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更新日:2014年3月26日

知事会見(平成26年(2014年)3月26日(水曜日)11時20分~12時15分 会場:県庁)

項目

知事からの説明

  1. 部局長会議を開催、訪日教育旅行受入実績及び都道府県別外国人延べ宿泊日数について

取材者からの質問

  1. 4月1日付人事異動について
  2. 長野県リニア活用基本構想について(1)
  3. 「長野県の長寿力」出版記念パーティーについて
  4. 知事会見の開催回数について
  5. 上村愛子選手の引退について
  6. 山岳遭難防止対策について(1)
  7. 山岳遭難防止対策について(2)
  8. 長野県リニア活用基本構想について(2)
  9. 子どもを性被害等から守る専門委員会の報告書案について

本文

知事からの説明

 1 部局長会議を開催、訪日教育旅行受入実績及び都道府県別外国人延べ宿泊日数について

長野県知事 阿部守一

 それでは、ただいまから3月26日の会見を始めさせていただきます。
 まず、私の方から部局長会議の報告と、それから都道府県別外国人延べ宿泊者数等の統計がまとまりましたので、それについてお話をしたいと思います。
 まず、部局長会議でありますけれども、いくつか協議事項、報告事項がありました。まず、「リニア活用基本構想」についてであります。今日の部局長会議で、決定させていただきました。策定に当たりましては、関係する団体、あるいは沿線の自治体の皆さんのご意見を極力取り入れさせていただきました。県と地域で、一体となって取りまとめた構想と言えると思います。また、日本総研(日本総合研究所)の寺島実郎理事長からも、「リニアが長野県に与えるインパクト」と題する提言をいただいて、盛り込ませていただいております。基本構想自体は、リニアを見据えた地域振興の第一歩という形でありますが、これからこの構想の具体化を図っていかなければいけないと考えております。新年度、私を本部長とするリニア中央新幹線地域振興推進本部を設置する予定にしておりますし、また新しくリニア推進担当部長も配置して、これまでに比べると、かなり県としてこのリニア中央新幹線に対する体制を強化してまいります。今後とも市町村、地域の皆さんと考え方を共有しながら、一体となってリニアを契機とした地域の振興・活性化に取り組んでいきたいと考えています。それから、部局長会議のテーマとして、もう1点、いじめ防止等のための基本的な方針について決定を致しました。これは、いじめ防止対策推進法12条に基づくものでございます。策定に当たりましては、教育関係者、そして保護者の代表者、さらには有識者の皆さん、関係機関、団体代表等の皆さんにご参画をいただいて、いじめ防止基本方針策定会議を開催して、原案を作成致しました。パブリックコメントを経た上で、今日の部局長会議で決定をさせていただいたところであります。この方針、国のいじめ防止基本方針を参酌すると同時に、いじめを見逃さない長野県を目指す共同メッセージの趣旨でありますとか、24年度のいじめに関わる学校訪問で得られた学校の取り組み等、これまでのいじめ対策の取り組みを生かしたものでございます。いじめの未然防止、早期発見、適切な対応、こうしたことを柱と致しまして、子どもたちが安心して学習、その他の活動に取り組むことができるよう、学校・教育委員会の取り組みに加えて、家庭や地域の理解と協力、関係機関等との連携によりまして、県民全体でいじめ防止に取り組むという基本的な方向を示したものでございます。今後、学校、市町村、関係機関に、この方針をお示しして、学校や家庭、地域、その他の関係の皆さんが連携して、具体的かつ実効的ないじめ防止の取り組み、いじめ対策の取り組みを展開していくようにしていきたいと考えております。
 それから、統一広報テーマについて、26年4月から半年間の統一広報テーマについては、「信州の山 新世紀元年」ということに致しました。山に感謝し、守り育てながら生かしていく機運を高める機会として、「信州山の日」を今年度からスタートさせてまいります。こうしたことと併せてですね、美しい山々、そして世界水準の山岳高原観光地、さらには山の安全対策、こうしたものについて積極的に発信をしていきたいと考えています。各部局、それぞれの機関で、創意工夫を凝らしながら、信州の山の魅力をアピールしていきたいと思っております。先ほど、部局長会議でも申し上げましたように、少し戦略性を持って発信をしていこうと考えておりますので、ぜひ報道関係の皆さま方にはこの「山」の発信について、引き続きのご協力をいただければありがたいと思っております。
 それから、「世界水準の山岳高原観光地づくり構想」についてでございます。山岳高原研究会、清水愼一立教大学兼任講師から先般ご提言をいただいたところであります。今日報告事項として部局長会議に報告をされましたが、この提言の中では、目指す世界水準の姿ということで、4点お示しをいただいております。地域の本質的なものが独自の価値として商品やサービスで提供されていること、観光地づくりを進める上でマネジメント体制が構築されていること等が示されているわけでありますが、スイス等、われわれが学ぶべき世界的な観光地もありますが、単なるコピーではなくて、信州らしさをしっかりと追求すべきというご提言をいただいております。県内重点支援3地域、モデルとして取り組んでいきますので、ぜひ具体的な成果を挙げることができるように、頑張っていきたいと思っております。平成26年度におきましては、この提言を受けまして、重点支援3地域が行う、世界水準に向けたビジョンづくり、あるいは具体的な環境整備について進めていきたいと考えております。また、県全体としても、サイクリング、トレッキングを楽しみながら移動する新しい旅のスタイルとしての「NAGANOモビリティ」を構築する事業に着手してまいります。ぜひ口で言うだけでなく、本当に世界水準になったなと感じていただけるような観光地づくりに取り組んでいきたいと思っております。
