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更新日:2023年1月18日
環境保全研究所
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水・土壌環境部で行っている調査・研究や日常の出来事などの業務風景を掲載しています。 |
令和4年12月13日、諏訪湖の底質を採取しました。
諏訪湖の水質は改善傾向にありますが、湖沼環境保全に不可欠な底質環境の改善については、変化の実態についての調査例が少なく、不明な点が多くあります。そのため、水・土壌環境部では諏訪湖の底質環境の実態把握に取り組んでいます。令和4年度は、諏訪湖の底質の性質を把握するために、令和4年4月から12月まで毎月採取作業を行っています。
写真1は採取の様子です。職員が持っているのは柱状採泥器という道具で、湖底の底質を乱さずに採取できます。12月13日は小雨の降る中、船上での作業でしたので大変でした。
写真2は、諏訪湖上から見えた富士山の様子です(撮影日:令和4年11月8日)。12月13日は見通しが良くありませんでしたが、晴れているときは諏訪湖上から南東方向に富士山を見ることができます。
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写真1 底質の採取作業 | 写真2 諏訪湖上から見える富士山 |
令和3年11月12日、野尻湖内の水草のモニタリング調査を行いました。4月から11月まで毎月行っている沿岸域の調査に加えて、湖内の水草の繁茂状況を調査することが目的です。 野尻湖では昭和50年頃に、水草がたくさん繁茂していて船を動かしにくいという声が上がったことから、昭和53年に除草目的で5,000匹のソウギョが放流されました。ソウギョとは、東アジア原産のコイ科の魚で、水草を旺盛に摂食します。日本では、利根川水系のみで繁殖が確認されていますが、野尻湖では繁殖していません。野尻湖にソウギョが放流されてから3年後、水草帯が喪失し、さらにその数年後に赤潮が発生したことから、水草帯の喪失による湖内の生態系の単純化が、赤潮を引き起こしたと考えられています。 以後、水質の改善や、生物の生息場所の提供など生態系の多様化を助ける働きを担っている水草の復元を目指し、研究や対策が行われてきました。近年は湖で水草が確認されるようになり、増加傾向にあります。私たちは、湖内のソウギョの個体数が減少し、食圧が低下したことによって、水草が生育できるようになったのではないかと推定しています。 現在は、復元の途上にある水草の種類の同定や定量化を試みています。この日は図の①~③の3地点で調査を行いました。沿岸から湖心方向へ数十mおきに湖底の水草の繁茂状況をボートの上から水中カメラ等で記録し、水深、水温、透明度、pH及び電気伝導率を測定しました。 野尻湖の東側の湖底は急こう配になっており、沿岸に多く見られる水草も、沖に進むにつれて水深が深くなり、太陽の光が届かなくなると見られなくなります。写真2は地点①の岸から50mほど離れた位置の湖底の様子で、水深は10mほどです。 写真3は地点②の岸から湖心方向に10mほど離れた湖底の様子です。水深は5mほどで、クロモが多くみられました。 |
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写真1:水中カメラによる撮影の様子 |
図:野尻湖と調査地点 |
写真2:地点①の湖底の様子 |
写真3:地点②の湖底の様子 |
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