりの男性に連れていかれてしまうみたいな、そんなところで警察ともやりとりをしながら、援助していただきながら進めてきた中で、知的な障がいのある女性ばかりを標的にした、その性的な犯罪が今でもまだあるというような話もちょっとお聞きしました。 そういったところ、やはりもう少し厳しい罰則的なものが必要だなということと、それと、やはり社会の理解というところは、穂苅委員さんがおっしゃられた、本当に貴重なご意見だと思いますので、私も同じ女性の立場としても、この複合差別に関しては、もう、本当に学ばしていただきながら進めていけたらなというふうに思います。 ○大塚会長 ありがとうございます。よろしいですか。穂苅さん何か一言、大丈夫ですか、今のご意見をいただきましたけれども。 ○穂苅ゆかりさん そうなんですね。知れば知るほど、先ほど出した病院で医者からわいせつ行為を受けたという方も、精神疾患プラス知的障がいでというケースなんですね。おそらく医者は狙っていた。その知的だから言わないだろうということです。本当に卑怯な話で、国レベルの法律の中で埋められていない部分については、最低限のことについては県の条例のほうで厳しい対応をしていただくことも、私は必要だと思っています。 県レベルで、できるだけその懲罰みたいなもの、罰則みたいなものはつけないでおいていただきたいんですが、こういう、本当に人権蹂躙に当たるようなものについても、ちゃんと対処ができるような仕組みを、その条例にかかわって、ほかにもいろいろ仕組みができるはずですので、その仕組みの中で、きちんと対処していけるようなものをつくり上げていただきたいというふうに思います。 ○大塚会長 はい、ありがとうございます、よろしいですか。穂苅さん、どうもありがとうございました。 それでは最後に、保坂貞子様よりご意見をいただきたいと思います。よろしくお願いいたします。 ○保坂貞子さん こんにちは。ご紹介いただきました、社会福祉法人長野県聴覚障害者協会の理事をしております保坂と申します。よろしくお願いします。では、女性障がい者の状況について、ちょっと聴覚障がいのほうからお話をしたいと思います。 たくさんの人に、同じ聴覚障がい者で女性である方に聞いてみたんですけれども、その中で、昔のことは本当に思い出したくない、もう本当に苦しい思いだったから言いたくないというような人もいました。やはり思い出したくない、言いたくないという思いがあるようなんですね。また、言ってくれた人ももちろんいるんですけれども、その中から幾つかお知らせというか、ご報告したいと思います。 先ほど穂苅さんもおっしゃっていたことと似たようなこともあったりとかして、やはりその性的なものもあったようですね。そういった嫌な経験をしたというようなお話もあって、そんなことも今回の報告というかに含まれています。 まず結婚についての差別なんですけれども、今はあるかどうかわかりませんが、昔の古い考え方を持っている方たちは、やはり聴覚障がいがある者同士で結婚すべきではないという考えがあるみたいで、社会の中で自立していくのは、多分、聴覚障がい者同士で結婚しても無理であろう、なので、聞こえる男性と結婚して、聞こえる者に子育てを助けてもらえばいいんじゃないかみたいな考えがとてもあったんですね。聞こえないから、きっと子育てはできないだろうというふうに言われることがとても多かったということです。 聴覚障がい者同士で結婚したとしても、子どもをやはり産んではならない、生んだって困るだろうと言われて、優生保護法の問題もありますけれども、避妊手術をされてしまったというような人もやはりいます。そういった方たちはほとんどはほしかった。でも、結局、子どもを持つことができず、夫婦ともに生きている間はいいけれども、どちらかが死んでしまえば、結局一人になってしまう、本当に不安な思いだというふうなことをおっしゃっている人もいます。 また、例えば聞こえる方と結婚した場合、聞こえない人と聞こえる方で結婚した場合・・・結婚するというふうになった場合、自由恋愛で、じゃあ結婚しようという気持ちになったとしても、聞こえる人のご両親が「え、聞こえない人と結婚するのか」というふうに言われて、どうかなというふうに反対されてしまうというような事例ももちろんありました。 今、聴覚障がい者もいろいろな言い方があって、ろう者、難聴者、中途失聴者と、いろいろ言い方がありますけれども、特にその中でろう者というのは手話を使って、生きているといいますか、生活している方、聞こえない方が多いですかね。そのろう者の話しを中心に、私、ちょっと今、させていただいているので、ご承知おきください。 先ほど言ったように、その結婚相手の方、聞こえる相手のご両親から聞こえない人と結婚するのはちょっとというふうに言われてしまって、反対されてという方も結構多くて、昔の、今はそうでないかもしれませんけれども、昔はとてもそういうことが多かったと聞いています。 また、例えば娘さんが聞こえる人、娘さん・・・ごめんなさい。娘さん、両親が聞こえなくて娘さんが聞こえる、で、娘さんが交際相手の方がいらっしゃって、そろそろ結婚をというふうに考えていたときに、まだ結婚していないんですけれども、そろそろ結婚したらどうかなというふうに思っているときに、例えば娘さんが、交際されている相手の男性に、いや実はうちの両親、聞こえないんだよねというと、それに対して、交際相手の男性のご両親が「えっ、聞こえないご両親がいるの」というふうに何か言われてしまうし、また、え、付き合っている彼女は耳の状態が大丈夫なの、もしかして今は聞こえていても、そのうち聞こえなくなっちゃうんじゃないの、みたいなことを言われてしまったりしたこともあるというふうに聞いて、何かすごく嫌な思いもしたというような話もありました。 ほかの例として、今度は子育てというかに関してなんですけれども、赤ちゃんが生まれたときになんですけれども、病院に「おめでとう」と、お祝いに結構来てくれますよね。普通だったら、おめでとうというふうに言われるぐらいだと思うんですけれども、ある人に、生んだ人は聞こえない人なんですけれども、お見舞い来てくれた人が「あ、おめでとう、あかちゃん聞こえるんだね、よかったね」というふうに言われたそうなんですね。聞こえないお母さんに対して聞こえる子どもでよかったね、おめでとうという言葉って、すごく違和感があるというか、聞こえないというのは残念なことなのというふうに感じてしまうので、その人も、何でそんな言われ方をしたんだろう、おめでとうだけでいいじゃいかというふうに思ったと言っていました。 また、セクハラについてなんですけれども、セクハラを受けた場合に、聞こえないといことでコミュニケーションがなかなか難しいということで、相手に伝えにくい、我慢をしてしまうということがあったと聞いています。 あと、聴覚障がいの人が、聞こえないということで病院に行って、その病院ですが、整体というか、治療院みたいなところに行ったんですけれども、そこに行ったら聞こえないならマッサージをすれば聞こえるようになるかもしれないといって、体を触られてしまったんですって。その難聴の方だったんですけれども、難聴治療という名目で体を触られたというようなことがあったと聞いています。 本当だったら、そんなことをしないでほしいということで訴えたかもしれませんけれども、やはり聞こえないということでコミュニケーションが難しくて、相手に伝えられなかったというふうに聞きました。 また、あとPTAとかの関係というので、役員決めに絡んでなんですけれども、子育て中にかかわることですね。保育園とか、小学校とか、必ず、何か役員を引き受けなければいけないじゃないですか、誰もがやってくると思うんです。 その中で聴覚障がいのあるお母さん、やろうと思えばぜんぜんやれるし、やる気もあるのに、例えば通訳者を一緒に連れていけば会議でもちゃんと情報保障もできるし、コミュニケーションも取れます。なので、そのお母さんはいつも通訳を連れていっていたらしいんですけれども、ほかのお母さんから、あなたは聴覚障がいがあるから、役員、引き受けられないよねというふうに、もう思われてしまっていたということなんですね。