長野県食と農業農村振興計画 長野地域の発展方向
〜新たな農業ビジネスの創出による
活力ある善光寺平農業の構築と元気な農村づくり〜
| 1 地域の概要 |
(1) 現状と課題
長野地域は、長野県の北部に位置し、3市5町3村から構成され、その地形から農業地域は千曲川沿岸に開けた平坦な善光寺平地域と周辺の山間部地域の二つの地域に大別されます。気象条件は多様で、降水量は比較的少なく、北部丘陵地帯は豪雪地帯となっています。 農業の振興は、それぞれの地域の条件を活かしながら、園芸作物を中心に特色ある作目の導入を行い、消費者ニーズに対応した産地育成に努めています。
農業生産状況は果樹が最も多く、多品目が栽培されており、特にりんご、ぶどう、ももは栽培面積、生産量とも県下第一位を誇ります。農産物産出額は果樹ときのこで3分の2を占め、米・野菜・畜産・花きの順となっています。
全国ブランドである戸隠そば、おやきを始め、おしぼりうどんなど「ふるさとの味」を活かした地域おこしへの取り組みが各地で見られ、観光と連携した農業の展開や地域をリードする意欲ある農業者の育成と安全で安心な農畜産物の生産供給が図られています。
しかしながら、近年は主要品目である果樹及びきのこ類の価格低迷等による農産物産出額の減少、中山間地域を中心に農家の高齢化や担い手の減少に伴う遊休農地の増加・農村集落の活力低下等が課題となっています。また、消費者の食の安全・安心、環境、食育に対する意識も高まっており、市町村、農業団体などにおいても新たな取組みが各地で見られています。これらの課題に対応するため、担い手の育成、地産地消への取組、環境にやさしい農業の推進、農村の持つ多面的機能の維持、農作業体験学習の推進や農家の所得向上を目指す新たな農業農村ビジネスの創出など幅広い取組みが必要となっています。
(2) 地域の姿
| 項目 | H12年 | H17年 (基準年) |
H17/H12(%) | ||
| 総農家戸数(戸) | 28,242 | 26,695 | 94.5 | ||
| 販売農家数(戸) | 16,941 | 14,377 | 84.9 | ||
| 主業農家(戸) | 3,300 | 2,799 | 84.8 | ||
| 65歳以上の農業就業人口割合(%) | 59.9 | 67.1 | +7.2の増 | ||
| 耕地面積(ha) | 19,050 | 18,200 | 95.5 | ||
| 1戸当たり耕地面積(a) | 67 | 68 | 101.5 | ||
| ※耕作放棄地面積・割合(ha・%) |
- |
2,759ha・14.5%(H18) |
- |
||
| 農産物産出額(億円) | 523 | 463 | 88.5 | ||
| 米穀類 | 71 | 63 | 88.7 | ||
| 園芸 | 414 | 364 | 87.9 | ||
| 果実 | 234 | 215 | 91.9 | ||
| 野菜 | 54 | 44 | 81.5 | ||
| 花き | 20 | 16 | 80.0 | ||
| きのこ | 105 | 89 | 84.8 | ||
| 畜産 | 24 | 22 | 91.7 | ||
| その他 | 14 | 14 | 100.0 | ||
(資料:農林水産省2000・2005年農林業センサス・農業産出額調査、※「耕作放棄地面積」はH18年農業資源調査)
| 2 農業農村振興の重点的な取り組み方向 |
【長野地域の目指す方向】
農家所得向上と地域農業の活性化のため、長野地域の全域で取り組まれている「おやき」ビジネスをモデルに、地域の特産品を活かした新たな農業農村ビジネスの創出し、農業経営の多角化を目指します。また、古くからの園芸産地である善光寺平地域では県オリジナル品種導入など果樹を中心とした活力ある農業 を進め、山間部地域は地域特性を活かした都市との交流による農村の活性化を推進します。
(1)重点推進方策
| 重点推進方策 | 具体的な取り組み方向 |
| 善光寺平の「売れる」果樹産地づくり | (1)
りんご産地の再構築を図るため県オリジナル品種の“りんご3兄弟”「シナノスイート」「シナノゴールド」「秋映」の早期産地化を進め、「ふじ」に偏重した品種構成の適正化により競争力を高めます。
(2) ぶどう産地の活性化を図るため県オリジナル品種「ナガノパープル」の他、「ピオーネ」など市場評価の高い品種の導入を支援し、「巨峰」への偏重から品種のバラエティー化を進め売れるぶどう産地づくりを目指します。 |
| 西山地域等の中山間地域の活性化の推進 | (1)
長野地域の旬や自然を感じられる「野菜産直ボックス」の取組など消費者と直結した農産物の生産・販売やおやき、西山大豆の豆腐など地域農産物の加工による高付加価値化など、中山間地域の郷土食や伝統作物を活かした農業を推進します。
(2) 中山間地域の農村資源や魅力を活かしたグリーン・ツーリズムを促進するため、小・中学生の農家民宿体験や修学旅行の受入れ体制の整備、体験学習指導者の確保・育成を支援し、都市と農村との交流に取り組み、地域農産物の販路拡大など農業経営の多角化を図ります。 (3) 遊休農地の解消とその活用を図るため、全市町村において遊休農地解消計画の策定を推進するとともに、異業種からの農業参入や農業公社設立による遊休農地の活用などの各地の新たな取組みによる遊休農地解消計画の実践に向けた活動等を支援します。 (4) 高齢者や女性が栽培しやすい山菜・ブルーベリーなど軽量・省力作物の導入を進め、山間地での遊休農地の発生を防ぎ、「中山間地域農業直接支払事業」等の活用により中山間地の農村集落の活性化を支援します。 |
