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更新日:2026年3月8日
長野県知事 阿部守一
それでは本日の会見を始めます。今日、県議会2月定例会が閉会となりました。来年度当初予算を含む多くの議案を御議決いただきましたので、県議会から頂戴した御意見も踏まえて着実な予算の執行、条例等の的確な運用に努めていきたいと思っています。年度末ですが、新年度に向けて、未来に向けて様々な取組を進めることができるように対応していきたいと思っています。
長野県知事 阿部守一
今日は、私から3点お話を申し上げたいと思います。まず1点目は、現在開催中のミラノ・コルティナ冬季パラリンピックについてです。本県関係選手7名が出場されているということで、お手元(の資料)にも各選手のこれまでの活躍と、まだこれから競技が残っている選手が多くいらっしゃいますので、ぜひ県民を挙げて応援していきたいと思っています。各選手がこれまでの努力の成果をいかんなく発揮していただいていることに心から敬意を表したいと思います。16年ぶりにパラリンピックに出場された車いすカーリングの中島洋治選手は惜しくも準決勝進出とはなりませんでしたが、最後まで精一杯のプレーで御健闘されました。また、パラスノーボード女子初めての代表の、長野市在住の坂下恵里選手はスノーボードクロスで見事8位に入賞されました。大会はまだ続いています。次のバンクドスラロームでも、ぜひ素晴らしい滑りを期待したいと思います。また、パラアルペンスキーの小池岳太選手、そしてパラアイスホッケーの熊谷昌治選手、塩谷吉寛選手、新津和良選手、吉川守選手(正式な表記は「吉」の異体字)は、今後まだ試合等がございますので、ぜひみんなでしっかり応援していきたいと思っていますし、日頃の成果をいかんなく発揮していただいて活躍されることを心から願っています。これまでの選手の御活躍でも多くの皆さんが勇気と感動をもらうことができたのではないかと思っています。最後まで選手の挑戦を皆さんと一緒に応援していきたいと思っています。
長野県知事 阿部守一
2点目ですが、昨日は3月11日、東日本大震災から15年という大変大きな節目でした。長野県においても放射性物質の飛散等、あるいは省電力をはじめとする様々な対応、さらには福島県を中心に避難される方の受入れの対応をしましたが、忘れてはならないのが今日3月12日は長野県北部地震、栄村における大地震から15年になります。3時59分の発災で、私も宿舎で地震を感じて、連絡が入ったので慌てて飛び起きて、県庁に向かったことをよく覚えていますけれども、何しろ豪雪地帯でまだ雪が大変たくさん残っている中での地震、かつ、かなり多くの家屋が倒壊したということで、村にお住まいのかなりの方々が避難所に避難し、身を寄せていらっしゃったという状況でした。地震そのものでお亡くなりになられた方はいらっしゃらなかったですが、その後、災害関連死ということで3名の方がお亡くなりになられています。亡くなられた方々に謹んで哀悼の意を表します。また、被災された皆さんに改めてお見舞いを申し上げたいと思います。長野県としても生活者支援をはじめ、栄村の復旧・復興に全力で取り組み、また村の取組を応援しました。栄村の震災復興計画に基づいて、集落の復興・再生、新しい産業の振興、災害に強い道路ネットワークの整備を積み重ねて今日に至っています。私も知事になって間もない頃の地震でしたので、率直に申し上げて、知事として被災された皆様の前に出てどういう言葉をかければいいのか、県としてどういう対応をしなければいけないのかということが、正直手探りの状況でしたが、前日に東日本大震災があったということもあり、栄村の皆さんからは、東北の皆さんの思いを考えればしっかり東北の皆さんのことも応援してくださいと、逆に私が励まされたことをよく記憶しています。改めて栄村の復興に御尽力いただいた関係機関の皆さん、あるいは大変な被害を受けながら村の再建に向けて御尽力いただいた関係の皆様に心から感謝と敬意を表したいと思います。その後も神城断層地震をはじめ、様々な地震災害に見舞われてきました。能登半島地震を受けて、長野県地震防災対策強化アクションプランを一昨年策定していますので、地震災害から県民の皆様の安心・安全をしっかり守るという思いを改めて県庁全体で共有して、地震災害死ゼロに向けた取組をしっかり進めていきたいと思っています。
