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更新日:2026年3月19日
長野県知事 阿部守一
それでは本日の会見を始めます。今日から県議会2月定例会が始まりました。当初予算案はじめ、多くの議案を提出していますので、十分御説明し、御議決いただくことができるように取り組んでいきたいと思っています。
長野県知事 阿部守一
今日は、私から3点お伝えしたいと思います。まず1点目は、(長野県)石油商業組合に対する業務改善命令の発出についてです。既に報道されているところですけれども、先日2月10日、長野県石油商業組合に対して、中小企業団体の組織に関する法律に基づく業務改善命令を出しました。今回の業務改善命令は、公正取引委員会による排除措置命令等の後も県民の皆様への説明や信頼回復が十分図られているとは言い難いこと、また県による報告徴収の結果、組織として必要なガバナンスの確立、コンプライアンスの遵守、再発防止策について十分な対応が行われていないといったことから、同法に定める要件に該当すると判断して命令に至ったところです。この命令においては、公正取引委員会の排除措置命令に示された内容に真摯に対応すること、また今回の事態を重く受け止め、二度と同様の行為を繰り返すことがないよう、そうした団体となるよう、県民の皆様の信頼回復を図るため、組織の在り方の検討等を含む改善計画を策定すること、また、それらを会見等により公表して県民への説明責任を果たすことを求めるものです。石商に対しては、令和8年3月27日までに改善計画を提出いただくとともに、改善措置の実施が完了するまで、進捗状況を3か月ごとに報告するよう求めたところです。県民の皆様からの信頼回復に向けて命令の内容を重く受け止め、真摯に対応いただくことを強く期待しています。県としては、中小企業団体中央会と引き続き連携して、継続的に改善状況の確認・指導を行っていきます。
長野県知事 阿部守一
2点目ですが、畜産業の関係です。2月10日に松本食肉施設の閉鎖に伴って様々な懸念をお持ちの生産者の皆様と意見交換を行いました。松本会場はウェブでつないでですが、長野・松本合わせて45人の生産者の方々にお集まりいただき、畜産業の持続的な発展に向けた支援策を御説明させていただくとともに、率直な御意見をいただきました。掛かり増し経費の支援期間の在り方であったり、畜産関係の人材育成であったり、今回のことに関連して畜産業がしっかり発展していく上で、重要な様々な御指摘・御意見を頂戴しました。生産者の皆様の声をしっかり受け止め、今後の検討・取組に生かしていきたいと思っています。今年度の1月補正予算で措置した内容に加えて当初予算案で提案している支援策については、議会でお認めいただければ、速やかに実行に移していきたいと思っています。また、掛かり増し経費への対応、北信の食肉施設の体制整備への支援等については、今後検討を重ねた上で対応していきたいと考えています。生産者の皆様が希望を持って畜産経営を行っていただくことができるように、引き続き県として取り組んでいきます。
長野県知事 阿部守一
3点目ですが、今、冬季オリンピックが開催中です。本県野沢温泉村出身の丸山希選手がスキージャンプ女子個人ノーマルヒル、混合団体の2種目で見事に二つの銅メダルを獲得されたこと、大変喜ばしくお祝いを申し上げたいと思います。長野県も冬季オリンピック・パラリンピックを開催した地域として、非常に県民の皆さんの関心も高いと思っています。丸山選手のノーマルヒルの銅メダルは日本選手団におけるメダル獲得第1号ということで、日本代表選手にも良い勢いをもたらすものになったのではないかと思っています。今後さらにラージヒルへの出場も予定されていますので、素晴らしい結果を出していただくことを期待しています。そのほかにも、本県の選手が活躍しています。今季限りでの引退を表明されているスキーノルディック複合個人ノーマルヒル6大会連続出場の渡部暁斗選手が11位ということで大変健闘されました。長年世界の強豪と第一線で戦ってこられたことに心から敬意を表したいと思います。個人ラージヒル、団体ラージヒルでの御活躍も期待しています。また、スピードスケートでは初出場の山田梨央選手が女子1000メートルで見事7位入賞を果たされました。来週の500メートルでも素晴らしいスケーティングを期待したいと思います。まだまだたくさんの競技が続きますので、ぜひ県民の皆さんと一緒に長野県関係選手、日本選手の活躍を応援していきたいと思っています。私からは以上です。よろしくお願いします。
市民タイムス 萩原 氏
議案説明の関係で2点ほど伺いたいのですが、まず信大医学部との連携協定の関係で、知事4期目、医療はかなり力を入れて重点的にやっていらっしゃるとは思っているのですが、改めて信大医学部との地域医療に関する連携協定の目的と意義と期待するところ、スケジュール的なものも含めてお伺いできますか。
長野県知事 阿部守一
信州大学医学部は、長野県における医師養成の核となる施設ですし、様々な医療機関との連携の中で長野県の医療人材を支えていただいています。加えて信州大学医学部附属病院は、長野県の高度医療を支える大きな拠点でもありますので、そういう意味では長野県の医療を安全で持続可能なものにしていく上では、信州大学医学部あるいは附属病院をしっかり支え、連携していくことが極めて重要だと思っています。医学部と協定を結ぶことによって、より県全体を見据えた安定的な医師の配置、適正配置を目指していきたいと思いますし、また今回、信州大学医学部附属病院に対する支援も県として行っていくことによって、長野県の高度医療を一緒に支えていきたいと思っています。
市民タイムス 萩原 氏
スケジュール的なものはもう決まっていますか?
