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更新日:2019年11月10日

長野地域振興局

NPO法人ecology&eco-lives信州

法人データ

名称 NPO法人ecology&eco-lives信州
設立 平成22年5月17日
所在地 長野市戸隠字午王峯3688番地9
HP http://npo.raposa.jp/(別ウィンドウで外部サイトが開きます)

お話しをお聞きした方

「NPO法人ecology&eco-lives信州」理事長:荒井克人(あらいかつと)様

長野市戸隠に拠点を構え、環境調査活動を続けている「NPO法人ecology&eco-lives信州」。

同法人理事長の荒井克人さんの会社を訪ね、お話を伺いました。

(戸隠の法人事務所)

法人設立まで

平成8年6月に、環境調査会社を設立した荒井さん。環境アセスメントの一環として生き物の調査を手がけていくうちに、「開発」を前提とした調査に疑問を感じるようになりました。

「行政、民間、地元の学校、地元の人々による産官学連携で、『保全』を考えていくべきなのでは。」と思っても、会社の枠を飛び出すことはできません。

そこで、環境調査のノウハウを生かして、一定の場所で保全活動を試みていこうと有志を募り、平成22年にNPO法人を設立。木島平や戸隠にフィールドを設け、活動を始めました。

環境調査活動のはじまり

木島平に非常に多く生息しているサシバ(猛禽類)を「環境の指標」として、個体数調査等を開始。

(サシバの子育て)

「『サシバ』は農村や里山と密接な関係があります。」と、荒井さん。「木島平は『米』が有名ですが、おいしい米を作るために農薬を減らしたり、有機農法を取り入れたりと様々な努力をすることで、田んぼに虫が見られるようになり、虫を餌とするカエルも、カエルを餌とするサシバも居つくことができるようになります。おいしい米を作る努力が、結果としてサシバの個体数の維持に繋がっていると考えられます。」

写真:サシバ

このことを地元の方に伝えると、「『サシバ』は指標になるだけでなく、米作りには欠かせない要件となるんだ。」と、調査の必要性を理解してくれ、現在まで、木島平村と地元の方との連携により、サシバの調査活動は続いています。

(木島平村の水田風景)

また、戸隠にはクマの問題があります。

「クマが出るから気をつけよう。」といっても、どの時間帯どこに出るかといった現状は、きちんと把握されていません。

「ecology&eco-lives信州」では、戸隠植物園などにセンサーカメラを設置。

カメラの前を通るとシャッターが自動で下りるようにして、いつクマがこの付近に出てくるか毎年調べたところ、単年度の調査だけではわからない傾向が見えてきました。

(センサーカメラが捉えたクマ)

クマは山の中で餌を探します。

7月下旬、熟した水芭蕉の実を食べようと植物園に現れたクマの前に、イノシシが現れ、クマの方が引き下がってしまうという事態が起きました。

クマは基本的には、むやみな接触は避ける傾向があります。イノシシを避けて行動することで、クマの活動時間帯や出没する場所が変わってしまい、人間との遭遇も多くなってきています。

「まず現状をきちんと把握しないと次の一手が打てません。根拠づけとなる調査を地道に続けます。」と、荒井さん。

活動のひろがり

設立当初は生き物の好きな人が集まって活動していましたが、活動内容が毎年同じ傾向になり、次第に行き詰まりを感じるようになってきました。

この状況を打開するためにメンバーは話し合い、「いろんな業種の方にNPOの活動に参加してもらい、多くの意見や考えの中から新たな方向や解決策を生み出していこう。」と合致。平成26年8月には法人名を「NPO法人ecology&eco-lives信州」に変更しました。(設立時の名称は、NPO法人ラポーザ)

「『生き物』と『防災』は別々のことのようですが、自然環境が根幹です。様々な角度から調査をして、自然環境全般のことを解決していく団体を目指したい。」と、荒井さん。現在では、土木業、不動産業、農業など、多様な業種の方が、専門性を活かしながら活動に参加しています。

防災マップの作成へ

平成24年、荒井さんの会社ではマルチヘリコプターを導入。防災等の仕事で使っていましたが、「ecology&eco-lives信州」のメンバーのからは、「もっと、別のことに使えるのではないか。」という声が上がっていました。

近年、1時間に100mmを超すような雨量や局地的な豪雨により、多くの場所で土石流や地滑りの危険性が高まってきています。

「住民にハザードマップは配付されているものの、実際どのような土砂災害の被害が想定されるか、どのような避難をすれば良いか、住民は把握していないことが多い。ハザードマップとは別の、独自の地図作りが必要なのではないか。これにマルチヘリコプターを使ってみよう。」と、荒井さんは提案しました。

法人事務所へ行く途中にある長野市芋井地区は、平成26年11月に起きた神城断層地震で住宅が半壊したり、一部損壊する被害を受けていました。今後、二次災害の危険性も考えられることから、「ecology&eco-lives信州」では芋井地区住民自治協議会に働き掛け、住民と協働による「防災マップ作り」が、平成27年5月から始まりました。