長野県知事 阿部守一
3点目ですが、(長野県)地域未来戦略についてです。皆様に「長野県地域未来戦略推進本部の設置について」という資料をお配りしているかと思いますけれども、高市内閣はいわゆる地方創生という観点の中でも強い経済、産業政策に相当力点を置いた取組を進めようとされています。未来に向けて長野県が発展していく上では、もとより長野県の産業をより強いものにしていくことが重要ですし、世界の中でも競争力がある分野をしっかり伸ばしていくことが大変大切だと考えています。そうした中で長野県としても、国の地域未来戦略の取組にしっかり対応して改めて産業界をはじめ、有識者の皆様の御協力も得ながら、長野県の産業振興、特に成長期待分野に対する投資がより一層促進されるように取り組んでいきたいと考えています。そうしたことを進めるために、改めて長野県地域未来戦略推進本部を立ち上げ、来週3月17日に第1回目の会議を開催したいと思っています。国の取組の方向性が少しずつ出てきていますので、そうしたものも踏まえて県としての対応の方向性、考え方をしっかり共有していきたいと思いますし、この取組は産業界をはじめ、関係の皆様の御協力が不可欠ですので、県内産業界の皆様ともしっかり連携しながら、取り組んでいきたいと思っています。非常に早いペースで国の議論が進められている状況ですので、県としてもそうした動きに取り残されることがないように、しっかり対応していきたいと考えています。私からは以上です。よろしくお願いします。
日本放送協会(NHK) 杉本 氏
イラン情勢の兼ね合いで伺っていきたいのですが、県内でもガソリン価格の値上がりが既に出てきていて、今日も25円前後上がっているようなところ、長野市内でも1L当たり200円というようなスタンドも出てきているということを取材で確認していますけれども、県としてこれまで総合経済対策も取り組んでこられたとは思うのですが、こうしたかなりレベルの違う状況になってきたところで、今後の取組について知事として今の率直なお考えを伺えたらと思っています。
長野県知事 阿部守一
中東情勢が極めて緊迫する中で、県民の皆様の暮らしや産業にも徐々に影響が出てくるという状況の中で先行きを大いに懸念しているところです。昨日高市総理からは石油備蓄の放出と、ガソリン価格の激変緩和措置を講じていくという方向性が表明されたところであり、こうした迅速な対応には心から感謝したいと思っています。県内の経済団体、企業に今状況をお伺いしているところですけれども、全体として、まだ原油価格の高騰等に伴う具体的な影響が出ているという状況の報告は伺っていませんが、この状況が続けば早晩影響が出てくることは不可避ですので、中東情勢に係る実務者連絡会を来週開催して、現状についての状況認識、共有をしていきたいと思っています。加えて、中東情勢の影響に係る相談窓口を設置して、経営面で影響を受けるような企業の皆様からの相談を受け、必要な支援を考えていきたいと思っています。ジェトロ、あるいは日銀をはじめ関係機関の皆様ともしっかり情報共有しながら、県としても今後取り組むべき対応は何なのかということをしっかり議論していきたいと思っています。
日本放送協会(NHK) 杉本 氏
県では去年、ガソリン券の配布という支援もされていました。どこまで続くのかは分かりませんが、特に今回はガソリン価格が実際25円というふうにかなり上がってきているので、1回で1,000円近く違うということも起きてくるのかと思うのですが、例えば去年やっていたようなガソリン券の配布ですとか、まだ具体的にそこまでいっていないかもしれませんが、特に重点的に見ていかねばいけないと思っているのはどんなところがあるか、もしあれば教えてください。
長野県知事 阿部守一
産業面、経済面の両方に影響が出てくると思いますので、関係団体の皆様とも問題意識を共有して対応していきたいと思います。来週の段階では情報共有ということで、関係方面の皆さんがどういう認識でいるのか、また、これからの見通しをどう持たれているのかを県としてもしっかり把握し、それを踏まえて県としての対応を速やかに考えていきたいと思っています。