やれるのにそう思いこまれてしまうという、そういった思い込み、そういうのがとても多いなというふうに感じます。 また、役員の関係ですけれども、役員を受けることになった。役員になれば会議なんかも結構ありますよね。聞こえないので通訳も一緒にその会議の場に行ったんだけれども、あるお母さんから、通訳してもらうのも大変でしょというふうに言われて、その通訳をつけてくるなということなのかなというふうに、その聞こえないお母さんは思ったみたいで、通訳が必要なんだよねという話をしたそうなんですね。やはり通訳の必要性というのがなかなか理解もされていないとか、それと、また通訳を連れてくるのも大変だろうし、聞こえない人が役員をやるのは大変じゃないみたいなことを言う裏には、聞こえない人って面倒だよねという思いがあるんじゃないかなというふうにも感じるというふうに言っていました。 また、その学校関係で参観日とか、見に行きますよね、親御さんは、当然、周りは聞こえる親御さんばかりで、聞こえない親としては、手話ができる人がほぼほぼ居ないので、聞こえる親御さんとコミュニケーションをとろうと思って、手話でなくて自分の声で、本当は聞こえないろう者、本当に耳が聞こえなくて手話で生活している人だけれども、手話のできない、聞こえる親御さんだからと思って、声を出してコミュニケーションをとろうとしたら、あなた、声が出せるんだ、では聞こえるんじゃないのみたいに、誤解をされてしまったり、そういうこともあると聞いています。 本当は聞こえる親御さんであっても、皆さん手話ができれば、わざわざ声を出して無理に音声でコミュニケーションを取らなくてもいいんだけれども、頑張って、そのようにしたらそう言われてしまうというような現状ですね。 またちょっと、項立てから離れて旅行に関することでのお話なんですけれども、聞こえない友達同士で旅行に行こう、海外旅行に行こうということになりまして、計画を立てて旅行会社に行って旅行の申し込みをしたときに、その旅行会社のほうから、聞こえない人たちだけということで、何というんでしょう、安全を約束できないというような言われかたをして、ツアーの申し込みを断られたそうです。そういうことも多々あるそうです。今はあまりないかもしれないんですけれども、結構、前の話ではありますが、そういったことも起きています。 また、アパートなどを借りる、部屋を契約する際の話ですけれども、聞こえない人で、ひとり暮らしをする人ももちろんいます。必ず聞こえる家族と一緒に暮らしているわけではありません。不動産会社に行って、自分は聞こえないけれどもアパートを借りたいということでご相談をしたら、やはり聞こえないという理由で断られてしまったという方もいらっしゃいます。なぜかと言うと、電話で連絡が取れない。何かがあったときに連絡ができないなどと言われて断られてしまうということです。 例えば家賃を滞納したときとかに、その保証会社から連絡をするとか、安否確認をするとか、何かにつけてもやっぱり電話連絡が必要だということで、電話ができないんだったらお貸しできませんと言われてしまったと、いまだにそういうことが起きているそうです。もう、本当にその電話ができなければ貸すことができないとか、とても差別に当たるのではないかなというふうに感じます。 最近のテレビか何かですかね。最近は、電話リレーサービスといって聴覚障がい者がビデオチャットなどを使って、オペレーターを通じて電話ができるというようなものも出てきているので、そういった方法でコミュニケーションを取ることは全然できるので、まあ、そういった対応もあるということも、皆さんに知ってもらいたいなというふうに感じています。 ちょっと女性だからということから話がそれてしまったかもしれませんけれども、聴覚障がい者はいろいろな趣味を持っていますし、人生を楽しもうとしています。そして楽しんでいます。例えば、ライブに行きたいなんていう人も、聞こえなくてもライブに行きたいという人もいます。でも、ライブに行っても、そこに字幕がついているわけでもないし、ライブ中のMC、お話とかが聞き取れるわけでもないし、みんながすごい楽しそうに笑っているけれども何に対して笑っているんだろう、何を話しているんだろうと、皆さんとその場を共有できない。そういう意味では、やはり楽しむことができない。なので、皆さんと同じように、当たり前のように共有できて楽しめるような環境になればいいなというふうに思うんです。 例えば趣味などでカメラを趣味にしたいと思ったときに、カメラの講座を受けたいなんていうふうになった場合であっても、それは趣味の範囲だから、手話通訳の派遣はできませんというふうに言われてしまうことが多いんですね。手話通訳の派遣制度というのがあるんですけれども、派遣の対象というのが決まっていて、趣味については派遣してもらえないことがとても多いんです。そうなると、私たちは趣味や人生を楽しむことに制限がつけられてしまうということになりますよね。そういった部分も解消してほしいなと感じています。 また、ちょっと話が外れてしまうかもしれないんですけれども、人口内耳の関係で、ちょっと私、危惧していることがあって、今、すごく人口内耳を入れる方が増えてきているんですね。その人口内耳ももちろん悪いとは言わないんですけれども、何というんでしょうか。もう小さいうちに、自分で判断できないうちに装着するというか、手術が行われてしまう、場合によっては、ろう者として生きていく道もあるかもしれないけれども、もう聞こえる人のように生きていく道を選択させられてしまうという状況になるのかなと思っていて、今、新生児スクリーニングがすごく、きちんとね、されているかと思うんですけれども、そこで難聴だというふうに発見された場合に、おそらく親御さんは、聞こえる親御さんだったら、すぐにでも手術をして聞こえるようにしたいというふうになると思うんです。 子どもが自分で判断できる前に、親御さんが子どもの人生を決めるというような状況になってしまうよなと思って、そうなると、その自己選択ではなく、人として、自分で判断できないまま、そのような手術がなされてと思うとすごく、人間として生きるという意味で、自己選択の部分でどうなのかなとちょっと感じることがあるんですね。悪いというわけではない、人口内耳が悪いということではないんですけれども、やっぱり、ちょっとその部分で危惧を感じています。 最近、聴覚障がい者の中でも、ろうプラスほかの障がいで、重複障がいの方が結構増えているんですよね。これからも増えていくのかなと思うんですけれども、この重複障がいの聴覚障がい者が社会参加する際、どのような支援が必要なのかというところを考えなければいけないなと思っています。 私たち単独の聴覚障がい者とはやはり支援の方法が違うなと思うので、その部分も考えていかなければというふうに感じます。それも共生社会づくりの中でも支援の方法も考えてほしいなと感じています。 いずれにしましても、聴覚障がい者、やはり聞こえないわけですから、全て生活の中で、目で見て情報を得て暮らしているわけです。なので、どうしても情報が入らない部分はとても多いです。皆さん、聞こえる方たちと比べたら情報は遅れてしまいますし、減ってしまいます。そこの足りない部分がきちんと補えて、視覚情報として情報が得られる、皆さんと同じだけの情報が得られるというのが、やはり差別が解消されたということになるかと思うので、そのことをぜひわかってほしいと思うんです。聴覚障がいというのは、割と軽いんじゃないかと、障がいの種別の中でも軽いほうだよねと思われがちなんですね、聞こえないだけだよねと。でも、そうじゃなくて、情報が入らないという、この二次障がいあるということで、大変、重い障がいなんですね。なので、その情報が本当に入ってこないということについて、皆さんにも理解をしていただきたいと思っています。 次に、共生社会づくり条例に求めることとして、お話したいと思うんですけれども。