長野県知事 阿部守一
まだ具体的な日程は決まっていないと思います。
市民タイムス 萩原 氏
もう1点、海外展開の多角化と国際連携の推進のところで具体的にカナダとか、インドとか国名を挙げていらっしゃいましたけれど、なぜカナダ、インドか、あと期待するところもお願いします。
長野県知事 阿部守一
営業局中心に副知事もカナダへ行って、非常にこれからの可能性が高い地域だと判断しています。もとよりアメリカも含めて北米市場全体が重要ですけれども、カナダ市場に向けてもしっかり長野県の強み、良さを発信していきたいと思います。またインドはモディ首相が来日された時に、私も含めて複数の知事が懇談していますが、産業面においてはインドはこれから非常に重要な国だと考えています。長野県は製造業を中心に発展してきた県ですので、インドとの関係性をしっかり視野に入れて産業の振興を図っていきたいと思っています。
長野日報 林 氏
2点お伺いします。1点目、私も議案説明の関係でお伺いします。最後の方に県民参加型予算の話がありまして、新たに来年度から「県民参加による提案・投票制度(仮称)」を創設するというお話がありました。こちらの制度についてですが、改めてこれを行う狙いと、どのような効果を期待するかを教えてください。
長野県知事 阿部守一
これまでも県民参加型予算を行って、県民の皆様に長野県の予算決定プロセスにできるだけ関わっていただこうということで取り組んできました。いろいろ良い面と、まだ改善しなければいけない両面がありましたので、そうしたことを踏まえて今回新しい仕組みを作っていこうというものです。提案説明でも申し上げたように、県民の皆様方から事業提案をいただいて、それを投票で評価していただくような仕組みを作っていきたいと思っています。具体的なやり方は今検討中ですが、具体的な予算にその結果を踏まえて反映させていくことによって、県民の皆様に自分が提案した事業、自分が支持する施策が具体的に県の予算の中に反映されるということを実感いただけるようにしていきたいと、そのことを通じて、県政に対する関心を高めていきたいと思っています。
長野日報 林 氏
今の関係ですけれども、イメージとしては何かコンペみたいなものを想像すればわかりやすいでしょうか。
長野県知事 阿部守一
具体的な仕組みは今検討中ですが、県民の皆様に例えばA事業、B事業、C事業みたいなのがあれば、こういう事業はぜひ進めてほしいといったようなことを意思表示いただけるような仕組みを考えていきたいと思います。
長野日報 林 氏
もう1点、別件になりまして、先ほどお話がありました10日の畜産の関係の話です。10日の意見交換の際に知事の方で他県との食肉処理施設の在り方についてお話がありましたけれど、その件について改めて今のお考えをお聞かせください。
長野県知事 阿部守一
今回、松本の食肉処理施設については、JAグループ中心に他の場所における稼働・新設を含めて検討されてきたわけですが、行政から相当程度補助金等を出したとしても、なかなか経営が成り立たないということで断念という形になりました。今、食肉処理施設の在り方が全国で検討されている経過があるわけですが、例えば資材の高騰等で思うように進んでいない所が多いと承知しています。10日の場でも申し上げましたが、県としても長野県内における畜産業の振興をどうするかをしっかり考えていかなければいけないと思っていますが、その一方で、食肉の流通の仕組みがなかなか全国的に見ても必ずしも円滑に回っていない部分があります。全国的に同様な視点の問題であるのではないかと思いますので、全国共通の課題と捉えて必要があれば他の県とも連携して今後の対応を考える、あるいは国に対して改善を求めていくということで取り組んでいきたいと思っています。
信濃毎日新聞 小山 氏
3点お伺いします。最初は県会の冒頭の説明で細かいところで恐縮ですが、問題認識のところで「人口構造の急激な変化」という書き方をされていて、少子高齢化ですとか、人口減少とも似た表現だと思うのですが、若干ニュアンスが違うのかと思いまして、これまで知事の問題意識を繰り返し伺っていますが、人口構造の急激な変化に対応せねばならないという表現をした理由とか、あえて何かあれば伺えますか。
長野県知事 阿部守一