信濃毎日新聞 吉野 氏
先日発表された都道府県版ジェンダー・ギャップ指数についてお伺いします。長野県では、政治分野に関しては一定程度の改善が見られたかとは思うのですが、政治、教育、行政の分野でまだ他の都道府県に比べると低い位置にあるかと思うのですが、先日発表された都道府県版ジェンダー・ギャップ指数の受け止めと、今後指数の改善に向けてどのように取り組んでいこうと考えているのか、お伺いしたいです。
長野県知事 阿部守一
長野県としてはジェンダー・ギャップ指数の順位を向上させるという目標を掲げていますので、行政そして市町村をはじめ、多くの皆さんと一緒になってこの取組を進めていく必要があると思っています。そうした中で、行政以外で順位が改善していると認識していますけれども、指標自体は基本的にはどの分野も改善、より良い方向には向かっています。ただ、順位は相対比較になりますので、他の都道府県の取組が進むとなかなか順位が上がっていかないので、他の都道府県に負けないような取組を行っていくことが必要だと考えています。今回、行政が22位から28位ということで順位を下げてしまいましたけれども、政治が20位から17位、教育が26位から14位、経済が37位から11位ということで、基本的にはより良いランクになっていますので、こうした傾向が継続できるように取り組んでいきたいと思います。また行政の部分については、特に管理職の職員の男女比が県、市町村、いずれも30位台という状況で、全体としてこの部分が順位を引き下げていますので、近々長野県の管理職を来年の人事と合わせて発表しますけれども、こうした状況も意識しながら県としての取組を行って、一足飛びにという形にはなりませんけれども、確実に改善していきたいと思っています。
中日新聞 林 氏
昨日、監査が発表されましたけれども、その場でもしかしたら知事がおっしゃっていたのかもしれませんけれども、改めて受け止めみたいなところを伺えればと思うのですが。
長野県知事 阿部守一
包括外部監査人、そして補助者の皆様には非常に熱心に監査をいただき、また詳細な報告をいただいたことに心から感謝したいと思っています。県としても今回の報告をしっかり受け止めて、改めて御指摘いただいている点について内容を精査した上で必要な対応を行っていきたいと思っています。ただ一方で、昨日の場面でも少し申し上げましたけれども、例えば補助金交付要綱において対象事業にどこまで含まれるかというような部分について、いわゆる負担金、負担金と言ってもいろいろな性格があるわけですが、私もいろいろな自治体で仕事をしていますが、長野県の対応が他の都道府県と著しく違っているという状況ではないと思っています。ただ、私も含めて行政用語にあまりにも慣れすぎているところがありますので、そういう部分はより分かりやすい形にしていくことも必要ではないかと思います。いずれにしてもかなり詳細な御意見をいただいていますので、しっかり個別に精査して、必要な対応を行っていきたいと思っています。
中日新聞 林 氏
一番主たるところというのは、要綱と実際の補助対象に少し齟齬があるというか、要綱からすると逸脱しているところが部分的にあるのではないかみたいな話だったと思うのですが、その辺りの考えというのはいかがですか。
長野県知事 阿部守一
基本的に包括外部監査人の皆さんは会計士の方が多いので、私が感じたのはこういうふうにするということがちゃんとできているのかできてないのかチェックできるようにする必要があるということと、補助対象経費を明確な形で分かるようにする必要があるという観点がかなり強く反映されているのかと思いました。そういう意味では先ほど申し上げたこととも関連しますが、公務員の世界では何となくこういう考え方が当たり前みたいな感じで取り組んできているところがありますが、そうした部分も含めて、より第三者から見ても明確になるように変えていくことが必要になってきていると思っています。
中日新聞 林 氏
