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更新日:2017年6月1日

I 計画策定の背景

第3次長野県男女共同参画計画 (H23~H27)

  Ⅰ 計画策定の背景

1 男女共同参画推進の主な動き
2 長野県の取組
3 社会経済情勢の変化
4 県民意識の動向
5 第3次計画の策定に当たり重視する点
 
1 男女共同参画推進の主な動き
(1)国際的な動き
  国際連合は昭和50年(1975年)を「国際婦人年」として提唱し、史上初の世界女性会議を開催しました。そこで「世界行動計画」を採択し、昭和51 年(1976年)から昭和60年(1985年)までを「国連婦人の10年」と定めて、女性の人権の擁護と男女平等の実現のための国際的な行動を本格的に開始しました。
 昭和54年(1979年)には、国連総会において「女子に対するあらゆる形態の差別の撤廃に関する条約」(以下「女子差別撤廃条約」という。)が採択されました。
 この条約は、あらゆる分野における性による差別の禁止と差別撤廃に必要な法的措置を講じるとともに、法制度だけでなく、慣習や慣行等個人の意識も変革するよう求めています。
  昭和60年(1985年)には、「国連婦人の10年」を締めくくる世界女性会議がナイロビで開催されました。ここでは「西暦2000年に向けての婦人の地位向上のための将来戦略」(以下「ナイロビ将来戦略」という。)が採択され、各国が取り組むべき施策の指針が示されました。
 平成7年(1995年)、北京で世界女性会議が開催され、「女性の権利は人権である」とうたわれた「北京宣言」と、平成12年(2000年)に向けて取り組むべき12の重大問題領域と戦略目標を示した上で、平成8年(1996年)末までに各国が自国の行動計画を策定することを求めた「行動綱領」が採択されました。
  平成12年(2000年)には、国連特別総会「女性2000年会議」が国連本部で開催され、北京宣言及び行動綱領の更なる実施に向けて各国が今後取るべき行動などを盛り込んだ「成果文書」と「政治宣言」が採択され、男女共同参画の推進は、まさに国際的な大きな流れとなりました。
  その後、国連本部で開催された、平成17年(2005年)の第49回国連婦人の地位委員会(国連「北京+10」世界閣僚級会合)、平成22年(2010年)の、第54回国連婦人の地位委員会(「北京+15」記念会合)では、いずれも、「北京宣言及び行動綱領」及び「女性2000年会議成果文書」の実施状況を主要テーマに協議され、これらの内容を再確認し、完全実施に向けた一層の取組を国際社会に求める内容の宣言が採択されました。
 