今、お二人の発表と似通ったところもあるかもしれませんが、聴覚障がい者だけではなく、最近、いろいろな場面で言われている、その性自認とか性的指向とか、あとLGBTという言葉もありますけれども、本当にさまざまな方がいらっしゃいます。また障がいもいろいろな障がいの方がいらっしゃいます。 そういったさまざまな方たち、障がいやそういったLGBTなり、生きづらさというのをお持ちの方たちが、お互いに尊重し合いながら、自分らしく生きていけるような社会になってほしいなというふうに考えています。 私たち、聞こえないからこうだよねと言われることがとても多いんですけれども、聞こえないからこうではない、聞こえないからできる・・・聞こえないからできないというふうな見方ではなくて、聞こえなくてもこういうことはできるよね、こんなこともやれるんじゃないというようなふうに見てもらえる社会になってほしいです。 私たち聴覚障がい者、昔からこう聞こえる人たちに合わせなさいといわれてきたところもあるので、ついつい合わせがちになってしまいますし、やはり全体的多数者・・・聞こえる人たちに合わせるような考え方を持たれる、皆さんにも持たれてしまうことが多いんですけれども、そうではない、まあ、聞こえる人の基準に合わせなければならないというような社会になってほしくないなと思います。 あと、お願いしたいこととしてお店、またホテルですとか、公的機関ですとか、いろいろな場面で、もう本当にちょっとでもいいので、あいさつ程度でもいいので、皆さんに手話を覚えてもらいたいなと感じています。「こんにちは」とか、「ありがとう」とか、それくらいでも構わないので、私たちは、少しでも手話をやってくださると、とても安心できるし、自然に、聞こえないんだ、ではちょっと手話を知っている範囲でやってみようと思ってもらえるような社会になってほしいなと思います。また県民の皆さんにも、聞こえないということについてもっともっと理解をしてほしいし、私たちもその理解を求めていかなければいけないなと感じています。いずれにしましても、お互いに支え合える、そういった社会になってほしいなと感じています。 これから条例がつくられるということで、この条例自身を、一般の方たちに効果的に浸透というか、啓発、普及、周知していただけるような活動も、条例ができたあとは、ぜひしていただきたいなと思っています。以上です。 ○大塚会長 はい、どうもありがとうございました。ただいまの保坂さんのご意見について、もしご質問等がございましたらどうぞ、よろしいでしょうか。 さまざまな形で、体験の中から結婚、子育て、PTAなどのことについても置かれている状況というものをお話いただきました。 それから特に、情報のまさに格差であるとか、情報をどのように補っていくか、合理的配慮になるかもしれませんけれども、そういう聴覚障がいの中でも、障がいの特性であったきちんとした情報確保ということの大切さをお聞きいたしましたけれども、よろしいでしょうか、皆さんのほうからは、よろしいですか。 はい、それでは、本日3人の方から、大変貴重なご意見をいただきました。本日、発言をいただきました内容につきましては、今後、策定する条例の骨子案に反映させるよう、事務局において整理をお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。 お三人の方、どうも、今日はありがとうございました。 (3)「障がい者団体、関係団体等との意見交換について」 ○大塚会長 もう一つ、次に会議事項の(3)これもやってしまっていいですか。 「障がい者団体、関係団体等との意見交換について」、これについて事務局から説明をして、休憩としたいと思いますので、事務局より説明をお願いいたします。 ○事務局 資料2の説明 ○大塚会長 ただいまの事務局の説明について、ご質問がございましたらどうぞお願いいたします。 よろしいでしょうか。よろしいですか。 はい、それではここで10分間の休憩といたします。10分だから再開は、20分からということでお願いいたします。 なお、障がい当事者の方々について、3名の方につきましては、ここで退席となります。分科会の最後までお聞きいただきたい方につきましては、どうぞ最後までご参加をいただきたく思っております。 それでは長時間、特に3名の方につきましてはお疲れさまでした。どうもありがとうございました。 (休 憩) ○大塚会長 それでは、よろしいでしょうか、会議を再開したいと思います。 次第の会議事項(4)です。「専門分科会で議論する論点について」、このテーマについてですけれども。 まず最初に、集中的に議論する共生社会づくりのテーマについてですが、委員の皆様から意見を取りまとめた結果、学校教育と社会教育を集中的に議論することとなりました。これより、この2つのテーマについて、委員の皆様からご意見をお聞きしたいと思っております。事務局より、他県の状況などについて説明をお願いいたします。 ○和田企画幹 「他県の状況等」についての説明 ○大塚会長 どうもありがとうございました。それでは、事務局より説明があった学校教育、社会教育について、皆さんのご意見を伺いたいと思います。どうぞご意見、あるいはご質問等、はい、池田委員さん、どうぞ。 ○池田委員 では、私からお願いします。最近、南信のほうの小学校でこんなことが起きました。県の社会福祉協議会の、障がい者の人がいるんですが、その人は講師でいろいろなところに出かけるんですが、ある小学校から、福祉教育のための実習を子どもにやらせたいので、そのオリエンテーションに来てくれという話があったんですね。いろいろ資料をつくって、彼が学校へお送りしましたら、その障がいという部分が全て削除されてしまったと、障がいについてはいいと。 何か理由はですね、その同じ村内に障がいを持った家族がいて、そのかかわりがあるようで、とにかく障がいということについては、もう、うちでは教育は要らないと言われてしまったと。で、県の社協のその職員もショックを受けて、実際に説明に行くときは「私が行きます」ということで言ったんですが、「あなたは来なくてもいいと」ということで、健常の職員だけが行って、その福祉教育についていろいろ話をしたという事例がございました。 学校教育について、縦前はともかくですね、私が大事なのは、とにかく重い障がいを持った子どもたち、医療ケアを必要な子どもたちを、まず焦点に当てていただきたいと思います。 2016年に障がい者の権利条約に関連しまして、政府報告第1回目に出ています。その中から何件か、ちょっと数値を申し上げます。 公立の特別支援学校で、医療的ケアを受けている子どもさんが7,774名いるということです。それからふつうの小・中学校で、やっぱり医療的ケアを受けているお子さんが976人、公立の学校で結構、頑張っているということです。 私がショックだったのは次の数字です。普通の学校に行っているんだけれども、親が付き添うことを要求された事例が1,897名で、1,800人以上の人が、親御さんが今だに学校に付き添っているという、これに私はびっくりしました。 20年ほど前に、長野市内でもやはり障がい児に、親が付き添いになれば普通学校に入れてもいいよということがありまして、このお子さんは、たまたまなんですが双子だったんですね。お母さんが一人の子どもにつくと一人の子どものケアができないので、私どもがかかわっているNPOが、会員に一応、声をかけてやっている事例がございました。それがいまだに1,800人、全国にですね、付き添いについているお母さんがいらっしゃるということです。 2番目はその就学の決定についてですね、いろいろなところに本人及び保護者の意思を決定するとありますが、この政務報告の中に「最終的には教育委員会が決定します」という文言がまだ残っています。これ、幾ら本人や保護者の意見を聞いても最終的には教育委員会が決めますと、これもはっきり書いてあるんですね。 それからもっとびっくりしたのは教材の問題です。教材については拡大図書、これは低視力、弱視の皆さんが使うような本だと思うんですが、拡大図書については小中学校の義務教育段階では、日本については100%やっています。