 それから、山岳遭難の防止の関係でありますが、山岳遭難防止対策検討会から県に対しまして、提言をいただきました。昨年10月から節田座長をはじめ、関係の皆さま方にご議論いただいてきたわけでありますが、この検討会の提言を踏まえてですね、長野県としての山岳遭難防止対策に一層力を入れて取り組んでいきたいと考えております。検討会におきましては、山の専門家、救助の現場の皆さんから、さまざまご提言をいただいております。例えば、遭難箇所を明記したマップや山岳ルート別難易度の作成・周知といったことを通じて、リスクをリアルに感じさせる啓発が必要であること、また夏山常駐パトロール隊の巡視・指導の拡充等、登山者への直接指導を充実していくこと、さらには大都市での啓発、あるいは外国人の皆さま方への啓発等を重視すべきであること、こうしたことをご提言いただいております。また、登山者が多様化している中で、中高年の皆さん、あるいは外国人の皆さん、ファミリーの皆さん、初心者の増加ということもある中で、そうした変化にもしっかり対応していただくことが重要だと考えております。今回の検討の中で入山規制についても議論されたわけでありますけれども、規制の実効性、公平性の担保、必要でありますが、本県の場合、山域が広範囲、かつ、各地域で状況が異なるという中で、期間であるとか地域の設定がなかなか難しいのではないか、隣県の登山口からも入山が可能であるといったような課題があることから、現時点では難しいという結論でございました。しかしながら、登山のルールやマナーについてはしっかり周知すべきとされておりますので、登山届の提出等のルール、マナー、こうしたものについては、条例化をすることも含めて検討していきたいと考えております。平成26年度は「信州 山の日」を制定して、国内外に信州の山をさらに発信をしていく年でありますので、何といっても山の安全は大前提だと考えております。夏山シーズン、時間がもうないわけでありますけれども、早急に具体的な対策を取りまとめて、しっかりとしたアピール、そして取り組みを行っていきたいと考えております。
 それから、信州ブランド戦略について、行動計画編の策定がなされました。ブランド戦略に取り組んできているわけでありますけれども、今回、信州ブランド戦略の行動計画編を策定致しました。この行動計画編、大きく3つの視点で、品質向上、開発支援の「つくる」と、戦略的なマーケティング展開ということで「届ける」と、さらには発信力の強化ということで「伝える」と、こうしたことを行動計画として取りまとめていただいております。具体的には製品開発や販路開拓等を支援する組織で構成します「信州ブランド支援者会議」(仮称)でありますが、こうしたものを設置をしていきたいと思っておりますし、「おいしい信州ふーど(風土)」、これまでも進めてきておりますが、こうした「おいしい信州ふーど(風土)プロジェクト」等を通じて、物語性がある発信をしていきたいと思っております。また、原産地呼称管理制度等の品質保証制度の活用でありますとか、首都圏活動拠点「しあわせ信州シェアスペース(仮称)」の整備活用、このブランド戦略とシェアスペースを相互に連携させて取り組んでいきたいと思っております。さらには、伝える、発信ということで、東京オリンピック・パラリンピックに向けて、世界に向けた発信と、極力具体的な行動を起こしていきたいと考えております。部局長会議でも申し上げましたけれども、これは県だけ、あるいは関係者の一部だけが問題意識を共有しているだけでは、信州ブランドの構築はおぼつかないと考えておりますので、多くの企業、市町村、団体の皆さま方と一緒になって、信州ブランドの構築に取り組んでいきたいと考えております。今回の行動計画編の中でも、各市町村や企業が行っているブランド化への取り組み、そして、ブランドづくりに取り組む皆さんへのアドバイスといったようなことも記載をさせていただいております。地域の皆さんと一体となってブランドづくりを進めていきたいと考えております。部局長会議の関連は以上でございます。
 もう1点、訪日教育旅行と都道府県別の外国人延べ宿泊者数についてでございます。お手元の資料の訪日教育旅行の受入実績をまずご覧いただければと思います。平成25年度の訪日教育旅行の受入数でありますが、122団体、4457人という数値になっております。団体数は平成22年度107団体でありましたが、これを抜いて過去最多でございます。受入人数については、平成22年度に次いで過去2番目という多さでございます。国別にみますと、台湾からが78団体、3091人ということで、団体数、受入数とも過去最高となっております。これまで長野県としては国際青少年交流農村宣言を発出して、さまざまな国の青少年の皆さんと長野県との交流、そして多くの国々から長野県にお越しいただけるよう取り組みを進めてまいりました。また、海外の学校に対して、学校交流プログラムを積極的に提示して、ご希望に合わせるような形でのプログラム提供を行ってまいりました。さらには私も、台湾、そして中国を訪問させていただいて、学校も訪問する中で教育旅行の誘致に取り組んでまいりました。こうしたことの積み重ねの中で、こういう成果が出たということは大変うれしく思っております。これからも教育委員会、市町村と連携して、教育旅行の誘致に取り組んでいきたいと考えております。
 最後にもう1点、外国人の延べ宿泊者数関係でございます。お手元の資料「平成25年都道府県別外国人延べ宿泊者数」をご覧いただければと思います。3月7日に観光庁が発表致しました宿泊旅行統計調査におきまして、平成25年の長野県への外国人延べ宿泊者数は52万7430人ということでありました。対前年比182.9%ということで、おかげさまで全国一の伸び率となりました。平成24年と比較した増減数で、数で見ても東京、大阪、北海道、沖縄、京都に続いて全国6位の増加数でございます。国別に見ますと、立山黒部アルペンルートを観光する台湾の皆さん、そして、スノーリゾートを楽しむオーストラリアからの旅行者の皆さんが増加をしてきていると考えております。県のプロモーションに加えまして、県内の観光事業者の皆さんの熱意ある誘客活動、さまざまなお取り組みの成果がこうした数値に結びついてきていると考えております。今後は、台湾、オーストラリアに加えて、観光客の増加が著しい東南アジアの地域もターゲットに加えて、引き続き官民一体となって外国からの観光客の誘致に取り組んでいきたいと考えております。
 私の方からは以上でございます。よろしくお願い致します。