昨日、監査人の方に伺った時にも今回初めて補助金の監査が入ったということもあって、それなりの数の指摘なり意見なりがあったわけですけれども、それがよそから言われるのではなくて自律的というか、自らチェックできるようなシステムみたいなものはやはり必要なのではないかというので、マニュアルなのかQ&Aなのか分からないですけれども、全庁的に課題を共有した形で必要なのではないかという話もありましたけれども、そういう指摘、考えを受けて何か今後やっていくつもりというのは何かありますか。
長野県知事 阿部守一
先ほど申し上げたように、今回指摘をいただいている点については、一つ一つ財政課と関係部局で対応の方向性をどうするかを検討していきたいと思います。もう一つは、先ほどから申し上げているようにかなり共通している視点がありますので、共通する視点としていただいているようなことについては、県としてもう1回しっかり咀嚼した上で、今後こういう考え方で取り組んでいこうということを組織の中で共有し、徹底していきたいと思います。
中日新聞 林 氏
最後に1点、昨日、昭和東南海地震のアーカイブサイトが公開されましたけれども、去年の今頃そういう話をしたかと思いますが、今後、南海トラフ巨大地震が起きた場合に長野県も被災県となり得るということを明確に示す歴史的な証拠なのかと思います。実際、昨日取材した限りでは、アーカイブサイトを教員の方だったりとかに示して教育現場に活かしたいとか考えていらっしゃるという話でしたけれども、あれだけ貴重なデータや証言だったりをそれだけに活かすだけというのはもったいない感じがするのですが、何かもう少し活用の方法だったりとかについて知事の考えをお伺いできればと思います。
長野県知事 阿部守一
まさにおっしゃるとおりだと私も思います。先ほどの栄村の地震の話をしましたが、大規模災害は毎年のように起こっては困るわけですが、であるがゆえに何となく災害の教訓が風化してしまったり、被災された皆さんの体験が後世にしっかり伝わらなかったりという部分が出てきてしまっていると思っています。今、映像とか画像も含めてデジタル化してしっかり残すことが昔に比べるとかなり容易になっていますので、そういう意味で災害の記憶とか伝承をどうしていくかということは、もう1回改めて考えていきたいと思いますし、教育の場も含めて過去の災害の体験であったり、教訓であったりをしっかり引き継ぐことができるようにしていきたいと思います。
中日新聞 林 氏
知事がおっしゃっている伝わる広報とつながる部分なのかと、われわれが報道しただけでいろいろな人に知られた昔と違いますし、WebはどうなんだというとWebも自発的に見ない限りはなかなか本来必要な人に伝わらないので、どう伝えていくかを求められるのかと思うのですが。
長野県知事 阿部守一
メディアの皆さんにもいろいろお取り組みいただいていますが、行政としてももう1回改めて、まず一つは県組織の中でもそうだと思いますけれども、私が同じポストでずっと一番長く見ているので、「いや、昔はこうだった」と昔話をして嫌われる立場に県庁の中ではなってしまいますけれども、やはり県組織の中でも教訓を伝承する、あるいはしっかり引き継ぐことも含めて対応していく必要があると思います。県民の皆様にも、例えば新しく移住されて来られるような方もいらっしゃいますので、こういう災害があって、こういう困難を乗り越えて、こういうところはしっかり気を付けていただきたいということを常にメッセージとして発していくことがこれから必要になってきていると思いますので、その辺をしっかり受け止めて対応を考えたいと思います。
市民タイムス 萩原 氏
先ほど中東情勢の関係のプレスリリースも見まして、トランプ関税の時の連絡協議会を改組してというプレスリリースをいただいていますが、トランプ関税の時は交渉もあって、交渉の結果どうなっていくか様子を見ながらだったと思うのですが、今のホルムズ海峡のニュースとかを見ていると、猶予はないというか、原油が止まってしまえば本当に早く大きな影響が来ると思います。先ほどの質問と繰り返しになってしまいますけれども、今回の県民、事業者への支援という面では現段階でどのように知事としてお考えになっていますか。
長野県知事 阿部守一