微妙な表現の違いに敏感に反応していただいてありがとうございます。一般的には人口減少への対応ということですが、今回予算の中では、例えば交通の話であるとか、医療の話であるとか、重点課題として入れていますが、医療を考えるときに単に人口が減るということだけではなくて、やはり若者が減って高齢者が増えることによって医療需要がだいぶ変わってきます。また交通の問題を考えるときにも、若い人たちが多ければ、一定程度、自家用車で移動してくださいということは言えますが、今、免許返納される方等もいる中で、人口減少という捉え方はもとより重要な視点ではありますが、それだけではなくて人口構造が大きく変わっているということも合わせてしっかり認識しなければいけないということで、人口減少ということも含めて人口構造という形で述べたところです。
信濃毎日新聞 小山 氏
衆院選の関係ですけれども投開票を終えまして、自民党が単独で3分の2議席を上回る316議席で圧勝しました。高市首相の解散の会見で、「私かそれ以外か」というような争点設定もされて大きな信任を得た格好かと思いますけれども、全国知事会長でもいらっしゃる阿部知事ですけれども政策の優先度ですとか、これからの国会運営について、何か注文・意見・要望等あればお聞かせください。
長野県知事 阿部守一
まず、今回の総選挙で当選された皆さんに心からお祝いを申し上げたいと思いますし、ぜひ国民のため、日本のために全力で頑張っていただきたいと思います。今回の選挙が年明けの解散・総選挙という形になりましたので、地方行政で責任を担っている人間とすれば、国の来年度当初予算の早期成立を図っていただくことが必要だと思います。与党・野党問わず、いろいろな所で申し上げてきているように、地方公共団体、都道府県、市町村がかなり国民生活に身近な仕事を行っているわけですので、国の予算を早期に成立していただくことが、何よりも地方公共団体の仕事が円滑に進むということだけではなく、国民の皆様の暮らしをしっかり支えていく上でも非常に重要ですので、予算の早期成立を期待していますし、求めたいと思います。もう一つは、今回の選挙の中でかなり消費税減税の話が議論されました。御承知のとおり、消費税は地方消費税と国の消費税と二つに分かれていますし、国の消費税部分も地方交付税の貴重な財源になっています。約4割は地方財源という状況ですから、税財政の議論を国会で行うに当たっては、地方財政への影響、地方財源の安定的な確保も与党・野党問わずしっかり念頭に置いて検討を行っていただきたいと思っています。
信濃毎日新聞 小山 氏
最後にもう1点、今日の挨拶でも触れていらっしゃった石商への業務改善命令の関係ですけれども、これまでも対話といいますか報告書の提出を求めたり様々なさってきたと思いますけれども、事案の発覚から1年を迎えてなかなか信頼回復というところには結びついていない現状かと思うのですが、今回、法律の根拠がある命令ということですが、知事としての狙いと、本気度みたいなところを、改めてこれまでの対応と違いがあれば伺えますか。
長野県知事 阿部守一
本気度というか、法令に基づく措置なので気合を入れてとか、本気でやるとかという次元とは少し違って、法令の規定をしっかり踏まえて対応しなければいけないので、気合を入れながらやるというような話では必ずしもないわけですが、皆さんもお読みいただいたかと思いますが、今回業務改善命令の中でもこの命令を行う理由をかなり書かせていただいています。例えば「説明責任を果たし、信頼回復を行っているまでとは言えない。」ということであったり、またガバナンスの確立、コンプライアンスの遵守、再発防止といった「必要な対応が行われていないことが認められた」ので今回公正取引委員会からの排除措置命令が出されたということは、まず法令に違反しているということですし、今申し上げたようなガバナンスとかコンプライアンスの部分においては、県としては法令に基づく要件として組合の運営が著しく不当であると認められるという判断をした上で、今回の命令を発出したところです。そういう意味では法令違反、組合運営が著しく不当ということで、そうした実態を踏まえて命令をしましたので、組合側においては真摯に受け止めて対応いただきたいと考えています。
信濃毎日新聞 小山 氏