それから高校以後については、種類が多岐にわたるので対応していませんと、もうはっきり書いてあるんですね。 びっくりしたのは、拡大図書というのをまずピックアップしている。なぜ、ここに点字図書というのが入ってないのということですね。これはいろいろな教科書の会社が、今、一般の教科書に音声が出たり、点字が出るようないろいろな仕組みを今、考えています。これ政府報告には一切、それは触れられていません。拡大図書については、高校以後は知らないということで国が言っているわけですね。 これらについて、「障害者政策委員会」からこの教材の問題とか、それから就学の問題とか、これインクルーシブ教育にとってとても重要だという意見をお聞きしているんですね。この政府報告の中に付帯意見としてついております。 こういう現状がありますから、これを克服するような長野県らしい教育のシステムを、ぜひ提案していただきたいなと思っています。以上です。 ○大塚会長 はい、ありがとうございます。ほかにはご意見はいかがでしょうか。永松先生は、2ページへ行きますか。委員さん。 ○永松委員 今の池田委員さんのご意見と、あと、先ほどの井出さんのお話にもありましたが、幾つも側面があるので、ちょっとそれ全部というわけにはいかないんですが、就学の決定については、仕組み的には、平成25年の9月でしたかね、国の通知で全く、今まで障がいのある人は特別の場でというような形から変わったわけですが、私が肌で考えていますのは、そこの理解は教育委員会関係の方たちは、大分、ご理解いただいているとは思うんですが、学校全体としての実態との乖離というのは、今もまだ、ずっと感じているところです。 ただ、先ほど最終的に教育委員会が決定という、池田委員さんのご意見がありましたけれども、おそらく親御さん、あるいはご本人の、えーと、いや、どういう意見があろうとも、ぜひこれというご意見があれば、それは当然、そこは認められるという、今、状況になっているなと、私は感じているところです。 ただ、制度と現実との乖離、スピード感の違い、これは、やっぱり大きな問題ですので、ここは私も、基本的には池田委員さん、あるいは井出さんお話があったとおり、やっぱりいかにスピード感を持ってそこに近づけていくかというのが、今、求められていることかなと。ちょっと感想じみて、申しわけないんですが。 ○大塚会長 制度と現実の乖離ということだと、やっぱり意思の尊重というのが入っているわけだから、それがきちんと、いろいろなレベルにおいても担保されるような仕組みがあったほうが、意思の尊重というのも大切ですから。 ほかにはいかがでしょうか、草間委員さん、どうぞ。 ○草間委員 草間でございます。今、学校教育の障害者基本法における記載というのをお読みいただきました。児童・生徒、保護者なんですよね。ここに先生が入らないんですよね。 で、現状はどうかと申しますと、例えば私の近くの二子小学校、教師の数が25〜26名です。そこに校長先生がおります。で、この形態をどのように見るのが正しいのかと。中小企業の一企業として見ればわかりやすいと、その校長が社長だということでございます。その25〜26名の企業のその社長です。絶対的な権限をいただいています。それによる弊害がこれまで幾つも起きてきております。 その児童・生徒、保護者、これは書かれているそのとおりだと思います。それ以前に必要なのが、校長とかの意識を変えてもらうためのその取り組み。これは絶対、必要かなと思います。 また、後の社会教育のほうでも同じ問題が出ますので、そのときにまた、後半の話をしたいと思います。以上です。 ○大塚会長 はい、ありがとうございます。ほかにはいかがでしょうか。 ○中村委員 よろしいでしょうか。育成会の中村であります。ともすると、私は結構過激なことをさまざまな会議で、教育に関しては申し上げる機会があって、ほかの会議のそういう席上の、どの委員さんからも、そうは言ったって、文部科学省が金が安いなんていうものじゃないと、というのは長野県云々で取り入れられる部分と、そもそも論からそうでない部分と結構あるという、そういう前提でちょっとお話をさせていただきます。 まず、第一義的には、知的障がいのお子さんの場合には、ほとんどの場合、その保護者が、保護者の思いが入っているんですね。子どもたちもこれから大きくなってくるのを考えればとか、ご自分でなかなか知的障がいの、特にAの判定をもらっているようなお子さんというのは、なかなかこう入れられない部分があるというような状況を踏まえて、ともすると親御さんの意見が入り過ぎるという部分があることも、ある意味いけないなというような、そういうような問題、部分もまずあるというのは承知の上で申し上げますが。 まず一つには、交流という言葉がよく教育現場で使われますけれども、これはね、なかなか、言葉はいいんだけれども、学校とか市教委とか、あるいは学校運営の校長先生とかも、考えるごとに大分違うという現実があるというのは、最後はできないんじゃないかというふうに私は思います。 先ほどの井出さんのお話の中にもありましたけれども、たまたま彼が言っている中に、運がよければというようなことを、彼は言いましたよね。そのお子さんが生まれ育ち、その地域であればこの学校という学区の、たまたまそこにそういうクラスがあり、あるいは先生の余裕があり、というような場合であれば、結構、重くてもすんなりという場合もあるという現状、現実があります。 そうじゃなければ、先ほど永松委員さんおっしゃいましたけれども、なかなかそれを守っているかな、現実は地域制があって難しいという、こういう話も、実は長野県下、聞いています。 そういうようなものをできるだけ平準化させるためにも、この、僕は条例の中に教育に関してそういうような何か取り組みを、もっと県下統一的に、例えばですよ、話はちょっと目線が変わりますけれども、副学籍というふうにありますけれども、この副学籍でさえ、県教委で取り入れられられたのは1、2年前じゃないです。もっと前ですよね。 ところが現実、長野県の77市町村の中で、では、今、どのくらいになっているのか、50ちょっとじゃないですか。大分、期間が経つのに。大所のある市教委は、まだ首をかしげて、導入の意思決定さえいかないという部分もあるという現実も承知をしております。 そうすると県の中で、県教委がそういうものをということで、とにもかかわらず、なぜ、こう統一的に全部いかないんだろうというような現実まで含めても、それをどういう文言に落とし込むというのは、ちょっと自分でまだうまく言えないんですけれども、まず、そういう現実を踏まえて、そういうくくりで現実はねというような、そういうふうにならないような文言を組み込んだ教育に関する記載ができるように、知恵を絞っていただければありがたいなという、そんな思いで、ちょっと話をまずさせていただきます。 ○大塚会長 はい、どうもありがとうございます。はい、ほかにはいかがでしょうか。 ○永松委員 何となく、教育というと、若干、責任を感じるものですから、私は何も出ないんですけれども。 おっしゃるとおりだと思うんです。私、一つは先ほど、交流共同とか、ちょっとこの会議で個人的な自分の、何というんですか、考えとか思いを伝えるのはどうかとは思うんですが、そもそも交流という言葉は、異なる人たちの存在が、ある空間、ある時間で接点を持つという、もう本来の定義で行くならば、そもそもインクルーシブ教育、あるいはインクルーシブ社会の実現というのは、もともと学校教育、あるいは教育というようなことに、障がいのあるないというのは、意味のあることなのかという、新たに転換というのが背景にあるわけで、それを考えると国が使っている、これはもう国が正式に使っている言葉ですので、個人的に無視はできないんですが。そもそも、そういう将来を見通した理念から考えると、言葉そのものを持っている矛盾というのは、実はこういうことはたくさんあると。 