(2)日本の動き
  日本では、昭和50年(1975年)、国際婦人年の第1回目の世界女性会議で採択された「世界行動計画」を国内施策に取り入れるため、女性の地位向上のための国内本部機構として「婦人問題企画推進本部」が総理府内に設置されました。また、昭和52年(1977年)には「国内行動計画」が策定され、向こう10年間の女性の地位向上のための目標が明らかにされました。
  その後、女子に対する差別を撤廃し、男女平等原則を具体化するための基本的かつ包括的な条約である「女子差別撤廃条約」の批准に向けて、「雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法律」(以下「男女雇用機会均等法」という。)の制定、家庭科の男女共修などの国内法等の整備を進められ、昭和60年(1985年)に条約が批准されました。
 また、昭和62年(1987年)には、ナイロビ将来戦略を受けた「西暦2000年に向けての新国内行動計画」が策定されました。
 平成6年(1994年)、全閣僚をメンバーとする「男女共同参画推進本部」(本部長:内閣総理大臣)と、総理府に「男女共同参画室」が設置されるとともに、内閣総理大臣の諮問機関として、「男女共同参画審議会」が設置され、国の推進体制が整備されました。
 平成8年(1996年)には、第4回世界女性会議(1995年)の「行動綱領」等を踏まえ、新たな行動計画である「男女共同参画2000年プラン」が策定されました。この計画では、平成12年度までに男女共同参画社会の実現に向けて取り組むべき施策の基本的方向と具体的な施策の内容が示されています。
 平成11年(1999年)、男女共同参画社会の実現に向けた取組を行う上での法的根拠となる「男女共同参画社会基本法」が制定されました。この基本法では、男女共同参画社会の形成を21世紀の最重要課題に位置づけ、その実現に向けての国・地方公共団体及び国民の責務と施策の基本となる事項等について明らかにしています。
  また、平成12年(2000年)には、この基本法に基づき「男女共同参画基本計画」が策定され、今後実施する施策の基本的方向や具体的施策の内容が示されました。
 平成13年(2001年)、中央省庁等改革により、これまでの総理府「男女共同参画室」、「男女共同参画審議会」が内閣府「男女共同参画局」、「男女共同参画会議」となり、推進体制が強化されました。
 平成17年(2005年)には、「男女共同参画基本計画(第2次)」が閣議決定されました。この計画には、特に重点的に取り組む事項として、平成32年(2020年)までに、社会のあらゆる分野において指導的地位に占める女性の割合が少なくとも30%程度になるよう期待し、各分野の取組を推進することや、女性の再チャレンジ支援策などが盛り込まれました。  
  「男女共同参画基本法」の施行から10年が経ち、一定の前進がみられると考えられますが、男女共同参画が十分に進まなかった面もあります。こうした状況を踏まえ、平成22年(2010年) 12月、「第3次男女共同参画基本計画」が閣議決定されました。この計画では、少子高齢化や経済社会のグローバル化等の社会経済情勢の変化等に対応して、「男性、子どもにとっての男女共同参画」など、15の重点分野が 掲げられました。また、実効性のあるアクション・プランとするため、それぞれの重点分野に「成果目標」が設定されました。
 
最近の関係法制度の整備

 ○平成18年(2006年)
   「男女雇用機会均等法」が、働く女性の母性尊重と、その雇用環境を整備するた   
  め、性別による差別禁止の範囲の拡大、妊娠等を理由とする不利益取扱いの禁止
  などの内容で改正されました。(平成19年4月1日施行)

 ○平成19年(2007年) 
   「配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護に関する法律」(「DV防止法」)が、  
  保護命令申立の対象に脅迫を加えたり、電話等の禁止命令及び被害者の親族等 
  への接近禁止命令の新設や、市町村の役割を強化するなどの内容で改正されまし
  た。(平成20年1月11日施行)

 ○平成20年(2008年) 
   「次世代育成支援対策推進法」が、従業員の仕事と子育ての両立を支援するた
  めの雇用環境整備等を定める「一般事業主行動計画」策定・届出義務の対象とな
  る企業の拡大等の内容で改正されました。(平成21年4月1日施行)

 ○平成21年(2009年)
   「子ども・若者育成支援推進法」が、教育、福祉、雇用等各関連分野における施
  策の総合的推進のための枠組みを整備し、社会生活を円滑に営む上での困難を
  有する子ども・若者への、心身の健康や職業的自立、修学などの支援を行うため
  の地域ネットワークづくりの推進を図るため、制定されました。(平成22年4月1日施
  行)
 
 ○平成21年(2009年) 
  「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」
  (「育児・介護休業法」)が、男性の育児参加促進、仕事と育児・介護の両立支援の
  ため、育児休業取得の要件緩和、育児・介護のための休暇の範囲拡大などの内容
  で改正されました。(平成22年6月30日施行)