命令の場でも、高見澤理事長がその後の取材で改めて幹部が関与したのではないかという公取の指摘に対しては否定するような従来の態度と変わらなかったかと思いますけれども、そういった点については率直に知事はどういうふうに見ていらっしゃいますか。
長野県知事 阿部守一
今回の命令の中にも今申し上げたように「説明責任を果たし、信頼回復を行っているまでとは言えない。」という表現を入れていますが、多くの県民の皆様が強い関心というよりは、私が感じているのはかなりの方々が憤りを感じていると言っても言い過ぎではないのではないかと思いますが、そういう状況下にありますので、組合においては主体的に説明責任を果たしていっていただきたいと、切に願っているところです。
朝日新聞 志村 氏
県民参加型予算について先ほどまだ制度設計はこれからだということをおっしゃられたのですけれど、県民の参加意識を高めるという意味で非常に興味深い試みだと思うのですけれども、一方で住民投票の制度が元々地方自治法にはあるので、それとの兼ね合いとか、住民投票はかなり大掛かりなのでもう少しカジュアルなものを想定されているのか、何か知事のイメージというのを現時点で教えていただいてもいいでしょうか。
長野県知事 阿部守一
まさに今御質問をいただいたようにカジュアルという言い方がどうかはあれですけれども、住民投票になるとかなり厳格にやらなければいけない、非常に実施コストも掛かってしまう形になります。そういうところまでやるよりは、もう少し簡易な形で制度設計をしていきたいというのが県の思いです。提案説明で「県民の皆様からの事業提案を投票で評価し、その結果を予算案に反映してまいります。」という言い方をさせてもらっていますけれども、投票結果がそのまま結論になるということだと、例えば議会の意思決定を軽視するような形になりかねないので、やはりワンクッション置かざるを得ないと思いますし、ワンクッション置くということでいわゆる住民投票で意思決定をするというものとは、少し性格を変えていかざるを得ないと。多くの県民の皆様に参加意識を持っていただくということが重要ですので、例えば、長野県の場合は米軍基地も原発もない県ですけれども、地方にとって非常に重要なものの立地を住民の意思で決定しようというものとは、いささか異なるというか、だいぶ質が違うというものということで御理解いただければと思います。むしろどんな政策をやっていくかというときに、県民としてやっぱりこういうことをやってほしいということを県が把握して、県民の皆さんの意思を踏まえて知事である私が責任を持って予算の中に入れていくという形になろうかと思います。
朝日新聞 志村 氏
結果に何か拘束されるというよりは…。
長野県知事 阿部守一
例えば、すごく厳密な投票方法かつ投票結果イコール結論という形を取れば、それを結論にすることも可能だと思いますが、なかなかそこまで厳密な投票プロセスを取ると非常にコストも掛かりますし、これからどんな政策をやるかみたいなところに、そこまで厳密性を求めることは難しいと思っています。予算案の取りまとめ責任者が私ですので、ある意味、私の意思決定を県民の皆さんの思いを尊重しながらやっていくための一つのプロセスというような形に、厳密に言えば近いのかもしれないです。ただもとより、県民の皆様の意思表示の結果は公表していかなければいけないと思いますので、それと基本的には同じ方向で意思決定するのが原則だと思いますし、逆にそうでない結論を出すとすれば、やはり私が「こういうことで県民の皆さんの意見はこうだけれども、県の予算としてはこういうふうに対応したい」ということを説明して理解を求めると。そういう意味では、住民投票みたいな形で最終的に住民が意思決定の主体になってしまうと、住民自身が、県民自身が責任を取るという形になりますが、予算化する主体はあくまでも県が責任を持って行うという制度設計にしていく形になると思っています。
朝日新聞 志村 氏
手法についてはどうやってやるのかも興味深いのですけれども、例えばテレビのリモコンの赤・青を押すみたいなのが結構あるのですけれど、紙でやるとなると、かなりコストが掛かる話になると思いますが、その辺りはどういうイメージですか。
長野県知事 阿部守一