取材者からの質問

 1 4月1日付人事異動について

信濃毎日新聞 牛山健一 氏
 はじめに、先日発表になりました件の人事、特に幹部級の人事ですが、この任用の考え方についてお伺いします。組織再編というものもあったりですとか、中には目玉人事とこちらの方でも受け止められるような人事もございましたのでお伺いします。

長野県知事 阿部守一
 人事の考え方というのは、個別の人事は適材適所に意を用いて行ったということでありますが、全体として例えば女性の登用であるとか、市町村・民間との交流の促進であるとか、あるいは専門性等が必要な職種においては在任期間の長期化といったような方針を、これまでの方向付けをしっかり踏まえて、全体的な人事作業を行わせていただいたところであります。今回、組織改正があるわけでありますが、仕事の継続性ということにも配慮しつつ、他方で新しい視点で取り組んでいかなければいけない部門もありますので、そうしたことも総合的に勘案した上で適材適所の人事を心掛けたところでございます。

信濃毎日新聞 牛山健一 氏
 久々に、国土交通省、特に道路局から招くというのは、これはどういった意図といいますか、狙いがあるのでしょうか。

長野県知事 阿部守一
 今回、建設部長を国土交通省から人を頂くという形で対応するわけですけれども、とりわけ今、建設部が抱えている課題の中で、先ほども申し上げましたけれども、リニア関係の事業、あるいはリニア周辺地域に限らず県全体を見渡したときに、道路関係の事業、例えば中部横断道であるとか、三遠南信自動車道であるとか、あるいはこれは県としてしっかり進めなければいけない松糸道路であるとか、木曽川右岸道路とかですね、さまざま建設部が抱える事業がありますが、とりわけ道路事業についてはしっかりと進捗(しんちょく)をさせていかなければいけない事業が多くあるわけであります。そうした中での国との関連性、リニアであれば国家的なプロジェクトでございますし、あるいは全国的な幹線道路のネットワークについては、国においてしっかり進めてもらわなければならないわけであります。そういう意味で、これまで以上に国との関連性が建設部の事業で強くなるだろうとことも踏まえて、今回こういう形の人事にさせていただいたところであります。ぜひしっかりと成果の上がるような取り組みをしてもらうように期待をしているところであります。

