資料1 1ページ 「障がい者共生社会づくり条例(仮称)検討報告書(案)」への意見募集結果について 健康福祉部 障がい者支援課 「長野県障がい者共生社会づくり条例(仮称)」条例骨格案検討報告書(案)等について、県民から意見、要望及び感想等について募集した。 (1)募集期間  令和元年11月29日(金曜日)から令和元年12月27日(金曜日)まで (2)応募件数  64件 (3)寄せられた主な意見 以下のとおり 区分  名称 寄せられた意見  ・条例の名称をわかりやすく、優しい言葉にしてほしい。  ・「障がい者共生社会づくり条例(仮称)」の名称を、優しく(ゆるく)せず、「差別禁止」の表現を希望する。  ・条例(案)を差別解消ではなく「共生社会づくり」としたことに関し、感謝し評価する。 区分  前文 寄せられた意見  ・できるならば障がい者・健常者を分けず、県民すべてを対象として欲しい。 区分  目的 寄せられた意見 ・条例が障がい者の権利を保障するために制定するものであることを明確にして欲しい。 ・条例が国連の定める障がい者の権利条約に基づくものであることを明記すべき。 ・障がいの有無について重い軽いに関わらずといった視点を入れることを提案する。共生社会を目指す上では、障がいの重い軽いに関わらず、人権が尊重され地域社会の中で安心して生活できる長野県を目指す姿勢を示してほしい。 区分  定義 寄せられた意見 (障がい者) ・人間すべてが障がいを有している事を明記すること。 (不当な差別的取扱い) ・障がいを強調しているが、相互のコミュニケーション、意思疎通が可能及び見た目で分かりやすい場合には配慮も受けやすい。 (社会的障壁、社会モデル) ・分かりやすい表現にしてほしい。 ・障がい者は、「社会」が作ったものであることを強く打ち出すことで、長野県らしさを示せる。 ・一般県民には「社会モデル」という言葉が専門用語であり難しいと思われる。「社会モデル」を平易な分かりやすい言葉で表現し、丁寧に説明する必要があるのではないか。 区分  基本理念 寄せられた意見 ・「障がいの女性など複合的な要因を抱える生きづらさに対する配慮」を条例に必ず入れること。 ・「女性など」と性別を表記する必要があるのか。「複合的な要因」の意味が分からない。 ・「障がい×女性、障がい×セクシュアルマイノリティなど複合的な要因を抱える生きづらさに対する配慮」の内容を入れてほしい。 ・障がいのある子供が抱える生きづらさに対する配慮についても盛り込んでほしい。 ・障がい当事者の主体的役割について、当事者の主体性をもった活動への参加という表現に踏み込み出来ないか。 2ページ 区分  県の責務 寄せられた意見 ・「障がい者施策の策定に関し、障がい者の意見を聴き、その施策に反映するように努める」と努力義務になっているが、「反映しなければならない」とすべき。反映できない場合は、その理由を障がい者のみならず、県民全体に説明するようにして欲しい。 ・「障がい当事者を積極的に活用」という表現を、「障がい者の特性を活かす」としてほしい。 ・本条例を実効性のあるものにするためには、最大の事業者である県が、率先して何を行うのかを示すことが効果的である。 区分  県民・事業者の役割 寄せられた意見 ・事業者は多岐に渡る。初めは運輸事業者など多数の県民が利用する事業者に理解を求め改善を指導すべきであり、義務化していくべき。 ・義務化は必要だが、事業者を守れる体制も大切。 区分  不当な差別的取扱い 寄せられた意見 ・不当な差別的取扱いの禁止項目に「当事者間で話し合いが〜(中略)〜せざるを得ない場合には、障がい者にその理由を説明し、理解を得るように努めなければならない」とあるが、「〜障がい者にその理由を説明しなければならない。」としたほうが、二つの差別の考えの整合性がとれる。 ・「男女などの性別による違い、家族形成における差別の禁止」の条項を入れてほしい。 区分  合理的配慮 寄せられた意見 ・検討報告書には「努力義務又は義務」となっているが、過重な負担の考え方がある以上、努力でも義務でも同じ。大切なのは、事業者が「努力義務」や「過重な負担」を理由に門前払いしてしまわないようにすること。 ・「合理的配慮の義務化」ではなく、「建設的対話の義務化」を規定することが良い。これにより、事業者の心理的負担は軽減され、長野県の条例は特色を強く主張し、他県から抜きん出た条例になると思う。 ・「合理的配慮」を、「あたたかい配慮」や「思いやり」と同じように理解されている例を多く見聞するが、「合理的配慮の不提供は差別である」ということと一体の法的概念であることを、広く共有できるように、条例を策定すること。 区分  共生社会実現のための施策 寄せられた意見  (福祉・医療) ・障がい者であっても子供を産み育てられる支援策の拡充を加えてほしい。 ・医療の場合、様々な場面で家族以外は認めないことが多いので、柔軟に考えて欲しい。施設入所者や家族が病院に行くことができない場合もある。世間にはいろいろな状況があり、事業者、病院も含め、個々の困難さや背景にも理解した対応を考えるとした明記をすること。 (教育) ・教育は何も学校だけではなく、地域、市町村、県として進めていくことを望む。 ・学校の選択は、子ども自身と家族の意図を汲み、希望に沿うよう配慮すべきこと。 ・共生社会をつくっていく為には、周りの理解が必要である。その為には児童期から障がいのある方と自然に触れあえる機会が必要であり、それに加え大人の障がい者に対する正しい理解が必要。児童、保護者を含めて実際に関わる機会を教育として行ってほしい。 ・インクルーシブな教育により、障がいの有無に関わらず共に学ぶ場が保障される一方、障がいを同じにする子ども達同士の学びの場が減ることや、大人になった後の障がい当事者のコミュニティーが形成できないことが危惧されるので、多面的な教育の必要性を感じる。 (就労支援) ・就労支援に、「障がい者を取り巻く相談・福祉等によるネットワークの構築」を入れてほしい。 (防災、減災・災害対応) ・福祉避難所の開設は早期に行い、避難できる場所にはすぐに行けるように全ての人に伝達することを目指すこと。聞こえても伝わらない、避難できる場所がわからない、確認ができない人もたくさんいることを県民全体に知らしめてほしい。 3ページ (情報保障・情報のバリアフリー) ・「手話による情報発信」は、手話言語条例の定めによるのはわかるが、「情報提供」の部分は触れられていない。 ・障がい者は受ける側の立場だけでなく、発信する側の立場になることもあるので、その場合の視点を追加できないか。 (住環境の整備) ・ハード面の記載は多くあるが、ソフト面での記載を充実させてはどうか。 ・障がいが理由で、住む場所を選べない(例えば賃貸住宅に入居できないなど)ようなことがあってはならない。住環境の整備も大切だが、住む場所を選ぶことができる(選択できる)状況を地域で整える必要がある。理解を深め広めることで、地域の協力者を増やすことこそが、地域共生社会だと考える。 (障がい者スポーツ) ・ 2027年の国体誘致を見据えた障がい者スポーツの普及・啓発活動を考えてみてはどうか。 (権利擁護) ・権利が守られないことは、すなわち虐待だと明記すべき。 (その他) ・「障がいのある女性への複合差別解消に関する必要な施策」を入れてほしい。 区分  障がい者差別の禁止を担保する仕組み 寄せられた意見  ・第三者機関にあっせんを付託するのが知事となっているが、教育委員会や選挙管理委員会などの行政委員会は、知事部局と異なるため、こうした組織が第三者機関にあっせんを付託することもあっても良いのではないか。 区分  その他 寄せられた意見 ・条例に、障がい女性の複合差別に関する規定を基本理念だけでなく、条文に明記してほしい。 ・障がい者の条例案づくりの部会、および、今後開かれる障がい者の人権擁護に関わる審議会、協議会において、障がい者委員が全体の過半数となるようにし、女性障がい者の委員が複数参画できるようにすること。 ・条例には、「障がいのある女性への差別及び虐待の禁止」の条項を入れてほしい。 ・「県は、障がいのある女性が障がい及び性別による複合的な差別を受けていることを認識し、その実態を把握し、差別解消にむけた適切な措置をとらなければならない」という条項を設け、障がいのある女性の複合差別の解消課題を簡潔に示してほしい。 ・女性障がい者の複合差別は、なかなか話せる場所や相談出来るところがないので、条例でしっかりと基本理念や項目を入れてほしい。 ・条例には、女性障がい者の複合的な困難を解消するための相談体制、差別の分野として女性障がい者の複合差別とハラスメントの明記を希望する。 ・社会的弱者が快適に過ごせる世の中は健常者も快適に過ごせる世の中だと思うので、みんなが生き生きと自分らしく暮らせる仕組みづくりと条例づくりを希望する。 ・障がいのある子どもについて、その最善の利益を実現するため、意見表明権(子どもの権利条約にも明記されているが)を保障することを大切にして欲しい。 ・今の時代に「障がい者」に焦点をあてた条例を策定することに違和感を感じる。 ・この条例を進めることで、健常者と障がい者の線引きをさらに強くしてしまうのではないか心配。 ・条例に、県が策定する障がい者プランについて記述がないが、位置づけを明確にする意味でも、条例に明記した方が良いのではないか。 ・市町村においては、人材不足もあり、市町村の負担が増大する条例を避け、活用できる条例としてほしい。 以上。