先ほど申し上げましたけれども、こうした影響が今後拡大していく可能性があることを深刻に受け止めているところですので、まず関係方面としっかり情報共有して県として取り組むべきことは何かということを、来週の意見交換を踏まえた上で考えていきたいと思っています。ただ極めて大きな影響になりますので、都道府県単独でできることにやはり一定程度限界があると思います。国の動きも注視しながら、また必要に応じて国にも問題提起をしながら国と連携して対応していきたいと思います。
市民タイムス 萩原 氏
今おっしゃった県として取り組むべきことというのは、生活支援とか事業者の支援とか。
長野県知事 阿部守一
事業者の皆さんには金融支援的なことについてしっかり対応していく必要があると思いますし、先ほど申し上げたようにガソリン、あるいは石油の問題については、備蓄の放出であったり、国の支援で一定程度支えていこうという方向性を出していただいていますが、その結果、どういう状況になるかということもしっかり見極めながら対策を考えていきたいと思います。
市民タイムス 萩原 氏
もう1点別件で先ほどの地域未来戦略推進本部の関係でお伺いしますが、世界と肩を並べる産業クラスター(の形成を)、長野県としては戦略的に推進とありますが、現時点でどういった分野に可能性があると知事はお考えですか。
長野県知事 阿部守一
これから県としてしっかり検討していかなければいけないわけですが、これまでも長野県として成長産業として位置付けて取り組んできている分野があります。例えば航空宇宙とか、あるいは食品産業とか、今まで何にも根っこがないようなことを新しく打ち出すというよりは、むしろ今の長野県産業の強みとしてより伸ばしていくべきものは何かということを中心に検討していく形になると思います。
信濃毎日新聞 小山 氏
大糸線のJR西(日本)の区間についてお伺いしたいのですけれども、今日現地の振興部会で来年度新組織を設置してそちらに議論を移すといいますか、今後の持続可能な在り方についての検討が本格的に始められると説明があったかと思います。今回の当初予算でも公共交通ですとか、移動の権利保障というような説明で重視されてきたりですとか、一方で、もう少し大きければ国のグランドデザインですとか、もしくは社会的共通資本ですとか、いろいろな評価の観点あるかと思うのですが、知事御自身はこの大糸線の問題ですとか、ローカル線の問題に向き合うに当たって、どういった点を重視していくか。特に今回県が事務局になって仕切り役といいますか、議論を整理していくと聞いていますので、どんな点を重視して問題の解消、改善を図っていくべきか、どういうふうにお考えでしょうか。
長野県知事 阿部守一
本日、大糸線利用促進輸送強化期成同盟会の振興部会が開催されて、大糸線の持続可能な路線としての方策を検討するということで、大糸線沿線地域公共交通検討会議の発足が決定されたところです。これについては、関係の皆さんがしっかり未来に向けてどうしていくかということを考えていただく場となることが重要だと思いますが、先日、国土交通省に大糸線に限っての話ではないですけれども、JR鉄道路線の全国ネットワークについて意見を求められましたので、検討会の場で意見を申し上げました。私が申し上げたのは、全国的なネットワークを形成している路線については、国としてより責任を持って対応していただくことが必要ではないかと。例えば、地元の皆さんにとっては確かに重要な鉄道路線であるわけですが、鉄道路線を利用されるのは必ずしも地元の方たちばかりではないですし、またネットワークで機能してこそ鉄道としての特性を発揮できる部分もあるわけですが、その存廃が単に地域とJRだけの話し合いで本当に良いのだろうかというのが私の問題意識でありまして、国として一定の考え方を示すとか、あるいは全国的なネットワークとして本当に機能させなければいけないところについて、国がより財政負担をしっかり行って維持するとかも必要ではないかという提案をしました。まだ国土交通省の検討会がどういうまとめになるか分かりませんけれども、今、地方制度調査会で国と都道府県と市町村との役割分担の在り方が議論のそ上に載っているわけですが、国と都道府県、市町村の役割と責任の在り方が時代が大きく変わってくる中でしっくりこないということをかなり感じています。交通の問題についても、国の責任、地方の責任を国においてしっかり考えていただく中で在り方を検討してもらいたいと。大糸線については、今の枠組みの中で検討していかざるを得ないという状況ですので、地元の皆さんと県も一緒になって議論を深めていきたいと思います。
