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更新日:2020年1月29日

新年のあいさつ(令和2年1月6日)

  • 日時:令和2年1月6日(月曜日)10時00分~
  • 場所:特別会議室(部局長会議)

知事あいさつ

 皆さん明けましておめでとうございます。

 昨年1年間、県民の皆さんのためにそして長野県発展のために、それぞれの部局長の皆さん、そして県職員の皆さんには大変な尽力をいただきましたこと、心から感謝を申し上げたいと思います。

 また、昨年は台風19号災害であったり、あるいはCSFであったり、様々な危機管理事象もありましたけれども、皆さんの迅速な対応のおかげで県民の皆様方の御理解を、そこそこにいただける対応も行ってくることができたのではないかと思っています。

 改めて昨年1年間の皆さんの活躍に心から感謝申し上げたいと思います。

 年頭にあたって、私からは3点、私自身の抱負でもあり、県職員、県の幹部職員の皆さんへのお願いという思いも込めてお話をしたいと思います。

 今年は2020年という西暦年号の一桁が0にリセットされた年でもありますし、また十二支もねずみ年と私事ですが還暦ですので、我々行政としてももう1回、原点に立ち返りたいと思っています。

 行政としても原点に立ち返ることは、我々そもそも何のために存在しているのかを、是非それぞれの部局においてもしっかり考えてもらいたいと思います。

 私は、一つに行政経営理念のミッションに掲げていることに忠実にならなければいけないのではないかと思っています。そういう意味では県民の皆様の幸せの実現にどう貢献していくかが、重要だと思っています。

 台風19号災害があり、あるいは人口減少社会の中で、様々な課題に直面している皆さんがいらっしゃる状況です。

 台風19号災害から復旧、復興は年末年始をまたいでも引き続き、全力で取り組まなければいけない課題ではありますけれども、県民の皆様方の命を守る、災害や事故から防いでいくことが我々行政の基本だろうと思っています。

 そうした基本に是非まず立ち返ってもらいたいと思いますし、また市場原理だけではなくて、我々行政、ある意味公正性の原理であり、私としては、日の当たりにくい皆さんにも光を当てていくことを、心がけてきていますので、是非弱い立場の皆さんのことをしっかり考えて、目立つことだけやるのでなくて、地道だけれども本当に困っている人たちのために我々は何ができるかをしっかり考えるスタンスで、県政に取り組みたいと思っていますし、皆さんにも行政の基本に立ち返ってもらいたいと思います。

 2点目ですけれども、私も年末年始いろんな本を読みましたし、皆さんもいろいろ普段の仕事からは少し離れて、思い巡らせることも多かったのではないかと思います。

 今は人類の歴史の中でもかつてないほど急速に社会が変化している時代だと私自身は強く思っていますし、またいろんなところで申し上げてきていますけれども、長野県は地方行政の主体ではありますけれども、地方の出来事も常に世界の動き、世界との関係の中でとらえなければいけないことがたくさんあると思っています。

 そういう意味では、我々は長期的かつ、グローバルなビジョンを持って仕事をしてきているわけでありますので、今、行動を起こしたいと思っています。

 昨年、気候非常事態宣言を出させてもらいました。

 世界的な課題を我々長野県としても世界の一員として、突破をしていかなければいけないと思っています。

 これは、来年、再来年で結果が出せる話ではなくて、長期的な視点をもって、今取り組みを始めていかなければいけない課題だと思っています。

 気候変動の問題が一番分かりやすい、見えやすい課題ではありますけれども、恐らくほかの分野においても実は同じ。グローバルな視野を持って考えなければいけないという点、それから長期的なビジョンをしっかりもって取り組んでいかなければいけない点は実は共通しているのではないかと思っています。

 人口の問題も来年、再来年で、結果結論が出る話ではありません。あるいは、今やAIの時代、あるいは、5Gの時代を迎えようとしている中で、産業のあり方や暮らしのあり方も、来年再来年だけのことを考えて今取り組んでいるだけでは、恐らく県民の皆さんの期待に応えることはできないだろうと思います。

 長期的そして、グローバルなビジョンをもって今から行動を起こす。そういう姿勢で取り組んでいきたいと思っています。

 具体的にこれまでも我々取り組み始めてきていると思っています。先端技術の活用をしながらライフスタイルを変えていく、あるいは産業を転換していくことも大変重要なテーマになってきていると思いますし、私は中長期を見通した上で、何よりも重要だと思っているのは、学びだと思っています。