そこら辺のやり方をよく考えなければいけないですし、私はぜひこういうことをやっていく必要があると思いますが、なかなかやり方としては難しい部分があると思っています。例えば投票箱を決めて、しかも個人を全部特定して厳格な形でやるというところまでは至らないので、先ほどお話があるように厳格な意味での住民の皆さんの意思だけで決めるという形にはしづらいと思っています。
中日新聞 林 氏
食肉処理の関係で私も伺いたいのですが、先日の意見交換の中で畜産業の公益性の高さというところを知事が結構強調されたかと思うのですが、実際に終わった後に畜産家の方にお話を聞くと、知事の実際の生の声を聞けて少しこれまで不信感があったのだけれども、そこら辺が解消された部分もあると話をされていて、そこも大きかったのかなと思います。若手の方を中心にだと思いますが、現状中野にはありますけれど食肉処理場が中南信の方はなくなるという状況にこれからなるわけですが、輸送を遠くに続けるということ自体がおそらく不安を抱いていらっしゃる原因なのだろうと思います。実際の施設ができればそこでやれるということなので、向こう十数年、数十年は安心できるということになるわけですけれど、輸送してということになれば、阿部知事もいつまでも知事ではないですし、制度がいつ打ち切られるんだみたいなそういう不安もあってより不安なのかなと思います。そういう意味でも広域的な連携を図りたいというような話も一つ、畜産家の方にとっては前進として捉えられたのかと思うのですが、その辺り今後どういうふうに進めていくものなのか、中長期的な話になるかと思いますけれど、どういうふうに道筋をつけていきたいか、考えがあったらお伺いしたいのですが。
長野県知事 阿部守一
今回県が取りまとめた「畜産業の持続的な発展に向けた支援策」は、ある意味生産者の皆様にも御説明した県が責任を持ってコミットする内容ですので、しっかり県として進めていかなければいけないと思っています。その中で例えば、掛かり増し経費の問題であったり、ブランド化をどうするかというような課題は意見交換の時も御意見いただきましたけれども、生産者の皆さんと引き続き丁寧な対話をしながらどうするか決めていかなければいけないと思っていますので、この時点で松本の食肉処理施設が閉鎖されることに伴う支援策が全部固まったという状況ではないです。そういう意味では、引き続きJAグループはじめ関係の皆さんと一緒に考えていかなければいけないと思っています。今回、5年間を重点支援期間という形にしていますし、その間、30億円を超える規模で県としても支援をしていきますということも10日の意見交換の場でお話ししましたので、そこは知事が代わろうが代わるまいが、県の代表として私が発言し、農政部もイエスと思ってやっているので、そこはしっかり県組織としてコミットしていきたいと思っています。食肉処理施設をどうするかという部分については先ほども少し申し上げたように、全国的にかなり厳しい、新設・移転等の議論がある所はなかなか本県と同様、課題に直面している状況ですので、全国的な状況も把握しながら他の県との連携による対応、あるいは国に対しての要請を考えていきたいと思います。
中日新聞 林 氏
全国的にどこでも厳しいという話は、例えば県外に輸送して受け入れてくれた所がやはりそこも閉鎖になるという可能性を秘めたものだということで、そこも含めての不安なのかなと思うわけですけれども、知事会長だから、とかということではないのですけれども、各県で努力してもなかなかならないものはもう少し広域的にやらなければいけないんだみたいな、もう少し踏み込んだようなメッセージだったりというのを今後出そうとか、何かそういう考えというのはいかがですか。
長野県知事 阿部守一