信濃毎日新聞 牛山健一 氏
 国から招くという、人事交流という意味で活性化、人事の活性化というのもあるのでしょうけれども。県職員の中には、国からあまり多く招くというのはどうかということもあるのですが、そこら辺の考え方はどうなんでしょうか。

長野県知事 阿部守一
 行政・財政改革方針の中でも、多様な人材の活用ということをいっているわけでありまして、国からの人事に限らず外部からの任用であったりとか、民間との交流であったり、私は組織があまりに均一的、画一的になることは風通しの問題であったり、活力を削ぐと感じています。これは私もいろんな組織で仕事をしてきたわけでありますけれども、例えば霞ヶ関なんかもう少し風通しが良くした方がいいんじゃないかと感じることもありました。ずっと私が自治省、総務省の職員でいたときはあまり感じなかったですが、内閣府に任期付き職員で、違う立場で入ったときの感覚からすると、やっぱり役所のセクショナリズムは強いなと正直感じましたし、同質性、均一性というか、悪い意味での一体意識、仲間意識と、そういうことがあまりに過度に働くと国民目線、県民目線からは離れがちではないかと率直に感じたところであります。長野県、国からの職員は相対的に歴代少ない県だと思っておりますし、私自身国からの人事を固定化させる発想は全くないです。ただ、必要に応じて多様な人材を適材適所で生かしていくという観点も必要だろうと思いますので、そうした点については、県の職員にも、ぜひしっかりと理解をしてもらった上で、協力をしてもらいたいなと考えています。

 2 長野県リニア活用基本構想について(1)

信濃毎日新聞 牛山 健一 氏

 リニア関連で言えば、今日、活用基本構想が決まって、私が言うのも僭越(せんえつ)なんですが、なかなか力作だと思うのですが、一方で、環境アセスメントの手続きが進んでいるわけでして、昨日、全部の7都県の意見書が出そろって、長野県も訴えている中身が濃かったと思うのですが、環境保全協定というものを始め、どう今後JRに知事の意見を、知事意見どおりにやってもらうかということが大事になると思いますが、一つは、例えば環境保全協定とか長野県が独自に訴えていることをはじめ、他の都県との連携というのも重要になるんじゃないかなと思うのですが、改めて今後どのように実現に向けて取り組んでいくかをお聞かせください。

長野県知事 阿部守一
 他の都道府県とはこれまでも環境部が連携をとって進めてもらってきてますので、引き続き共通する視点とか課題もありますので、そこは共同歩調がとれるように取り組んでいきたいと思っています。

信濃毎日新聞 牛山健一 氏
 例えば静岡県の環境監視体制の構築ですとか、他県の意見にも長野県には無いような、参考にすべき意見もあったようにも、こちらとすれば思えるのですが、そういったものについてはどのように対応されますか。

長野県知事 阿部守一
 具体的にはどういう話ですか。

信濃毎日新聞 牛山健一 氏
 県が主導するんですけれども、地元地域の代表ですとか、専門家ですとかで環境の監視を継続的にする仕組みを作って、そこにJR東海も入ってもらいたいという意見なんですけれども。これは例えばですけれども。

長野県知事 阿部守一
 具体的に静岡県の意見がどういう中身かよく承知してないので、そのこと自体今直接コメントは差し控えたいと思いますけれども、共通してJRに求めていくべきものについては、しっかりと連携をしていきたいと思いますし、今回意見出しただけでは、これ事後的な対応も必要になってくるので、そういうところをやはり各県の取り組みも参考にしながら、われわれも生かせるようなところがあれば、それは取り入れて対応していく必要があるだろうと思います。

信濃毎日新聞 牛山健一 氏
 ちょっとすみません、話が前後していけなかったんですが、この環境保全協定なんですが、他の都県にも長野県のように一緒に呼び掛けるというかそういったお考えはないですか。

長野県知事 阿部守一
 一緒に呼び掛ける。

信濃毎日新聞 牛山健一 氏
 一緒に歩調を合わせてもらうっていうんですかね。共通する部分ていうのもあるんですが、この部分は厳密にはしてない部分だと思うんですが、他の都県にもやってもらえるように呼び掛けを。

長野県知事 阿部守一
 今は各都県の知事意見として出した段階なんで、どういう形でJRが意見を反映した形の評価書を作るかということにもよってくると思いますので、JRの対応を十分見極めつつ、他県とはしっかりと意思疎通を図りながら連携できるようにしておきたいと思います。