先ほど副学籍ということで、長野県、非常に積極的に、随分前から取り組まれておりますが、実際、どこまで進んでいるのかというのは、各自治体のお考えもあって、先ほど中村委員さんがおっしゃったとおりだと思うんですが。 そもそも、今の仕組みで行くと、基本、障がいのあるお子さんであろうとも地域の学校に就学するのが原則であって、希望するならば、あるいはそういう特別支援学校等に条件のもとでの教育が本当に必要であるならば、選択することができるという仕組みが変わっているものですから、どっちが副なのという、そういう問題も実はあるわけです。 それを全て問題解決するような提案は、この条例では私はもう無理だと思っているんですが、そういう議論を続けていく必要性をやはりこの条例の中で、やっぱり中村さんおっしゃるように、しっかり工夫して盛り込んでいきたいなというのは、私も同感であります。以上です。 ○大塚会長 はい、ありがとうございます。 ○綿貫委員 すみません、綿貫です。学校教育の中で、特別支援学校でありますと、今、福祉、我々のような事業者とのかかわりですとか、こう福祉関係とのかかわりは、このごろ密接になってきまして、お一人お一人のお子さんのケア会議ですとか、そういうことを開かせていただきながら、生活をも支えるような形で進めてきているんですけれども、一般学校の場合は、まだちょっとそこのところが進んでいない現状があるというふうに思います。 そんな中で、先日うちの施設のほうに教育センターから、小・中学校の先生のキャリアアップ研修ということで、先生が3名ほどお越しになられたんですが、うち二人の先生は特別支援学級で教鞭をとってらっしゃる先生でしたが、もう一人の先生は全くそういうことでなく、普通学級の中学の先生でありましたけれども、お越しになられて、非常に普通学級のところで、ちょっと発達障がいの方が、児童がいらして、通信のほうで卒業させていったけれども、その後、どうなんだろうか、その後、どんな生活をしているのかとか、どんなふうにこの子は成長していくのか、それから社会の場があるのかというのが、非常にこう心配であったというような話の中で、私どものところで、今、こうした制度等があったりして、いろいろな社会の中で受けとめる場がありますよというお話もさせていただきましたが、非常に安心をされて、いい学びになりましたということでお帰りになられましたけれども。 一般教育の中でもっと、福祉、他機関との連携というものをもっと積極的にしていただければ、また先生方の悩み等や、それからスキルなんかの課題も解消されていくのではないかというのをちょっと思っています。 それと、ここの議論の整理の一番最後の障がいのない児童・生徒等が正しい知識、理解を深めるための教育という、これは本当にぜひ進めていただきたいというふうに思います。 ここにPTA教育というのは、また別のあれなんですかね、学校教育とはまた別なんでしょうか、できれば一緒に進めていっていただけたならば、より理解が深まるのではないかなと思います。 それと第1回目のこの会のときに、確か、中村委員さんだったかなと思うんですが、こうした話し合いの場に教育委員会の出席はないのかというような、ちょっとご意見もあったかと思うんですけれども、そのあたりは、今後、どのようにお考えになられるのでしょうか。 ○大塚会長 どうぞ、事務局。 ○事務局 すみません、今日は教育ということで教育委員会のほうから特別支援学校と、それから学びの改革支援課から先生が来ていただいていますので、そういった部分で、テーマテーマによって必要な、県庁各課の職員の同席を今後も行っていきたいというふうには思っております。以上です。 ○綿貫委員 ありがとうございます。 ○大塚会長 よろしいですか。では、中村委員さん。 ○中村委員 すみません、中村です。 今、お話のあったこの県教委さんの、学びの改革支援課というのはどういうことをやられているんですか。 僕は第1回のときに、すみません、特別支援教育課だけではなくて、学校教育課に言った記憶があるんですけれども。 学びの改革支援課というのはどういうようなことをやっていらっしゃるのか、すみません、教えていただければありがたい。 ○細江主任指導主事 すみません、学びの改革支援課の細江と申します。まぎらわしい名前で本当に申しわけございません。 去年までは教学指導課という名前でして、学校教育の義務教育と高校教育のいわゆる指導、授業、学習指導をどうしていくかということを主に受け持つ部局でございます。 義務教育課、高校教育課というのはまた別にございます。そちらはいわゆる管理の部分でございまして、こちらはどちらかというと授業とか、子どもの指導をどうしていくかを考える部局でございまして、今年度から、さらに学校教育を行って、障がい者の問題も含め、さらに新しい時代に対応した学びに変えていこうという願いを込めて、学びの改革を支援する課というふうに名前を変えて取り組んでおると、そういう部局でございます。部局というか課でございます。よろしいですか。 ○中村委員 ありがとうございます。 ○綿貫委員 すみません、私の最後の発言はキャンセルします。承知しました。 特別支援教育課に属する課かなというふうにちょっと思ったものですから、すみません、失礼しました。 ○大塚会長 ありがとうございます。 ○草間委員 今の教育指導課の方への質問なんですけれども、障がい児学習とかを除かれた学習の指導が、その中心の仕事だということでよろしいでしょうか。 ○細江主任指導主事 いわゆる特別支援教育の専門の課は、別にというか、当然いますので、私どもも、いわゆる特別な支援が必要なお子さんがいわゆる通常の学級で指導、授業を受ける、いわゆるインクルーシブな教育については、共に取り組んでいる課でございますので。 ○草間委員 わかりました。はい、結構です。 ○大塚会長 これについて集中的にもうちょっと議論。 ちょっと、今、草間委員さんのお話にもあった生涯教育という言葉があったんですけれども、障がいのある方の生涯教育というのは非常に大きな話になって、文部科学省に、生涯教育課の中に障がい専門ということで、特別支援教育と並ぶぐらいに生涯教育を推し進めるという部ができて、今日の話で、この社会教育も含めて入ると思うんですけれども、学校のいるときから生涯にわたって教育を受けられている、いろいろ学ぶ機会をずっとやっていこうと、学校を出た後もきちんと学ぶ、続けられるような仕組みをつくるという話が非常に大きくなっていて、これが、多分主流になっていくと思うんですよね。 そうすると何かちょっと、社会教育というのも含めてやっていると。そのとき学校教育の時代においては何をするべきか。一緒に連動し合いながら出た後もということ。多分、だからこのことはちょっともう少しいろいろ、でも状況に応じた教育形態だとかということも含めて入れていったほうがいいのかなというふうに思っています。 ○永松委員 すみません、今回のこの条例に関する議論の中で、ちょっと私としては、一つは特別支援教育、あるいは障がいのあるお子さんたちの学校教育というと、どうしてもやっぱり従来からのイメージで、特別支援学校、特別支援学級、あるいは通級指導というキーワードが出てきがちなんですが、もう、これ明らかに成否をにぎっているのは通常の学級であろうかと思います。 私はやっぱり、そこの充実をやっぱり図るような、そういう条例でないとほとんど意味がないような気がするというのと、それともう1点は井出さんがおっしゃったし、国もこれは施策として言っていますけれども、いろいろなこう選択肢が、これは特別支援学校も含めてですけれども選択肢、多様な選択肢、かつ連続的な選択肢を用意すると。私は個人的には、それはあまり賛成ではなくて、最終的にはやっぱりインクルーシブ、通常の学級はしっかり受けられるようなそんな仕組みを、まあ、どれだけ時間がかかるかわからないけれども、見出すべきだというのが自分の思いとしてはあるんですが、今の現実の社会を考えると、そういう選択肢が提示されてご本人、あるいは保護者が、それこそ納得した上で選べるような、そんなやっぱり、ちょっと柱というか、軸は、ずれないようにしたいというのが、まず1点です。 