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2 長野県の取組
(1)担当組織の変遷と拠点施設の設置
  国際婦人年に始まる国際的な動きと、国内での婦人問題企画推進本部の設置の動きを背景に、昭和52年(1977年)、男女共同参画を担当する組織として、社会部労政課へ「福祉婦人係」を設置しました。また同年、副知事を会長とし関係機関で構成する「長野県婦人問題協議会」を設置しました。福祉婦人係は、昭和55年(1980年)には「婦人係」になりました。
  昭和56 年(1981年)、社会部の青少年家庭課に「婦人室」を付置し、昭和59年(1984年)、婦人問題を総合的に推進する拠点として、岡谷市に全国で5番目となる「長野県婦人総合センター」を設置しました。
  平成4年(1992年)に、「長野県婦人問題協議会」、「婦人室」、「長野県婦人総合センター」を「長野県女性行政推進協議会」、「女性室」、「長野県女性総合センター」に名称変更しました。
  平成9年(1997年)、女性行政を専門に担当する課として、女性室を改組して「女性課」が設置されました。
  平成13年(2001年)、「長野県女性行政推進協議会」を改組し、知事を本部長とする「男女共同参画推進本部」を設置しました。また、「女性課」、「長野県女性総合センター」を「男女共同参画課」、「長野県男女共同参画センター」に名称変更しました。
  平成14年(2002年)、男女共同参画課は企画局(平成20年(2008年)から企画部)に移管されました。また、この年、議員提案による「長野県男女共同参画社会づくり条例」が制定され、男女共同参画センターは、男女共同参画の総合的拠点施設として位置づけられました。
  また、同条例に基づき、平成15年(2003年)に「男女共同参画審議会」、「男女共同参画推進指導委員」を設置しました。
  平成16年(2004年)、「男女共同参画課」と「人権尊重推進課」の統合により「ユマニテ・人間尊重課」を設置、平成18年(2006年)、組織改正により「人権・男女共同参画課」を設置し、現在に至っています。
 
(2)長野県男女共同参画推進県民会議の活動
  昭和53年(1978年)、婦人の地位と福祉の向上を目指した官民一体の推進団体として、関係する婦人団体、経営者団体、労働団体及び行政機関の36団体・機関からなる「長野県婦人問題県民会議」が発足しました。
 県民会議では、「婦人問題推進総集会」(現在の「男女共同参画フェスティバル」)や地域集会、部会活動、調査活動、県外女性との交流等を実施し、行政と一体となって地域における女性問題の解決の推進役として活動してきたほか、婦人総合センターの設置や行動計画の策定にも関わってきました。
  平成4年(1992年)には、名称を「長野県女性問題県民会議」と、平成13年(2001年)には、名称を「長野県男女共同参画推進県民会議」と改めました。
 平成22年(2010年)12月末現在、42団体1個人が加入し、男女共同参画社会の実現に向けた活動を行っています。
 
(3)長野県男女共同参画社会づくり条例の制定と計画の策定
  都道府県レベルで男女共同参画に関する条例の制定が進む中で、平成14年(2002年)長野県議会12月定例会において、議員提案による「長野県男女共同参画社会づくり条例」が全会一致で可決成立しました。
 県では、条例制定以前から、長野県における女性の現状と課題を分析し、課題解決のため、行動計画を策定し、様々な施策を実施してきました。

 ① 第1次「長野県婦人行動計画」(計画期間:昭和55~昭和60年度)
 昭和55年(1980年)、長野県における婦人の現状と課題を明らかにし、課題解決のための望ましい施策等の方向を示した「長野県婦人行動計画」を策定しました。
 この計画では、「よりよい社会づくりをめざして」を基本目標に、
 ◆婦人の地位向上のために
 ◆婦人の福祉向上のために
の2つを柱として、施策を展開しました。

 ② 第2次「新長野県婦人行動計画」(計画期間:昭和61~平成2年度)
 昭和61年(1986年)、婦人行動計画の成果を評価検討し、国の動向等を踏まえて、新たに婦人行政の施策の指針となる「新長野県婦人行動計画」を策定しました。
 この計画では、「よりよい社会づくりをめざして」を基本目標に、
 ◆社会参加の促進
 ◆男女平等教育の推進
 ◆労働環境の条件整備
 ◆生活の安定と健康の増進
の4つの柱と婦人対策推進体制の整備について施策を展開しました。

 ③ 第3次「さわやか信州女性プラン」(計画期間:平成3~平成7年度)   
 平成3年(1991年)、新長野県婦人行動計画の基本的な考え方を継承し、さらに発展させて男女共同参加型社会の形成をめざすため、「さわやか信州女性プラン」を策定しました。
 この計画では、「男女共同の活力あふれる社会の形成をめざして」を基本目標に、
 ◆男女平等観に立った教育の推進
 ◆男女平等を基本とした家庭の創造
 ◆あらゆる分野への社会参加の促進と国際交流の推進
 ◆多様な生き方を可能にする条件整備
 ◆健康の増進と福祉の充実
の5つを柱として、施策を展開しました。