 3 「長野県の長寿力」出版記念パーティーについて

信濃毎日新聞 牛山健一 氏
 引き続きすみません。このところ知事の出版記念パーティ、政治資金パーティとして行われていますけれども、顔ぶれ見ますと会場でも出ていますけど幅広い各層、それから政治的にも自民党、民主党、公明党、それから、ちょっとこういっちゃなんですが予算案に反対されているような議員もいらっしゃったりして非常に幅広い層が集まっている感じを受けたんですが、このこと自体については知事はどのように受け止めてらっしゃいますか。

長野県知事 阿部守一
 今回は、「長野県の長寿力」という本を私が作ったことをきっかけに、その信州未来研究会の皆さんが、せっかくだから長野県の長寿力は長野県の強みでもあり、発信すべきものだからこういう形で、パーティ開いてはどうかということで開かせていただいています。政治家の皆さんだけではなくて、経済界の皆さん、いろんな医師会とか、歯科医師会とか、長寿力に関係する保健福祉関係の団体の皆さんとか、そういう皆さんが集っていただいて、ああいう形で会を開いていただいたということは、大変私としてはありがたいことだと思っています。会でも申し上げていますけど、仕事で知事として出掛けて行って話をするのとだいぶ違って、ああいう場はなんとなく普段とは違う意味で緊張するし、なんとなく居心地が、お尻がしっかり座らないなという感じはしますけれども、改めて県政進めていく上で大勢の皆さんに支えていただく中で、仕事をさせていただいているということを改めて実感をしております。そういう意味で先ほども各政党のお話もありましたけれども、今、知事として仕事をしていく上では、いろんな政党の皆さん、あるいはいろんな団体の皆さん、そうした皆さんにお願いをしたり、ご協力いただいたりする中で仕事を進めさせてきていただいておりますので、そういうことのある意味で多くの皆さんに支えていただいていることが、ああいうときに形として表れているのかなと、そういう感じです。本当に関係者の皆さんには敬意を表したいと思いますし、お越しいただいた皆さんには大変ありがたいなと思っています。

信濃毎日新聞 牛山健一 氏
 かつての長野県政で言われた言葉を引き出すとちょっとこれは怒られるかもしれませんが、なんとなくこう、総与党化というふうになんとなく向かっているようにも見えてですね、そういった場合、知事からすれば反対意見ですとか、少数意見だとか、そういったものについてというのがしっかりと、知事からすればそんなことは無いというふうにおっしゃるんでしょうけれども、しっかり尊重されるのかどうかということもちょっと、私とすると危惧を覚えるんですが。

長野県知事 阿部守一
 それはまず、全くそんなことは無いですね。私はやはり選挙で県民の皆さんから選んでいただいているわけでありますから、そういう意味では、県民の皆さん一人ひとりの思いや声ということを大切にしていかなければいけないということは、これは全く一貫して変わっていないと思っています。いろんな団体の皆さんとか、いろんな政党の皆さんには、私が政策を進めていく上で理解していただいたり、協力してもらったりしなければいけないことがあるわけでありますので、そういうときには当然私からいろんなお願いしたり、頭下げたりすることもあります。これは別に特定の人たちの利益のためではなくて、私自身が県民にとってどういう方向が望ましいのかということを考えた上で、それぞれ関係されている皆さんにお願いしていくということでありますから、そういう人たちの理解と協力なしに県政が進むということは、私は逆にあり得ないということを田中県政の副知事として嫌というほど経験しています。いくら正しいことを言っても、多くの皆さんの理解と協力が無ければ実行できないということが、田中県政の大きな教訓だと私は思っておりますので、そういう意味で常に初心を忘れず、そして弱い立場の方たちの思いに寄り添いながら、しかしながら多くの皆さんの協力をいただく中で、県政を進めていくということが必要だろうと思っています。

 4 知事会見の開催回数について

信濃毎日新聞 牛山健一 氏
 この記者会見なんですが、ちょっと調べてみました。知事の当選された2010年は半年ですのでちょっと置いといて、2011年、定例記者会見52回行われていて、本当週に1回のペースでした。翌年2012年は48回、ちょっと減りました。今年度は今日で43回とまたちょっと減りました。ちょっと私の数え方が誤っていたら申し訳ございませんが、大体こんなことには間違いないと思います。定例記者会見の他にも知事、日頃ぶら下がり等いろいろわれわれの取材にも応じていただいているところではありますけれども、知事のこのいろいろ活動が活発になる中で時間的なものもあるんでしょうが、定例記者会見年々減っていることについてどのようなお受け止めを持たれますか。