メッセージというか、流通も含めてどういう形が望ましいのかということをもっと突き詰めて考えていかなければいけないのではないかと思います。10日の意見交換の時にも申し上げましたけれども、皆さんもお肉食べていますよね。例えば、東京に行けば相当高い値段で購入されている方とか提供されているレストランもたくさんありますが、そういう中で途中段階を支えている食肉処理施設が赤字になるというのは、本来誰かがどこかでちゃんと負担しなければいけないのではないかと。例えば、米の問題も生産・流通・消費に関わる皆さんが一緒になって議論していただいて、生産者、消費者双方が納得できるような価格形成を目指していきましょうということでこの間一緒に宣言をしましたが、いろいろな分野でそういう課題があるのではないかと。先日も労働局主催の政労使会議で、まだまだ価格転嫁が進んでいませんという話がありました。本来は最終消費者が負担するべきものが、途中で価格転嫁が行われていないといったようなことになっていると、サプライチェーン全体が回らないという形になります。同じように食肉の問題は、どういうところに根源的な課題があるのかということをしっかり考えていくことが必要になってきているのではないかと思いますので、そうした大きな観点も持ちながら引き続き県としては対応していきたいと思います。
中日新聞 林 氏
もう1点、衆議院選挙の結果を受けてというところですけれども、参議院選挙の後、全国的に多党化というところにすごく注目されてきたわけですが、今回の衆院選の結果としては自民党が圧倒的多数を取ってしまったという形になるわけですが、知事はこれまで様々な党に対して陳情だとかお願いであったりとかをされてきたかと思うのですが、これからの方針に影響を与えるものなのか、どういうふうに考えていらっしゃいますでしょうか。
長野県知事 阿部守一
国会が始まって新しい内閣ができて、大臣はほとんどそのままと報道もされているようではありますけれども、どういう国政運営のされ方をするのかということをよく見極めた上で、県としても対応を考えていくことが重要ではないかと思います。これまでも政府与党との関係性は、直接的に県に関連する政策意思決定権をかなり持っていますから当然重視してきていますが、その反面今お話があったように多党化の中で政府、あるいは与党だけではなくて他の政党に対しても知事会としての考え方をこれまでも伝えてきています。基本的には、そうした考え方は議員の数が変化するからガラッと変わるというような性格のものではないと思いますし、私としては国会における熟議を期待しています。確かに与党の勢力が大変大きくなったわけですけれども、多数決で決めていい問題ばかりでは多分ないと思います。マイノリティの人権問題みたいな話は、多くの人たちがこうだからこれでいいんだという話には多分ならないので、そういう課題も含めて国会の中ではしっかりとした議論を行って国の方向性を決めてもらいたいと思っています。そういう意味で知事会としてはこれからも様々な政党に対して、地方の声、現場の声をしっかり伝えていきたいと思います。
中日新聞 林 氏
小選挙区制というもの自体がそもそも多くの声をくみ取るという趣旨ではなくて、導入した時点でこういうふうな結果が出得るというのは織り込まれたことかと思うわけですけれども、一方で比例代表制も併用しているというのは、少数意見だったりとかもくみ取らなければいけないというメッセージかと思います。知事もこれまでもおっしゃっている分断を生まない社会を望みたいという話というのは、その辺りも踏まえなければいけないということだと思うのですが、先ほども質問がありましたけれど、改めて与党に対して、何でも再可決できてしまう状況にあるわけですけれども、求めていきたいことというのがありましたらお願いできればと思うのですが。
長野県知事 阿部守一
私も県知事としていろいろな権限と責任を持たされて仕事をしていますけれども、やはり声なき声とか、少数者の意見とか、光が当たらない部分に対してしっかり目を向けるとか、そうしたことを権限を持っている人は意識しなければいけないと思います。例えば地方の農山村の実態とかそういう所に暮らされている方の思いとか、今は人口比例で国会議員が選ばれていますので、大都市の人口集中が進むとどんどんそうした中山間地域を代表する国会議員の数が相対的に少なくなってしまっていますが、国会あるいは政府においては、そうした地域にお住まいの皆さんの悩みとか課題とかもしっかり目を向けて、要するに人口が多い人たち、多数派だけの思いとか声だけではなくて、少数の皆さんの課題や悩みにしっかり耳を傾け、日本全体が発展するように取り組んでいただきたいと切に願っています。どうもありがとうございました。
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