2点目は、これも中村さんのほうから出ました教員の問題ですよね。これは、うちは教員養成を目的とした学部に私はおりますので、責任の一端は当然、あるわけですが、特別支援教育について言いますと、それこそ、来年度から、初めて教員になるためには特別支援に関する授業科目を、これ免許法上、とらなければいけなくなりました、授業は。ただし、これは国の免法ではわずか1単位です。1単位というのは、90分の授業で15回ぐらいというイメージをしていただければいいと思うんですが。 うちの大学なんかは、ほかもそうですけれども、これを倍の時間数にしたりとか、まして特別支援にかかわる人間としては今まで全くこれ、入れてもらえるかと思ったら、いじめ・不登校の問題が出てきたり山積みでしたので、ようやくそれが実現したというところではありますが、ただし、さっきおっしゃっていたように子どもたちを、これからの未来を担う子どもたちを教育する、その専門家としての教員の、いわゆる免許法上の限界というのが、今、そこにあるということも、ちょっとつけ加えさせていただきます。 ○大塚会長 草間委員さん、どうぞ。 ○草間委員 その永松先生の今のご説明、私のその抽象的な話だと伝わりにくいと思いますので、実際、そのどうなんだというお話をしたいと思います。 小学校にことばの教室というのがあります。本来、私のような、どもる方が中心でしたけれども、近年、発達障がいが入りました。その中で専門職、県の教育委員会等のホームページを見ますと、その特別支援学級には専門の教員を配置をしていますと書かれています。 しかしながら、吃音に関しましては、普通学級から何の研修もなく、ポンと回される。吃音の「き」の字も知らない、その先生。いや、先生のほうが気の毒だと思いますね、私は。 ずっと前から、回すとするんだったらしっかりその準備をしてあげてから「配置転換」という、その申し出はしていますけれども、いまだにそれはかなえられていないみたいです。特にことばの教室に関しましては発達障がいも入りました。 県のほうも困って、何とか、その医療の専門職を増やさなければならないということで一生懸命、今、育成をしている、その状況で、ことばの教室に発達障がい、詳しく申しますと、吃音も発達障がいの中に入るわけでございますけれども、その吃音以外のその発達障がい、私はもう、ことばの教室の先生、何をどうやっていいのかすら、指導もなくてわからないんじゃないかと思うんですね。それが現状なんです。 特に吃音者に対する指導、その先ほど、校長についての認識につきまして、私、申し上げましたけれども、校長クラスは吃音は訓練で治ると思っているんです。直らないんです、これ、これは事実なんです。その辺が、松嶋さんの関係かと思いますが、県の教育委員会として徹底した、その吃音というものはこういうもんなんですよという、その周知がないというのも、それも事実です。 私、長野県、聞こえ・・・簡単に申しますと、そのことばの教室のその県大会のときに、体験談を話してくれということでまいりました。さんざんどもって話しました。そうしたら、そのことばの教室設置校の校長会の会長の校長先生、「草間さん、今度来るときには、もっとどもりを治してきてくれないか」と、ここなんですよね。 まあちょっと、これは実態だと、それを変えていくにはどうすればいいかという、その議論がやはり必要なのかなと思います。以上でございます。 ○大塚会長 ありがとうございます。多分、学校教育のことは、まだたくさんあると思いますので、少し、今回お聞きした意見を整理しながら、あるいは、まだつけ加えることがたくさんありますでしょうから、次の機会も含めて検討していきたいと思います。よろしいでしょうか。 はい、それでは、もう一つ、最後に残っております、前回の分科会の積み残しであります論点8について、ここについて、最後でありますがご検討したいと思います。 ○池田委員 すみません、社会教育は・・・社会教育はやらないんですか。 ○大塚会長 社会教育も含めてやってはいましたけれども・・・ ○草間委員 社会教育も一緒だったんですか。 ○大塚会長 はい。 ○池田委員 社会教育で申し上げたいことがあるんですけれども。 ○大塚会長 どうぞ、では、それは聞きます。 ○池田委員 私、ちょっと保坂さんに先ほどお伺いしたかったんですが、長野県で、手話言語条例ができて1年ぐらいのときに、聴覚障がい者の何人かにその条例ができて変わってことがあるかと聞いたら、全然変わらないという答えが来たんですね。 実はこれ、長野市が障害者差別解消法ができまして、それで法人に委託をして差別解消のいろいろな、出前講座ですねとかをしていまして、昨年度29件、実施をしたんですね。直接、障がい者にその出前講座をやったら1件しかない。28件は長野市の職員とか企業とか、一般の方にしているんですね。 私は条例とかこういうものは、非常に社会教育としてという、どうかわからないですが、やっぱり障がいを持った当事者もきちんとやっぱり学習をしてもらって、自分たちは一体どういうことで、この保護じゃないですね、権利が今、法律や条例で保障されているから、では自分たちはどう行動するばいいのかと、自分たちを律するためにも、ぜひそういうのを勉強すべきだと思っています。これがアドボカシーだと思うんですね。 やっぱり条例の中にもきちんと、その社会教育という言い方かどうかわかりませんけれども、この条例は、やっぱり障がい者のためのものなんだというのを、やっぱり入れてもらいたいなと思います。 ○大塚会長 ありがとうございます。草間さん。 ○草間委員 皆さん、ご存じのように、国会に車いすの方等が入りました。 この中で、維新の会の代表の松井氏がコメントを発しております。介護がなければ働けないのかと、支援を受けずに努力で克服している人もいるんだと。職業を持つこと以外で、自立をしてもらうほうが合理的ではないかとか、その特別扱いは大問題というようなことで物議をかもしたわけでございますが、市長とか元府長を支えるスタッフがいると思うんです。 私がここで言いたいのは、このクラスの有識者ですら、差別解消法施行後、3年を経ているにもかかわらず、サポートの方も十分サポートができず、このような理解不足の発言を平気でされると。 だから、やはりこの社会を回している方たちに、まず普及する事が非常に重要になっているかなという思いはしています。以上でございます。 ○大塚会長 はい、ありがとうございます。ほかに社会教育については、よろしいでしょうか、ここでのご意見ということで。 はい。では教育については再度ということで、また、整理させていただきまして検討していきたいということですね。 戻って論点8、そのところですけれども、これについて事務局から説明をお願いいたします。 資料3の説明 ○大塚会長 どうもありがとうございました。事務局の説明も、障がい者差別の禁止を担保する仕組み、これについてのご意見、あるいはご質問も含めてどうぞ。 池田委員さん、どうぞ。池田委員さん、すみません。 ○池田委員 すみません、私ばっかり。この担保する仕組みについては、まず障がい者雇用促進法がとても厳しい規定を設けています。これは労働行政ですから一概に障がい福祉とは同一にはできないんですけれども、できるだけ、その仕組みに近いものをつくっていただきたいというのがまず一つです。 それと長野県のレベルでいいますと、これはまちづくり、福祉のまちづくり条例の、これが共生社会のところでも出てくるんですが、私はこの障がい者の・・・福祉のまちづくり条例ですね。これの整合性を取っていただきたいというのがあります。 で、ちなみに、このまちづくり条例、17条から18条、19条ぐらいに指導・助言、それから勧告、それから公表というのがあるんですが、この中に、担保する仕組みとしてはあっせんというのが指導、助言、これは相談というふうに置きかえてもいいかもしれませんが、相談、あっせん、それから勧告、公表という、このまちづくり条例で用意している仕組みは、ぜひ踏襲していただきたいなと思っております。 