長野県知事 阿部守一
 減っているという問題意識は、率直に言って、今聞くまでまったく持ってなかったですけど、何で減っているのかな。別に、減らそうと思って減らしているわけではないので、日程的な関係なのかな。例えば、リニアの話にしてもいろんな話にしても、私の知事室の前であったり、あるいは東京にいろいろな要請にいったときも毎回必ず、ご要請があればお話をさせていただいているんで、意識的に減らしているわけではまったくないと。多分、それは日程の問題とかいろいろな問題でそうなっているんだろうと思いますし、これからもしっかり、こういう形で、まあ毎回、私の話が長いって若干言われることもありますけれども、できるだけですね、積極的に皆さんのご質問には対応していきたいと思っています。

 5 上村愛子選手の引退について

信濃毎日新聞社 牛山健一 氏
 あと、すみません、最後です。急に飛び込んだニュースで、ぜひともお伺いしたいんですが、上村選手が現役引退をするということが、1日に会見をすると。

長野県知事 阿部守一
 上村愛子選手。

信濃毎日新聞社 牛山健一 氏
 ええ。上村愛子選手。一言頂戴したいと思います。

長野県知事 阿部守一
 今回も私どもとして、彼女のご功績、表彰させていただこうと思っています。これはもう、引退されるされないにかかわらず、でありますけれども、本当にオリンピック、長い間出場して、そしてずっと入賞し続けたということは、人には言えない大変な努力の成果であろうと思います。ぜひ、私どもとすれば、長野県、そして日本のウィンタースポーツをですね、これからもしっかり牽引(けんいん)をしていっていただきたいなと、そういう期待を持ちながら、これまでのご活躍に心から敬意と、そして感謝、御礼申し上げたいなと思います。

信濃毎日新聞社 牛山健一 氏
 
知事はじめ、県職員の皆さん、ありがとうございました。

 6 山岳遭難防止対策について(1)

日本放送協会(NHK) 清木まりあ 氏
 山岳遭難対策についてお伺いしたんですけれども、先ほど、登山届についての条例化も視野にとおっしゃっていましたけれども、他県の例もある中で、今の段階で知事としてどのような方向性のものを考えていらっしゃるのか、お伺いさせてください。

長野県知事 阿部守一
 条例化も視野に入れて検討したいということで申し上げたんで、まだ、これとこれが条例だということで確定しているわけではありません。ただ長野県、やはり山を大切にして、山とこれからも共存していく県であるわけでありまして、そういう中で山の安全をどう確保するかということは、この山岳高原観光地づくりや山の日を通じた山の活性化と合わせて、大変重要な取り組みだと思っています。そういう意味で、条例化することも視野に入れつつ、具体化の方、検討していきたいということであります。

日本放送協会(NHK) 清木まりあ 氏
 他県では、地域とか期間を限定して登山届を提出するっていう具体的な例もありますけれども、そういったことではいかがでしょうか。

長野県知事 阿部守一
 条例の書きぶりとか、条例に何を規定するかって、それはいろいろなやり方があり得ると思います。まだ、これこれこういう条例をつくるというところで取りまとめているわけではありませんので。ただ、私とすれば、長野県やはり、山岳観光についてもそうですが、山の安全についてもやはり日本の中の牽引役にならねばいけないと思っておりますので、そういう視点で条例化することも念頭に置きながら、最初から、何というかもう少し弱いレベルのですね、ルールづくりということを目指すのではなくて、条例化することも視野に入れながら、どうすれば本当に安全を守れるかという視点で取り組んでいきたいと思っています。

日本放送協会(NHK) 清木まりあ 氏
 それは、夏山シーズン前には、ある程度方向性をとお考えでしょうか。

長野県知事 阿部守一
 これは条例化を仮にするとすれば、夏山シーズン前に間に合わせるというのは物理的に不可能だと思います。ただ、どういう考え方でどういう取り組みをするかというのは、まず、先ほど、部局長会議でも言いましたけれども、夏山シーズン間近ですから、そこまでに何をやるのか、その次のステップとしてどういうことをやるのかということを、しっかりですね、整理をしていきたいと思っています。

日本放送協会(NHK) 清木まりあ 氏
 ありがとうございました。

 7 山岳遭難防止対策について(2)

信濃毎日新聞社 古志野拓史 氏
 今の質問に関連して、去年、中央アルプスなんかで大量の遭難があって、それを契機に知事がいろいろ抜本対策を含めて検討すべしということで、昨日の報告に至ったと思うんですけど、今の登山届の条例化という話なんですけど、本来はこの検討会でそういうことも対象にして議論、若干あったのかも分からないですけれども、この概要にも登山届の提出の周知徹底という文言入ったりとかしていて、そこでそういう条例化という議論があったか詳細には記憶ないんですけど、今報告があって、入山規制が現状では難しいということがあって、ならば登山届の条例化を次の論点として今おっしゃるというのが、なんとなく順序感というのかどうなのかなと思って聞いていたんですけれども。

