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更新日:2026年5月26日
今般、農政部農地整備課の組織体制について、現場実態及び他都道府県の事例を踏まえた問題点と改善提案を申し上げます。
農業土木は、食料安全保障・農村振興・防災の観点から長野県政の根幹を担う重要分野であるにもかかわらず、その組織体制は長年にわたり著しく不均衡な状態に置かれています。
以下、具体的な問題点をご指摘申し上げます。
1.課長ポストの欠如と組織構造の不均衡
・農地整備課は係が6つも存在しており、他の課がおおむね3つ程度であることと比較して、著しく規模が大きい。
・他部局では、係が1つであっても課として独立させ、課長ポストを置いている事例が少なからず存在する。係の数と課長ポストの設置に、整合性が全く取れていない。
・近隣の都道府県においては、農業土木部門を
イ)計画課(または企画課)
ロ)整備課
の2課体制に分割し、業務量・専門性に見合った組織を構築している。
・現状、農業土木のトップポストは農地整備課の課長ポスト1つしかなく、技術職員のキャリアパスが著しく制限されている。
・この不合理な状態が長年放置されていることは、農業土木技術職員に対する組織的・制度的な不利益であり、行政として到底看過できない問題である。
【関連法令・指針】
・地方自治法第158条(内部組織の設置):長の権限に属する事務を分掌させるため、条例で必要な内部組織を設置するものとする。組織は、その規模・業務量・専門性に見合ったものでなければならない。
・地方公務員法第24条(給与の均衡の原則):職員の職務と責任に応じた処遇が求められ、ポスト設置の均衡を欠くことは職員の士気・定着にも直結する。
2.技術職域縮小の懸念と知事のガバナンス
・農業土木のポスト設置が異常なほど不利益な状態にある背景として、技術職域を縮小する方向との指摘がある。
・知事においては、知事自らのリーダーシップにより、農業土木技術職員の処遇を適正化するよう求める。
3.農業土木に関する試験・研究施設の欠如
・農業技術分野には単独の試験場が存在するが、農業土木分野には水理学・ほ場整備の広域化等を検証する専用施設がなく、民間ほ場での試験施工による断片的なデータ収集に留まっている。
・データを系統的に蓄積し、県下全体へフィードバックする仕組みが存在しないことは、農業土木行政の継続的な発展を阻害している。
・長野県の地形的特性(河岸段丘・扇状地・地滑り地帯等)を踏まえると、
イ)広域化が可能な平坦地、
ロ)物理的制約から広域化が困難な山間・急傾斜地、という2つのパターンで検証する体制が不可欠である。
【提案事項】
1.農地整備課の2課体制への再編
・近隣都道府県の例に倣い、農地整備課を「農地計画課(仮称)」と「農地整備課」の2課に分割し、それぞれに課長ポストを配置することで、業務量・専門性に見合った組織体制を構築されたい。
2.関東甲信越広域試験体制への長野県の積極参画
・関東甲信越レベルで農業土木の試験・研究機能を広域化するにあたり、役割分担の例として:
イ)広域ほ場整備試験:農業新進県として平坦地が多い茨城県
ロ)中山間地・広域化困難地帯の試験:地滑り地帯・河岸段丘等、多様な地形を持つ長野県
・長野県がロの中核拠点として立候補し、全国的なデータ集積・フィードバックの基地となることを提案する。
3.農業大学・長野インターン施設の設置による次世代育成
・農業技術学科に加えて農業土木学科を設け、農業従事者の高齢化対策・担い手育成を積極的に推進する農業大学インターン施設の設置を提案する。食料安全保障の観点からも、次世代の農業土木技術者の育成は急務である。
【関連法令・指針】
・食料・農業・農村基本法第21条:国及び地方公共団体は農業の持続的な発展に必要な農業生産基盤の整備及び保全管理を推進しなければならない。
・土地改良法第1条:農業生産性の向上・農業総生産の増大・農業生産の選択的拡大・農業構造の改善・農村の振興に資することを目的とする。組織体制の整備はその前提条件となる。
・農業振興地域の整備に関する法律:県が農用地の確保・整備に主体的役割を担うことを定めており、それを支える人材・組織体制の充実が不可欠。
以上、現場で見聞きした実態と複数の関係者からの声をもとに、改善提案を申し上げました。
農業土木は長野県の農業振興・食料安全保障・防災の根幹を担う分野であり、それを支える組織体制・人材育成・研究機能の抜本的な強化を早急に実現されるよう、切にお願い申し上げます。
長野県農政部長の村山一善と申します。
県民ホットラインにお寄せいただいた、農政部所管事業に関するご意見についてお答えいたします。
はじめに、農業土木職に係る組織体制の見直しや人材育成の強化等につきまして、貴重なご提案をお寄せいただき、誠にありがとうございます。
1.農地整備課の2課体制への再編について
ご提案のように、農業土木部門を計画・企画と整備等の複数課体制としている都道府県は、近隣の関東農政局管内では1都9県中4県が該当するものと承知しております。
農業土木職員数が限られる中にあっても、より効率的な業務執行が図られるよう、投稿者様からいただいたご提案につきましては、今後の農政部の組織体制を検討する際の参考とさせていただきます。
2.関東甲信越広域試験体制への長野県の積極参画について
県では、国の研究機関や大学と連携し、山ノ内町夜間瀬の渓流取水工、中信平左岸の畑地かんがい、軽井沢町の直角V字型減勢工など、中山間地域の地形に応じた共同研究を進めております。
これらの研究成果や課題につきましては、農業農村工学会の学会誌や技術発表会で公表し、全国各地に情報発信を行っているところです。
今後も、本県の地形特性を活用した共同研究に積極的に取り組み、農業土木技術の一層の向上を図ってまいります。
3.農業大学・長野インターン施設の設置による次世代育成について
近年、農業土木分野を指導する教員の減少や少子化の影響により、農業土木を学ぶ環境が縮小しており、将来の農業農村整備を担う農業土木技術者の育成は、重要な課題であると認識しております。
このため県では、農地整備課職員が県内の農業高校、高等専門学校、農業大学校、大学に赴き、農業土木に関する講義や現地研修を実施するなど、農業土木技術者の育成支援に取り組んでおります。
今後は、国や建設関係団体とも連携し、活動の幅を広げながら、次世代の農業土木技術者の確保・育成に取り組んでまいります。
以上、お寄せいただいたご意見への回答とさせていただきますが、ご不明な点がございましたら、農地整備課長:小松俊一、担当:管理係までご連絡くださいますようお願い申し上げます。
【問合せ先:農政部/農地整備課/管理係/電話026-235-7238/メールnochi(あっとまーく)pref.nagano.lg.jp】
(分野別:農業・林業)(月別:2026年3月)2025000660
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