 ④ 第4次「信州女性プラン21」(計画期間:平成8~平成12年度)
 平成8年(1996年)、さわやか信州女性プランの基本的な考え方をさらに発展させ、男女共同参画社会を形成していくために「信州女性プラン21」を策定しました。
 この計画では、「男女共同参画社会の形成」を基本目標に、
 ◆男女平等を進めるための意識づくり
 ◆男女が共に参画できる環境づくり
 ◆健やかで安心できる自立した生活づくり
の3つを柱として、女性問題解決のために必要な施策を総合的に推進しました。

 ⑤ 「パートナーシップながの21(長野県男女共同参画計画)」(計画期間:平成13~平成17年度)
 平成13年(2001年)、男女共同参画社会基本法の制定や4次にわたる女性行動計画の成果を踏まえ、男女共同参画社会の形成を促進するため「パートナーシップながの21(長野県男女共同参画計画)」を策定しました。
 そして、平成14年(2002年)に制定された長野県男女共同参画社会づくり条例との整合を図るために行った平成16年(2004年)の一部改正では、
 ◆リーダーの養成と活躍の支援
 ◆自治会・各種団体等における方針決定への女性参画の促進
 ◆多様な子育て支援の充実
 ◆男女間の暴力をなくすための取組の促進
の4つの重点目標と、男女共同参画の指標となる事項に関して、具体的な数値目標を設定し、透明性と客観性のある進行管理を行いました。

 ⑥ 「第2次長野県男女共同参画計画」(計画期間:平成18~平成22年度)  
 平成19年(2007年)3月、条例が制定されてから2度目の計画となる「第2次長野県男女共同参画計画」を策定しました。 

 
(4)第2次長野県男女共同参画計画と数値目標の達成状況
   第2次計画では、13からなる基本目標を定め、重点プロジェクトとして、
  Ⅰ 女性校長、女性教頭の登用
  Ⅱ 地域組織の意思決定への女性の参画
  Ⅲ 男女が共に働きやすい環境づくり
 を掲げ、具体的な数値目標を設けて、施策の総合的・計画的な推進を図ってきました。
 目標値の7項目について、 進捗状況(推進状況一覧へ)をみると、公立小・中・高等学校における校長、教頭の女性比率は、平成21年(2009年)5月現在、小学校15.5%(全国第31位)、中学校5.0%(同31位)、高等学校4.1%(同32位)で、いずれも全国中位(16位~32位)となりましたが、平成22年(2010年)5月現在では、小学校16.1%(全国第32位)、中学校3.8%(同38位)、高等学校4.6%(同36位)で、中・高等学校で目標を下回っています。
 県の審議会等における女性委員の割合は、計画策定当初の割合は上回りましたが、目標50%に対して平成22年(2010年)4月現在27.1%にとどまっています。女性委員のいない審議会も10ある状況で、女性委員がいない理由としては、専門家が少ないことがあげられています。
 市における男女共同参画条例の制定については、着実に条例制定の流れは進んでいて、平成23年(2011年)1月現在では19市中17市で制定されています。また、残り2市でも制定に向けた検討が進められています。
 市町村における男女共同参画計画の策定については、平成22年(2010年)4月現在、策定の割合は市で100%、町で70%、村で37%となっていて、規模の小さい村での取組が進んでいない状況です。
 期待値の9項目について、進捗状況をみると、平成22年(2010年)4月現在、自治会長、公民館長、公立小・中学校PTA会長の女性の割合はそれぞれ1.0%、6.8%、2.2%で、平成32年(2020年)までに30%とするとの目標値に対して、低い水準となっているのが現状です。特に自治会長の比率が低い状況となっています。
 これは、固定的な性別役割分担意識が地域社会にまだ残っていること、女性自身にも責任ある役職につくことを避けようとする傾向があること等が原因として考えられます。
 議会議員の女性の割合は、平成22年(2010年)4月現在、県議会は20.0%、市町村議会は12.9%となっています。全国との比較(平成21年12月現在)では、県議会は20.0%で全国1位(全国平均は8.1%)、市町村議会は13.1%で全国8位(全国平均は11.1%)となっています。
 複数の農業委員がいる市町村数は、平成22年(2010年)9月現在、77市町村中60市町村で、目標は達成していませんが、女性の農業委員の比率は11.0%で全国1位となっています。
 ポジティブ・アクション(積極的改善措置)に取り組む企業の割合は平成22年(2010年)4月現在45.0%で、目標を達成しました。
 男性労働者の育児休業給付受給者数は、目標の140人に対して平成21年度、18人と低い水準にとどまっています。県の調査では、男性が育児休業制度を利用したいと思わない理由で最も多かったのは、「制度を利用すると同僚に迷惑がかかる」の22.6%で、職場環境などにより制度を活用できない状況がみられます。
 病児保育については、平成22年(2010年)4月現在、7市で実施され目標を達成しましたが、病後児保育(県の補助事業)を実施している市町村は12で、看護師等の設置等実施要件に満たないため、県の補助対象とはなっていない病後児保育を実施している市町の7を含めても未達成の状況です。
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《用語解説》