長野県知事 阿部守一
 いろんな見方があり得るかもしれませんけれども、私の感覚を申し上げれば、条例作る作らないというのは方法論ですよね。同じことをやるとしても条例でやった方が良いのか、その他の方法がいいのかというのは方法論であって、そこはわれわれ行政が責任を持って考えるべき話だろうと思います。いろいろな関係者のみなさんに、今山にとって何が必要なのか、何が問題なのかそういうことをしっかりと出していただいて、それをいわばテクニカルに条例にするべきものなのか、条例以外の対応で、例えば予算措置でこういうことを予算付けすればもっと充実できるのかとか、そういうところはわれわれ行政が考えるべき話だろうと思います。例えばどうしても条例でやらなければいけないものもありますが、そこは例えば登山届は今条例がない中でも出してくださいねと呼び掛けをしているわけでありますから、そういうことをやはり条例まで踏み込むべきなのかどうかというのは、われわれ責任をもって、しっかり判断していきたいと思います。

信濃毎日新聞 古志野拓史 氏
 そうすると検討会はいったん報告をもって区切りなんですけれど、今後また条例化の可能性ということも含めて検討するような組織というか、会議というようなことも。

長野県知事 阿部守一
 そんな考え方は今思っていないです。ここまでいろいろこういう対策とか、こういう取り組みが求められるつもりはないかとまとめていただいていますので、これを踏まえてわれわれとしてどう対応するかということだと思います。

信濃毎日新聞 古志野拓史 氏
 ちょっと確認といいますか、入山規制が見送られて当初知事は入山規制も排除せずに検討してほしいということで、ボールを投げて昨日報告があって入山規制は現状では難しいと、啓発とか直接指導を柱にやっていこうと報告だったんですけれども、今の知事の受け止めとか、次のステップを伺いますと、報告に物足りなさを感じていらっしゃるのかなと、踏み込みというか、テクニカルな検討も必要だというふうにおっしゃっているのか。

長野県知事 阿部守一
 私の感覚を率直に申し上げれば、この報告に踏み込み不足だということを感じているわけではないです。むしろこれを受けてわれわれ行政が責任を持ってどう対応するか、何をやりきるかということを、しっかりと示さなければ、せっかくご議論いただいても絵に描いた餅になってしまうということで、そういう趣旨で先ほどの部局長会議でも、具現化という話をさせてもらっているところであります。この報告の中身自体は、私は素直に受け止めさせていただきたいと思います。

 8 長野県リニア活用基本構想について(2)

信越放送(SBC) 湯本和寛 氏
 飯田に絡むリニアの質問が2点あるんですけれども、この間準備書に対する知事意見を出されましてベスト追求型というのを求めていられると思います。JR東海は準備書を出すに当たって、できるだけのことをしたという姿勢を示していて、今後手続き的には県の意見は出そろったということで、国から認可が出れば着工となりますけれども、仮に準備書から評価書に至る過程であまり中身に変化がなかったりした場合に、県として何か対応というのは現時点で考えておられますでしょうか。

長野県知事 阿部守一
 これは私は意見を言った立場でありますから、これは手続きに則ってJR東海に受け止めていただかなければいけない話ですし、山田社長にも直接私の思いをお話をさせていただきました。これは長野県は環境を大切にしている県であるということは、JR東海の皆さんには共有いただきたいとお話をさせていただいておりますから、そうしたことも踏まえて最大限受け止めて反映をしていただくということがまずは必要だろうと思いますし、そのことを強く期待をしたいと思います。

信越放送 湯本和寛 氏
 例えば抗口を減らすだとか、車両台数についても言及されていますけれども、その辺例えば数字に変化がなかったりとかですね、というときの具体的な対応とかそうしたものは現時点では。

長野県知事 阿部守一
 これはJR東海に私は意見を言った立場でありますし、意見を言った相手を信頼していなければそれはいけないだろうと思っています。そういう意味で、私どもの期待と信頼にまずはしっかり答えていただきたいというのが私の思いであります。

信越放送 湯本和寛 氏
 もう一点、今日このリニア活用基本構想というのを拝見したんですけれども、飯田にいて感じたのは、県庁がだいぶ遠いということで、飯田のみなさんはだいぶ不満というか、いろいろな面で南信に関心が向いていないのではないかと気持ちを持っていられる方が大勢います。逆にですね、飯田の方を見ていると、上伊那ですら、あまり飯田の、下伊那の方が関心持ってない面もありまして、広域の連携という面では、県内のそれぞれの地域がもうちょっとお互いに関心を持つっていうことも大切かなあと思ったんですけれども、その辺、何て言うんでしょう、こういう構想に生かしていく考えとかですね、方策というのはありますでしょうか。

