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更新日:2023年7月6日

環境保全研究所

水・土壌環境部の業務風景

水・土壌環境部で行っている調査・研究や日常の出来事などの業務風景を掲載しています。

 第30回野尻湖クリーンラリーが開催されました

 6月23日に野尻湖クリーンラリーが開催されました。
 これは、信濃町立信濃小中学校5年生の子どもたちに、野尻湖の水環境や身近な自然環境の大切さについて理解を深めてもらうために毎年開催されている環境学習会です。
 小中学校の先生や環境省、県、信濃町、野尻湖ナウマンゾウ博物館などが協力して開催しています。

 梅雨の時期ということもあり、天候が心配でしたが、なんとか雨天にならずに開催することができました。よかった!

 大型遊覧船による野尻湖での湖上学習の後、体育館に用意された7つのブースで展示学習を行いました。

 当部では、水生生物の展示や、プランクトンの顕微鏡観察を担当しました。
 水生生物は、当日の朝、近くの鳥居川で採取してきました。前日の雨で、川の水が少し増水していましたが、カジカやヘビトンボ、トビケラの幼虫など、いろんな水生生物が採れました。
 プランクトンは、湖上学習で実際に野尻湖から子どもたちが採取してきたものです。
 子どもたちは、水生生物やプランクトンなど、動く小さな生き物たちに興味津々の様子でした。

 その他には、外来魚であるブラックバスやブルーギルなどの展示、野尻湖に生息する水草の展示、水質検査を体験するブース、下水道、自然公園などの説明ブースがありました。

 子どもたちはみんなとても熱心に学習してくれて、聞いたことを一生懸命ノートに書きこんでいる姿が印象的でした。質問も活発で、私たちも楽しい時間を過ごすことができました。

 信濃小中学校の子どもたちにとって野尻湖はとても身近な存在だと思いますが、クリーンラリーを通して、さらに野尻湖の水環境・自然環境や生き物を大切にするきっかけになってくれたらうれしい限りです。

 なお、捕まえた水生生物は、学習会終了後に元いた鳥居川まで返しに行きました。
ありがとう川虫たち!

 子どもたちも、川虫も、みんな元気に大きくなりますように!

 

鳥居川 水生生物
写真1 鳥居川で水生生物を採取する様子 写真2 水生生物の展示
川虫 カジカ
写真3 水生昆虫 写真4 カジカ
顕微鏡 ミジンコ

写真5 プランクトンの観察

写真6 プランクトンの観察(卵を持っているミジンコ)

 

 諏訪湖の底質を採取しました(令和4年12月13日)

 

 令和4年12月13日、諏訪湖の底質を採取しました。

 諏訪湖の水質は改善傾向にありますが、湖沼環境保全に不可欠な底質環境の改善については、変化の実態についての調査例が少なく、不明な点が多くあります。そのため、水・土壌環境部では諏訪湖の底質環境の実態把握に取り組んでいます。令和4年度は、諏訪湖の底質の性質を把握するために、令和4年4月から12月まで毎月採取作業を行っています。

 写真1は採取の様子です。職員が持っているのは柱状採泥器という道具で、湖底の底質を乱さずに採取できます。12月13日は小雨の降る中、船上での作業でしたので大変でした。
 写真2は、諏訪湖上から見えた富士山の様子です(撮影日:令和4年11月8日)。12月13日は見通しが良くありませんでしたが、晴れているときは諏訪湖上から南東方向に富士山を見ることができます。

 

底質採取 富士山
写真1 底質の採取作業 写真2 諏訪湖上から見える富士山

 野尻湖の水草調査を実施しました(令和3年12月14日)

 令和3年11月12日、野尻湖内の水草のモニタリング調査を行いました。4月から11月まで毎月行っている沿岸域の調査に加えて、湖内の水草の繁茂状況を調査することが目的です。

 野尻湖では昭和50年頃に、水草がたくさん繁茂していて船を動かしにくいという声が上がったことから、昭和53年に除草目的で5,000匹のソウギョが放流されました。ソウギョとは、東アジア原産のコイ科の魚で、水草を旺盛に摂食します。日本では、利根川水系のみで繁殖が確認されていますが、野尻湖では繁殖していません。野尻湖にソウギョが放流されてから3年後、水草帯が喪失し、さらにその数年後に赤潮が発生したことから、水草帯の喪失による湖内の生態系の単純化が、赤潮を引き起こしたと考えられています。

 以後、水質の改善や、生物の生息場所の提供など生態系の多様化を助ける働きを担っている水草の復元を目指し、研究や対策が行われてきました。近年は湖で水草が確認されるようになり、増加傾向にあります。私たちは、湖内のソウギョの個体数が減少し、食圧が低下したことによって、水草が生育できるようになったのではないかと推定しています。

 現在は、復元の途上にある水草の種類の同定や定量化を試みています。この日は図の(1)~(3)の3地点で調査を行いました。沿岸から湖心方向へ数十mおきに湖底の水草の繁茂状況をボートの上から水中カメラ等で記録し、水深、水温、透明度、pH及び電気伝導率を測定しました。

 野尻湖の東側の湖底は急こう配になっており、沿岸に多く見られる水草も、沖に進むにつれて水深が深くなり、太陽の光が届かなくなると見られなくなります。写真2は地点(1)の岸から50mほど離れた位置の湖底の様子で、水深は10mほどです。

 写真3は地点(2)の岸から湖心方向に10mほど離れた湖底の様子です。水深は5mほどで、クロモが多くみられました。

写真1:水中カメラによる撮影の様子

図:野尻湖と調査地点

 

写真2:地点(1)の湖底の様子

 

写真3:地点(2)の湖底の様子

 

お問い合わせ

所属課室:長野県環境保全研究所 

長野県長野市大字安茂里字米村1978

電話番号:026-227-0354

ファックス番号:026-224-3415

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