それから前回でしたか、この条例を守らなければいけない、それどうなのかなというときに、この福祉のまちづくり条例の22条に、何人もという表現が出てまいります。これは障がい者等が、安全かつ容易にこう利用できるような設備等の利用をさまたげるような行為をしてはならないと、何人もですね。という規定が22条にございまして、これも含めて、この福祉のまちづくり条例との整合性は保っていただきたいと思っています。 それともう1点は、ここの差別解消の、今、相談員さん、依田先生がしてくださっていますが、私は虐待防止とか、それから補助犬がいろいろなところで拒否された等の相談窓口、これはやはり一本化していただきたいと思っています。これを統合していろいろやることで、虐待なのか差別解消の問題なのか、それともこの補助犬の問題なのかというところですね、統合していろいろ対応ができるのではないかなというふうに期待をしております。以上です。 ○大塚会長 はい、ありがとうございます。ほかにはご意見はいかがでしょうか。仕組みづくりというところでご意見をいただきました。 この仕組みを構築するというところの賛成は、皆さんよろしいですか。これは、これは当然ということで、はい。要らないという人はいないですよね。 まずは必要だということで、あとは具体的な仕組みづくりというところは、今、ご意見いただいた、まちづくり条例にはならってほしいとか、そのほか、例外ということでどうでしょう。青木委員さん、どうぞ。 ○青木委員 この2ページのところに、仕組みを設ける・設けない、メリット・デメリットというようなところで、仕組みを設けて、そもそも障がい者差別の範囲というのは限定せざるを得ないというのは、仕組みを設けなければ、かなり広くていいんだなみたいなことになっている。 だから、このなかのメリット・デメリットというのは、本当にそう言えるかどうかがちょっとよくわからないところがあって、これ、その他県の状況とか、あっせんとか、そういうものに強制力はないということであれば、別にそんなに何というか、設ければ限定せざるを得ないところまで言えるのかどうか。 これは罰則というのがあることになれば、やっぱり処罰を受ける・受けないという重要な話になってくるので、かなり要件みたいなものを限定して、そこに当てはまるものだけ処罰していくほうのところになるんで、そのぐらい厳しいものになれば、このメリット・デメリットというのはわかるんですけれども。 多分、そうじゃないような場合は本当にそう言えるのかどうかというのは、疑問なしとしないというのが一つで。仮に、ではこのメリット・デメリットというのがあるとして、こういう仕組みを設けると狭くせざるを得ないんだということであれば、もうちょっと仕組みを設けるにしても、もうちょっと緩いのがあってもいいですかね、だからあっせんというものの定義にもよるんですけれども、例えば、あっせんよりも、もうちょっと緩やかな、例えば「仲介」みたいなものを設けて、相談があって、確かにこれは差別にあたりますよねというようなレベルでも、県のほうから、こうやったらどうなんですかみたいな話し合いの機会を設けて、その理解を求めるような仕組みがあるというのも考えられるのかと。 だから調査とか勧告みたいな、何かそういう、あるいは圧力みたいなもので共生させるのではなくて、その、県が積極的に中に入って、その理解を求めてちゃんとやってもらうというような仕組みというのも、一つ考えられるのかなという感じはして、見ていました。 ○大塚会長 はい、ありがとうございます。多分、仕組みの性格をどう考えるかということだと思うんですね。 事務局、これをつくったときには、一つの整理のための考え方としてつくったらこうですと、何かありますか。 ○事務局 ご指摘は、ある意味で最もだと思うんですけれども、すみません、ちょっと言葉が足りなかったのかもしれないんですが。 障害者基本法は、何人も障がいを理由として差別をしてはならないというふうにあります。障害者差別解消法については、不当な差別的取り扱いとか合理的配慮の不提供ということで、どうしても後ろ側に何らかのものがあると、一般的なフワッとした何人も障がいを理由とした差別をしてはならないという対象にあれば、なかなかそのあっせんとかというところまではいかないのかなという思いがあって、こういうふうな表現をさせていただいたんですけれども。 もちろん相談の段階では、どんなものであっても、それは相談を受けて調整をするというところはもちろんできるとは思っていますので、そこの部分だけであれば別にいいんですけれども、後々のことを想定したときに、ある程度、何人も障がいを理由とした差別をしてはならない的な表現を持ってくるんだとすると、この部分とやっぱりどうやって整合を取っていくのかというところが問題だと思いますして、一応、提案をさせていただいて、提起をさせていただいたという主旨でございます。 ○青木委員 いいですか。相談というと本当に、行政に相談を受けて終わりで、その働きかけみたいなのは一切ないというふうな理解なんですか。 ○事務局 相談に対しては、今は相談員を設置するということなんですが、この後、また説明をしていかなければいけないのかもしれないんですが、相談に対して、ある程度の調査権といいますか強制力、調査に協力しなければならない的なものを入れますと、ということはできると思っています。 ○青木委員 そこは調整とかそこまで入れなくても、相談を受けて、ではちょっと一緒に聞いてみましょうとか、そういう何かアプローチみたいなのもあるのかなとは思うんですけれども。 ○大塚会長 いいですか。はい、どうぞ。まず池田委員さんから。 ○池田委員 今、青木先生のおっしゃったことについては、虐待防止法が、事実の確認ということで立ち入り調査権をこう規定しているんですね。私はそれに準じたような形で、相談があったときに事実の確認という一つのステップを踏むところに、ちょっと強制的な虐待防止法で立ち入り調査権みたいなニュアンスを、ちょっと持たせられるのではないかなというふうに考えております。以上です。 ○大塚会長 意見として、では、次に小林委員さん。 ○小林委員 効果的な、その、今、差別の解消の解決を図るに当たっては、私とすれば、やっぱり権限を持った勧告等の行為ができるような条例でなければまずいんじゃないかと思っておるんですけれども。 先ほど、3名の方の具体的な差別についてのご発言、本当に大事なことですね。この差別というのは本当にその、障がいを持ったご本人でないとわからない差別という内容ですね。先ほど聞かせてもらって感じているわけで、そこにデメリットとして範囲を限定せざるを得ないというようなことがありますけれども、そういう、本人でないとわからないようなこの差別の内容を、この範囲の中にどういうふうに取り組んでいけるのかという課題があると思うんですけれども、私とすればやっぱり、この仕組みを設ける必要があるという立場で発言しておるわけですから、それはやはり最終的には、ある程度、差別があった場合には権限を持った勧告と、指導・処分できるような内容とした条例でなくてはいけないかなという気がしています。 ○大塚会長 ありがとうございます。この手続き上の計画をどのようにするかということで、いろいろご意見をいただきながら、少しそこをまとめていかなければならいということだと思っていますけれども。 特に1番の相談への対応といいますか、相談体制の整備・相談員の設置ということで、まずはここのところの性格をどうするかということで、それでどこまでやるかということも含めて、そもそも障害者差別解消法のさまざまな課題というのが建設的対話を持ってやるということなので、お互いに話し合いながら一致点を見つけて、けんかじゃなくて、訴訟になるのではなくて、ここで、まずはお互いの一致点を置きましょうと、その部分の建設的対話というものを丁寧にやっていきましょうという主旨だから。その中においても、それを担保するためにも、それをやっぱり補強するためにも下のあっせんや、いろいろさまざまな調整を含めて、こういう仕組みの中でもやっていく手続きもあるんですよということをもって、それをサポートしていくという体制だと思うので。 