長野県知事 阿部守一
 そうですね、県庁、飯田・下伊那からすると非常に距離的に遠いところがあるんで、なんとなくこれが心理的な遠さになってしまってはいけないなというのを、私も常に意識しながら取り組んでいます。今回の活用基本構想の中では、伊那谷交流圏、リニア3駅活用交流圏、本州中部広域交流圏、3つの交流圏、少しづつ規模が拡大している交流圏でありますけれども、こうしたこと意識して取り組んでいこうと。これ県が意識するだけじゃなくて、やはり地域の皆さんにも同じような視点で意識して取り組んでもらいたいと思ってます。そういう意味で、飯田・下伊那、県の地方事務所であっても、伊那の地方事務所と、それから下伊那の地方事務所と別れた管轄になっているわけでありますけれども、リニアを考えるときには、伊那谷全体、さらには木曽を含めてですね、一体となって取り組んでいくということが必要だと思いますし、そういう視点をわれわれ県もしっかり持たなければいけないと、そういう思いは、この構想の中にもですね、入れさせていただいているところであります。

 9 子どもを性被害等から守る専門委員会の報告書案について

読売新聞 安藤奈々 氏
 先日の会見でも出ている話で恐縮なのですが、子どもを性被害から守る専門委員会の報告書案がまとまったことについてなんですけれども、現時点で知事が子どもと性被害のことについて、どういった課題を感じてらっしゃるのかということを改めて今回お伺いしたいというのが一つと、まだ報告書案は知事のもとには渡ってはないとは思うんですけれども、全く報告書案と異なるような対応はできないかと思いますので、県の対応をどういうところを注視してやっていかれるか、また新年度入りますので、スケジュール感などについてもお考えをお聞かせください。

長野県知事 阿部守一
 そうですね、課題という言い方がいいのかどうかあれですけれども、長野県はこのいわゆる青少年健全育成条例を制定せずに取り組んできた県でありますし、そのことに対して、誇りと自信を持って取り組んでいらっしゃっている方もいらっしゃると、そういう中で、条例で一定の規制をするところまで踏み込むべきかどうかということについては、これまでの長野県の取り組みであるとか、あるいは、これからの県民運動の在り方とかですね、そうしたことも全体を考える中で方向付けをしていかなければいけないだろうなと思っています。何て言うか、狭い、もちろん深く掘り下げて検討するべき部分があるのと同時に長野県のこれまでの取り組み、あるいは、これからの取り組みの在り方をどうしていくかということを一体となって考えていかなければいけない部分だろう思っています。

読売新聞 安藤奈々 氏
 県民運動ももちろん大事な今までの取り組みかとは思うんですけれども、一番なのは子どもが被害に遭わないということ、そのためにどういうことができるかということや、実際被害に遭っても声を出せない子どもたちに対して、どういったことが県としてできるのかというのも大事な視点かと思うんですけれども、その点についてはどういうお考えですか。

長野県知事 阿部守一
 もちろんその通りだと思います。何て言うか、私どもがしっかり考えていかなければいけないことは、子どもたちをどうすれば、何と言うか、守っていくことができるのかと、大人の側の行動の在り方をどう評価するのか、そして子どもたちをどうすれば被害者になることなく守っていけるのかと、そうしたことを総体的にしっかり考えていかなければいけないと思います。そういう意味では、報道等で青少年健全育成条例を作りますか、作りませんか、みたいな感覚で、私は物事を見るつもりは全くないわけでありまして、少なくとも他の県が作っているような青少年健全育成条例、網羅的、包括的なものを作らないと言っているわけで、ただ、それだけにやはりうちの県の独自の視点で、どういうことをしっかりやっていかなければいけないかということは、かなり、他の県と同じです、他の県のを参考にしましたということだけでは済まされないと思いますんで、それだけにしっかりと私自身もですね、考えを深めていかなければいけないと思っています。

読売新聞 安藤奈々 氏
 報告案が出るまでは、ちょっとスケジュールとかについては、今コメントいただくのは難しいということでしょうかね。

長野県知事 阿部守一
 ごめんなさい。まだ内容は、前回の委員会である程度の方向性は出されていると思いますけれども、委員長取りまとめて、最終的にどういう中身でどういう形でご提言をいただくかということは、はっきりしていませんので、その前の段階で私が先走ってこうだということは適切ではないだろうと思います。

読売新聞 安藤奈々 氏
 ありがとうございました。

長野県知事 阿部守一
 どうもありがとうございました。

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