 ※「ポジティブ・アクション」:積極的改善措置。男女が、社会の対等な構成員として、自らの意思によって社会のあらゆる分野における活動に参画する機会に係る男女間の格差を改善するため必要な範囲において、男女のいずれか一方に対し、当該機会を積極的に提供すること。
 積極的改善措置の例としては、県の審議会等委員への女性の登用のための目標設定や、女性県職員の管理職への登用推進等が実施されている。
 雇用の分野においては、「営業職に女性がほとんど配置されていない」、「管理職は男性が大半を占めている」などの差が男女労働者間に生じている場合に、それを解消しようと企業が行う自主的かつ積極的な取組のこと。

 
3 社会経済情勢の変化
(1)少子・高齢化の進行と人口減少社会の到来
  長野県の総人口は、平成13年(2001年)の約222万人をピークに減少に転じ、平成22年(2010年)には215万人となり、平成32年(2020年)には202万人となると見込まれています。平成16年(2004年)からは、死亡数が出生数を上回る状況が続き、人口減少は加速的に進行することが予想されます。
  また、少子高齢化の進行により労働力人口が減少したり、未婚、離婚の増加等による単身世帯やひとり親世帯の増加といった、家族構成の変化などもみられます。
  長野県の高齢化は、全国平均より高い水準で進んでおり、平成22年(2010年)4月1日毎月人口異動調査によると、初めて14歳以下の人口(年少人口)の割合(13.9%)が、75歳以上の人口の割合(14.1%)を下回りました。
 
(2)価値観・ライフスタイルの多様化    
  商品生産の形態が、これまでの大量生産から多様で付加価値型の商品・サービス開発へ変化し、賃金制度が年功序列型から能力主義や業績主義へ変化する中、個人の価値観やライフスタイルの多様化が進むとともに、結婚に対する意識の変化もみられるようになっています。モノの豊かさより心の豊かさを重視し、ゆとりを重視した創造的な生活や生活の質を大切にする意識などが高まって、一人ひとりが個性に応じた様々な生き方、働き方などを求めるようになってきました。
  このような状況の中で、男女がその個性と能力を十分に発揮し、社会全体の活力が向上することが期待されています。
  その一方で、職場・家庭・地域等への帰属意識の多様化等に伴い、地域社会における人間関係や住民相互のつながりの希薄化の傾向がみられます。
 