それで性格をもう少し皆さんと議論しながら、その性格づくりについて一致点を、長野県はこう考えるけれども、見きわめながらやっていければいいかなと思っているんですけれども。はい、ほかにもしご意見がありましたらどうぞ。 青木先生、もうちょっとないですか。そういう話で。はい、草間委員さん、どうぞ。 ○草間委員 池田委員さん、小林委員さんの意見に賛同いたします。 維新の会の松井さんに、支援を受けずに、障がい者自らその努力している人もいるんだよというようなことを支援員に言われたときに、果たしてその話だけで、理解をいただけるかというと、やはり、力関係を鑑みると、ある程度のものがないと、アプローチすらできなくなるんじゃないかという気がします。以上です。 ○大塚会長 ありがとうございます。あと、ほかにはいかがでしょうか、よろしいですか。 そうすると、今日はここまでということでよろしいですか。はい。 ○事務局 もうちょっと、やらせていただいていいですか。各論までやらせていただいて。 ○大塚会長 各論までですね、はい、ではもうちょっと、時間がもうちょっと延びますけれども。 論点の8−2、障がい者差別の禁止を担保する仕組みの各論について、もうちょっと事務局、説明をお願いします。 ○事務局 障がい者差別の禁止を担保する仕組みの各論についての説明 ○大塚会長 ただいまの事務局の説明についてご質問、ご意見等、各論に入りましたけれども、手続き上の流れの中でご意見、ご質問がありましたらどうぞ。 ○永松委員 ちょっと質問をお願いします。この各論部分に入って、もう入口のところ、3ページになりますけれども、相談対象者から始まって、その後、あっせん等、申立人と出てきますが、これは基本的には、構造としては相談から、あっせんは調査、勧告、公表と、連続的につながっているわけですよね。内容を読むと、これ突然勧告のようなことが来たりするわけではなくて、そう考えると、対象者というのは一貫していないとまずいんじゃないかなというふうに思いまして、要するに、第三者も含めると相談対象者、何人もというのも私、いいかなと思ったんですが、そうなってくると、何人も申し立てができるというような案件になってしまうんじゃないかというのが、一つです。 それと、これはすみません、私の理解の仕方が違うかもしれませんが、7ページの勧告のところです。 「知事への勧告」という文章があったんですが、勧告を行うのは知事ですよね。だから、知事の勧告の求めを協議会がするという理解でいいんですよね。これ文章上の問題かと思いますけれども、以上、2点です。 ○大塚会長 2点ありますね、どうぞ。 ○事務局 まず1点目のご質問で、すみません、ちょっと説明が悪かった部分があるんですが、あくまでも、まず最初に相談があって、相談においても解決できない場合についてあっせんという道をつくるという形になります。 ですので、あっせんに乗るものについては、これはもう各県とも同じなんですが、必ずその前段階の相談を条件づけをしていくというところが、ほとんど全てになります。 ですから、委員さんご指摘のとおり、最初からこうずっと同じ流れを取るんですが、ほとんどの場合はやっぱりこの相談で対応をする、できるというのがほとんどになります。それでも解決しない場合について、この相談を強制するためにあっせん以下の手続きがあるという流れでございます。 それから先生ご指摘いただいたとおり、知事への勧告を行う条件という部分は、知事に対して勧告を求める場合の条件というふうな意味で使わせていただいております。ですから、勧告をするのは知事で、この場合、勧告をしてくださいというふうに言うのが、第三者機関である協議会という形でございます。 ○大塚会長 はい、ありがとうございます。 ○永松委員 ありがとうございました。 ○大塚会長 ただ、まあ障がい者とその家族も含めて、そちらのほうは大分、異論はないけれども、事業者自身が相談したり、あるいはさまざまな形であっせんまで持ってくるということはないわけではないですよね、その意図ですね。そのときの一貫性というのはどうするかというのを、ある程度どう考えるかですね。 ○永松委員 例えば、これ第三者が、事業者でもなく当事者でもないけれども、例えばそこの会社の社員であるとかが見るに見かねて相談というのもあり得ますよね。ただし、その人たちがあっせんまで進むということはないんじゃないですか。その当たりの論理であればいいかなと。 ○大塚会長 そうですね。誰が相談してと、どうなっていくかというのをきちんとこう、その次の流れがイメージできないと、ちょっと何て関わって、何人もになるのかというのは、少し整理が必要ですよね。ありがとうございます。ほかにはいかがですか。 ○綿貫委員 綿貫です。この協議会というのはどんなメンバーというか、組織を想定されていらっしゃいますか。 ○事務局 協議会というのは、具体的にはどこでやるかというのは、今後、決めなければいけないんですが、事務局の素案とすると、現在、その条例を審議をしている、この分科会も条例ができ上がった後、まあ改組をしまして、この協議会等にしていきたいというふうには思っています。 その際に、このあっせんについてジャッジをする機関になりますので、障がい者側の意見とそれから事業者側の意見、それから公平な立場で判断できる学識経験者等を、ほぼ均等に入れた協議会をつくっていきたいというふうに思っています。 ○大塚会長 これ、今のお話の、今、もう推進会議が設置されているということなんですけれども、それを改組してというお話で、協議会をどういうふうにしていくかということになると、協議会の性格だとか機能をどのように規定するかということによって、この仕事の内容が決まってくるので、それは共通のイメージを持たれます。協議会というのはどういう人で構成されて、どんな仕事をして、どんな手続きの中でやっているかということが決まって、そこも少し整理が必要かなということで、おっしゃるとおりです。いかがですか。 結構、この協議会の機能が大切になってくるわけだから、どんな仕事をしてきたのかということだと思います。そこがやっぱり肝になってくることかなと思って、この手続き上においては。いかがでしょうか、よろしいですか。 はい、それではちょっと、これについてもまた整理していただいて、いろいろなご意見があると思いますので、今後の検討の課題としていきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。 それでは一応、予定したものは済みまして。 (5)その他 ○大塚会長 その他ということで、会議事項5、その他というのがあります。これについて事務局より説明をお願いいたします。 ○事務局 その他の説明 ○大塚会長 はい。どうも、少々延びて申しわけありませんでした。 それでは会議事項、これで終了とさせていただきます。進行を事務局へお返しします。 4 閉  会 ○事務局 大塚会長、委員の皆さん、長時間にわたり、熱心なご議論をありがとうございました。 閉会にあたりまして、当課の池課長より御礼を申し上げます。 ○池課長 大塚会長並びに委員の皆様方には、長時間にわたり熱心にご討議いただきまして、まことにありがとうございました。 今回、障がい者差別の禁止を担保する仕組みということで、論点8の部分をご議論いただきましたけれども、青木委員さんがご指摘いただきましたとおり、一番重要なのは一番最初の入口である相談への対応の部分、ここを先行県、他県の状況を見ても、あっせん等に至る面談でこの相談の中で対応していく、解決をしていくわけでございまして、ここもその相談体制をどのように構築していくか、これは前回の「ともしん研究会」のときも大分、議論をした経過がございます。そういった部分につきましても、また機会がございましたら、またご意見をいただればというふうに考えております。 それでは、今日は大変、時間を超過してしまいましてまことに申しわけございませんでした。 以上で終了とさせていただきます。どうもありがとうございました。