信濃毎日新聞 小山 氏
国の再構築協議会の枠組みを利用されずに、県の方で主導というか事務局になって新しい組織でやっていくというのは、今知事がおっしゃったような問題意識のもとにあるのですか。国の再構築協議会はどちらかというと廃線含みのような性格の制度だと思うのですが。
長野県知事 阿部守一
今回は廃止・存続、どちらかの結論ありきではない議論の場だと受け止めています。地域の皆さんの思いも含めて、今後どうしていくのかをしっかり議論する場としていくことが重要だと思っています。
信濃毎日新聞 河田 氏
ガソリンの部分ですけれども、県として状況の把握と対応の検討を急ぐということでしたが、全国知事会の会長の立場として、国に対して何か協議する場を持つですとか、知事会として考えている対応は現時点で何かありますでしょうか。
長野県知事 阿部守一
今の段階で具体的にはありませんけれども、先ほど申し上げたようになかなか各地域レベルで対応するにはかなり大きな変化が見込まれますので、状況を踏まえて必要に応じて対応は考えていきたいと思います。
信濃毎日新聞 河田 氏
別件で公立高校の志願倍率についてお尋ねします。いわゆる後期日程一般入試の倍率が過去20年でいうと最低となりまして、私学(私立高校)の無償化が要因として考えられるのかと思いますが、知事は要因ですとか、結果についてどう受け止めていらっしゃるか教えてください。
長野県知事 阿部守一
教育委員会の所管部分に私の感覚で答えるのは少しまずいかと思いますが、私からも教育委員会にお願いしていますし、教育委員会も一生懸命取り組んでいただいているのは、高校の特色化、魅力化です。子どもの数が減少していく中で、無償化うんぬんということだけではなく、子どもたちがどういう学びの場を必要としているのか、そしてこれからの社会がどうなっていくのかをしっかり見据えた上で、高校改革を進めていただきたいと思っています。文科省もかなり踏み込んだ高校の支援策を打ち出されていますし、昨年末のいわゆる教育の無償化に関連して、総務省から今まで高校に対する財政支援策はほとんどなかったのですが、起債と(地方)交付税を組み合わせた対応も行っていただけるようになってきましたので、そうしたことも十分活用し、教育委員会としっかり連携をしながら、魅力ある特色のある県立高校づくりに私もしっかりコミットしていきたいと思います。
信濃毎日新聞 河田 氏
今おっしゃっていただいたように、国の方での財源の措置というのは知事会との折衝の中で踏み込んだものが出てきたかと思うのですが、今回のように受検生の動向がかなり急激に数字として大きく出てくるということですと、特色化というのもスピード感もだいぶ重要になってくるのかと思います。一方で、特色化で短期で奇をてらったことをやっても本末転倒になるかと思いますので、改めて財源措置とスピード感の面で今後どのように進めていくかというお考えをお聞かせください。
長野県知事 阿部守一
特色化というのは奇をてらうつもりは全くなく、子どもたち自身の学びたいものは何なのかということを前提に置きながら、子どもたちのニーズに合うような特色化、もっと言うと差別化というか、A高校とB高校と同じようなことではなく、それぞれ強みをしっかり持てるようにしていくことが必要だと思っています。人口減少もかなり急激になってきていますので、改革のスピード感は私も重要だと思います。教育委員会が各学校、そして地域の皆さんと一緒に議論をしながら進めているところですので、私からあまり過度なプレッシャーを与えるということは控えたいと思いますが、社会経済情勢の変化もしっかり踏まえた上で取組を進めていただきたいと思っています。どうもありがとうございました。
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