 個人の立場から言えば学び、社会的に言えば、教育あるいは人づくりであります。

 今の子どもたちが大人になる頃の社会を、100パーセント見通すことはできないと多くの人たちが言っていますし、私もそうだと思っています。

 そういう中で、かつて時代の変化が必ずしも早くなかった時の教育のあり方、人づくりのあり方を繰り返しているだけでは、20年後、30年後、50年後今の子どもたちは困ってしまうのではないかと思います。

 これから未来がどういう能力、スキルを身に付けてもらうことが重要なのかを、しっかり考えながら教育のあり方についても議論していくことが重要だと思っています。

 是非、中長期的な視点とグローバルな視点を各部局において、しっかり徹底をしていってもらいたいと思います。

 グローバルな観点でいけばもう一つ、SDGs未来都市ということで野県が取り組んでいます。

 これまでもSDGsの目標については、皆さんと共有して意識をしながら取り組んできていますけれども、2020年になったわけで、2030年の目標年次まで10年とあっという間ではないかなと思います。

 是非この17の目標とそれから169のターゲット、169のターゲットはあまり見る機会がないと思いますけれども、是非もう一回見直してもらって、SDGsの達成をしっかり念頭に置きながら取り組みを進めてもらいたいと思います。

 3点目は毎回いろんなところ申し上げてきていますけれども、目的と手段を取り違えないで、仕事をしていきたいなと思っています。

 社会がどんどん変化していきます。ですが我々が目指さなければいけない、達成しなければいけない目的は、そうそう変わるものではないと思っています。

 人が幸せに生きられるようにするには、どうすればいいのか。支え合い、助け合いが根付いた地域社会をつくるにはどうすればいいのか。手段はいろいろ変わると思いますけれども、幸せな社会をつくろうとか、人々が助け合う社会をつくろうとか、目指したい社会像は、年がら年中、変わるわけではないと思っています。

 総合計画の基本目標『確かな暮らしが営める美しい信州』も、前回の総合計画に引き継いで、まったく一言一句変えずに置かせてもらっています。是非、変わらぬ目標、変わらぬ目的をしっかり考えてもらいたいと思いますし、その一方で、手段については、社会がどんどん変わっていくので、その時々に合わせた手法、新たな取組にどんどんチャレンジしていってもらいたいと思っています。

 昨年の12月、アフガニスタンで活躍されて地域の皆さんに大変信頼をされていた中村哲さんがお亡くなりになられました。

 長野県も後援している「梅棹忠夫・山と探検文学賞」に、医師の中村さんが受賞された時、私も中村さんの本を送ってもらってサイン入りでとってあったのをもう一回、読み返させてもらいました。中村さんがずっとおっしゃっていた言葉の一つに「100の診療所より一本の用水路」というものがあります。中村さんは最初、ハンセン病の撲滅のような活動をされていたけれども、これでは地域を救うことができないんじゃないかという思いで、用水路をつくることに舵を切ったわけです。医師だけれどもかんがい施設を一生懸命作っていた。何が言いたいかというと、地域の皆さんが幸せに暮らせるように何が必要かを、中村さんは多分ずっと考えていたと思います。医師が土木作業をやること自体が私はすごい変革だと思いますけれども、置かれた目的は変えずに手段を変えた、そういう例ではないかなと思います。

 何となく、我々目先の仕事に追われると、手段のところに一生懸命力を入れて、ともすると目的はその先で忘れがちでありますけれども、もう一回、目的意識しっかりもってもらってその代わり手段は、常に臨機応援、その時最適な手法が何かを、是非考えてもらいたいと、そういう意味で、目的と手段を改めて意識をしてもらいたいなと思います。

 最初に言った点にも関係しますので、是非よろしくお願いいたします。

 もう一回繰り返しますけれども、原点に戻って行政の基本に立ち返りましょうというのが1点。そして、長期的でグローバルなビジョンをもって今行動をしましょうというのが2点目。そして3点目は、目的と手段を常に意識して取り組んでいきましょうと。2020年の年頭にあたっては、私自身こうしたスタンスで取り組んでいきたいと思っていますので、是非、県の幹部職員の皆さんはじめ、県職員の皆さんにもこうした考え方を共有していただいて、県民の皆様方の幸せのために、長野県の発展のために『確かな暮らしを営める美しい信州』の実現のために力を合わせていきたいと思いますのでよろしくお願いいたします。

 今年1年平穏な年であることを心から願っていますけれども、いついつどういうことが起きるかわかりません。常に県民の目線に立って全力を尽くしていきたいと思いますので、今年1年もどうかよろしくお願いいたします。

 私からは、以上です。

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