(3)経済の停滞
  日本経済は、リーマンショック以後の世界経済の急速な悪化から、海外の景気回復や経済対策の効果等を背景に、平成21年(2009年)春ごろから持ち直してきていますが、総体的には生産水準がリーマンショック前の水準まで戻っていない中、雇用環境は引き続き厳しい状況にあります。
  長野県内の雇用情勢は、ごく緩やかながら改善傾向にありますが、有効求人倍率はいまだ0.6倍程度と厳しい状況です。また、平成22年(2010年)8月以降の急速な円高や平成23年(2011年)3月に発生した東北地方太平洋沖地震が県内経済に及ぼす影響も懸念されています。 
   
(4)非正規労働者の増加と格差の拡大
  非正規労働者比率は平成2年(1990年)の20.2%から平成20年(2008年)の34.1%へと大きく上昇しました。その後、平成20年(2008年)後半からの世界的な経済危機の中で、非正規労働者は一時減少をみましたが、平成22年(2010年)には再び増加してきています。非正規労働者の増加は平均賃金の低下をもたらし、労働者全体の賃金格差拡大の原因となっていることから、経済的な問題を抱える女性も増えているものと考えられます。
 
 
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4 県民意識の動向
 平成21年度に県企画部人権・男女共同参画課が実施した「男女共同参画に関する県民意識調査」の主な結果は、次のとおりです。
 
(1)「男女共同参画社会」とはどのような社会か(グラフへ)
 「男女が責任を分かち合い、性別にかかわりなく個性と能力を発揮することができる社会」が74.2%、「男女ともに仕事と生活の調和がとれている社会」が73.6%、続いて「男女を取り巻く偏見や固定的な社会通念、慣習、しきたりなどが解消された社会」が56.2%となっています。
 
(2)各分野の男女平等感について(グラフへ)
 「平等」と回答した割合は、「学校教育の場」で62.3%、「法律や制度の上」で36.1%、「家庭生活」で21.0%、「地域社会」で20.9%、「職場」で19.1%、「政治の場」で12.7%、「社会通念・慣習・しきたり」で9.1%、「社会全体として」は、12.7%となっています。 特に、「社会通念・慣習・しきたり」や「政治の場」などの分野で男性の方が優遇されていると考える人が多く、依然として男女の地位の不平等感が根強く残っています。
 
(3)ライフスタイルの理想と現実について(グラフへ)
 「仕事優先」を希望する割合は2.0%にすぎませんが、現実には33.5%が「仕事優先」と回答しています。また、「仕事と家庭生活と地域・個人の生活をともに優先」を希望する割合が31.5%に対して現実には8.6%、「仕事と家庭生活をともに優先」を希望する割合が36.9%に対して現実には23.7%となっており、理想と現実に大きな乖離がみられます。
 
(4)男女が様々な活動に参加していくためには(グラフへ)
 「労働時間短縮や、男女ともに取得しやすい育児、介護、ボランティア等の休暇・休業制度を普及させる」が53.2%、「夫婦や家族間でのコミュニケーションをよくはかる」が47.2%、「官民ともに育児・介護に係る施設や家事・育児・介護に係るサービスを充実させる」が47.0%となっています。制度の普及やサービスの充実が求められています。
 
(5)県がカを入れていくべきことについて(グラフへ)
 「仕事と育児や介護を両立させるための支援策を充実する」が69.2%と最も多く、次いで、「様々な分野でのチャレンジする女性に対する支援を強化する」35.8%、「雇用機会や労働条件の男女平等について啓発を強化する」33.0%、「女性を政策決定の場へ積極的に登用する」32.0%、「しきたりや慣習を見直すための広報や啓発を充実する」31.4%となっています。
 仕事と育児・介護等の家庭生活やその他の活動とのバランスがとれるような環境整備や、男女の平等と相互の理解や協力に関する学習の充実の希望が高いことがうかがえます。
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5 第3次計画の策定に当たり改めて重視する点
 第3次計画を策定するに当たり、長野県でのこれまでの取組や2次計画の達成状況、また社会経済情勢の変化を踏まえ、次の点を重視しました。
 