| 地域農業を担う多様な担い手や集落営農組織の育成 | (1)
市町村、農業協同組合、市町村営農支援センター等の関係機関の連携強化による認定農業者の確保・育成に向けた活動の促進、女性農業者や定年退職者を対象とした農業塾・地域・学校等が一体となった農業体験による次世代の担い手育成・確保の取組みなどを支援します。 (2) 集落営農を推進するため、関係機関・団体と連携を進めます。集落の合意形成に向けた取組みやリーダー育成等を支援します。 |
| 地域の特産品を活かした農業・農村ビジネスの創出 | (1)
各地の風土や食文化により育まれたおやき・ぶっこみ等の郷土食の継承と食育への積極的な活用を進めます。 (2)「ねずみ大根」等の伝統野菜、うどん用小麦の「ユメセイキ」、こだわりのある牛乳、地鶏の「信州黄金シャモ」やめん羊の「サフォーク」等の地域ブランドの生産拡大とこれらの特産品を活かした加工販売など新たな農業ビジネスの創出を支援します。 (3) 地域の特色ある農畜産物や加工品を生産する農業者グループと食品業界の協働による商品開発や観光農園、レストラン・ホテル等と連携した結びつきの強化による販路拡大、地産池消の推進を図ります。 |
(2)達成指標
@ 生産努力目標
| 主要品目 | 基準年 (H17年) |
目 標 (H24年) |
H24/H17 (%) |
推進方向 | |
| 水稲 | 作付面積(ha) | 4,420 | 4,000 | 91 | ○特別栽培米など特徴ある高付加価値米の生産流通体制づくりを支援
○直播栽培の普及推進による経営の効率化・省力化
|
| 10a収量(kg) | 607 | 563 | 93 | ||
| 生産量(t) | 26,900 | 22,500 | 84 | ||
| 生産額(百万円) | 5,980 | 5,230 | 88 | ||
| りんご | 作付面積(ha) | 3,940 | 3,772 | 96 | ○「ふじ」に偏重した品種構成の適正化、りんご3兄弟「シナノスイート」「シナノゴールド」「秋映」の生産拡大の推進 |
| 10a収量(kg) | 2,046 | 2,190 | 107 | ||
| 生産量(t) | 80,600 | 82,613 | 103 | ||
| 生産額(百万円) | 12,171 | 12,227 | 101 | ||
| ぶどう | 作付面積(ha) | 1,020 | 1,028 | 101 |
○「巨峰」に偏重した品種構成の適正化、「ナガノパープル」「ピオーネ」の生産拡大の推進
○高品質、生産安定、適正な労働力配分と長期出荷を図るため、新品種導入と施設化の推進 |
| 10a収量(kg) | 1,324 | 1,334 | 101 | ||
| 生産量(t) | 13,500 | 13,710 | 102 | ||
| 生産額(百万円) | 4,982 | 5,265 | 106 | ||
| アスパラガス | 作付面積(ha) | 174 | 177 | 102 | ○県オリジナル品種「どっとデルチェ」導入と栽培技術向上による単収増加
○生産振興プロジェクトの推進による品質向上及び単収の増加 |
| 10a収量(kg) | 229 | 308 | 135 | ||
| 生産量(t) | 398 | 545 | 137 | ||
| 生産額(百万円) | 277 | 354 | 128 | ||
| トルコギキョウ | 作付面積(ha) | 16 | 17 | 106 | ○県産オリジナル品種の作付け推進
○抑制作型導入による出荷期間の拡大 ○鮮度保持輸送の拡大による高温期の市場評価の向上 |
| 10a収量(本) | 29,468本 | 29,000本 | 98 | ||
| 生産量(千本) | 5,710千本 | 6,196千本 | 109 | ||
| 生産額(百万円) | 425 | 477 | 112 | ||
A 施策達成目標
| 指標項目 | 基準年 (H17年) |
目 標 (H24年) |
H24/H17 (%) |
推進方向 |
| 新規就農者(人/年) | 18人 | 25人 | 139 | ○就農相談会等の実施による支援 |
| 認定農業者数 | 764人 | 830人 | 109 | ○経営改善計画の作成支援 |
| 集落営農組織 | 4組織 | 54組織 | 1,350 | ○集落の合意形成活動等を支援 |
| りんご3兄弟栽培面積 | 329ha | 700ha | 213 | ○「ふじ」に偏重した品種構成の適正化 |
| ナガノパープル栽培面積 | 8ha | 45ha | 563 | ○「巨峰」に偏重した品種構成の適正化 |
| 販売金額5千万円以上の直売所数 | 8箇所 | 15箇所 | 188 | ○直売組織の運営能力向上、情報発信機能の強化を支援 |
| 農産加工グループ数 | 27グループ | 29グループ | 107 | ○新たな農業ビジネスの創出に向けた個性豊かな農産加工品(グループ)づくりの支援 |
| エコファーマー認定者 | 317人 | 1,500人 | 473 | ○環境にやさしい農業を進めるため地域ぐるみの認定取得支援 |
| 都市農村交流人口 | 34,600人 | 38,000人 | 110 | ○多様な交流メニューの実現のための受入れ体制の整備、体験学習等の指導者の確保・育成を支援 |
| 遊休農地の解消面積 |
- |
250ha (H23年) |
- |
○市町村が策定する解消面積目標の達成支援 |
(3)取り組み方向
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