(マルチヘリコプターを飛ばす、荒井さん)

「防災マップ作り」では、まず、狭い範囲の撮影に有効なマルチヘリコプターを飛ばして芋井地区を空撮。空撮の画像と地理情報システム(GIS)を組み合わせ、過去に土砂の崩壊した場所や地滑りの危険性のある場所を算出します。

写真:ワークショップ風景

さらに、住民参加によるワークショップも数回開催して、住民の声も反映させていきます。

平成27年9月、芋井小学校周辺と広瀬周辺の2か所で、第2回目のワークショップが開催され、地域住民の方60名以上が集まりました。

広瀬では数日前に、台風18号による大雨の影響で広瀬神社裏の斜面が崩れて拝殿が倒壊していました。

荒井さんは、ワークショップ前日に広瀬神社上空にマルチヘリコプターを飛ばして被害状況を確認。拝殿から20メートル上にある奥院が無事だったことを、参加者に伝えました。

ワークショップでは、広瀬神社裏の土砂崩れの状況や、1884年に起きた「善光寺大地震」の際の被害状況などを地図上で確認した後、安全な避難場所の想定などのため参加者は外へ出て、実際に周辺を歩いて確認しました。

(広瀬を歩く参加者)

「地元の方と一緒に歩くことで、『善光寺大地震の時は、ここまで埋まった。』など、いろんな話しが聞けたことが収穫でした。」と、荒井さん。

「この付近は、100年前に土砂で埋まった上にできた集落です。当時の神社の階段の段数と現在の段数を比べてみると、2メートル以上土砂が堆積していることになります。当時の地図も残っているというので、空撮の写真と併せて反映することができます。災害時の状況を現在の地図上に刻み、残しておくことが後世にも必要です。」

「また、昔とは気象条件も違ってきています。1,000mmも無かった雨量が、今では1,000mmを超えています。雨が多く降れば地盤がずれる可能性があり、災害は今後も増えていくと思われますが、いつどこで何が起こるか、わかりません。防災は現状把握が大切です。」

「信州産業用無人機安全運用協会」の設立

芋井地区住民自治協議会では調査を始めるにあたり、「ecology&eco-lives信州」を中心とする、防災マップ作り従事者の顔写真入りの事業計画を、回覧板で周知しました。

そのおかげか、芋井地区でマルチヘリコプターを飛ばしていると、「ご苦労さま。」と声を掛けられたり、お茶を出してもらったりすることがあり、「うれしかった。」といいます。

マルチヘリコプターは、正しい使い方をすれば、災害時やその事前段階において重要な役割を果たすものですが、最近の様々な事件・事故などで、危険性の面がクローズアップされ、規制の動きが強まってきています。

平成27年10月、「ecology&eco-lives信州」も会員となり、産業用小型無人機の安全運用に向けて、産学連携組織の「信州産業用無人機安全運用協会」(会長・松下英次国立長野高専准教授)が設立されました。

同協会では、県内自治体の条例づくりの参考になるような安全運用マニュアルの策定、安全性能の評価、保険加入の仕組みづくりの推進のほか、災害時の機体活用についても行っていく考えです。

自然観察会

NPOの活動を知ってもらい、多くの方に参加してもらいたいと、「自然観察会」を開催しています。

動物に発信機をつけてアンテナで見つける調査の疑似体験として「ecology&eco-lives信州」のメンバーが発信機をつけて参加者全員で探すといったものなどを行っており、楽しく興味を持って体験できるように工夫を凝らしています。

今後の抱負

「今回の防災マップは芋井地区の中でも、芋井・広瀬・高木区のみで作成してます。来年度、芋井地区すべてで作成するかどうか、芋井地区住民自治協議会に提案してきます。」

「現在、法人の活動は『環境調査』、『自然観察』、『防災』の、3つの柱です。『防災』は、異業種の方々が居たからできたことであり、産学官連携でひとつの課題をクリアしていく達成感がありました。他の分野でも連携していけるものがあれば、取り組んでいきたいと考えています。」

平日も空いている時間に、危険と思われる場所などを赤外線カメラで撮影しているという、荒井さん。

「事前調査は、NPOとしての自分達の使命だと思っています。積み重ねていくことで、いつかノウハウ的なフィードバックが自分達のNPOにある、と信じています。」

自然と調和して生きていくことの大切さを心に深く刻み、「ecology&eco-lives信州」は、環境を守るための調査活動を続けていきます。

 

 

(取材:平成27年11月6日/地域政策課県民生活係,麻田真里子)

 

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お問い合わせ

所属課室:長野県長野地域振興局総務管理課

長野県長野市大字南長野南県町686-1

電話番号:026-234-9500

ファックス番号:026-234-9504

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