(1)女性の活躍による経済社会の活性化
 長野県は、女性の有業率は高く、社会進出が進んでいるといえます。しかし、出産・育児期に相当する年齢層の女性の労働力率の落ち込みが見られ、この時期における女性の社会への参画は少ないといえます。
  総人口が減少に転じ、少子高齢化の進展により労働力人口が減少する中、女性がその能力を十分に発揮して経済社会に参画する機会を確保することや女性をはじめとする多様な人材の活躍を促進することは、多様な人材を確保し、新しい価値を創造して新たな商品やサービスを開発・提供することにつながり、経済社会の活性化にとって必要不可欠です。
 
(2)地域社会の活性化と男女共同参画の推進
 平成21年度に県企画部人権・男女共同参画課が実施した「男女共同参画に関する県民意識調査」によると、地域活動において、「自治会やPTAの会長は男性と決まっている」が43.6%となっており、固定的な性別役割分担も根強く残っていることがうかがえます。
  長野県における自治会長(区長)の女性割合は、全国に比べ低い水準となっており、地域における方針決定過程へ女性の参画が進んでいないといえます。また、防災分野においても固定的な性別分担意識の見直しや自主防災組織など防災分野における女性の参画が求められています。
  地域社会における人間関係の希薄化や単身世帯の増加等の家族形態の変化などが見られる中で、地域力を高めていくためには、女性も男性も誰もが出番と居場所のある地域社会を形成することが重要であり、また、人々に最も身近な地域において方針決定過程に女性が参画するなど様々な取組が必要となっています。
  また、女性が参画しやすいように、介護や子育て支援に男女が積極的に関わることも必要です。
 
(3)次世代育成と男女共同参画
 平成21年度に県企画部人権・男女共同参画課が実施した「男女共同参画に関する県民意識調査」によると、「男女共同参画社会」という言葉の認知度について、年代別でみると、20代、30代で低い傾向がみらます。こうしたことから、子どものころから男女共同参画に対する理解を促進するような取組や、家庭における身近な男女共同参画の実践を進める必要があるといえます。
  また、次代を担う子どもたちが健やかに生まれ育ち、幸せに暮らせるよう、医療体制の整備や児童を対象とした暴力防止に向けた環境整備など、安全で安心に暮らせる環境づくりを行い、社会全体で子どもたちを支えることが必要です。
 
(4)男性にとっての男女共同参画
 長野県の県内企業における平成21年(2009年)の平均月間総労働時間は、150.7時間(全国147.3時間)となっていますが、子育て世代である30代の男性のうちおよそ5人に1人が週60時間以上働いていて、家事や育児などの時間を確保しにくい状況にあります。
  長時間労働の見直しや、男性が育児・介護などに参画できる環境整備を推進し、男性の固定的性別役割分担の意識を変えていく必要があります。
 
(5)男女共同参画と「ワーク・ライフ・バランス、「子ども・子育て支援策」の密接な連携
  ワーク・ライフ・バランスの考え方は、年齢や性別、未婚、既婚を問わず、さらに、雇用者ばかりでなく、自営業、農林業など就業者すべての人にとって、多様なライフスタイルを実現するために必要です。
 男女共同参画社会の実現には、ワーク・ライフ・バランスを推進するための施策や子ども・子育て支援策と密接な連携を図りながら取組を進める必要があります。
 
 (6)男女間のあらゆる暴力の根絶
  暴力は重大な人権侵害であり、その対象の性別や当事者の間柄等を問わず許されるものではありません。中でも女性に対する暴力の根絶は、男女共同参画社会を実現していく上で克服すべき重要な課題です。 
  暴力を容認しない社会的認識の徹底を図るための啓発活動や若年層に対する学習の充実、防止対策、被害者支援など、男女間の暴力の様々な形態に応じて、暴力根絶のための幅広い取組を推進することが必要です。
 

《用語解説》

※「ワーク・ライフ・バランス」:「仕事と生活の調和」と訳される。仕事と家庭生活や地域活動などの「仕事以外の活動」とのバランスをとり、多様な働き方や生き方が選択できるようにすること。個人の生活の充実とともに、企業の生産性向上さらには社会・経済の活性化に寄与するといわれる。

 

お問い合わせ

県民文化部人権・男女共同参画課

電話番号:026-235-7106

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